ファクタリングと銀行融資の違いは?それぞれのメリットとデメリットを解説
目次
ファクタリングと銀行融資のどちらを選ぶべきか、悩む方もいるでしょう。
どちらも企業の資金調達方法として有名ですが、それぞれ性質が異なります。
ファクタリングと銀行融資の各メリットとデメリットを踏まえ、それぞれの違いを知りましょう。
以上を学べば、企業にとっての理想の資金調達方法がわかります。
今回は資金調達にお悩みの事業者へ、ファクタリングと銀行融資の違いをまとめました。
ファクタリングのメリット
ファクタリングのメリットは、資金調達のしやすさです。
企業の経営状態がよくなくても、売掛金を買い取ってもらえるかもしれません。
銀行融資の場合、企業の経営状態がよくないと、支払い能力を疑われて審査に通過できないでしょう。
しかしファクタリングではそのようなリスクを抑えられます。
ファクタリングは売掛金を専門業者に売却することです。
特定の資産を買い取ってもらうだけなので、企業に返済義務は生じません。
さらにファクタリング業者によっては、即日入金も可能です。
申し込んだその日に売掛金の売却額を振り込んでもらえるので、資金繰りの改善につなげやすいといえます。
ファクタリングは銀行融資と違い返済義務がないため、スムーズな資金調達が可能です。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングで注意すべきデメリットは、手数料です。
売掛金を譲渡すると、相当額から一定の割合で差し引かれます。
手数料の割合は銀行融資と比べて割高なので、企業によっては損と感じるでしょう。
ファクタリングの手数料の相場は、1~20%です。
初回利用時は手数料が高い傾向なので、売掛金からの差引額も大きいでしょう。
手数料の対策として、ファクタリングの依頼先の比較検討をしてください。
業者同士のサービス内容を比べれば、手数料のより安いところがわかります。
またオンラインでファクタリングに応じる業者は、手数料が安い傾向です。
自宅やオフィスから、PCやスマートフォンを通してアクセスできるため、手続きも容易でしょう。
ファクタリングは銀行融資より手数料が高いかもしれません。
そのため利用するなら、なるべく手数料の安い依頼先を探してください。
銀行融資のメリット
銀行融資のメリットは、まとまった資金調達ができて、計画的に返済できることです。
企業経営ではさまざまな経費が想定され、支払いに対して手元の資金が足りないかもしれません。
そこで銀行融資を受ければ、経費のカバーが可能です。
また新しい事業や設備導入などにも対応できるでしょう。
計画的に返済できる点も、銀行融資の強みです。
融資を受ければ、多くの場合数年単位で分割返済を行います。
無理のない返済計画を組めば、金銭的負担をコントロールしながら、お金を返していけるでしょう。
融資では毎月一定の金利がかかるため、借りた分に加えて利息も払わなければいけません。
このような注意点はありますが、まとまった資金を一度に借り、計画的に分割返済できるのが銀行融資の魅力です。
銀行融資のデメリット
銀行融資のデメリットは、資金的なリスクです。
一度銀行融資を受けると、借りた分だけでなく、金利に応じた利息も払わなければいけません。
企業の場合、経営悪化で返済金を用意できないことがあります。
返済遅延を避けるために、返済計画を慎重に組み、責任感のある資金管理を続けてください。
返済期限を破ると、さまざまなペナルティが生じます。
たとえばある月の返済期限までに、一定額を払えないと遅延損害金が発生し、出費が大きくなるので要注意です。
返済が滞ると金融機関から一括返済を要求されたり、担保を差し押さえられたりするでしょう。
加えて支払い遅延や滞納は信用機関に記録されるので、以後の融資を受けにくくなります。
以上から銀行融資を決めたら、経営状況にも配慮しつつ、無理のない返済計画を組まなければなりません。
ファクタリングと銀行融資の違い6つ
ファクタリングと銀行融資の違いを紹介します。
ともに資金調達方法として有名ですが、それぞれ性質が異なるので、以下の6つの違いを確かめてください。
1.返済の有無
2.審査方法の違い
3.取引先の不渡りによる損害リスクの有無
4.売掛金の扱い方の違い
5.小規模事業者の利用のしやすさ
6.資金調達の早さの違い
1.返済の有無
最初の違いは返済の有無です。
ファクタリングは売掛金の買い取りで、担保には用いません。
そのため返済義務がなく、資金の使い道は自由です。
業者にお金を返さなくてよければ、企業も安心して利用できるでしょう。
銀行融資を利用すると、企業に返済義務が生じます。
返済期間は1か月~10年程度と広いのですが、その間は慎重な資金管理が大事です。
毎月の返済額が経費になるため、企業の金銭的負担も大きくなります。
返済が滞ると金融事故とみなされ、以後の融資を受けにくくなるため、経営にも影響が及ぶでしょう。
銀行融資は返済が必要なのに対し、ファクタリングでは不要なので企業の負担が少ないといえます。
2.審査方法の違い
次に注目すべきなのが、審査対象の相違点です。
ファクタリングは売掛金について、取引先の支払い能力が重視されます。
業者は売掛金を買い取ったあと、取引先から本来の支払い金を回収するからです。
以上から企業ではなく、売掛金を出した取引先の信用力が欠かせません。
一方銀行融資は、企業の信用力が問われます。
企業が金融機関に返済しなければいけないため、経営状況が優先的にチェックされるのです。
仮に経営状況がよくないと、返済能力がないとみなされ、融資を断られるかもしれません。
金融機関は社会的信用を守らなければいけないため、依頼企業の実態を厳しく調べます。
以上からファクタリングは売掛金の取引先、銀行融資は依頼企業の信用力がポイントです。
3.取引先の不渡りによる損害リスクの有無
次の違いは、取引先の不渡りによるリスクです。
一般的に債権の譲渡後に取引先が支払い期限を破ると、債務不履行になります。
この場合、譲渡先が償還請求権を行使して、取引先の未払い分を企業に請求できるのです。
ファクタリングは償還請求権なしでの契約が原則なので、企業は取引先の不渡りによる損害リスクを負いません。
売掛金を譲渡できれば、取引先の債務不履行による損害をファクタリング業者がカバーします。
一方銀行融資によっては、割引手形を用います。
企業が金融機関に手形を譲渡し、支払い期日前に換金できるしくみです。
しかし手形の対象の取引先が不渡りを出すと、企業は金融機関へ未払い分を払わなければいけません。
一方ファクタリングは銀行融資と違い、取引先の債務不履行が起きても、企業が損害リスクを負わないのです。
4.売掛金の扱い方の違い
次のポイントは、売掛金の扱い方です。
ファクタリングは売掛金を買い取ってもらうため、所有者が企業から業者へ移ります。
つまり商品の売却と同様に、売掛金を業者に買い取ってもらうだけです。
シンプルなプロセスにより、円滑な資金調達ができます。
一方銀行融資でABLを利用した場合、企業は売掛金を担保に出す形です。
企業の返済が滞ると、金融機関が売掛金を差し押さえ、そこから未返済額を払わなければなりません。
ABLの金利は、ファクタリングの手数料より安い傾向ですが、返済計画を慎重に組む必要があります。
売掛金の差し押さえを取引先に知られると、ビジネス上の関係性も悪化するかもしれません。
以上からファクタリングは売掛金の買い取りですが、銀行融資は売掛金が担保対象になりえます。
5.小規模事業者の利用のしやすさ
ファクタリングと銀行融資は、小規模事業者にとっての使いやすさが違います。
ファクタリングは小規模事業者でも利用しやすいでしょう。
業者によっては審査通過率が高く、個人事業主でも売掛金を買い取ってもらえます。
事業規模に関係なく利用できるのが、ファクタリングの強みです。
一方銀行融資は事業規模が小さいと、利用できない可能性があります。
融資の審査の判断材料は、企業の事業実績や財務状況などです。
中小企業や個人事業主は、事業実績や財務状況などの一定条件を満たしにくいといえます。
そのためファクタリングより審査通過率で劣るでしょう。
小規模事業者の資金調達ではファクタリングが推奨されます。
6.資金調達の早さの違い
資金調達の早さも、ファクタリングと銀行融資で違います。
ファクタリングは業者次第で、即日入金を受けられます。
申し込み後の審査が短時間で終われば、売掛金の買い取り、ひいては代価の入金まで1日で完結する形です。
申請日に入金を受けられれば、資金の見通しを立てやすいでしょう。
しかし銀行融資は即日入金を期待できません。
金融機関は依頼企業に対し、数日~数週間をかけて審査するからです。
そのためすぐに資金がほしくても、短期間での融資は望めないでしょう。
支払いが迫っていて、早期の資金調達を求めるならファクタリングがおすすめです。
資金調達ならファクタリングがおすすめ
企業の負担をかけずに資金調達するなら、ファクタリングが推奨されます。
売掛金の買い取りにより、返済義務を負わずに資金を手に入れられるからです。
銀行融資と違い、即日入金の可能性もあります。
企業にとっては恵まれた条件で、まとまった資金を得られるでしょう。
また銀行融資を断られた企業も、ファクタリングなら審査通過できるかもしれません。
業者が柔軟に対応するため、ファクタリングは資金調達の手段として魅力的です。
ファクタリングと銀行融資の違いのまとめ
ファクタリングは銀行融資より、依頼先が柔軟に対応しやすいでしょう。
一部業者は即日入金が可能であるほか、返済義務がないため、手軽に資金調達できます。
売掛金の譲渡後に取引先が債務不履行を起こしても、企業は損害責任を負いません。
企業の経営上のリスクを避けながら、まとまった資金を手に入れられるのです。
以上から早期の資金調達を求める場合、ファクタリングで売掛金を換金するとよいでしょう。