ファクタリング活用法

ファクタリングの利用シーンにはどんなものがある?ファクタリングの適正な利用シーン8つを紹介

ファクタリングは売掛債権をファクタリング事業者に買取してもらい、その代金を受け取ることで、売掛金の入金期日より前に売掛債権を現金化できるサービスです。

ファクタリングの仕組みや特徴を知れば、ファクタリングの利用シーンを見極めることができます。

この記事では、ファクタリングの利用シーンを知りたいという経営者のために、ファクタリングの利用シーンとしてふさわしい8つの状況と、その理由を紹介します。

ファクタリングの適正な利用シーン8つ

ファクタリングの利用シーンとして適正なものは次8つです。

・回収サイトの短縮
・急な資金調達
・希望額の資金を調達したい
・借入以外の方法で資金調達したい
・バランスシートのスリム化を図りたい
・売掛先の入金遅れや売掛金未回収のリスクを軽減したい
・資金使途を明確にせず、自社のニーズに合わせて柔軟に活用したい
・与信管理の業務を軽減したい

それぞれの利用シーンについて具体的な内容、ファクタリングが使える理由などを説明します。

回収サイトの短縮

ファクタリングの適正な利用シーンとしては回収サイトの短縮があります。

回収サイトは取引が完了してから売掛金が入金されるまでの期間です。取引完了から入金までが90日なら回収サイトは90日になります。

回収サイトが長ければ、その間に賃料や人件費、材料費などの支払いがあり資金が不足するいわゆる資金ショートの問題が発生する可能性が高いです。

ファクタリングは、すでに説明したように売掛金の入金期日前に売掛債権を現金化できるので、回収サイトが90日ならば、90日より前に資金調達が可能です。

回収サイトが短縮できれば、資金繰りに余裕が持てるようにもなります。

資金ショートを避けたい、資金繰りに余裕を持ちたいという方は、回収サイトの短縮を目的にファクタリングをしてください。

製造業や建設業、運輸業やシステム開発など回収サイトが長い業種は、売掛金が入金されるまで長く待つ必要があるので、その間の資金繰りに悩むことがあります。

そうした業界・業種の方で資金繰りの悩みがあるなら、注文書ファクタリングがおすすめです。

注文書ファクタリングは、請求書ベースのファクタリングではなく、支払企業から受け取った注文書(発注書)を将来発生する売掛債権(将来債権)の証拠として、ファクタリングできるサービスです。

従来のファクタリングよりもさらに回収サイトを短縮できるので、次の案件受注に必要な資金が足りない、回収サイトを短縮したいという利用シーンで有効的に活用できます。

急な資金調達

ファクタリングの適正な利用シーンは、急に資金調達が必要という場面での活用です。

中小企業や個人事業主は急な資金調達を必要とする場合があります。想定されるシーンには次のものがあります。

・急いで資金を集めて資金ショートを回避したい
・大型案件を受注したが、それを納品するために必要な材料、設備を整えるために資金が必要
・次の案件を受注するために必要な人材確保のための資金が欲しい

こうした状況では、急ぎの資金調達が必要です。

急いで資金が必要という利用シーンでは、ファクタリングサービスの中でも、オンラインですべての手続きが完結できるオンラインファクタリングをおすすめします。

オンラインファクタリングは、申し込んだ日の即日審査・即日入金に対応している事業者がいくつもあるので、申し込んだその日、もしくは翌日には資金調達が完了できるからです。

希望額の資金を調達したい

希望額の資金を確実に調達したいという需要があれば、それもファクタリングの適正な利用シーンです。

融資や投資家からの支援、クラウドファンディングといった資金調達手段では、調達できた資金の額が希望額に達しないことがあります。

ファクタリングの資金調達額は、保有している売掛債権の額面により決まります。したがって、希望額以上の売掛債権があれば、ほぼ確実に希望額の資金調達が可能です。

希望額の資金調達をファクタリングでおこなう場合、ファクタリング事業者が設定している買取可能額の上限に注意してください。

銀行やノンバンクが親会社として運営に携わっているファクタリング事業者は、資金力があるので、買取希望額が数千万円、もしくは数億円という金額でも対応可能です。

しかし、ファクタリング事業者の中には、資金力ゆえに高額債権の買取には対応していないところがあります。したがって、調達したい資金の希望額が高額の場合、それに応じたファクタリング事業者を選ぶ必要があります。

借入以外の方法で資金調達したい

銀行やノンバンクからの借入以外の方法で資金調達したいというニーズがあれば、それもファクタリングの適正な利用シーンになります。

ファクタリングは、売掛債権という資産をファクタリング事業者に売却する債権譲渡契約です。

借入の際に契約する金銭消費貸借契約ではありません。金銭消費賃借契約なら、返済義務と金利負担つまり利率がかかります。

しかし、ファクタリングは借入ではないので、利率が発生する、返済義務を負うということはありません。

銀行やノンバンクからの借入をこれ以上増やして会社のキャッシュフローを悪化させたくないという状況であれば、ファクタリングを利用してください。

バランスシートのスリム化を図りたい

ファクタリングを利用すればバランスシート(賃借対照表)のスリム化が図れるので、それもファクタリングの適正な利用シーンになります。

ファクタリングは会計上の負債にならないだけではなく、ファクタリングで得た現金を使って会社の残っている負債を返済することが可能です。

会社の負債を返済すれば、バランスシートのスリム化が図れます。

財務状況が健全化すれば、将来、融資を依頼するときや投資家に支援を依頼するときに、審査に通過しやすい、支援を取り付けやすいという効果が期待できるでしょう。

売掛先の入金遅れや売掛金未回収のリスクを軽減したい

売掛先の入金遅れや売掛金未回収のリスクを軽減したいというニーズがあれば、それもファクタリングのふさわしい利用シーンになります。

ファクタリングはファクタリング事業者に売掛債権を買取してもらい、売掛債権を現金化する方法なので、入金期日より前に確実に資金を手にすることが可能です。

したがって、ファクタリングを利用すれば、ファクタリングの対象となった売掛先については入金遅れや売掛金の未回収を心配する必要がなくなります。

売掛金の入金遅れ、未回収のリスクが軽減できれば、取引先の倒産の影響を受けて自社が倒産する連鎖倒産、売上があるのに支払いができないことで起こる黒字倒産などのリスクも軽減されます。

したがって、連鎖倒産・黒字倒産のリスクマネジメントもファクタリングの利用シーンといえるでしょう。

万が一、ファクタリングの対象となった売掛先が倒産し売掛金の支払いができなくなった場合でも、利用企業が倒産した売掛先の代わりに、弁済責任を負うということはありません。

通常、ファクタリングの契約は償還請求権のないノンリコース契約です。ノンリコース契約であれば、売掛先の倒産などでファクタリング事業者が損害を被っても、ファクタリング事業者は利用企業に弁済責任を追及することはできません。

資金使途を明確にせず、自社のニーズに合わせて柔軟に活用したい

資金を自社のニーズに合わせて柔軟に活用したいという意向があれば、それもファクタリングをおすすめする利用シーンです。

一般的に融資や投資家からの支援を受ける場合「資金使途」として資金の用途を明確にしなければなりません。

さらに、設備投資の目的で融資してもらった資金を無断で運転資金に使うなど、当初設定した資金使途以外の方法で資金を使えば資金使途違反となります。

資金使途違反になれば、融資を受けた金融機関からの追加融資を受けるのは困難です。

したがって、資金使途の変更をする場合は、金融機関の担当者へ相談しなければなりません。

一方、ファクタリングは申し込みの際に、資金使途を明確に設定する必要はありません。ファクタリングで得た資金は利用企業のニーズに合わせ自由に使えます。ファクタリング事業者から資金使途違反の指摘を受けることもないです。

与信管理の業務を軽減したい

与信管理業務の軽減もファクタリングの適正な利用シーンになります。

与信管理とは、取引がある売掛先各社について売掛金の支払い能力があるかどうかを自社で定期的にチェックする業務です。

取引先の情報を収集し、信用力やその動向を分析予測しながら、取引額を調整して売掛金を回収できるよう管理することです。

倒産する可能性が低い安全な取引先には、与信を大きくして取引を拡大していき、一方で信用力に不安がある取引先に対しては、与信を絞って取引を小さくします。

ファクタリングを申し込めば、対象となる売掛先については、ファクタリング事業者が支払い能力を審査します。

したがって、ファクタリングを使えば特定の取引先について、与信審査の業務を軽減することが可能です。

さらに、3社間方式のファクタリング契約であれば、ファクタリング事業者が売掛金回収をおこないます。ですから、売掛金回収業務の軽減も可能です。

ファクタリングの利用シーンについてのまとめ

この記事では、ファクタリングの適正な利用シーン8つを紹介しました。

ファクタリングの仕組みを上手に活用することで、回収サイトの短縮、急ぎの資金調達、融資以外の資金調達手段の確保といった利用シーンで使うことができます。

さらに、資金使途に縛られず自由に資金を使いたい、売掛金の入金遅れや未回収のリスクを減らしたいという目的でも使うことが可能です。

ファクタリングの特徴を理解し、適正な利用シーンでファクタリングを使えば、資金繰りの悩みを効果的に解決できるでしょう。