ファクタリング情報

ファクタリングは病院をはじめとする医療機関の資金調達方法としても有効!

病院が利用できるファクタリングとは?

ファクタリングは、中小企業や個人事業主から人気を集めている資金調達方法です。
主に、銀行融資の審査に通過することが難しい方や、素早く資金調達を行いたい方から重宝されています。
では、なぜファクタリングは病院をはじめとする医療機関にもおすすめなのでしょうか。
本章では、一般的なファクタリングと病院が利用できるファクタリングについて解説していきます。

一般的なファクタリングの概要

一般的なファクタリングは、利用者の売掛債権をファクタリング会社が買取る仕組みです。
掛け取引において発生した売掛債権をファクタリング会社に売却することで、利用者は早期に売掛金を現金化できます。
契約方法は、利用者とファクタリング会社で取引を行う「2社間ファクタリング」と売掛先も取引に参加する「3社間ファクタリング」の2種類があります。
契約方法による違いは以下の通りです。
 2社間ファクタリング:最短即日の素早い資金調達が可能。ただ、手数料が高くなりやすい。
 3社間ファクタリング:ファクタリングの利用に際して売掛先から承認を得る必要があるため、資金調達までに時間がかかる。ただ、手数料は安くなりやすい。

資金調達までに時間がかかりやすい3社間ファクタリングでも、1週間ほどで資金調達を行うことが可能です。
一般的なファクタリングでは素早く資金調達できるため、資金繰りの改善や急な支払いなどに活用できます。

病院が利用できるファクタリングの概要

病院が利用できるファクタリングは「医療ファクタリング」と呼ばれるものです。
一般的なファクタリングの買取対象は「売掛債権」であるのに対し、医療ファクタリングの買取対象は「診療報酬債権」となります。
診療報酬債権とは、診察時に受け取れる料金のうち社会保険診療報酬支払機関(社保)・国民健康保険団体連合会(国保)に対して請求する診療報酬のことです。
病院は、全体の診察料金のうち1割~3割しか患者さんから受け取りません。
残りの料金は、社保や国保に請求をして受け取る仕組みとなっています。
一般的には、請求をしてから2ヵ月~3ヵ月後に残りの診察料金を受け取ることができますが、社保・国保が行う審査がスムーズに進まなければ、再度請求をやり直さなければいけないケースもあります。
そのため、一般的なファクタリングの買取対象である「売掛債権」よりも、支払いサイトが長期化してしまうことも珍しくありません。
運転資金が少ない病院であれば、支払いサイトが原因で資金繰りが悪化してしまうこともあるでしょう。
しかし、医療ファクタリングを活用すれば、社保・国保から残りの診察報酬を受け取れる権利である「診察報酬債権」を早期に現金化できます。

医療ファクタリングの種類

医療ファクタリングは、病院以外でも社保や国保に診察報酬を請求しているところであれば利用できます。
ただ、債権の種類によってファクタリングのサービス名が異なります。
本章では、医療ファクタリングの種類について解説していきます。

その1. 診療報酬ファクタリング

診療報酬ファクタリングとは、病院や医療クリニックなどが保有する「診療報酬債権」を現金化できるファクタリングです。
社保や国保に診察料金を請求できる権利である「診療報酬債権」をファクタリング会社に売却することで、早期に現金を受け取ることができます。
資金繰りに困っている場合や、設備投資に充てる資金を確保したい場合などに活用されています。

その2. 介護報酬ファクタリング

介護報酬ファクタリングとは、介護施設などが保有する「介護報酬債権」を現金化できるファクタリングです。
介護施設や福祉施設は、利用者の自己負担以外の金額を国民健康保険団体連合会に請求します。
通常であれば、申請から受け取りまで2ヵ月ほどかかってしまいますが、介護報酬ファクタリングを利用すれば、わずか1週間ほどで介護報酬債権を現金化することができます。
介護施設の開業直後など、資金繰りが苦しいケースにおいて活用されています。

その3. 調剤報酬ファクタリング

調剤報酬ファクタリングとは、調剤薬局が保有する「調剤報酬債権」を現金化できるファクタリングです。
調剤薬局も病院や介護施設と同様に、保険適用分の代金を受け取るまでに申請から2ヵ月ほどかかります。
しかし、調剤報酬ファクタリングを活用すれば、調剤報酬債権を早期に現金化することができ、医薬品の購入等に活用できます。

病院が医療ファクタリングを利用する5つのメリット

病院をはじめとする医療機関は、医療ファクタリングを活用することで資金の柔軟性を高めることができます。
いざという時の利用から計画的な利用まで、様々なケースで活用することが可能です。
本章では、病院が医療ファクタリングを利用するメリットについて解説していきます。

メリット①:診断報酬債権を早期に現金化できる

病院は、医療ファクタリングを活用することで、診断報酬債権を早期に現金化できます。
先ほども述べたように、診断報酬債権は国保・社保に申請を行ってから受け取りまでに2ヵ月ほどの期間を要します。
経営が良好であれば、その間の運転資金を賄うことはできますが、そうでない場合は資金繰りが苦しくなる可能性があります。
しかし、医療ファクタリングを活用して診断報酬債権を早期に現金化すれば、資金繰りを改善できます。
また、一般的に医療ファクタリングでは、申し込みから1週間ほどで資金調達を行えるため、急な支払いなど、突発的な出費に活用することも可能です。

メリット②:審査通過率が高い

医療ファクタリングは、一般的なファクタリングよりも審査通過率が高い傾向にあります。
審査落ちしてしまうことはほとんどないため、医療ファクタリングを利用して資金調達できない可能性は極めて低いといえるでしょう。
その理由としては、ファクタリングの審査基準が大きく影響しています。
融資やカードローンなど、一般的な資金調達方法の審査では「利用者」の返済能力が重視されます。
そのため、債務超過や赤字決算など、信用情報に問題を抱えている方が審査に通過することは難しい状況にあります。
しかし、ファクタリングの審査では「売掛先」の信用力が重視されるため、利用者が何らかの問題を抱えている場合でも、売掛先の信用力が良好であれば利用可能です。
特に医療ファクタリングの場合、売掛先は信用力が高い社保・国保になります。
ファクタリング会社側が、売掛先の倒産や経営悪化によって売掛金を回収できないという事態が発生するリスクはないに等しいため、おのずと医療ファクタリングの審査通過率は高くなるのです。

メリット③:手数料が安い

医療ファクタリングを利用する際、審査対象となるのは国が運営している社保・国保になります。
社保・国保は、一般企業のように経営悪化や倒産リスクがないため、診療報酬債権が未回収になる可能性はありません。
従って、病院などに医療ファクタリングを提供するファクタリング会社は、ノーリスクで利益を上げることができるのです。
そのため、一般的なファクタリングと比較して、手数料が安い傾向にあります。
「手数料が高い」というイメージが強いファクタリングですが、医療ファクタリングの場合は融資を受ける際の金利よりもコストを抑えられる可能性が高いです。

メリット④:売掛先への通知による影響がない

医療ファクタリングでは、主に3社間ファクタリングが採用されています。
そのため、売掛先である社保・国保にファクタリングを利用する旨を通知する必要があります。
一般的なファクタリングの場合、売掛先への通知は取引先との関係性悪化につながってしまう可能性があります。
なぜなら、「ファクタリングを利用しなければいけないほど、資金繰りが悪化しているのか?」と疑念を抱かれるからです。
しかし、医療ファクタリングを利用する際の売掛先である社保・国保は、国が運営する機関なので一般的なファクタリングのようなリスクがありません。
このように、医療ファクタリングでは売掛先への通知による影響がないため、安心して利用することができます。

メリット⑤:調達した資金の使用用途が自由

医療ファクタリングで調達した資金の使用用途は自由です。
設備投資などの利益につながるような用途だけでなく、事務所の家賃や人件費など、運転資金の補填にも活用できます。
一方融資の場合は、基本的に調達した資金の使用用途が決められています。
設備投資という名目で資金調達を行った場合、運転資金の補填や急な支払いに活用することはできません。
医療機器の故障など、急な出費に関しては医療ファクタリングの方が適しているといえるでしょう。

医療ファクタリングを利用する際の注意点

医療ファクタリングは、資金繰りが難しい病院に適した資金調達方法です。
支払いサイトが長い、医療機器の故障で高額な出費が発生するなど、病院が抱える様々な悩みを解決に導いてくれます。
ただ、利用する際はいくつか注意しなければいけない点が存在します。
本章では、医療ファクタリングを利用する際の注意点について解説していきます。

注意点①:手数料がかかる

医療ファクタリングを利用する際は、必ず手数料が発生します。
一般的なファクタリングと比べて手数料率は低いものの、手数料によって本来の受取金額が少なくなってしまうことに変わりはありません。
医療ファクタリングは、できるだけ低い手数料で利用することが望ましいため、複数のファクタリング会社で相見積もりを取るようにしましょう。

注意点②:ファクタリングに依存してしまう可能性がある

医療ファクタリングを利用することで、数か月先の予定だった診療報酬を前倒しで受け取ることができます。
ただ裏を返せば、本来の予定日には診療報酬を受け取ることができないということです。
そのため、医療ファクタリング利用後、次の診療報酬の受取日までの期間に資金繰りが苦しくなってしまい、継続的に医療ファクタリングに頼らざるを得ない状況になってしまう可能性があります。
先ほども述べたように、医療ファクタリング利用時は必ず手数料が発生するため、継続的な利用は資金繰りに悪影響を及ぼします。
このことから、医療ファクタリングは計画的に利用することが重要だといえるでしょう。

ファクタリングは病院をはじめとする医療機関の資金調達方法としても有効!のまとめ

今回は、病院が利用できる「医療ファクタリング」の概要や、メリット・注意点について解説させていただきました。
医療ファクタリングは、資金繰りの改善や運転資金の確保に効果的な資金調達方法です。
しかし、利用方法を間違えれば、資金繰りを悪化させてしまう恐れもあります。
医療ファクタリングを利用する際は、利用期間や現金化する金額など、計画を立てることが重要となります。