ファクタリング情報

ファクタリングのスキームを理解して資金調達につなげよう!詳しく解説

目次

ファクタリングを利用したい方には、スキームが今ひとつわからない場合もあるでしょう。利用を検討するには、基本的なしくみを知ってください。2社間と3社間の2種類があり、形式ごとにしくみが異なります。

今回はファクタリングの利用を想定する事業者のために、そのスキームについてまとめました。2社間と3社間による流れの違いや、利用時の注意点なども確かめてください。

これを読めばファクタリングが必要になったとき、そのしくみを踏まえながら適切に対応できます。

ファクタリングのスキームとは資金調達のしくみのひとつ

ファクタリングのスキームとは、事業者による資金調達のしくみです。スキームに関しては、英語で「計画」「案」などを意味する「scheme」が由来になります。

ビジネスシーンでは上記の2つに加え「枠組み」という意味合いもあるので、多くの企業で使われる言葉です。以上からファクタリングのスキームとは、資金調達の方法やプロセスを指します。

つまり事業者が売掛金を使って資金を手に入れることです。これにより取引先の支払期日より前に、必要なお金を手に入れられるでしょう。たとえば9月30日が支払期限の場合でも、ファクタリングによって数日や数週間前に支払額を手に入れられます。

このスキームをうまく活用すれば、取引先と決めた支払期日より早く、支払額を得られるでしょう。

ファクタリングによる債権譲渡は民法第466条で認められている

ファクタリングは、法的にも認められた資金調達スキームです。民法第446条により、債権は譲り渡せます。資産の一種なので、譲り渡せば代価としてお金を受け取れるしくみです。以上から、事業者を相手にファクタリングをする会社があります。

債権を譲り受けたことで、ファクタリング会社が事業者に代わり、取引先に支払いを請求できるしくみです。ビジネスでの取引において、支払う相手は債権を持った人になります。

ファクタリングに限らず特段の事情で債権が移ることもあり、状況によっては支払う側がそれに対応しなければなりません。このように事業者は資金調達の目的で債権譲渡が可能で、その形式のひとつがファクタリングになります。

ファクタリングのスキームは2種類ある

ファクタリングには、2社間と3社間という2つの形式があります。形式によってスキームが異なる点に注意しましょう。

たとえばファクタリング会社から売掛金を払ってもらったあと、取引先は2社間契約だと事業者に、3社間契約ではファクタリング会社に払います。このように契約形態によって、スキームが異なるのです。

それぞれのしくみについて、わかりやすく解説します。

2社間ファクタリングの流れ

2社間ファクタリングでは、事業者とファクタリング会社が直接契約を結びます。事業者が申し込み、契約を成立させると入金を受けるしくみです。

取引先から受け取った売掛金は、ファクタリング会社へ渡さなければなりません。その流れを、以下で詳しく見ていきましょう。

申し込みから審査まで

2社間ファクタリングの場合、事業者は最初に申し込んだあと、審査を受けなければなりません。申し込む際は必要事項の記入が必要です。依頼先により異なりますが事業者の会社の所在地、電話番号などの基本事項などが当てはまります。

さらに金融機関からの借り入れや返済、税金や保険料の滞納がないかなどの財務状況も申告しましょう。また対象となる売掛金の金額や決済希望日、連絡できる時間帯や方法なども知らせてください。

申し込むときは虚偽情報や誤字脱字、間違った情報の入力などをしないように気をつけましょう。

申し込みが終われば、ファクタリング会社による審査に入ります。ここでは取引先の信用力や希望金額、財務状況などがチェック対象です。以上について問題がなければ、契約へ移れます。

申し込むときに事業者は、必要事項を不備なく記載しましょう。また審査のために取引先の信用力や自社の財務状況、希望金額に間違いがないかなどを確かめてください。

契約から入金まで

審査に通過すれば事業者は契約を締結し、ファクタリング会社から入金を受けられます。まず事業者はファクタリング会社と2種類の契約を結ぶ形です。債権譲渡契約と集金業務委託契約になります。

契約を結べば、ファクタリング会社が債権譲渡の登記を進めます。それから事業者に対して、売掛金に相当する代金を払います。債権譲渡が成立したので、ファクタリング会社が代価を払う形です。このとき手数料を差し引かれることに注意してください。

審査通過によって事業者はファクタリング会社と契約を結び、債権譲渡の手続きを進められます。

取引先から受け取った売掛金はファクタリング会社へ渡す

2社間ファクタリングでは、事業者が取引先から売掛金の支払いを受け、それをファクタリング会社に渡すしくみです。2社間契約において、取引先は相手がファクタリングを利用していることを知りません。そのため通常どおりに事業者へ取引の代価を払います。

以上から事業者は、ファクタリングの事実を知られるリスクが小さいのです。

事業者は取引先から受け取ったお金を、ファクタリング会社へ渡さなければなりません。債権にあたる金額を、ファクタリング会社と取引先から二重に受け取っているからです。そのうち取引先からもらった分を渡せば、手続き完了になります。

2社間ファクタリングの場合、事業者は債権譲渡後、取引先からのお金をファクタリング会社に払わなければなりません。

3社間ファクタリングの流れ

3社間ファクタリングは、事業者とファクタリング会社に加え、取引先も契約対象になります。この場合、売掛金の扱いが2社間と異なるのです。ここでは以上を踏まえながら、流れを見てください。

申し込みから審査まで

事業者はファクタリング会社に債権譲渡依頼をして、審査を受けなければなりません。2社間と同様に、事業者や会社に関する情報を申告する必要があります。

記入漏れや、事実と異なる記述がないように、慎重に進めてください。会社や財務に関する情報を整理してから、ファクタリングの依頼に入りましょう。

申し込みが終われば、審査に入ります。ここでも2社間同様に取引先の信用力や、事業者の申請内容がチェック対象です。

一方で3社間ファクタリングは、審査を通りやすいことがあります。取引先も契約対象に入っていて、ファクタリング会社がその信用力を確かめやすいからです。

3社間ファクタリングは審査通過の可能性を高められますが、それでも不備がないように申し込んでください。

契約から入金まで

審査に通過できれば、契約に入ります。ここでは事業者とファクタリング会社だけでなく、取引先も契約対象です。3社間で同意を得られれば、売掛金の取引に進みます。以上から2社間よりも、慎重なコミュニケーションを求められるのです。

場合によっては、取引先がファクタリング契約に同意しません。その場合、事業者は債権譲渡ができないのです。取引先の同意を得られないと、ファクタリング会社が売掛金を受け取れる保証がありません。

3社間での同意を得られれば、ファクタリング会社が事業者へ債権にあたる金額を入金します。ただし入金までに、取引先の同意を得なければなりません。

取引先が売掛金をファクタリング会社に支払う

ファクタリング会社が事業者に入金したあと、取引先は売掛金をファクタリング会社に払います。この形式では、事業者だけでなく取引先も同意しているからです。

そのため取引先の債務も、ファクタリング会社を相手に履行しなければなりません。以上の支払いが成立すれば、すべての手続きが終わります。

3社間契約の場合、事業者は売掛金譲渡による入金を受ければ、取引先から同じ金額を受け取ることがありません。2社間と違い、取引先が事業者にお金を払うことがないからです。

3社間ファクタリングでは、事業者の手間が2社間より軽いといえます。取引先とファクタリング会社がコミュニケーションを取れるので、契約同意後は全体の手続きがスムーズに進むでしょう。

2社間と3社間によるファクタリングのスキームの違い

ここではファクタリングについて、2社間と3社間によるスキームの違いを解説します。取引先が払わなければならない売掛金の扱い、事業者の資金調達のしやすさ、そして手数料が異なります。それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。

売掛金の扱いが異なる

2社間と3社間では、売掛金の扱いが異なります。ファクタリング会社から事業者へ売掛金が入金される点は、どちらも同じです。ただし取引先が必要な支払いを、それぞれ違った形で扱います。取引先が契約に関わるか関わらないかで、売掛金の動きが異なるのです。

2社間の場合、事業者はファクタリング会社から売掛金の入金を受けたあと、取引先から同じ売掛金を受け取ります。それをファクタリング会社へ直接渡さなければなりません。

3社間ではファクタリング会社が事業者への入金後、取引先に直接請求します。取引先はそれに応じて、売掛金を払わなければなりません。以上から2社間と3社間では、事業者が取引先から売掛金を受け取るかどうかが違います。

2社間は短期間で資金調達しやすい

短期間で資金調達をしやすいのは、2社間ファクタリングです。契約対象に取引先が入っていない分、手続きをスムーズに進めやすいといえます。

差し迫った支払いがあって、すぐに確保したい場合は、2社間がおすすめです。希望期日までに入金を受けやすいといえます。

一方で3社間ファクタリングでは、資金調達に時間がかかるかもしれません。契約にあたり、取引先の同意が必要だからです。

取引先の同意に時間がかかったり、同意を得られなかったりする場合もあります。そのため希望日での入金を受けられない可能性に注意です。

すぐに資金調達したいと思ったら、2社間ファクタリングがおすすめです。3社間を利用する場合は、資金調達の遅れを想定しながら計画を組みましょう。

3社間は手数料が安いことがある

3社間ファクタリングでは、手数料が安いことがあります。2社間だと相場は10%~20%とされますが、3社間なら1%~9%です。

たとえば2社間で10%の手数料が必要な場合でも、3社間だと1%で済むかもしれません。そうなると3社間を利用すれば、手数料を2社間の10分の1にカットできます。

手数料はファクタリング会社を選ぶときに重要です。利用すれば売掛金から手数料が差し引かれます。以上を踏まえて事業者は、なるべく手数料の少ないファクタリング会社に依頼しましょう。3社間契約を扱うところなら、手数料を抑えられます。

以上からファクタリングを依頼する場合、2社間より3社間の方が出費を少なくできるでしょう。

売掛金の現金化までに必要な準備

ファクタリングで売掛金を現金化する場合、書類やヒアリングの準備が必要です。また契約締結時は、契約書の内容を読み込んでおきましょう。資金調達前の大切な準備を、以下で紹介します。

ファクタリングには規定の書類提出が必要

ファクタリングの依頼では、決まった書類を出さなければいけません。必要なのは一般的に以下のとおりです。

・身分証明書
・印鑑証明書
・法人登記簿謄本
・決算内容確認書類(2~3期分)
・売掛金証明書類
・通帳のような入金確認書類

ファクタリング会社によっては、上記以外の書類も必要です。規約を確認しながら、必要なものを漏れなく揃えましょう。

まずは事業者本人の身分証明書や、印鑑証明書が必要です。続いて会社の存在や財務状況を証明するため、法人登記簿謄本や決算内容の確認書類、売掛金証明書類を準備してください。

さらに売掛金をファクタリング会社から入金してもらうため、通帳のように入金を確認できる書類も用意しましょう。

このようにファクタリング会社への依頼時は、さまざまな書類が必要です。事業者本人の身分に加え、会社の存在や財務状況を正確に伝えるため、必要な書類を用意してください。

ヒアリングの準備もしておこう

ファクタリングの依頼時には、ヒアリングを受けます。提出書類だけでなく、さらに詳しい情報を知ることで、依頼先が審査しやすくなるからです。基本的には以下の4項目を問われます。

・自社の事業内容
・ファクタリングの動機
・取引先の事業内容や取引状況
・取引先からのファクタリング利用の承諾(3社間契約の場合)

事業者はファクタリング会社から求められた質問に、正直かつ正確に答えましょう。虚偽の内容があると審査に影響したり、事業者やファクタリング会社が損失を受けたりするからです。

事業者は書面の確認だけでなく、その詳細に関する質問を想定してください。そこからどう答えるべきかを準備しましょう。以上によって、事業内容や取引状況、取引先との関係性を正確に伝えられます。

契約の締結

審査に合格すれば、契約締結に入ります。このときは対象人数分だけの契約書や控えが用意される形です。事業者は契約締結の際、隅々まで内容を確かめてください。納得いかない部分を見落として契約すると、あとでトラブルに見舞われるかもしれません。

売掛金に関する重大な取引なので、契約内容は慎重に確かめてください。中には専門用語を交えた、難しい表現があるかもしれません。わからない部分はファクタリング会社に質問をして、答えを聞き出してください。

このとき業者の説明がわかりづらいときは注意が必要です。事業者に不正を悟られないように、わざとまわりくどい説明をしているのかもしれません。以上に当てはまる場合は、契約しない選択肢もあります。

ファクタリングは金銭的な取引なので、契約内容を慎重に確かめ、納得できる場合のみ同意してください。

ファクタリングと類似形式とのスキームによる違い

ファクタリングと似たような資金調達方法もありますが、それぞれスキームが違います。ここでは手形割引やでんさい、ビジネスローン、ABLを紹介するので、それぞれとファクタリングの違いを確かめてください。

手形割引との違い

手形割引とは期限到来前の手形の売却というスキームです。従来は期限が来たあとでないと、現金化はできません。

しかし手数料に加え、利息相当分の割引料を事業者が払えば、金融機関に手形を買い取ってもらえます。ファクタリング同様、すぐに資金調達をしたい事業者が、この方法を使うことがあるのです。

ファクタリングの売掛金に対し、手形割引は受取手形を現金化します。どちらも将来的な支払いの約束です。

しかしファクタリングの売掛金は、償還請求権なしで契約できます。売掛先を払わないで取引先が倒産しても、ファクタリング会社からそれを請求されません。

一方で手形割引では、取引先の倒産により事業者が支払いを請求されます。償還請求権が関わらない分、ファクタリングの方がリスクが小さいでしょう。

でんさいとの違い

でんさいとは「電子記録債権」の略です。デジタルの記録原簿にデータを記録して、債権の存在を証明します。特定の機器にデータを収めることで、必要になったらすぐにアクセスできるスキームです。

でんさいはデジタルのデータで証明する債権なので、紙媒体と違い紛失する心配もありません。

以上からファクタリングとは、ネットワークの面で違います。でんさいは「でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)」が記録機関となり、債権を管理する形です。でんさいネットにアクセスして、銀行間決済を通して売掛金を払ってもらえます。

ファクタリングは、事業者がファクタリング会社から売掛金を入金してもらうスキームです。こちらは専門機関との契約で債権を取引しますが、でんさいはデジタルによって行います。

ビジネスローンとの違い

ビジネスローンは事業性資金を借りるスキームです。個人事業主や会社経営者を対象としており、借りたお金は返さなければなりません。

新規事業の立ち上げや設備投資、運転資金の調達などで利用する方がいます。通常の融資より早く資金調達ができる場合もあるのです。

ファクタリングは債権を買い取ってもらうのに対し、ビジネスローンは融資のひとつです。前者は売掛金を入金してもらうだけで、返済の必要はありません。しかしビジネスローンは返済しなければならず、金利に応じた利息もかかります。

以上から返済のリスクなしで資金調達をしたい場合、ビジネスローンよりファクタリングがおすすめです。

ABLとの違い

ABLは「Asset Based Lending」の略で、売掛金を担保にして融資を受けるスキームです。取引先がまだ払っていない債権を担保に出して、資金を調達できます。

融資を受ける相手は主に銀行です。ローンの返済ができなくなったら担保を換金して、返さなければいけないお金を補填します。

ファクタリングとのスキームの違いは、返済義務の有無です。前者は売掛金をお金に換えられるだけで、返済義務は生じません。一方でABLは融資の一形態なので、一度利用したら返済が必要です。期限内の返済ができなければ、担保に出した売掛金からの補填になります。

ファクタリングはABLと違って、返済リスクなしで利用できるのがメリットです。

ファクタリングのスキームに関する注意点

ファクタリングのスキームには、さまざまな注意点があります。たとえば契約段階では、取引先から債権譲渡禁止を言い渡されていないか確かめてください。

またファクタリング会社を利用すると、売掛金から手数料が差し引かれます。ほかにも不良債権のために依頼できないなど、さまざまな注意点があります。ここでは気をつけるポイントを5つ見ていきましょう。

不良債権は譲渡できない

ファクタリングは、不良債権のために依頼できません。不良債権とは、期日までに支払われなかった債権です。支払期日が守られないことで、債権としての価値が低下することからこう呼ばれます。

取引先によっては、期日までに必要なお金を払ってもらえない可能性があります。しかし期日を過ぎたお金のために、ファクタリングは利用できません。ほとんどの会社では、不良債権を対象外にしているからです。

そもそも支払期日を守らない取引先は、信用力が低いと評価されがちで、事業者が依頼しても審査に通りません。資金調達をしたくて不良債権を清算したくても、ファクタリングではできないので注意してください。

債権譲渡禁止の特約がないことが大切

ファクタリングの利用前は、債権譲渡禁止の特約がないか気をつけましょう。取引先によっては、債権譲渡をしない形で契約を結ぶことがあります。

民法では、取引先との契約で債権譲渡禁止特約があっても、事業者による売掛金の譲渡が可能です。しかし以上を実行することで、取引先との関係が悪くなることもあります。

たとえばファクタリング会社が譲渡制限を知ったり、重大な過失によって知らずに債権を譲り受けた場合、債務者である取引先が支払いを拒否できます。また債権譲渡禁止の特約を破ったことで、取引先が次回以降の商談に応じない可能性もあるのです。

債権譲渡は民法で認められた資金調達方法ですが、トラブルにならないように取引先との関係性や契約内容には気をつけましょう。

取引先にファクタリングを知られるリスクに注意

ファクタリングの契約時に、取引先に利用を知られるリスクに気をつけましょう。とくに3社間ファクタリングでは、取引先も契約に関わるスキームです。

事業者の利用の事実を取引先が知った場合、その関係性が変わることがあります。事業者が資金繰りに困っていると判断し、次回以降の取引を断るかもしれません。このようにファクタリングをよく思わない会社もある点に気をつけてください。

3社間ファクタリングは、取引先と十分な信頼関係がある状態で行いましょう。たとえばファクタリングに理解がある企業なら、契約時の同意もスムーズに進みます。

また取引回数や年数が長い場合も、事業者の事情に理解を示すかもしれません。ファクタリングで取引先との関係を悪くしないためには、相手との関係に配慮しましょう。

手数料により調達資金が減る

ファクタリングを使うなら、手数料に気をつけてください。ほとんどのファクタリング会社で、手数料が定められているからです。

売掛金を現金に換えてもらうとき、そこから手数料が差し引かれています。事業者の手取りが少なくなり、余分な経費になるのです。

3社間より2社間の方が、手数料が高いといえます。2社間の方が早めの資金調達ができる傾向ですが、売掛金による利益が減りやすいのです。

損失を増やさないためには、手数料の低いファクタリング会社やプランを選ぶか、ファクタリング以外の方法を考えましょう。何度も利用すると手数料が積み重なり、利益が犠牲になります。以上から計画的な利用を考えなければなりません。

保証型は売掛金の現金化が遅い可能性

保証型ファクタリングを使う場合、売掛金の入金が遅くなるかもしれません。保証型では、取引先の倒産のような有事が起きると、保証金を払ってもらえます。

取引先に何事もなければ、ファクタリング会社のサポートを受けられません。そのため事業リスクを見極めながら、慎重に利用を考えてください。

保証型ファクタリングは取引先の倒産に限らず、支払遅延でも受け取れる場合があります。しかしすべての会社が支払遅延に対応しているとは限りません。

保証型の場合、ファクタリング会社が取引先の債務履行が困難だと判断しない限り、保証金を払わないスキームです。

事業者にとって保証型ファクタリングは、取引先の債務不履行対策になります。しかし保証金をもらうには条件があるので、利用すべきか慎重に考えましょう。

本来のスキームから外れる「ファクタリング」に注意

「ファクタリング」と宣伝している会社でも、本来のスキームから外れていることがあります。なかには詐欺のような違法行為を行う会社もあるので、選ぶときは気をつけなければなりません。

本来のスキームから外れるファクタリングの例について、以下を確かめてください。

偽装ファクタリングに用心しよう

世の中には「偽装ファクタリング」もあります。ファクタリングと見せかけて、別形態の契約を結ぶスキームです。

契約書の内容をよく見ずに名前をサインすることで、支払いをめぐるトラブルが起きるかもしれません。このような事態に見舞われると、大きな損失となり経営に悪影響が及びます。

たとえば悪質な金融業者が、ファクタリングを装いながら高金利の貸し付けをするかもしれません。売掛金に相当する分を入金しながら、返済を求める形です。

ファクタリングとして取引をしても貸し付けと同様の契約を結んだり、返済を求めたりする場合は、貸金業にあたります。

ファクタリングを利用する場合は、依頼先の事業内容を入念に確かめてください。それと見せかけて貸金業をするところは、トラブルに要注意です。

給与ファクタリングは貸金業なので注意

悪徳業者によっては「給与ファクタリング」を展開しています。事業者ではない個人がこのサービスに引っかかる場合があります。

勤務先からの給料を「賃金債権」や「給与債権」として、買い取って現金化するという触れ込みです。しかし現金化のあとで、違法な高金利による支払いを求められるかもしれません。

給与ファクタリングは判例によって、貸金業に当てはまります。貸金業登録をしていない業者が行うと違法です。こちらに引っかかると法外な請求をされたり、返済できずに取り立てに追われたりすることもあります。

健全なファクタリング業者が扱うのは事業者の売掛金だけで、個人の給料を対象にはしません。以上を踏まえて、給与ファクタリングをする業者には注意が必要です。

ファクタリングは分割払い不可能

2社間ファクタリングの場合、取引先からもらった売掛金を分割払いできません。債権を現金に換える方法なので、基本的には一括払いになります。

ファクタリングはお金を借りる方法ではないので、債権にあたる金額のうち、一部だけを受け取る形はできません。そのため分割払いを扱う業者には注意しましょう。

ファクタリングには一般的に返済義務がないので、事業者は取引先からもらった売掛金を一括で払わなければなりません。売掛金を分割すると融資とみなされ、金利が発生するからです。その場合はファクタリングではなく、貸金業になります。

以上から2社間ファクタリングを利用する場合、事業者は取引先からもらった売掛金を、すぐにファクタリング会社へ渡しましょう。一部を払えないことがトラブルにつながるからです。

ファクタリングのスキームについてのまとめ

ファクタリングは、資金調達のスキームのひとつです。売掛金をファクタリング会社に換金してもらい、資金繰りに役立てられます。契約形態には2社間と3社間があり、それぞれスキームが違うので、利用する形態に合わせて事前に確かめましょう。

また不良債権に関する依頼ができないことや、取引先の債権譲渡特約の有無など、注意すべき点もあります。以上を踏まえながら、ファクタリングを利用すべきか検討してください。

ファクタリングは早期の資金調達により、会社の財政状態を改善できるスキームです。有効活用すれば、経営状況を変えられるでしょう。