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ファクタリングによるオフバランス化の仕組みを徹底解説!

オフバランス化とは

オフバランス化とは、資産を貸借対照表(バランスシート)から無くす(オフ)ことを意味します。
貸借対照表は、企業の特定時点における財務状況を示す会計報告書の1つです。
資産、負債、純資産の3つの要素から成り立っており、企業の財務状態を把握するための重要な情報源となっています。
オフバランス化では、会計上のルールに従ったうえで、貸借対照表から資産を切り離すことができます。
少ない資産のなかで効率的に利益を生み出している企業という印象を第三者に与えることができ、金融機関からの融資や新先取引先の開拓を進めやすくなります。
ファクタリングによるオフバランス化では、保有する売掛金を事業に使用できる現金に代えることができるため、企業成長を促進できます。

ファクタリングによるオフバランス化の仕組み

ファクタリングによるオフバランス化は、企業が売掛金をファクタリング会社に売却することによって、貸借対照表から資産を切り離す仕組みです。
本章では、ファクタリングによるオフバランス化の仕組みについて解説していきます。

ファクタリング会社と契約

企業はファクタリング会社と契約します。
契約の際は、売掛金の買取率や手数料などの取引条件を詳細に確認する必要があります。
買取率が低い場合や手数料が高い場合は、ファクタリングによるオフバランス化を行ったとしても、資金繰りが悪化してしまう可能性があるため、注意が必要です。

売掛金の譲渡

ファクタリング会社から提示された契約内容に問題がなければ、企業は売掛金を譲渡します。
譲渡後は、保有する売掛金から手数料を差し引かれた金額を受け取ることができます。
売掛金を本来よりも早期に現金化できるため、資金繰りの改善や事業投資に活用できます。

オフバランス処理

企業は、売掛金をファクタリング会社に譲渡することにより、資産や負債を貸借対照表から切り離すことができます。
金融機関からの借入金がある場合は、ファクタリングで調達した資金を返済に充てることで、より一層オフバランス化を進めることができます。

ファクタリングによるオフバランス化のメリット

ファクタリングによるオフバランス化のメリットは、主にROA(総資産利益率)や自己資本比率の改善による企業価値の向上です。
本章では、ファクタリングによるオフバランス化のメリットについて解説していきます。

ROA(純資産利益率)の改善

ROA(純資産利益率)とは、企業が総資産を利用してどれだけの利益を上げられたかを示す数値です。
企業の効率性や収益性を確認する際の指標として活用されます。
ROAは【ROA(%)=当期純利益÷総資産×100】の計算式で求めることができます。
ROAの数値は、高ければ高いほど良いです。
ファクタリングによるオフバランス化では、分母となる「総資産」を減少させることができるため、ROAの数値を高めることができます。

自己資本比率の改善

自己資産比率とは、総資産と資産の割合を示す数値です。
簡単に言えば、総資産の中に返済しなければいけない資産がどれだけあるかを表す数字となります。
総資産には、返済の必要がない自己資本だけでなく、融資などで調達した他人資本も含まれます。
自己資本比率が高い場合は、借入金などの他人資本に頼ることなく、自己資本で経営できている安定した企業であるとの評価を受けることができます。
対して、自己資本比率が低い場合は、他人資本に頼り切っており、経営が不安定な企業であるとの印象を与えます。
ファクタリングは、もともと保有している売掛金を現金に換えるだけのサービスなので、総資本への影響はありません。
むしろ、ファクタリングで調達した資金を借入金の返済に充てれば、自己資本比率を高めることができます。

企業価値の向上

ファクタリングによるオフバランス化は、企業価値を向上させることにもつながります。
上述したように、ファクタリングでオフバランス化を図ると、ROAや自己資本比率を改善することが可能です。
企業の財務状況を表す数値を改善することができれば、金融機関や投資家からの評価が上がります。
金融機関や投資家から資金調達をしやすくなるため、企業成長を促進することができるでしょう。

ファクタリングを利用するオフバランス化以外のメリット

ファクタリングは、資産のオフバランス化を図れる資金調達方法です。
財務状況を表すさまざまな数値を改善することができ、企業価値を向上されることができます。
ただ、ファクタリングにはオフバランス化によるメリット以外にも多くのメリットが存在します。
本章では、ファクタリングを利用するオフバランス以外のメリットについて解説していきます。

売掛金の早期現金化

ファクタリングを利用することで、売掛金を早期に現金化できます。
通常、売掛金は発生から支払いまでに1ヵ月~2ヵ月ほどの期間を要します。
企業は、売掛金の支払い日までの運転資金を確保する必要があり、資金繰りの難しさが大きな問題となっているのです。
売掛金の支払期日までの運転資金を確保できなければ、黒字倒産になってしまう可能性も否定できません。
しかし、ファクタリングを利用して売掛金を早期に現金化すれば、資金ショートや黒字倒産を回避できます。

貸し倒れリスクを回避できる

売掛金が発生する「掛け取引」では、売掛先の経営悪化や倒産が原因となり、売掛金が貸し倒れになる可能性があります。
売掛金の貸し倒れは、企業の資金繰りに多大な影響を及ぼすため、何としても回避しなければいけません。
そこで活用できるのがファクタリングです。
ファクタリングは、基本的に償還請求権なしの契約であるため、売掛債権を譲渡したあとに売掛金が貸し倒れになったとしても、弁済をする必要がありません。
そのため、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡した場合、確実に売掛金を回収することができます。

信用情報が悪くても利用できる

資金調達を試みる場合、信用情報や経営状況を重視されるケースがほとんどです。
債務超過や赤字決算など、問題を抱えている企業は資金調達が難しい傾向にあります。
しかし、ファクタリングでは利用者ではなく、売掛先の信用情報や経営状況が重視されます。
利用者の状況が審査に与える影響が少ないため、信用情報が悪くても利用可能です。
特に中小企業や個人事業主など、金融機関からの融資を受けることが容易ではない方にとっては、利用しやすい資金調達方法だといえます。

ファクタリングによるオフバランス化では手数料に要注意

ファクタリングによるオフバランス化を実施する場合は、通常の資金調達で利用する場合よりも、手数料をシビアに考える必要があります。
ファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10%~20%、3社間ファクタリングで1%~9%と決して安くはありません。
例えば、100万円の売掛金を手数料10%でファクタリングする場合は、10万円の手数料が差し引かれ、実際に受け取れる金額は90万円になります。
手数料が高くなればなるほど、資金繰りに与える影響が大きくなってしまい、ROAや自己資本比率を思うように改善できない可能性があります。
逆に手数料が低ければ、ROAや自己資本比率の数値を大幅に改善することができ、オフバランス化を進めることができます。
手数料を低く抑えるためには、複数のファクタリング会社で相見積もりを取り、比較・検討することがポイントです。

ファクタリングによるオフバランス化の仕組みを徹底解説!のまとめ

今回は、ファクタリングによるオフバランス化の仕組みやメリット・注意点について解説させていただきました。
ファクタリングは、オフバランス化を図るうえで有効な手段です。
ROAや自己資本比率の改善や企業価値の向上など、企業に多くのメリットをもたらします。
ただし、ファクタリングによるオフバランス化を実施する場合は、手数料に要注意です。
手数料が高い場合は、オフバランス化の効果が薄くなるだけでなく、資金繰りが悪化してしまう可能性があります。
ファクタリングの手数料は、どのファクタリング会社を利用するかによっても大きく変わるため、複数のファクタリング会社で相見積もりを取るようにしましょう。