会社設立直後にファクタリングは利用可能？メリットやコツなどを紹介
目次
会社設立直後で資金繰りが厳しいケースもあるでしょう。
売り上げが低く、運転資金がかさむため、資金を確保しにくい点に要注意です。
しかしファクタリングを利用すれば、売掛金の早期換金ができます。
調達資金で経費をカバーできるほか、事業拡大にも活かせるでしょう。
今回は起業直後の経営者へ、ファクタリングの重要性と、活用のポイントをまとめました。
2005年の新会社法で会社設立が容易に
日本では2005年に新会社法が設立され、従来より起業がしやすくなりました。
しかし開業直後はキャッシュ管理が難しいといえます。
そのため起業直後からファクタリングを利用する方もいるようです。
日本の起業に関する現況をまとめました。
現代社会は起業しやすい
日本の現代社会は起業しやすい環境です。
2005年に新会社法が施行され、合同会社や合資会社などの各営利活動法人が、従来より設立しやすくなりました。
たとえば資本金の場合、旧商法では株式会社なら1000万円以上、有限会社なら300万円以上の資本金が必要でした。
しかし新会社法では1円以上で設立でき、少ない元手で会社設立する方もいます。
加えて必要な役員数も1人以上、取締役会も原則不要など、大幅な規制緩和がありました。
新会社法の後押しを受けて、気軽に起業する方もいるでしょう。
会社設立直後は資金繰りが問題になりやすい
日本の現代社会は起業しやすくなりましたが、経営を軌道に乗せるのが難しいといえます。
運転資金が不十分だったり、キャッシュフローが不健全だったりすると、資金繰りが苦しくなるでしょう。
資金の見通しが立たないと、本来の業務にも集中しづらくなります。
資金調達にはさまざまな方法があるものの、たとえば融資は金融機関で受けられる一方、会社設立直後は信用力に欠けるため利用できないことがあります。
補助金や助成金も、応募可能な期間が限られており、ほしい時期に受け取れない可能性があるのです。
一方起業直後から売掛金があれば、ファクタリングによる早期の資金調達も選択肢です。
多くの会社が柔軟に活用できるため、こちらの需要が見込まれます。
起業直後から資金繰りに困らないため、入念な資金計画を立てましょう。
開業前から運転資金の確保が欠かせない
設立直後の会社を軌道に乗せるには、起業前からのキャッシュフローの確保が欠かせません。
こちらが不十分だと資金ショートにより、起業から短期間で廃業することがあります。
一方十分な現金があれば、金銭的問題に対応しやすいでしょう。
初期の運転資金は、6か月分以上を用意してください。
経営がある程度軌道に乗るまで、大抵は6か月かかるとされます。
起業前から十分な資金を用意しておけば、収益がない時期でも金銭的見通しを立てやすいでしょう。
設立直後の会社でもファクタリングは利用可能
設立直後の会社でも、売掛金があればファクタリングを利用できます。
ただし開業前は売掛金がないため、利用できないでしょう。
業者によっては、設立後一定期間を経過していない会社は利用できず、利用できても条件が厳しいかもしれません。
会社設立直後のファクタリングについて、以下で詳しく見ていきましょう。
会社設立前は売掛金がないので利用は困難
会社設立前は、ファクタリングによる資金調達が困難です。
売却対象である売掛金は、ほとんどの場合起業前に持てません。
開業前の会社と取引する組織を見つけにくいからです。
起業前の運転資金調達は、融資やクラウドファンディングなどが一般的といえます。
取引履歴がない限り、売掛金を持てないため、ファクタリングの利用は難しいでしょう。
会社を作る前は開業準備に忙しく、取引が難しいといえます。
取引による売掛金も得られないため、ファクタリングによる資金調達は現実的といえません。
一部ファクタリング業者は設立後の一定期間経過を条件にしている
ファクタリング業者によっては、設立後の一定期間経過を条件とします。
たとえば設立から数か月、または1年経過後といった形です。
ファクタリングの規約を読み、以上の特約があれば注意しましょう。
起業から一定期間の経過をしていなければ、売掛金を売却できません。
ファクタリングは取引先の信用力が問われるものの、会社への一定の信用も求められます。
信用力の証明のため、一定期間の実績を会社に求める業者もいるのです。
個人事業主より法人の方が審査に通りやすい
ファクタリングでは個人事業主より、法人の方が売掛金を取引しやすいでしょう。
法人の場合、会社設立後の事業実績を証明しやすいからです。
仮に法人を設立するなら、必要書類を複数揃え、一定の資本金を調達しなければなりません。
加えて会社設立登記もしないと、法人として活動できないのです。
しかしそのぶん、ファクタリング業者に信用力をアピールしやすく、売掛金の売却にも応じてもらいやすいでしょう。
個人事業主は税務署に開業届を出し、受理された時点で始められます。
しかし会社設立登記や資本金がないぶん、ファクタリング業者に信用力を評価されにくいのです。
将来的にファクタリングを考えるなら、法人としての起業が望ましいでしょう。
事業実績が乏しいと審査基準も厳しくなる
ファクタリングでは事業実績が乏しいと、審査基準も厳しくなります。
一般的に開業から数年が経過していないと、有利な条件で契約しにくいのです。
たとえば手数料も、ほかの依頼会社と比べて、割高に設定されるでしょう。
また掛け目も低くなるかもしれません。
掛け目とは売掛金に対する買い取り額の割合で、低いほど入金額が少なくなります。
手数料や掛け目などの条件は、事業実績があるほど有利です。
会社設立直後のファクタリングのメリット4つ
会社設立直後のファクタリングには、さまざまなメリットがあります。
ほかの資金調達方法より利用しやすく、不測の事態への対策にもなるでしょう。
ここでは以下の4つのメリットを紹介します。
1．融資より利用しやすい
2．売掛金の早期換金が可能
3．経営状況にかかわらず利用できる
4．資金未回収リスクへの対策にもなる
1．融資より利用しやすい
最初のメリットは、融資より利用しやすい点です。
ファクタリングは融資と違い、返済義務が生じません。
ただし業者からの入金後、取引先から売掛金の決済を受けたら、そのぶんを業者に渡す必要があります。
融資だと借り入れ後、毎月決まった額を返済しなければなりません。
完済まで10年以上かかる会社もあり、慎重な資金管理が問われます。
会社設立直後からの融資は、資金的な負担になりやすいため、売掛金があるうちはファクタリングを検討しましょう。
2．売掛金の早期換金が可能
ファクタリングの次のメリットは、売掛金の早期換金です。
取引先の売掛金を売却するだけなので、短期間で審査結果がわかりやすいといえます。
業者によっては、申請日当日の入金もあるでしょう。
このようにスピーディな対応が、ファクタリング業者の強みです。
一方融資だと、資金調達まで1週間かかることがあります。
会社の財務状況や経営実績などを、金融機関が慎重に調べるため、審査に時間がかかるでしょう。
そのため申請から資金調達までの期間も長くなりやすいのです。
ファクタリングは融資と違って返済義務がないうえ、資金調達も素早いでしょう。
3．経営状況にかかわらず利用できる
経営状況にかかわらず利用できるのも、ファクタリングのメリットです。
審査では会社の財務状況より、売掛金を出した取引先の信用度が優先的に問われます。
会社が赤字経営でも、取引先が健全なら、売掛金を買い取ってもらえるのです。
一方会社の財務状況がよくても、取引先の経営がよくないと、売掛金の審査に落ちるでしょう。
会社設立直後から、信頼性の高い取引先とコミュニケーションを取ってください。
以上を心がければ、設立後から健全な売掛金を持ち、ファクタリングを利用しやすくなります。
4．資金未回収リスクへの対策にもなる
ファクタリングは資金未回収リスクへの対策につながります。
売掛金を売却すると、ファクタリング業者が所有権を引き継ぐ形です。
売掛金の支払い期日は変わらないので、取引先が期日を守らなければ債務不履行になります。
ただし売掛金の譲渡後は、ファクタリング業者が債務不履行の責任を負う形です。
つまり依頼会社は、取引先が支払い期日を守らなくても、損失を負いません。
ファクタリングは多くの業者において、償還請求権なしで契約を結びます。
そのため売掛金の譲渡後に不測の事態が起きても、会社に責任が課せられないのです。
以上から売掛金の譲渡で、取引先の資金の未回収リスクを防げます。
会社設立直後のファクタリング成立のコツ3つ
会社設立直後は、ファクタリングでも入念な準備が求められます。
失敗しないために、健全な売掛金と業者を選びましょう。
ファクタリング成立のコツについて、以下で3つを紹介します。
1．売掛金は健全な取引先と期日の短さが大事
2．なるべく手数料の安いファクタリング業者を選ぶ
3．ファクタリング業者の信頼性を調べよう
1．売掛金は健全な取引先と期日の短さが大事
ファクタリングにかける売掛金は取引先の健全性と、支払い期日の短さが大事です。
たとえば取引先との関連期間が長ければ、ファクタリング業者も取引先の信用力を評価し、審査に通すでしょう。
売掛金の支払い期日の短さは、ファクタリング業者にとっての未回収リスクを抑えられます。
支払い期間が長いと、取引先が本当に決済できるか判別しにくいのです。
以上を踏まえて、日ごろから健全な取引先との交流だけでなく、支払い期日のなるべく短い売掛金をファクタリングにかけましょう。
2．なるべく手数料の安いファクタリング業者を選ぶ
ファクタリング業者を選ぶなら、手数料に注意しましょう。
業者によって手数料は異なるので、複数社による比較検討の末、なるべくお得なところへ依頼してください。
一方オンライン契約に対応していれば、手続きが簡略化され、手数料も安くなる傾向です。
売掛金の売却には一定のコストがかかるので、なるべくお得な業者を選びましょう。
3．ファクタリング業者の信頼性を調べよう
ファクタリング業者を選ぶには、信頼性を確かめてください。
取引実績が豊富だったり、口コミ評価が高かったりすれば信頼できるでしょう。
一方信頼できない業者の場合、法外な手数料や悪質なサービスにより、会社が損失を負うかもしれません。
こうした事態を避けるためにも、ファクタリング業者を事前にリサーチして、信頼できるところを見分けてください。
会社設立直後のファクタリングのまとめ
会社設立直後でもファクタリングできる場合があります。
手元に売掛金があれば、業者に買い取ってもらい、代価を早期に振り込んでもらえるでしょう。
設立直後は資金繰りの厳しい状況が想定されるため、売掛金があればファクタリングを検討してください。