ファクタリング活用法

ファクタリングは輸出・輸入を扱う会社におすすめの資金調達手段―その理由をわかりやすく解説

商品の輸出・輸入を扱う貿易業者は取引先が海外ということで、戦争や自然災害、物価高騰などの影響を受けて収益が減り資金繰りの問題を抱えることがあります。

資金繰りの悩みがある輸出・輸入を扱う会社におすすめの資金調達手段がファクタリングです。

この記事では、輸出・輸入を扱う会社が資金繰りの悩みを抱える原因、資金繰りの悩みを解決するためにファクタリングがおすすめできる理由を紹介します。

輸出・輸入を扱う会社が資金繰りの悩みを抱える原因

輸出・輸入を扱う会社に特有の資金繰り問題としては、資金回収までの期間が長いという点があります。

輸出・輸入を扱う事業では、資金回収までに数ヶ月かかることも珍しくありません。その間に資金が不足すれば事業の継続や拡大が難しくなるのが問題です。

輸出を扱う会社であれば輸出代金を受け取るまでに期間がかかるので、次の輸出のために必要な仕入れ代金が不足するという問題が生じます。

輸入に特化した会社であれば、輸入した商品を国内で販売し、その売掛金を回収するまで時間がかかるということがあります。

売掛金回収を待つ間に支払いに必要な資金が不足すれば、資金ショートや黒字倒産などのリスクが高まるでしょう。

さらに、海外から商品を輸入している会社ならば、円安などの影響を受けて仕入れ価格が高騰しているので、それが資金繰りの悩みを抱える原因となります。

輸出・輸入を扱う会社で、資金繰りの悩みがすでにあり、経営状況が悪化していれば、銀行からの追加融資を受けるのも難しいです。そうした悩みがあれば、ファクタリングの利用を検討してください。

輸出を扱う会社には国際ファクタリングがおすすめ

輸出を扱う会社におすすめの資金調達手段は、ファクタリングの中でも「国際ファクタリング」とよばれるものです。

国際ファクタリングの利用目的は、資金回収期間の短縮と資金回収不能へのリスクヘッジの2つがあります。

ファクタリングにはいくつかの種類があります。一般的に資金調達手段として使われるファクタリングは「買取
ファクタリング」と呼ばれるものです。

買取ファクタリングでは、会社が保有している売掛債権をファクタリング事業者に買取してもらうことで、その買取代金を受け取り資金化します。売掛金の入金期日より前に資金化できるので、売掛金回収サイトの短縮が可能です。

さらに、会社が信用不安のある取引先の売掛債権に対し保険をかける「保証ファクタリング」があります。対象となる売掛先が倒産などの理由で売掛金未払いとなった場合、保証会社から保証限度額の範囲内で保証金を受け取れます。

国際ファクタリングは、買取型ファクタリングと保証ファクタリングの利用法の側面を持つファクタリングです。

国際ファクタリングの申し込みから資金調達までのプロセス

国際ファクタリングの一般的な申し込みから資金調達までのプロセスは以下の通りです。

1. 利用企業(輸出業者)は日本のファクタリング事業者にファクタリングの対象とする海外の輸入業社の信用保証の引き受けを依頼する
2. 日本のファクタリング事業者が海外の提携ファクタリング事業者に対象となる輸入業者の保証引き受けを依頼する
3. 海外の提携ファクタリング事業者は対象となる輸入業者の信用調査をおこない受諾通知をする
4. 利用企業は対象とする輸入業者に国際ファクタリングの利用を通知する
5. 輸入業者の了解を得て売買契約を締結
6. 海外に荷物を輸出する利用企業は、輸出船積書類を輸入業者に直送し、写しをファクタリング事業者に送付する
7. 輸入業者は支払い期日に海外の提携ファクタリング事業者に代金を支払う
8. 海外の提携ファクタリング事業者は受け取った代金を日本の指定銀行に送金、その後利用企業は代金を受け取る
9. 万が一海外の輸入企業からの支払いが支払期日になってもおこなわれず不払いとなった場合、日本および海外のファクタリング事業者が連携して支払いを保証する
10. 輸出業者である利用企業から資金繰りの問題解決などの理由で期日前の支払い要請があれば、日本のファクタリング事業者は提携銀行などを通じて支払い期日前の手形の買取や立て替え払いなどを実施する

※参照:JETRO(日本貿易振興機構)

輸出を扱う会社が国際ファクタリングを利用するメリット

輸出を扱う会社が国際ファクタリングを利用するメリットには次の3点があります。

 代金未払いになっても支払いが保証される
 入金期日前の支払い要請ができる
 ファクタリング事業者に取引先の与信審査を委託できる

国際ファクタリングのプロセスを見るとわかるように、国際ファクタリングを利用すれば、万が一取引先が代金を支払わなくても支払いが保証されます。

さらに、入金期日前の支払い要請ができるので、仕入れ代金の不足や支払いに必要なお金が足りないという事態を避けることが可能です。

輸出業者が国際ファクタリングを申しこんだ場合、海外の提携ファクタリング事業者が取引先の輸出業者について信用調査をおこないます。

現地のファクタリング事業者が、取引先について信用力つまり代金を支払う能力が備わっている会社かどうか判断するので、自社で行う与信審査や日本のファクタリング事業者がおこなう審査よりも信頼性の高い情報が得られます。

取引先の与信審査を海外のファクタリング事業者にお任せできるという点も、国際ファクタリングのメリットです。

国際ファクタリングを利用する際の注意点

輸出を扱う会社が国際ファクタリングを利用する際には、信用調査費や保証料などが発生するという点に注意してください。

海外の提携ファクタリング事業者がおこなう信用調査費としいて、1万円~3万円程度の費用がかかります。

さらに、国際ファクタリングには保証ファクタリングと同じ利用目的があるので、インボイス金額に対し1ヶ月あたり数%の金額が保証料として必要です。保証料は、フラットレートが適用され月次ベースで支払う場合もあります。

加えて、通信費などの個別料金が請求される場合があるので、こうした点に注意してください。

輸入を扱う会社には買取ファクタリングがおすすめ

海外から商品を卸価格で輸入しそれを国内の小売業者に販売している会社が資金調達する場合、買取ファクタリングがおすすめです。

買取ファクタリングは様々な業種の会社で資金調達手段として一般的かつ広く利用されています。

買取ファクタリングは、掛取引をしている売掛先からの売掛金(売掛債権)をファクタリング事業者に買取依頼し、その買取代金を受け取ることで、資金調達できるというサービスです。

買取ファクタリングの申し込みから資金調達完了までのプロセス

買取ファクタリングの契約スタイルには3者間方式と2者間方式があります。3社間方式における申し込みから資金調達完了までのプロセスは以下の通りです。

1. 資金需要のある輸入業者がファクタリング事業者へ相談
2. ファクタリングサービスの申し込み
3. 必要書類の提出
4. 審査
5. 買取可能額や手数料率などの条件提示
6. 契約
7. 売掛先への債権譲渡通知と承諾
8. ファクタリング事業者からの入金
9. ファクタリング事業者が売掛先から売掛金を回収

3社間方式では、ファクタリング利用について売掛先への通知や承諾が必要です。

しかし、契約と入金後の売掛金回収はファクタリング事業者がおこなってくれるので、売掛金回収に使っていた時間を、他の業務に使うことができます。

輸入を扱う会社が買取ファクタリングを利用するメリット

輸入を扱う会社が買取ファクタリングを利用するメリットとしては次のものがあります。

 売掛金の入金期日より前に資金調達ができる
 売掛金の入金遅れ・未回収のリスクを軽減できる
 急な資金調達に対応できる

売掛金の入金期日より前に資金調達ができる

買取ファクタリングのメリットは、通常の売掛金入金期日より前に資金調達できる点です。

それにより、資金繰りに余裕が生まれるので、次の輸入商品を買い付けるための代金、支払いに必要な資金の確保ができます。

売掛金の入金遅れ・未回収のリスクを軽減できる

買取ファクタリングを利用できれば、ファクタリング事業者が売掛債権の買取代金を支払うので、売掛金の入金遅れ、未入金のリスクが減ります。

小売業者からの入金遅れや未入金が増えれば、輸入業者は買い付けに必要な資金の確保が難しくなります。そうなれば事業の継続が困難になる、ビジネスチャンスを逃すといった別の問題が起こるでしょう。

ファクタリングは、入金遅れ・売掛金未回収のリスクを軽減できるので、輸入を扱う会社におすすめの資金調達手段といえます。

急な資金調達に対応できる

買取ファクタリングの中には、申し込みから資金調達完了までの手続きをオンライン上で完結できる「オンラインファクタリング」というサービスを提供している事業者がいくつもあります。

オンラインファクタリングを提供している事業者を利用すれば、最短で申し込んだ日の即日審査・即日入金が可能です。

輸入を扱う会社は、輸送費や賃料、人件費などの支払いに必要なお金が不足しているのですぐに資金が必要という状況に陥ることがあります。

いわゆる資金ショートのピンチに陥った場合、今日明日中に資金調達できるオンラインファクタリングがおすすめです。

輸入を扱う会社が買取ファクタリングを利用する際の注意点

輸入を扱う会社が買取ファクタリングで資金調達する際には、手数料が発生する点に注意してください。

買取ファクタリングでは、売掛債権の全額を資金として受け取ることはできません。買取代金から手数料を引かれた額だけを受け取ることになります。

したがって、短期間に何度もファクタリングを利用すれば、手数料コストがかなりかかるので、通常の入金期日を待って売掛金を受け取る場合より、資金化できる金額がかなり少なくなります。

無計画なファクタリングの利用は、かえって資金繰りを悪化させる原因になるという点に注意してください。

輸出・輸入を扱う会社にファクタリングをおすすめする点についてのまとめ

輸出・輸入を扱う会社は、代金回収までに時間がかかるという背景があるので、資金繰りの問題を抱えやすい傾向があります。

資金繰りの悩みがある輸出業者には、国際ファクタリングでの代金の保証、資金調達がおすすめです。

輸入を扱う会社の場合、買取ファクタリングを利用すれば、売掛金の入金期日より前に資金調達ができます。さらに、オンラインファクタリングを利用すれば、急ぎの資金調達も可能でした。

ファクタリングを利用すれば、確実に資金調達でき資金繰りの悩みが解決できます。輸出・輸入を扱う会社で資金調達手段を探しているなら、この機会にファクタリングの利用を検討してください。