ファクタリング活用法

売上債権の割合が多いと危険!?売上債権を活用した資金調達方法について解説!

売上債権に潜む危険

売上債権とは、一言でいうと売掛先に代金を請求できる権利のことです。
日本における企業間取引は「掛け取引」がほとんどです。
掛け取引では、商品・サービスの提供から代金の支払いまでにタイムラグがあり、すぐに代金を受け取ることはできません。
債権者は、売掛金の支払いが行われるまで自己資金で仕入費用や運転資金を賄う必要があるのです。
では、この売上債権にはどのような危険が潜んでいるのでしょうか。

①:資金繰りの悪化

売上債権には、資金繰りが悪化してしまう危険性があります。
先ほども述べたように、売上債権が発生する掛け取引では商品・サービスの提供と同時に代金を受け取ることができません。
債権者は、支払期日までのあいだ手元資金で事業を運営していく必要があります。
しかし、手元資金が不足している場合はどうでしょうか。
手元資金が不足している場合は、次の売上を上げるための仕入費用や人件費を支払うことができません。
もし支払えたとしても手元資金が不足し、資金繰りが悪化してしまいます。
このように、売上債権が発生する掛け取引では「売上はあるのに手元資金が不足する」という事態が発生しやすく、資金繰りが悪化しやすいという危険性が潜んでいます。

②:未回収リスク

売上債権には、未回収リスクがあります。
売上債権には何種類かありますが、一般的に保有されているのは「売掛金」です。
売掛金は取引を行っている両者間の信用に基づいて発生するものであり、債務者が支払いに応じない場合の強制力が他の売上債権と比べて弱い傾向にあります。
売上債権が未回収に陥った場合、債権者が保有している売掛金は貸し倒れになり、損失を受けてしまうことになります。
訴訟などを通じて未回収になった売掛金を再度請求することは可能ですが、売掛先が経営悪化や倒産に陥っているときは、全額を回収することは難しいといえるでしょう。
このように、売上債権には未回収による損失リスクがあるため、取引を始める前に売掛先となる事業者の与信調査を行うことが大切です。

③:債務超過に陥る

売上債権には、債務超過に陥るリスクもあります。
「なぜ売上が出ているのに債務超過?」と思われる方もいるかと思いますが、上記でも述べたように売上債権には資金繰りが悪化しやすいというリスクがあります。
売上債権が原因で資金繰りが悪化してしまうと、次の売上を上げるための仕入費用や人件費などを融資やカードローンに頼らないといけなくなります。
借入前に立てた返済計画通りにいけばよいですが、なかなかそうはいきません。
「売上債権の発生→資金繰りの悪化→借入→返済」というサイクルを繰り返し、いつしか債務超過に陥ってしまうリスクがあります。
このように、売上債権には債務超過に陥ってしまうリスクがあるため、注意が必要です。

売上債権を活用した2つの資金調達方法

売上債権を保有することには、上記のような危険性を伴います。
しかし、売上債権を活用した資金調達方法を活用すれば、解決できる可能性があります。
本章では、売上債権を活用した2つの資金調達方法について解説していきます。

ファクタリング

ファクタリングは、保有する売掛金を早期に現金化できるサービスです。
保有する売掛金をファクタリング会社に譲渡し、手数料が差し引かれた買取代金を受け取れるという仕組みです。
本章では、ファクタリングの契約方式やメリット・デメリットについて解説していきます。

ファクタリングの契約方式

ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」の2種類の契約方式があります。
2者間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2者間で取引を行う契約方式のことです。
3者間ファクタリングとは異なり、売掛先が取引に参加しないためスムーズに手続きを進めることができ、素早く売掛金を資金化できます。
また、ファクタリングの利用が売掛先に知られてしまうこともないので、売掛先から資金繰りの悪化を疑われることもありません。
ただ、売掛金が一度利用者の手元に渡るので、ファクタリング会社側としては利用者に売掛金を使い込まれてしまうリスクがあります。
そのため、手数料相場は10%~20%と3者間ファクタリングよりも高い傾向にあります。
一方3者間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社、売掛先の3者間で取引を行う契約方式です。
売掛先が取引に参加することによっていくつかの手続きが発生するため、2者間ファクタリングよりも資金化スピードが遅くなります。
また、ファクタリング会社に売掛金を譲渡することに関して、売掛先から承認を得る必要があり、承認を得られなかった場合は利用することができません。
ただ、2者間ファクタリングのように利用者から売掛金を使い込まれてしまうリスクがないため、手数料相場は1%~9%と安い傾向にあります。

ファクタリングのメリット

ファクタリングの最大のメリットは、売上債権の支払いサイトを短縮できることです。
先ほども述べたように、売上債権が発生する掛け取引には30~60日ほどの支払いサイトが存在するため、商品・サービスの提供と同時に代金を受け取ることができません。
そのため、手元資金が不足し、資金繰りの悪化や債務超過に陥ってしまうリスクがあります。
しかし、ファクタリングを利用すれば、最短即日~1週間ほどで売上債権を現金化することができます。
これにより手元資金の不足を解消することができ、資金繰りの悪化や債務超過のリスクを回避できるのです。
また、ファクタリングには売上債権の未回収リスクを回避できるメリットもあります。
ファクタリングは基本的に「償還請求権なし」の契約であるため、ファクタリング会社に売上債権を譲渡した後は、もし未回収が発生したとしても弁済を求められることはありません。
つまり、ファクタリングの審査に通過できれば、売掛金を確実に回収できるということです。
さらに、ファクタリングの審査は他の資金調達方法と比べて通過しやすいです。
審査では「売掛先の信用力」が重視されるため、利用者自身が赤字決算や債務超過に陥っている場合でも問題ありません。
このように、ファクタリングには売上債権を保有することによるリスクを、全て解決できるメリットがあります。

ファクタリングのデメリット

ファクタリングの最大のデメリットは、手数料が発生することです。
手数料は買取対象の売上債権が持つ「未回収リスク」に応じて設定されます。
ファクタリングには利息制限法が適応されないので、未回収リスクが高い売上債権の場合は高額な手数料を請求される可能性があります。
ただ、反対に未回収リスクが低い売上債権の場合は、手数料を抑えることができます。
また、ファクタリング業界に存在する悪徳業者もデメリットだといえます。
ファクタリング会社は貸金業登録なしで開業できるので、違法な契約を促したり、高額な手数料請求してくる悪徳業者が存在します。
悪徳業者を利用してしまうと、資金繰りが悪化してしまったり、トラブルに巻き込まれてしまう可能性があるため、注意が必要です。

ABL(売掛債権担保融資)

ABLは、売上債権を担保にして融資を受けることができるサービスです。
通常の融資では、土地や建物などの不動産を担保として要求されることが多いですが、ABLでは手元にある売上債権を担保に設定することで融資を受けることができます。
売上債権のほかにも、在庫や機械設備を担保として設定することも可能です。
本章では、ABLを利用する流れとメリット・デメリットについて解説していきます。

ABLを利用する流れ

ABLを利用する流れが以下の通りです。
ABLを利用できる金融機関に申し込みを行う
必要書類を提出し、審査を受ける
債権譲渡登記を行い、金融機関に担保を差し入れる
融資を受ける

ABLを利用する際は、まずABLの利用が可能な金融機関に申し込みを行います。
その後、金融機関から求められた必要書類を提出し、審査を受けます。
この際、必要書類として求められるのは、利用者の決算書や会社概要が分かる資料、担保として差し入れる売掛債権や在庫を確認できる資料などです。
審査通過後は、金融機関と金銭消費貸借契約を結び、担保を差し入れます。
この際、担保の所有者を明確にするために、東京の法務局で「債権譲渡登記」を行います。
債権譲渡登記を無事に終えると、融資を受けることができます。

ABLのメリット

ABLの最大のメリットは、売上債権を担保にできることです。
通常、融資を受ける際は不動産を担保として要求されます。
融資を受ける利用者は、借入金に見合った不動産を担保として用意しなければいけませんが、簡単に用意できる事業者はそう多くはありません。
しかし、ABLの場合は取引で発生した売上債権を担保にできるため、融資を受けやすいです。
また、審査では現状よりも「将来性」が重視されます。
通常の融資よりも審査が緩く、スタートアップでも融資を受けやすい環境となっています。
さらに、ABLを提供する金融機関によっては、経営改善のアドバイスを行ってくれることもあり、資金調達以外のメリットも充実しています。

ABLのデメリット

ABLの最大のデメリットは、資金調達までに時間がかかることです。
ABLでは、利用者の返済能力に加え、担保として設定される売上債権や在庫に関しても審査をする必要があります。
在庫を担保として差し入れる場合、金融機関は外部の評価会社に査定を依頼するので、さらに時間がかかってしまいます。
そのため、ABLでは申し込みから資金調達までに最短でも2週間、長ければ1か月以上の期間を要することが一般的です。
また、ファクタリングとは異なり、利用者の返済能力も重視されるので、赤字決算や債務超過に陥っている方が審査に通過することは難しいです。

売上債権を活用した資金調達をおすすめしないケース

売上債権を活用した資金調達を利用することで、売上債権が持つリスクを軽減することができます。
しかし、上記で紹介した売上債権を活用した資金調達をおすすめしないケースも存在します。
間違った判断を行わないためにも、本章で正しい知識を身に着けていきましょう。

①:売掛先との関係性を構築できていない

売掛先との関係性を構築できていないケースでは、売上債権を活用した資金調達方法の利用をおすすめできません。
なぜなら、売掛先との関係性が悪化してしまう可能性があるからです。
3者間ファクタリングやABL利用時は、債権譲渡の事実が売掛先に知られてしまいます。
ファクタリングやABLは融資と比べると知名度が低いので、利用に関して理解を示してくれない事業者も多いです。
また、「売上債権を活用するほど手元資金が少ないのか?」と疑念を抱かれてしまう可能性も考えられます。
場合によっては、取引の停止や規模の縮小を申し立てられる可能性があるため、注意が必要です。
ただ、2者間ファクタリングであれば、売掛先に知られずに利用することが可能です。
売掛先との関係性を構築できていない場合は、2者間ファクタリングを活用するようにしましょう。

②:支払期日が間近に迫っている

売上債権の支払期日が間近に迫っているケースでは、売上債権を活用した資金調達方法の利用をおすすめできません。
なぜなら、ファクタリングやABLでは手数料・利息が発生するからです。
支払期日が間近に迫っているにも関わらず利用してしまうと、かえって資金繰りが悪化してしまう可能性があります。
可能であれば自己資金を活用したほうがよいでしょう。
ただ、ファクタリングの場合は、低い手数料で利用できる可能性があります。
なぜなら、支払期日までの期間が短い売上債権は、未回収リスクが低いからです。
手数料が高い2者間ファクタリングであっても、2%~ほどの手数料で利用することができるので、急な支払いなど、どうしても資金が必要な場合はファクタリングを活用するようにしましょう。

③:売上債権の額面以上の資金調達が必要

売上債権の額面以上の資金調達が必要なケースでは、売上債権を活用した資金調達方法の利用をおすすめできません。
なぜなら、売上債権を活用した資金調達方法では、売上債権の額面以上の金額を資金調達することができないからです。
ABLの場合は、売上債権の内容に加えて、利用者の将来性も審査で重視されるので、売上債権の額面以上の融資を受けられることもあります。
しかし、ファクタリングの場合は、売上債権の額面以上の金額を資金調達することはできません。
実際には手数料を差し引かれて売上債権の額面以下の金額になるので、売上債権の額面以上の資金調達が必要な場合は、融資やABLを活用するようにしましょう。

売上債権の割合が多いと危険!?ファクタリングを使って現金化しよう!のまとめ

今回は、売上債権に潜む危険と、売上債権を活用した資金調達方法について解説させていただきました。
売上債権が発生する掛け取引は、入金の手間が少ない、振込手数料を削減できるなどのメリットがあります。
しかし、本記事で申し上げたように商品・サービスの提供者側は、支払いサイトが原因で資金繰りの悪化や債務超過に陥ってしまう危険性があります。
また、取引開始時点のときと支払期日では売掛先の経営状況が異なっている可能性があり、売掛金の未回収が発生してしまうリスクもあります。
このようなリスクを回避するためには、やはり「ファクタリング」がおすすめです。
ファクタリングを利用すれば、確実に売掛金を回収できますし、資金繰りも改善することができます。
売上債権を保有することに対して不安を抱えている方は、ぜひファクタリングの利用を検討してみてください。