ファクタリングはつなぎ資金の調達におすすめ!その理由と申し込むときの手順を紹介
目次
つなぎ資金を得る方法としてファクタリングを導入する中小企業や個人事業主が増えています。そうした流れを受けてファクタリングに興味があるという経営者の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、つなぎ資金としてファクタリングを申し込む前に、その内容や特徴、他の資金調達方法との違いを把握しておくことは大切です。
本記事では、つなぎ資金を得る方法としてファクタリングをおすすめする理由、その特徴、他の資金調達方法との違いなどを紹介します。
さらに、つなぎ資金としてファクタリングを申し込む際の流れも取り上げます。
自社にふさわしいつなぎ資金調達の方法を探している、つなぎ資金の調達を急いでいる、ファクタリングに興味があるという方はこの記事を参考にしてください。
つなぎ資金とは?
つなぎ資金とは、確実な入金予定がある場合に、それが入金されるまでの当座の資金繰りに必要なお金のことです。
たとえば、得意先からの入金が遅れたなどのトラブルが起こり、手元の資金が不足すると、仕入れができなくなり営業がストップします。
こうした事態を回避するために、運転資金が不足しているなら、つなぎ資金を得て事業を継続する必要があります。
つなぎ資金を得る方法
中小企業や個人事業主がつなぎ資金を得る方法として一般的なものは以下の5つです。
● ビジネスローン
● 日本政策金融公庫の融資制度
● 不動産担保ローン
● 手形割引
● ファクタリング
この5つの方法の中で、おすすめはファクタリングですが、その理由を説明する前にそれぞれの方法について内容や特徴を簡単に紹介します。
ビジネスローン
つなぎ資金を得る方法として最も広く知られているのが、事業資金専用のローン商品となるビジネスローンです。
ビジネスローンは、銀行、ノンバンクと呼ばれるクレジットカード会社・信販会社・消費者金融により提供されています。
ビジネスローンを利用するには金融機関やノンバンクの審査を受ける必要があります。さらに、融資なので元本だけでなく利息を返済しなければならないのが特徴です。
日本政策金融公庫の融資制度
日本政策金融公庫は、国が100%出資する金融機関です。このため通常の銀行やノンバンクからの融資とは違い低金利の貸付がおこなわれる、高額融資も受けられるという点が特徴になります。
つなぎ資金が必要となる状況に対応した融資制度を備えているのも特徴です。
たとえば、売上の減少に対応する「経営環境変化対応資金」、取引企業の倒産により資金繰りが苦しくなった企業向けの「取引企業倒産対応資金」などがあります。
不動産担保ローン
つなぎ資金を得るための別の方法は不動産担保ローンです。
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして銀行やノンバンクなどから融資を受けることを指します。
利用する際には不動産の担保価値や借入者の支払い能力などについての審査を受け、それらに応じて融資金額などが決定されるのが特徴です。
一般的に無担保融資よりも一度に借りられる額が大きく、低金利で長期返済も可能といった点も特徴になります。
手形割引
手形割引は、満期前の商業手形を金融機関や専門業者など第三者へ譲渡し、満期日までの利息に相当する額や手数料を差し引いた金額で現金化する方法です。
手形を担保にするという点が特徴になります。
さらに、手形割引の振出人が倒産などの理由で支払い能力がなくなり、担保である手形が不渡りとなった場合、買取してもらった企業、いわゆる持ち込み人が金融機関や専門業者に対して手形を買い戻さなければなりません。
したがって、手形の不渡りが起これば、割引依頼人が割引手形を買い戻す義務が発生します。
ファクタリング
つなぎ資金を得る方法としておすすめなのがファクタリングです。
ファクタリングは、資金需要のある企業が所有している入金待ちの売掛金をファクタリング事業者に買取してもらい、企業はその支払い代金を受け取ることで売掛金を現金化できるという資金調達方法です。
売掛債権があれば、それを現金化することでつなぎ資金が調達できます。
つなぎ資金を得る方法としてファクタリングをおすすめする理由
つなぎ資金を得るための5つの方法を紹介しましたが、この中で1番のおすすめはファクタリングです。
以下の8つの点がその理由です。
● 負債にならない
● 信用情報機関に情報が記載されることがない
● 担保・保証人が不要
● 申し込み手続きが簡単
● 審査に通過しやすい
● すぐに現金化できる
● 創業したばかりでも利用できる
● 売掛先が支払い不能になっても責任を問われない
それぞれの点について、内容を詳しく説明します。
負債にならない
つなぎ資金の調達にファクタリングをおすすめする理由の1つは、ファクタリングは負債にならないという点です。
売掛債権をファクタリング事業者に買取してもらうので、資金需要のある企業から見れば資産の売却になります。
ファクタリングは、資金調達の分類ではアセットファイナンスです。自社の資産(アセット)を現金化するものなので、融資や借入のように第三者の資本に依存する必要がなく、返済義務や金利負担もありません。
会計上で負債が増えるだけでなく、ファクタリングで得たキャッシュを使い、残っている負債を返済すれば、バランスシート(賃借対照表)のスリム化を図ることが可能です。
財務状況が健全化すれば、将来、金融機関やノンバンクに融資を依頼するときも、審査に通過しやすくなるでしょう。
信用情報機関に情報が記載されることがない
ファクタリングは銀行やノンバンクからの融資ではありません。したがって信用情報機関に何らかの情報が記録される、それが第3者によって閲覧されるということはありません。
融資や借入の場合、借金の事実、万が一返済が遅れれば金融事故の情報が信用情報機関に登録されます。
しかし、融資や借入に該当しないファクタリングでは、そうした心配はいりません。
担保・保証人が不要
担保や保証人を差し出す必要がないという点も、つなぎ資金を調達する方法としてファクタリングをおすすめする理由の1つです。
融資の場合、金融機関は債務不履行になっても融資金額を回収できるように、市場価値があり換金できるものを担保として求めるケースがあります。
さらに、オーナー企業が融資を受ける場合は、経営者が連帯保証人になるケースが一般的です。債務不履行になった場合、経営者の私財を売却すれば返済できるからです。
不動産担保ローンでは不動産、手形割引は手形を担保にしなければなりません。そうすることで、金融機関は返済不能にあった場合のリスクを軽減します。
ファクタリングの場合、ファクタリング事業者は審査のときに売掛先の信用力をきちんと確認し、売掛金未回収のリスクを軽減します。
したがって、ファクタリングを申し込む際に利用者は担保や保証人を差し出す必要がありません。
申し込み手続きが簡単
申し込み手続きが簡単という点も、つなぎ資金の調達方法としてファクタリングをおすすめする理由です。
日本政策金融公庫や銀行からつなぎ資金を融資してもらう場合、申し込みのためにたくさんの書類を準備しなければなりません。
一般的に法人がビジネスローンを申し込む場合、以下の書類が必要です。
● 履歴事項全部証明書
● 決算書
● 事業計画書
● 納税証明書
● 許認可証の写し(許認可のいる業種の場合)
● 印鑑証明書
● 代表者の本人確認書類
ファクタリングの申し込みの際には、一般的に以下の書類の提出が求められます。
● 決算内容確認書類(決算書や試算書)
● 売掛先との取引基本契約書
● 通帳のコピー
● 見積書・発注書・請求書・納品確認書など
● 印鑑証明書
● 代表者の本人確認書類
両者を比較すると、ファクタリングの方が提出する書類が少なく、すぐに用意できるものばかりです。
さらに、ファクタリング事業者の中には、決算書の提出なし、請求書とその内容を証明できる通帳のコピーなどのエビデンス、本人確認書類といった必要最低限の書類だけで申し込みできるものがあります。
審査に通過しやすい
金融機関からの融資を受ける場合の審査と比較すると、ファクタリングの審査は通りやすいという点も、つなぎ資金の調達方法としてファクタリングをおすすめする理由です。
融資の場合、資金需要のある企業つまり自社の信用力が審査の対象になります。
したがって、債務超過状態なら、銀行でもノンバンクでもビジネスローンを利用することは難しいでしょう。
一方、ファクタリングの審査対象は売掛先の信用力です。
売掛先に信用力があれば、たとえ自社が赤字決算や債務超過の状態だとしても、審査に通過できる可能性があります。
すぐに現金化できる
ファクタリングは申し込みから審査結果の通知、契約、買取金額の振込までの時間が短いという点が特徴です。
オンラインでファクタリングサービスを提供している事業者がたくさんあるので、そうしたサービスを利用すれば、申し込みから最短即日で売掛債権を現金化できます。
こうした点も、つなぎ資金の調達方法としてファクタリングをおすすめする理由です。
銀行のビジネスローンであれば、審査に時間がかかるので最短即日融資は難しいです。
ノンバンク系のビジネスローンでは即日融資に対応しているところも多いですが、通常の銀行融資や公的融資と比較すると金利が高く設定されています。
つなぎ資金を調達するスピードは、ファクタリングとノンバンク系のビジネスローンのどちらも速いですが、借入ではないので金利を支払う必要がないという点でファクタリングの方が優れているといえるでしょう。
創業したばかりでも利用できる
創業したばかりの企業や個人事業主でも利用できるという点が、つなぎ融資としてファクタリングをおすすめする別の理由になります。
ビジネスローンの中には、融資を利用する際に「事業開始後2年以上経過していること」「2期分の決算書・確定申告書の提出」といった条件を設けています。
このように、創業したばかりの企業や個人事業主は、銀行のビジネスローンがそもそも利用できない可能性が高いです。
したがって、創業から1年未満の企業や個人事業主を対象としたビジネスローンや創業者型支援の融資を探すことになります。
しかし、創業から間もない企業を対象としたビジネスローンは審査が厳しい、創業者支援型の融資は審査に時間がかかるというのが難点です。
その点、ファクタリングは創業から間もない企業や個人事業主でも利用でき、審査から売掛金の現金化までのスピードも速いです。
実際、創業間もない企業や個人事業主が利用できるファクタリング事業者はいくつもあります。
たとえば、あるファクタリング事業者は、初年度で決算や確定申告をまだしていない企業や個人事業主に対し、「事業用銀行口座の入出金履歴が4ヶ月以上あればお申し込み可能」と説明しています。
売掛先が支払い不能になっても責任を問われない
ファクタリングは基本的に、償還請求権なしのノンリコースファクタリングでの契約です。
ノンリコースであれば、売掛先の倒産といった理由で売掛金が回収できなかった場合でも、ファクタリング事業者が債権を売却した企業に対して債権代金の支払い請求をすることはありません。
一方、手形割引には償還請求権があります。したがって手形が不渡りになった場合、手形割引を依頼した側は満額に利息分を加えた金額を銀行もしくは手形割引業者に弁済する責任が生じます。
手形割引よりもファクタリングの方が、弁済のリスクを回避できるという点では安心して利用できます。
つなぎ資金では2社間ファクタリングがおすすめ
ファクタリングの契約方法は2社間方式と3社間方式の2種類に分けることができます。
緊急に資金を必要とするつなぎ資金の調達では、2社間方式がおすすめです。
2社間方式は、資金需要のある企業とファクタリング事業者の2社だけで契約をするのでそのように呼ばれています。
2社間方式の申し込みから契約、売掛金回収までの流れは一般的に以下の通りです。
1. 売掛金発生
2. つなぎ資金が欲しい企業はファクタリング会社へ売掛債権を譲渡(ファクタリング会社による債権の買い取り)
3. ファクタリング会社が企業に譲渡代金を支払う(売掛債権の現金化)
4. 売掛先が売掛金を企業に支払う(売掛金の回収)
5. 企業は回収した売掛金をファクタリング会社に支払う
この流れからわかるように、2社間方式の大きな特徴は以下の2点です。
● 売掛先へのファクタリング利用承諾が不要
● ファクタリング会社は売掛先から売掛金の回収はしない
2社間方式の特徴を踏まえた上で、つなぎ資金の調達方法としてなぜ2社間方式がおすすめなのか、その理由を紹介します。
つなぎ資金で2社間ファクタリングをおすすめする理由
つなぎ資金の調達に2社間ファクタリングをおすすめする理由には以下のものがあります。
● 売掛先に断られる心配がない
● 即日で資金調達ができる
● ファクタリングの利用を売掛先や取引先に知られない
それぞれの理由について説明を加えます。
売掛先に断られる心配がない
3社間方式の場合、売掛先へファクタリングを利用する旨を伝え、承諾してもらう必要があります。2社間方式では、その必要はありません。
したがって、売掛先からファクタリングの導入を断られるという心配が不要です。
売掛先の方が自社よりも発言力や影響力が強い場合、3社間方式で話を進めれば、断られる可能性があるでしょう。そうなれば、つなぎ資金の調達もできません。
そのため、売掛先の力が強く断られるのが心配というケースでは、2社間方式でつなぎ資金を調達することをおすすめします。
即日で資金調達ができる
売掛先を巻き込んで話をしなくていいのが2社間方式の強みでした。
したがって、自社とファクタリング事業者で話がまとまれば、最短で即日で売掛債権の現金化が可能です。
2社間ファクタリングは、早急につなぎ資金を用意したいという企業にはとても便利な資金調達法といえるでしょう。
ファクタリングの利用を売掛先や取引先に知られない
売掛先にファクタリングの利用を知られる心配がないという点も、つなぎ資金の調達方法として2社間方式をおすすめする理由です。
3社間方式で契約すれば、売掛先にファクタリング導入が知られることになるので、売掛先やその他の取引先に資金繰りが難しいと思われ、経営状態について風評被害が発生するかもしれません。
売掛先の承諾が必要ない2社間方式を選べば、こうしたトラブルを避けることが可能です。
つなぎ資金の調達で2社間方式を利用する際の注意点
つなぎ資金の調達で2社間方式を利用する場合、以下の点に注意してください。
● 3社間方式よりも手数料が高い
● 3社間方式よりも審査が厳しい
● 債権譲渡登記が必要
それぞれの点について詳しい内容を紹介します。
3社間方式よりもファクタリング手数料が高い
一般的にファクタリング手数料は、2社間方式の方が3社間方式よりも高いという点に注意してください。
ファクタリングでつなぎ資金を調達した場合、手元に残る資金は売掛金からファクタリング手数料を差し引いた金額です。手数料が高いとそれだけ手元に残る資金は少なくなります。
したがって、つなぎ資金を調達する場合、手数料が低いファクタリング事業者を選ぶことがポイントになります。
3社間方式よりも審査が厳しい
2社間方式の審査は3社間方式より厳しいといわれています。
3社間方式は、ファクタリング事業者が直接、売掛先の信用力を確認することが可能です。
一方2社間方式は、つなぎ資金の需要がある企業から提出される売掛先の情報や資料だけで売掛先の信用力を判断します。
したがって、2社間方式の場合、ファクタリング事業者は売掛先の信用力について慎重に判断しなければなりません。
しかし、ファクタリングの審査は金融機関の融資審査よりも厳しいものではありません。
ファクタリングでつなぎ資金を調達したいという方は、この機会に自社にふさわしいファクタリング事業者を選んで利用を申し込んでください。
債権譲渡登記が必要
2社間方式では債権譲渡登記が求められる場合があります。この点に注意してください。
債権譲渡登記とは債権が譲渡されたことを登記する手続きです。不動産登記や商業登記と同様に、法務局で手続きすることで、その債権が誰の所有であるかを証明できます。
ファクタリング事業者が債権譲渡登記を求める理由は、二重譲渡の防止と売掛金使い込みへの対抗要件のためです。
たとえば、資金調達に困っている企業が、複数のファクタリング会社に同じ売掛債権を売却した場合、それぞれの会社が所有権を主張することになるでしょう。
こうした債権の二重譲渡とそれに伴うトラブルを回避するため債権譲渡登記を求めます。
さらに、資金需要のある企業が、ファクタリング事業者に支払うべき売掛金を使い込んだ場合の対抗要件のためという理由があります。
こうしたケースでは、裁判所を経由して差し押さえ(債務執行手続き)をおこなうのが一般的です。
債権譲渡登記があれば裁判所への申請時に、ファクタリング事業者は債権譲渡の事実や債権の権利者であることを裁判所に証明することができます。
つなぎ資金の調達でファクタリングを申し込む際の流れ
つなぎ資金調達のために、2社間方式のファクタリングを申し込む場合、申し込みから契約までの流れは以下のようになります。
① ファクタリング事業者への相談
② 申し込み
③ 必要書類の提出
④ 審査
⑤ 見積もりの提示
⑥ 契約
この流れの中にある各手順や注意点について詳細を解説します。
ファクタリング事業者への相談
最初の手順は、売掛債権の買取をお願いしたいファクタリング事業者を選択し、自社が所有する売掛債権の買い取りが可能かどうかを相談することです。
できれば複数の事業者を選択してください。
あるファクタリング事業者で買取を断られたとしても、別の事業者に依頼することができるからです。
さらに、申し込み前の相談の際に、担当者の対応や説明などから継続的に利用できるファクタリング事業者かどうか判断できます。
申し込み
2番目の手順は、ファクタリングサービスへの申し込みです。
一般的に利用されている申し込み方法には以下のものがあります。
● オンライン
● 窓口
● 電話
● 郵送
それぞれの申し込み方法について、その内容と注意点を簡単に紹介します。
オンライン
ファクタリング事業者の多くが公式サイトにある申し込みフォームからの申し込みを受け付けています。
オンラインでの申し込みなら、ネット環境さえあればパソコンやスマホなどを使っていつでもどこでも申し込みが可能です。
会社の本業が忙しく、経営の仕事に時間を割くのが難しいという中小企業のオーナーや個人事業主には、オンラインでの手続きをおすすめします。
窓口
ファクタリング事業者の営業所が会社やオフィスの近くにあれば、窓口で手続きできます。対面なので質問や相談を担当者に直接できるのがメリットです。
ただし、窓口が開いている時間に訪問する、担当者との日程調整をするといった必要があるので、その点に注意してください。
電話
電話での申し込みも窓口と同じように直接相手と話をして手続きできます。
ただし、営業時間内に電話する必要があること、電話対応の担当者と実際の担当者が違う場合があるという点に注意が必要です。
窓口での手続きよりも相手の顔が見えないので、こちらの方が話しやすいという方には電話での申し込みをおすすめします。
郵送
郵送は、ファクタリング事業者の営業所が会社より遠くにあるという方におすすめの方法です。
郵送ではファクタリング事業者に申込書が届くまでにある程度時間がかかる、申込書の内容に不備があったらなら手間がかかるという点に注意してください。
オンライン・窓口・電話・郵送のどの方法であっても、申し込みの際には契約内容をしっかり確認してください。
たとえば、審査なしで契約可能、相場よりかなり格安の手数料、保証料や手付金などファクタリングには存在しない手数料を請求するといった契約内容であれば、悪徳業者の可能性が高いので注意してください。
必要書類の提出
3番目の手順は必要書類の提出です。
先ほども紹介しましたが、一般的に以下の書類をファクタリング事業者に提出します。
● 決算内容確認書類(決算書や試算書)
● 売掛先との取引基本契約書
● 通帳のコピー
● 見積書・発注書・請求書・納品確認書など
● 印鑑証明書
● 代表者の本人確認書類
つなぎ資金の調達を望む企業は、決算書や試算表を提出し、自社の経営状況をファクタリング事業者に証明します。
売掛先との取引基本契約書は、ファクタリング事業者が、売掛債権の存在や売掛先と継続的な取引があることを確認するために提出が必要です。
通帳のコピーや見積書・発注書・請求書・納品確認書は、ファクタリング事業者が売掛債権の額、入金時期、会社と売掛先の取引関係などを確認するために提出します。
契約書に実印を押して契約する場合、ファクタリング事業者の中には印鑑証明書の提出を求めるところがあるので、必要であれば事前に用意してください。
さらに、ファクタリング事業者に利用者登録をするので、代表者の本人確認として運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどを本人確認書類として用意してください。
審査
4番目の手順は、ファクタリング事業者による審査です。
一般的には、提出済みの書類に基づく審査と、ヒアリングによる審査がおこなわれます。
提出した書類から売掛債権の存在や金額、入金時期などは確認し、書類だけでは確認できない他の部分についてはヒアリング調査をおこないます。
一般的にヒアリングで質問される内容は以下の通りです。
● 自社の事業内容
● 売掛先の事業や自社との取引内容
● 自社がファクタリングで資金調達を希望する理由
3社間方式のヒアリング調査では、ファクタリング利用についての売掛先の承諾について聞かれます。
しかし、2社間方式では、売掛先が契約に関わることがないので、この点について聞かれることはありません。
審査の結果通知は最短で即日、遅くても1週間程度かかる場合があります。それぞれの事業者や契約内容により違いがあるのでその点をご理解ください。
見積もりの提示
ファクタリング事業者が審査の結果、売掛債権の買取が可能と判断すれば、買取額や手数料率などの見積もりを提示します。
見積もりに納得できなかった場合は、そのままキャンセルすることが可能です。自社のニーズにマッチする別のファクタリング事業者を探すことができるでしょう。
見積もりに納得できたなら、次の手順である契約に移ります。
契約
契約の際には、契約書に記載されている買取額や手数料を含めすべての項目をきちんと確認してください。
一般的な契約では2通の契約書が作成され、ファクタリング事業者と資金調達を希望する会社のそれぞれが契約書を1通ずつ保管します。
事業者によっては印紙代のコスト削減のため契約書の作成は1通だけというケースがあります。
そのようなケースでは将来のトラブル回避のために、もう1通の作成を依頼する、もしくは作成済みの契約書のコピーをもらうことができるでしょう。
契約完了後、買取金額から手数料を引いた金額が、指定の口座に入金されます。
多くのファクタリング事業者が契約完了後、即日入金に対応しています。つなぎ資金の調達を急いでいる企業にとってはとても便利なサービスです。
ファクタリングでのつなぎ資金調達についてのまとめ
この記事では、つなぎ資金調達の方法としてファクタリングをおすすめしました。
つなぎ資金の調達方法としてファクタリングをおすすめする理由としては、負債にならない、信用情報機関に情報が残らない、担保・保証人が不要、申し込み手続きが簡単、審査に通過しやすいといったものがありました。
売掛債権をすぐに現金化したい企業は、2社間ファクタリングを利用することができます。2社間方式の方が3社間方式より時間と手間がかからないからです。
つなぎ資金の需要があるという中小企業のオーナーや個人事業主の方は、この機会にファクタリングの導入をぜひご検討ください。