ファクタリングの5つのリスクとそれぞれの対処法について解説
目次
ファクタリングではさまざまなリスクが想定されます。
これから利用したい方も、トラブルなく取引を済ませたいでしょう。
ファクタリングをするなら債務不履行や悪質業者など、さまざまなトラブルを想定し、対策を施してください。
そうすれば健全な業者を選び、スムーズな取引を進められます。
ファクタリングの利用を考える企業のため、注意すべきリスクを5つ紹介します。
記事の後半では、リスクへの対処法をまとめました。
ファクタリングで注意すべきリスク5つ
ファクタリングでは、さまざまなリスクに注意してください。
取引先や悪質業者、手数料などに気をつけましょう。
注意すべきリスクについて、以下で5つを紹介します。
1.債務不履行リスク
2.取引先にファクタリングを知られるリスク
3.キャッシュフローの停滞リスク
4.手数料を含むコストのリスク
5.悪質業者によるトラブルのリスク
1.債務不履行リスク
最初に注意すべきなのは、債務不履行リスクです。
ファクタリングで売却する売掛金は、取引先に対する商品やサービスの提供で成立します。
取引先が企業へ代金の後払いを約束していれば、企業はその証明として売掛金を持つのです。
しかし取引先が支払期日までに代金を支払わないと、債務不履行になります。
ファクタリングでは債務不履行により、ファクタリング業者が損失を負うのです。
業者は企業から売掛金を買い取ると、その相当額を取引先から回収しなければなりません。
債務不履行が起きると資金回収失敗になり、取引先が被害を受けます。
不健全な売掛金を売却したとして、企業も社会的信用を損なうでしょう。
そのため企業は、新しい取引先とコミュニケーションを取る場合、その健全性を事前に確かめなければなりません。
このようにファクタリングでは、取引先のトラブルに警戒しましょう。
債務不履行が起きると、ファクタリング業者は損失を負い、取引をしていた企業の社会的信用にも関わります。
2.取引先にファクタリングを知られるリスク
次に注意すべきなのは、取引先にファクタリングを知られるリスクです。
企業のファクタリングを知った取引先と、関係が悪くなるかもしれません。
取引先は損失を避けるため、問題のある企業との取引を避けます。
ファクタリングによって一部取引先は、企業の資金繰りの悪化を疑います。
支払期日前の現金化が必要だと、経営状態がよくないと思うからです。
企業のファクタリングを知ると、取引先が今後の付き合いを断るかもしれません。
そのため取引先を選ぶなら、ファクタリングに理解があるところをなるべく選びましょう。
ファクタリングで早期の資金調達をできますが、取引先との関係が壊れると、今後の経営に影響が及びます。
3.キャッシュフローの停滞リスク
次の注意点はキャッシュフローの停滞です。
早期の現金化によって、次の資金調達までのスパンが長くなるかもしれません。
一度資金調達に成功すれば、目先の支払いをクリアできます。
しかしそのあとの資金管理がうまくいかないと、再び経営状況が悪化します。
たとえば1カ月後が支払期日の売掛金を、ファクタリングで即日換金した場合です。
取引先からの次の入金が2カ月後なら、その間の資金管理計画を考えなければいけません。
売り上げの向上だけでなく、運転資金の調達、経費削減などの対策が必要です。
ファクタリング後のプランがうまくいかないと、キャッシュフローが停滞します。
4.手数料を含むコストのリスク
次に注意すべきなのは、手数料を含むコストです。
ファクタリングで企業は、業者にさまざまな料金を払わなければいけません。
コストの代表例が手数料で、業者やプランによって異なります。
手数料は売掛金の買取額から差し引かれるしくみです。
たとえば売掛金が1000万円で、ファクタリング手数料が10%だとします。
その場合は100万円が差し引かれて900万円の手取りになります。
取引先から直接得るより、企業の手取りが少ないのです。
ほかにも業者によっては、債権譲渡登記費用や事務手数料などを要求します。
こうしたコストによって、手取りがさらに少なくなるのです。
ファクタリングで売掛金を売るなら、利用コストに注意しましょう。
コストが大きいほど、手取りが少なくなるからです。
5.悪質業者によるトラブルのリスク
最後のリスクは、悪質業者とのトラブルです。
世の中にはファクタリングを宣伝しながら、詐欺のような悪質行為をする業者がいます。
悪質業者に引っかかると、多額の損失を受けるでしょう。
資金繰りのよくない状況で、違法行為に巻き込まれると、企業の存続に関わります。
悪質業者の手口として、ファクタリングとして契約しながら、それと違うサービスを提供することがあります。
実際のファクタリングは売掛金を売却するだけで、調達金の返済義務はありません。
しかし一部の悪質業者は、債権を担保しているとして、法外な利子とともに返済を要求します。
ファクタリングに見せかけて、ローンを提供する形です。
このような行為で、トラブルに見舞われる企業もあります。
トラブルを避けるには、業者の公式サイトの運営会社や実績を調べてください。
運営会社の社会的評価が高かったり、実績が豊富だったりすれば、そこでトラブルに遭うリスクは低いでしょう。
ファクタリングのリスクへの対処法5つ
ファクタリングで損をしないため、さまざまな対処法を覚えてください。
たとえば債務不履行リスクに対処するなら、取引先の健全性を確かめましょう。
悪質業者とのトラブルを避けるなら、信頼性の高いファクタリング業者を選んでください。
有効なリスク対策を、以下で5つ紹介します。
1.取引先の経営状態を把握する
2.ファクタリングを知られたくないなら2社間契約がおすすめ
3.手数料の安い業者を見極める
4.コンサルティングをする業者に注目
5.運営体制と実績に優れた業者を選ぶ
1.取引先の経営状態を把握する
新しい取引先を見つけたら、そこの経営状態を確かめてください。
取引先から商品やサービスの購入オファーがあれば、情報収集をしましょう。
情報収集の結果、取引先の実態がわかるからです。
取引先の基本的情報として、登記簿謄本や株主名簿、決算書などがあります。
たとえば株主名簿なら、親会社や支配株主がわかるでしょう。
株主が健全なら、取引先を信頼できます。
また決算書は四季報や無料ファイナンスサイトなどで見られるほか、信用調査会にも調べてもらえます。
決算書はあらゆる企業の経営状況を示すので、ぜひ確かめておきましょう。
他社の健全性を普段から確かめていれば、債務不履行リスクのある取引先との接触を避けられます。
その結果、健全な売掛金だけをファクタリング業者へ届けられるのです。
2.ファクタリングを知られたくないなら2社間契約がおすすめ
売掛金の譲渡を他社に知られたくない場合、2社間ファクタリングを使いましょう。
この契約形態なら、取引先にファクタリングを知られるリスクが低いといえます。
企業と業者の間だけで契約を結び、売掛金を買い取ってもらえるからです。
一方3社間ファクタリングでは、取引先も契約に加わります。
取引先へファクタリングを通知しなければならず、資金繰りのよくない状況を疑われるかもしれません。
周囲に利用を知られたくない場合、3社間契約は避けた方がよいでしょう。
取引先との関係を守るなら、2社間ファクタリングが推奨されます。
3.サービスがお得な業者を見極める
お得なサービスを提供するファクタリング業者なら、コストの節約が可能です。
なかでも手数料の安さに注目してください。
業者によっては10%未満の手数料を設けており、経費節約につながります。
ファクタリング業者選びで迷うなら、手数料を比較検討してください。
手数料が安いほど、売掛金の売却額を多く確保できるからです。
必要分の資金調達を、早期に実現できます。
ほかにも即日入金や簡易的な手続きなど、企業に有利な条件がないか調べましょう。
手数料に注目しながら、お得なファクタリング業者を見つけてください。
4.コンサルティングをする業者に注目
コンサルティングを行うファクタリング業者も見逃せません。
キャッシュフロー改善や経費削減、売り上げの向上などのアドバイスをもらえます。
アドバイスをもとに資金管理の方法を変えれば、金欠のリスクを抑えられるでしょう。
業者によっては、無料でコンサルティングを展開しています。
売掛金を買い取ってもらうだけでなく、追加費用なしで有意義なアドバイスをもらえるのです。
資金繰りに悩む企業は、資金調達だけでなくコンサルティングも活用しましょう。
5.運営体制と実績に優れた業者を選ぶ
ファクタリング業者は、運営体制と実績に優れたタイプを選びましょう。
良質な業者なら、サービスをめぐるトラブルのリスクが低いといえます。
健全な対応によって、納得できる条件で売掛金を売却できます。
たとえば上場企業や有名グループが運営していれば、ファクタリング業者として信頼できるでしょう。
買取実績や営業年数、口コミ評価の高さなどにも注目してください。
健全な情報が充実していれば、ファクタリング会社として頼れます。
ファクタリングのリスクのまとめ
ファクタリングはさまざまなリスクをともないます。
手数料で調達資金が減ったり、悪質業者とトラブルになったりするかもしれません。
各種リスクに対処するため、事前の対策が重要です。
たとえばトラブル対策として、信頼性の高いファクタリング企業から、サービスが良心的なところを選びましょう。
ほかにも2社間契約を選べば、取引先に秘密でファクタリングを済ませられます。
普段から健全な取引先を選べば、売掛金の債務不履行のリスクを避けられるでしょう。
このようにファクタリングのリスクを考えながら、適切な対策を施してください。