ファクタリング会社は許認可なしで営業可能!優良会社の見分け方を紹介
目次
ファクタリング会社を探すとき、許認可の有無を気にする人もいるでしょう。
しかし実際は、ファクタリング会社に許認可は不要です。
そのため許認可の有無は、優良会社を見分ける基準になりません。
悪質会社とのトラブルを避けるには、許認可にとらわれず、優良会社の見分け方を学んでください。
ファクタリング会社と許認可の関係を踏まえ、優れたところの見つけ方をまとめました。
これを読めば、ファクタリング会社の成り立ちを踏まえ、良質なタイプを探すヒントがわかります。
ファクタリング会社は許認可なしで営業可能
ファクタリング会社は、営業のための許認可が必要ありません。
貸金業や古物商に該当しないからです。
ファクタリングに対しては、具体的な法規制がありません。
許認可なしで営業できる理由を、以下で3つ見ていきましょう。
1.貸金業と違うから
2.古物商に該当しないから
3.ファクタリングへの規制がないから
1.貸金業と違うから
許認可が不要な1つ目の理由は、ファクタリングが貸金業に当てはまらないことです。
ファクタリング会社は依頼者から、売掛金を買い取るだけです。
そのあと買い取り金額を、依頼者の指定口座に入金します。
従来の買い取りサービスと変わらないため、貸金業にあたらないのです。
ファクタリングはローンを扱わないため、貸金業法の規制も受けません。
貸金業法は消費者金融を規制するからです。
ファクタリングは返済義務がないため、消費者金融とは別で扱われます。
なお金融機関によっては、売掛金を担保に融資するケースもあります。
この場合は依頼者にお金を貸すため、貸金業法で規制されるしくみです。
しかしファクタリング会社は売掛金を買い取るだけなので、貸金業とは別物です。
2.古物商に該当しないから
許認可不要の2つ目の理由は、ファクタリングが古物商に当てはまらない点です。
古物の売買や交換をするなら、古物営業法によって古物商許可を要します。
無許可で中古品の売買をすれば、古物営業法違反として懲役3年以下か100万円以下の罰金に問われるのです。
そのため古物商をするなら、個人か法人として必要な手続きをしなければなりません。
しかしファクタリングは、原則として古物商に該当しません。
従来の中古品と違い、売掛金に実体がないからです。
実体のないものを買い取る場合、古物商に当てはまりません。
そのため古物商許可がなくても、ファクタリングの対応は可能です。
ファクタリング会社は、売掛金に実体がないことから、古物商の許認可なしでも営業できます。
3.ファクタリングへの規制がないから
最後の理由は、ファクタリングに対する法規制がないことです。
2023年11月時点で、売掛金の買い取りに関して、具体的な規制が見られません。
将来的にファクタリングへの規制が生じれば、許認可が必要になるでしょう。
しかしそうした規制がない限り、特段の許可や資格がなくても、売掛金を買い取れます。
たとえばお金を貸すサービスなら、貸金業法に基づいた許認可が必要です。
本や家具などを中古品として売買するなら、古物商許可が欠かせません。
このように商取引や貸金業は、一定の許可がなければできないのです。
しかしファクタリングには具体的な規制がないため、許認可なしでも営業できます。
ファクタリングは事業内容次第で許認可を要することもある
ファクタリング会社でも、事業内容によっては、許認可が必要です。
特殊なファクタリングや契約を扱うなら、一定の法規制を受けます。
許認可を要する場合として、以下の3つを見ていきましょう。
1.ウィズリコース契約をする場合
2.融資と判断されるファクタリングをする場合
3.給与ファクタリングを扱う場合
1.ウィズリコース契約をする場合
ファクタリング会社がウィズリコース契約を扱う場合、許認可が必要です。
ウィズリコースは、償還請求権のあるファクタリングを意味します。
ここでの償還請求権とは、取引先の債務不履行により、ファクタリング会社が依頼者へ費用を請求する権利です。
売掛金の相当額を回収できない場合、その全額を依頼者が払わなければなりません。
償還請求権つきのファクタリングを扱うなら、貸金業登録が必要です。
売掛金の相当額を払う可能性が依頼者にあれば、ABL(売掛債権担保融資)に近いと判断されます。
実際にウィズリコースのファクタリングは、ノンバンクや銀行に見られ、彼らは貸金業登録を済ませています。
登録していれば、償還請求権を依頼者に行使できるのです。
このように一部のファクタリング会社は貸金業登録のうえ、ウィズリコース契約を扱っています。
2.融資と判断されるファクタリングをする場合
ファクタリング会社でも、事業内容が融資と判断されれば、貸金業登録が必要です。
ファクタリングと宣伝していても、実際のサービスがローンに近いこともあります。
たとえば依頼者がファクタリングと思って依頼しても、会社が返済を求めるかもしれません。
その場合はローンなので、貸金業に該当します。
ファクタリングは基本的に、依頼者が返済義務を負いません。
会社が依頼者の売掛金を買い取るだけだからです。
しかし会社によっては、ファクタリングとして提供しながら、融資と同様の契約を結びます。
この場合は契約内容をめぐり、トラブルのおそれがあるので、要注意です。
ファクタリング会社でも、融資とみなされるサービスをしていれば、貸金業登録が必要です。
しかし貸金業登録をしないで、ファクタリングに見せかけた融資をする会社もあります。
売掛金の売却をするなら、そうした会社には注意しましょう。
3.給与ファクタリングを扱う場合
給与ファクタリングを扱う場合も、貸金業登録が必要です。
ここで買い取るのは、勤務先から給与をもらう権利である「給与債権」です。
ファクタリング会社によっては、給与債権の買い取りも宣伝しています。
本来のファクタリングでは、取引による売掛金が対象である一方、給与債権を扱うケースも見られるのです。
しかし給与ファクタリングについては、注意しなければいけません。
金融庁も要注意のビジネスとして、注意喚起をしています。
個人を通した資金回収業務は、貸金業に当てはまるからです。
給与ファクタリングを扱う会社によっては、法外な利息を求めたり、違法な取り立てをします。
そのため資金調達が必要でも、給与ファクタリングには注意しましょう。
貸金業登録は優良会社の証明
ファクタリング会社によっては、貸金業登録をしています。
一定の許認可を証明すれば、優良会社と証明できるからです。
貸金業登録には、厳格な要件が定められています。
たとえば5000万円の純資産に加え、従業員の50人に1人が貸金業務取扱主任者の資格を持っていなければなりません。
そのため貸金業登録の証明は、健全な会社としてのアピールになります。
依頼者から見ても、貸金業登録のあるファクタリング会社は信頼できるでしょう。
融資を伴うサービスも、安心して選べるかもしれません。
ファクタリング会社は、貸金業登録が必ずしも必要ではありませんが、登録している会社は一定の信頼性を証明できます。
許認可のないファクタリング会社を見分けるポイント
ファクタリング会社は許認可なしで営業することがあるため、依頼者は良質な会社の見分け方を学びましょう。
ファクタリングの基礎知識を学んだうえで、サービス内容を慎重に確かめてください。
健全な会社を見分けるコツについて、以下で3点紹介します。
1.事業内容を正しく理解する
2.手数料やサービスの比較検討をする
3.実績を確かめる
1.事業内容を正しく理解する
健全なファクタリング会社を選ぶなら、事業内容への理解が大切です。
ファクタリングの定義だけでなく、許認可が不要な理由など、正しい基礎知識を学んでください。
こうした取り組みで、悪質会社にだまされるリスクを抑えられます。
ファクタリングでは、依頼者と会社で売買契約を結びます。
融資と違うので返済義務はなく、担保や保証人も不要です。
仮に返済を求めたり、担保や保証人が必要だったりする場合は、ローンと認識してください。
ファクタリングを宣伝しながら、依頼者に返済を要求する会社もあります。
トラブルを避けるには、ファクタリングの正しい基礎知識を学び、知識と異なるサービスをする会社には注意しましょう。
2.手数料やサービスの比較検討をする
ファクタリングを学んだら、会社ごとに手数料やサービスの比較検討をしましょう。
比較検討によって、優良な会社がわかるからです。
ファクタリング会社は許認可なしで営業できるため、手数料が異常に高額でも取り締まりを受けません。
しかし売掛金の売却で、高額な手数料がかかれば、調達額が少なくなります。
依頼のコストを抑えるには、複数の会社で手数料やサービスを比べてください。
そこから手数料が安かったり、サービスが優れていたりする会社を見つけましょう。
3.実績を確かめる
良質なファクタリング会社を見つけるなら、実績を確かめましょう。
多くの実績があれば、それだけ頼りにしている依頼者がいます。
自身が依頼を出すときも、サービス面で満足できるでしょう。
ファクタリング会社の実績には営業年数や審査通過率、買い取り件数などがあります。
たとえば営業年数が長さは、多くの信頼の証明です。
買い取り件数が多ければ、蓄積されたノウハウをもとに、柔軟な対応ができるでしょう。
実績に優れたファクタリング会社なら、優良なサービスを期待できます。
ファクタリング会社の許認可のまとめ
ファクタリング会社は、許認可なしでも営業できます。
なかには貸金業登録を行う会社もありますが、基本的には無資格での運営が可能です。
そのため法外な手数料や、従来のファクタリングと違う返済請求などで、トラブルを起こす会社もあります。
トラブルを避けるには、ファクタリングの正しい知識を得てください。
正しい知識をもとに、サービスや実績を慎重に確かめましょう。
ファクタリング会社は許認可不要のため、さまざまなタイプがあります。
基礎知識を踏まえ、良質な会社に依頼しましょう。