非対面型ファクタリングとはどのようなサービス?非対面型ファクタリングを利用するメリット・デメリットを紹介
目次
顧客との直接的な接触を削減する非対面型ビジネスモデルの増加は、ファクタリング業界にも見られます。
通常のファクタリングは、ファクタリング事業者の担当者と直接顔を合わして売掛債権の買取について相談する、審査してもらう、契約するといった手順を踏みます。
ここ数年で、顧客と直接やり取りすることなくすべての手順を非対面で完結できるファクタリングサービスが増えました。
非対面型ファクタリングに興味はあるが、対面型のファクタリングしか利用経験がなく、非対面型は利用したことがないという方がいらっしゃいます。
そこで、この記事では非対面型ファクタリングとはどのようなサービスなのか、非対面型を利用するメリット・デメリット、申し込みに必要な提出書類などを紹介します。
非対面型ファクタリングとはどのようなサービス?
非対面型ファクタリングはファクタリングの契約や取引に関係するすべての工程をオンラインで完結できるサービスです。
非対面型ファクタリングは、オンラインファクタリングもしくはクラウドファクタリングと呼ばれます。
非対面型ファクタリングでは、以下の工程すべてについて、ファクタリング事業者の担当者と直接やり取りせずに完結させることが可能です。
● 申し込み
● 必要書類の提出
● 審査
● 審査結果の通知
● 契約
● 入金
● 回収した売掛金をファクタリング事業者に引き渡す
非対面型ファクタリングは申し込みから、必要書類の提出、審査、契約といった重要な工程すべてをオンラインで完結可能です。
非対面型ファクタリングは、2社間方式によるファクタリングなので、ファクタリング事業者と利用企業間で回収委託契約を結び、利用企業が売掛金の回収をおこないます。
そして、入金期日に売掛先から売掛金の入金があれば、それをファクタリング事業者に引き渡します。
非対面型ファクタリングでは、この最後の工程まで非対面で完結可能です。
非対面型ファクタリングを利用するメリット
非対面型ファクタリングを利用するメリットは以下の通りです。
● いつでもどこでも書類提出ができる
● 審査結果がすぐにわかる
● 申し込みから資金調達完了までのスピードが速い
● 交通費や印紙代などのコスト削減ができる
● 売掛先に知られることがない
それぞれのメリットについて具体的な内容を説明します。
いつでもどこでも書類提出ができる
非対面型ファクタリングは、すべての手続きがオンラインで完結可能です。したがって申し込みや審査に必要な書類もオンラインで提出します。
インターネット接続環境とパソコンやタブレット、スマホといった端末さえあれば24時間いつでもどこでも書類提出が可能です。
必要書類の提出は、ファクタリング事業者の公式サイトにある申し込みフォームやアプリからファイルをアップロードします。
たいていの中小企業の経営者や個人事業主は本業にも自ら携わります。経営の仕事だけに集中すればいいというわけではありません。
そうした経営者にとってわざわざファクタリング事業者の窓口に行く必要がない、担当者と時間を調整し合う必要がない非対面型ファクタリングは、時間の節約になるので便利です。
審査結果がすぐにわかる
非対面型ファクタリングでは審査にAIを採用しているところが多くあります。AI審査は人がおこなう審査より審査結果の連絡が早いです。
したがって、審査結果がすぐにわかるのが非対面型ファクタリングのメリットです。
対面型ファクタリングでは、審査結果の連絡までに最短で1日、場合によっては1週間待つ必要があります。
非対面型ファクタリングは、アップロードした書類に不備がなければ、通常24時間以内に審査結果が連絡されます。事業者によっては30分以内で審査結果を連絡するところがあります。
審査結果がすぐにわかるので、審査に落ちればすぐに別のファクタリング事業者に申し込みができます。
申し込みから資金調達完了までのスピードが速い
非対面型ファクタリングは対面型ファクタリングよりも申し込みから資金調達完了までのスピードが速い点がメリットです。
非対面型ファクタリングは、必要書類のアップデート、審査、審査結果の通知はもちろん契約もオンライン上で完結する電子契約になります。
契約完了後はすぐに入金されるので、申し込みから資金調達までの工程を24時間以内に完了させることが可能です。
支払いがあるので資金調達を急いでいる企業には、申し込みから資金調達までを最短1日で完結できる非対面型ファクタリングをおすすめします。
交通費や印紙代などのコスト削減ができる
非対面型ファクタリングは交通費や印紙代などのコストを削減できる点がメリットです。
対面型ファクタリングでは、書類提出や契約のためにオフィスを訪問するための交通費、契約書を作成する際の収入印紙代といったコストがかかります。
非対面型ファクタリングは、担当者と直接やり取りすることはないので交通費がかかりません。電子契約なので印紙代も不要です。
売掛先に知られることがない
オンラインですべての工程が完結できる非対面型ファクタリングは、基本2社間方式でのファクタリングです。
2社間方式は、売掛先に売掛債権譲渡の通知や承諾をする必要がないので、売掛先にファクタリングの利用を知られることがありません。
ファクタリングの利用が売掛先に知られるなら、「資金繰りに苦しんでいる」「経営状況が悪い」といった風評被害が起こるのが心配になります。
非対面型ファクタリングでは、売掛先への通知や承諾がないので、売掛先の反応を気にせずファクタリングを利用できます。
非対面型ファクタリングを利用するデメリット
非対面型ファクタリングのデメリットは以下の通りです。
● 書類をデータでアップロードしなければならない
● 審査通過率が下がる
● 審査に融通が利かない
書類をデータでアップロードしなければならない
非対面型ファクタリングでは審査に必要な書類を申し込みフォームやアプリからアップロードしなければなりません。
パソコンやスマホで書類をアップロードする作業が苦手という方にはこうした作業は面倒に感じるでしょう。
さらに、ファクタリング事業者が指定するファイル形式で書類をアップロードするため、パソコンに専用のアプリやソフトをインストールする必要があるかもしれません。
そうしたケースでは余分の費用と手間がかかります。
審査通過率が下がる
オンラインですべての工程が完結できる非対面型ファクタリングは、対面型ファクタリングよりも提出書類が少ないのが特徴です。
提出書類が少ないと審査通過率が下がる傾向があるという点がデメリットになります。
提出書類が多ければ利用企業と売掛先の与信調査の精度は高まります。情報が多ければ売掛金未回収になるリスクについて判断しやすくなるので、審査通過率が上がるわけです。
一方、提出書類が少なければ、与信審査で使える材料が限られているので審査が厳しくなり、審査通過率が下がります。
しかし、非対面ファクタリングで取引実績が豊富なファクタリング事業者であれば、提出書類が少なくても、過去の取引データなどから売掛金未回収のリスクを判断できるので、審査通過率が下がらないというケースがあります。
非対面型ファクタリングを申し込む場合は、公式サイトで審査通過率を公表しており、なおかつその数字が高い事業者を選べるでしょう。
審査に融通が利かない
審査にAIを採用している非対面型ファクタリングは、審査に融通が利かない点がデメリットです。
人が審査する場合、ヒアリングや対面でのコミュニケーションを通じて、人情的な判断や臨機応変な対応を期待できます。
AI審査は基本的にヒアリングがありません。したがって、利用企業が交渉する、事業者側が譲歩するということはありません。
AI審査の特徴は人の審査より回答が早いという点です。
したがって、審査に通過できるかどうか不安という場合は、まず非対面型ファクタリングで審査をしてもらい、審査に落ちた場合は対面型ファクタリングを申し込むということができます。
非対面型ファクタリングの必要書類
オンラインで完結可能な非対面型ファクタリングで審査を申し込む際には、一般的に以下の書類が必要です。
● 昨年度の決算書一式(賃借対照表・損益計算書・勘定科目明細)
● 入出金明細
● 売却予定の請求書
● 本人確認書類
非対面型ファクタリングの事業者の中には、請求書とその内容を裏付ける通帳のコピーといったエビデンス、本人確認書類のみの提出で申し込みできるところがあります。
非対面型ファクタリングは事業者により提出書類の種類や数が違います。したがって、利用を検討しているファクタリング事業者があれば、どのような書類が必要なのか事前に確認してください。
非対面型ファクタリングについてのまとめ
この記事では、最近増加傾向にあるオンラインですべての工程が完結可能な非対面型ファクタリングのサービスについて紹介しました。
担当者との直接的なやり取りがない非対面型ファクタリングは、オンラインでいつでもどこでも申し込みが可能、申し込みから資金調達完了までのスピードが速いといった点が特徴でした。
審査にAIを採用しているところが多いので、審査に融通が利かないといった点に注意してください。
非対面型ファクタリングは最短で申し込みから24時間以内に資金調達が完了します。資金調達を急いでいるという企業や個人事業主は非対面型ファクタリングの利用をぜひ検討してください。