ファクタリング情報

ファクタリングの市場規模は?将来性や海外の市場規模についても解説!

市場規模の拡大が著しい「ファクタリング」とは?

ファクタリングとは、保有する売掛金を早期に現金化できるサービスです。
通常、売掛金には30日~60日ほどの支払いサイトが存在するため、商品・サービスの提供後すぐに代金を受け取ることはできません。
しかし、ファクタリング会社に売掛債権を売却することで、売掛金を早期に受け取ることができます。
本来の支払いサイトを短縮できるため、資金繰りの改善や支払いへの対応に活用できます。
また、ファクタリング会社に売掛金を売却する際は、基本的に売掛金の貸し倒れリスクもファクタリング会社へ移行します。
そのため、ファクタリングは資金調達だけでなく、売掛金の貸し倒れリスクを回避する目的でも利用されています。

ファクタリングの市場規模

現在、ファクタリングは中小企業や個人事業主が利用する資金調達方法として認知されています。
国も売掛債権を活用した資金調達方法の利用を推奨するなど、今後は市場規模が拡大していくことが予測されます。
本章では、海外と日本におけるファクタリング業界の市場規模について解説していきます。

ファクタリングの市場規模「海外編」

ファクタリングは、もともと海外で発祥したサービスです。
海外の主要国では、古くから一般的な資金調達方法として活用されてきました。
FCIが公表している、2019年時点での各国のファクタリング市場規模は以下の通りです。

・ 日本→49,446
・ アメリカ→100,508
・ 中国→484,205
・ イギリス→394,759
・ イタリア→316,037
(単位:100万ドル)

この結果を見れば分かるように、海外のファクタリング市場規模は日本と比べて大幅に高い状況となっています。
日本でいうところの融資やカードローンのような感覚で利用されており、今後も市場規模の拡大が予想されています。

ファクタリングの市場規模「日本編」

実は、ファクタリングが日本に伝わったのは、1970年代のことです。
ファクタリングは14世紀にイギリスで発祥したと言われており、海外と比べてファクタリングの歴史は浅いといえます。
また、ファクタリングが日本に伝わった1970年代は、売掛金が発生しない「手形取引」が主流であったため、ファクタリングを利用する人はほとんどいませんでした。
しかし、バブル崩壊で手形取引が衰退したことによって、徐々にファクタリングを利用する人が増えてきたのです。
それ以降、ファクタリングの市場規模は右肩上がりを続け、2011年のピーク時点では約1,110億ドルもの市場規模を誇りました。
海外と比べて低い市場規模となっている日本ですが、海外と同様に今後も市場規模の拡大が予想されています。

日本におけるファクタリング市場規模の将来性

現在、日本において認知が拡大しているファクタリングですが、今後はどのような道をたどるのでしょうか。
本章では、日本におけるファクタリングの現状と将来性について解説していきます。

2011年から2017年までは市場規模が縮小していた

2011年に市場規模がピークに達したファクタリングですが、実は2011年から2017年まで市場規模は縮小を続けていました。
縮小した原因としては、給料ファクタリングをはじめとする悪徳業者の登場が考えられます。
ファクタリング会社は、貸金業登録を行わずに開業することができます。
資金さえあれば一般企業のように開業できることから、自社の利益を最優先する悪徳業者が参入してきたのです。
悪徳業者は、高額な手数料を請求してきたり、違法な取り立てを行うなどの悪行をしており、ファクタリングの印象を低下させました。
ファクタリングは「あまりよくない資金調達方法」という抽象的なレッテルが貼られてしまい、市場規模は年々縮小してしまったのです。

2018年以降は市場規模が拡大傾向に

2011年から下降傾向にあったファクタリングの市場規模ですが、2018年以降は徐々に回復を見せています。
ファクタリングの市場規模が再起した理由としては、ファクタリングサービスの利便性が中小企業や個人事業主のニーズにマッチしたことが挙げられます。
特にすべての手続きをネット上で完結できる「オンラインファクタリング」は、資金調達を急いでいる方にとって、画期的なサービスだといえるでしょう。
オンラインファクタリングでは、自宅やオフィスから手続きを行えるうえ、最短即日で資金調達を行うことが可能です。
また、ファクタリング会社としても手続きにかかる経費を削減できることから、一般的なファクタリングと比べて、手数料も安い傾向にあります。
このように、利用者のニーズに合ったファクタリングサービスが登場したことにより、ファクタリングは再び注目を集めることができました。

ファクタリング市場規模の拡大に拍車をかけた民法改正

2020年までは、債権譲渡禁止特約が付与されている売掛債権を、第三者に譲渡することは不可能でした。
債権譲渡禁止特約とは、債権者が第三者に債権を譲渡しないための特約です。
知らないうちに反社会勢力と取引を行ってしまう可能性などから、債権が発生する取引においては、債権譲渡禁止特約を付与することが一般的でした。
しかし、2020年に施行された民法改正により、債権譲渡禁止特約が付与されている債権でも、第三者に譲渡することが可能になったのです。
これまでファクタリングの利用を制限されていたケースでも、ファクタリングの利用が可能になったことから、ファクタリング市場規模の拡大に拍車をかける出来事となりました。

国を挙げてファクタリングの利用を推奨している

日本は、融資の審査通過が難しい事業者に向けて、売掛債権を活用した資金調達を推奨しています。
売掛債権を活用した資金調達方法は2種類あり、そのうちの一つがファクタリングです。
ファクタリングの審査では「売掛先の信用力」重視されるため、信用情報に問題を抱えている方でも利用することができます。
また、融資のように利用に際して担保・保証人を設定する必要がないことから、担保・保証人の用意が難しい開業間もない企業や個人事業主でも、気軽に利用できます。
このように、ファクタリングは非常に利便性が高い資金調達方法であることから、国を挙げて利用を推奨しています。
国から認められた資金調達方法ということで、ファクタリングの将来性は非常に高いといえるでしょう。

市場規模の拡大が見込めるファクタリングの利用をおすすめする場面

本記事では、ファクタリングの市場規模について解説させていただきましたが、実際にはどのような場面で活用するのが有効なのでしょうか。
本章では、市場規模の拡大が見込めるファクタリングの利用をおすすめする場面について解説していきます。

おすすめ①:急いで資金調達したい

ファクタリングの魅力は、何といっても資金調達スピードの速さです。
利用するファクタリング会社にもよりますが、最短即日で資金調達を行うことができます。
ファクタリングでは素早い資金調達が可能であるため、資金繰りの悪化や急な支払いなど、急いで資金調達を行わなければいけない場面で活用できます。

おすすめ②:融資やカードローンの審査に落ちたとき

現在、日本におけるファクタリング市場規模はまだまだ小さく、融資やカードローンによる資金調達が一般的です。
ただ、融資やカードローンの審査では、利用者の経営状況や信用情報が重視されます。
赤字決算や債務超過など、何らかの問題を抱えている場合は、審査に通過できない可能性が高いです。
しかし、ファクタリングは融資やカードローンの審査に落ちてしまったときでも利用できる可能性があります。
なぜなら、ファクタリング審査では売掛先の信用力が重視されるからです。
経営状況、もしくは信用情報に何らかの問題を抱えており、融資やカードローンの利用が難しい場合は、ファクタリングの利用をおすすめします。

おすすめ③:貸し倒れリスクを回避したいとき

売掛金が発生する「掛け取引」では、商品・サービスの提供から代金の受け取りまでに30日~60日ほどの支払いサイトが存在します。
この期間に売掛先が経営悪化や倒産に陥ってしまった場合、売掛金の貸し倒れによる損失を受けることになります。
しかし、ファクタリングを利用すれば売掛金の貸し倒れリスクを回避できます。
なぜなら、償還請求権なしの契約が基本だからです。
償還請求権なしの契約では、債権譲渡後に売掛金の貸し倒れが発生したとしても、ファクタリング利用者に支払い義務が生じることはありません。
そのため、手元資金が不足している場合や、運転資金を確保しなければいけない場合など、売掛金の貸し倒れを回避しなければいけない場面においては、ファクタリングの利用をおすすめします。

ファクタリングの市場規模は?将来性や海外の市場規模についても解説!のまとめ

今回は、日本と海外におけるファクタリングの市場規模、およびファクタリングの将来性について解説させていただきました。
ファクタリングの市場規模は、日本・海外に関わらず、拡大傾向にあります。
ただ、急激に拡大しているわけではなく、緩やかに拡大している状況です。
実際のところ、日本国内においても2011年の市場規模を取り戻すことはできていません。
ただ、近年のファクタリングは、金融庁や経済産業省が利用を推奨する旨の声明を出すなど、明るいニュースが多い傾向にあります。
また、本記事でも述べたように、様々なケースで活用できることから、今後も市場規模の拡大が予想されます。
ファクタリングの利用を検討されている方は、ぜひ一度ご利用ください。