ファクタリングは個人事業主でも利用できる!審査通過のためのポイントやメリット・注意点について解説
目次
ファクタリングは個人事業主でも利用できる
結論から申し上げますと、ファクタリングは個人事業主でも利用することができます。
ファクタリングは、法人が利用しているイメージが強いことから、個人事業主は利用対象外と間違った認識を持たれている方も少なくありません。
近年では、個人事業主やフリーランスに特化したファクタリング会社が登場するなど、個人事業主の資金調達方法として注目を集めています。
個人事業主がファクタリングを利用するには売掛債権の保有が必須
個人事業主がファクタリングを利用するには「売掛債権を保有していること」が絶対条件です。
ファクタリングは、売掛債権を売却することで資金調達できるサービスであるため、売却する売掛債権を保有していなければ利用することはできません。
また、一般的にファクタリングで使用できる債権は、金額や支払期日に関して双方が合意に至っている「確定債権」のみです。
継続的な取引から将来的に売掛金の発生が見込める「将来債権」や、売掛金の支払期日を過ぎている「不良債権」などは、買取対象ではないケースもあるので注意しましょう。
ファクタリングでは売掛先の信用力が重視される
ファクタリングの審査では「売掛先の信用力」が重視されます。
これは、ファクタリング会社が買取った売掛金を回収しなければいけないからです。
ファクタリングは、基本的に償還請求権なしの契約であるため、売掛金を回収することができなかった場合は、ファクタリング会社がすべての損失を受けることになります。
そのため、ファクタリングの審査では、売掛先の信用力をはじめ、支払期日までの期間や売掛金の金額、利用者と売掛先の取引実績など、売掛金の未回収リスクに関する内容が重視されるのです。
個人事業主がファクタリングの審査に通過するための3つのポイント
ファクタリングは個人事業主でも利用できる資金調達方法ですが、審査通過のためにいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
利用条件をできるだけ良くするためにも、以下で解説する内容は必ず理解しておくようにしてください。
1.独立系ファクタリング会社を利用する
ファクタリング会社には、銀行などの金融機関が運営する「銀行系」、消費者金融やクレジットカード会社が運営する「ノンバンク系」、民間企業が運営する「独立系」の3種類があります。
このうち独立系ファクタリング会社は、ほかの種類のファクタリング会社に比べて審査通過率が高い傾向にあります。
また、個人事業主向けのファクタリング会社も多いため、ニーズに合った資金調達先を見つけられる可能性が高いです。
銀行系やノンバンク系よりも手数料が高くなりやすい傾向にありますが、審査通過を重視するのであれば独立系ファクタリング会社がおすすめです。
2.信用力の高い取引先との売掛債権を使用する
先ほども述べたように、ファクタリングの審査では売掛先の信用力が重視されます。
そのため、信用力の高い取引先との売掛債権を使用することで、審査に通過できる可能性を高めることができます。
信用力の高い取引先とは、倒産や経営悪化のリスクが少ない公的機関や上場企業のことです。
また、継続的に取引を行っている取引先も、信用力が高いと判断されます。
信用力の高い取引先は、審査通過だけでなく、手数料や入金スピードなどの利用条件にも好影響を与えてくれます。
3.売掛債権の存在を証明できる書類を提出する
ファクタリング会社は、既に第三者へ譲渡されている売掛債権を買取ってしまう「二重譲渡」や実在しない「架空債権」の使用など、利用者の詐欺行為を警戒しています。
そのため、審査では請求書などから「売掛債権の実在性」を確認します。
この際、請求書のほかに納品書や売掛先との基本契約書など、売掛債権の存在を証明できる書類をできるだけ多く提出することで、審査に通過できる可能性を高めることができます。
また、提出を求められている必要書類を不備なく揃えておくことで、信頼関係を構築することもできるでしょう。
個人事業主がファクタリングを利用する5つのメリット
ファクタリングは、比較的新しい資金調達方法であるため、どのようなメリットがあるか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために、本章では個人事業主がファクタリングを利用するメリットについて解説していきます。
1.素早く資金調達できる
ファクタリングでは、素早く資金調達できるメリットがあります。
銀行融資の場合は、利用者の返済能力を審査するのに時間がかかるため、資金調達までに数週間から2か月ほどかかることが一般的です。
法人よりも信用力が低い個人事業主であれば、更に時間がかかってしまうケースも珍しくありません。
しかし、ファクタリングでは個人事業主でも最短即日で資金調達することが可能です。
素早く資金調達できるため、急な支払いなど、緊急性の高いケースでも活用することができます。
2.自身の信用情報が悪くても利用できる
ファクタリングは、自身の信用情報が悪くても利用することができます。
銀行融資やカードローンの場合、信用情報や経営状況に問題を抱えていると、基本的に利用することができません。
これは、信用情報や経営状況に不安要素があり、返済能力が低いと判断されるからです。
しかし、ファクタリングは債務超過や税金滞納など、信用情報が悪くても利用することができます。
なぜなら、ファクタリング会社に対して支払いを行うのは、実質的に売掛先だからです。
そのため、ファクタリングは銀行融資やカードローンの審査に通過できなかった場合でも、利用できる可能性があります。
3.貸し倒れリスクを回避できる
ファクタリングを利用することで、貸し倒れリスクを回避できるメリットがあります。
貸し倒れとは、売掛金の回収不能により、損失を受けることです。
商品・サービスの提供から代金の支払までに一定の期間が空く「掛け取引」では、売掛先の経営悪化や倒産により、売掛金が貸し倒れになるリスクがあります。
しかし、ファクタリングを利用することで、売掛金を早期に現金化できるため、貸し倒れリスクを回避できます。
また、ファクタリングは原則償還請求権なしの契約であるため、取引後に売掛金が未回収に陥ったとしても、利用者が弁済を求められることはありません。
ファクタリングを利用することで、売掛金を確実に回収できるため、資金繰り計画を立てやすいことや売掛金の未回収による損失を回避できるメリットがあります。
4.利用にかかる手間が少ない
ファクタリングは、銀行融資と比べて少ない手間で利用できる資金調達方法です。
利用に際して担保・保証人を設定する必要がないうえ、最低限の必要書類だけで申し込みを行うことができます。
また、2社間ファクタリングでは、ファクタリングの利用に関して売掛先から承認を得る必要がないため、素早く資金調達することが可能です。
ファクタリングは、利用にかかる手間や時間が少ないことから、気軽に利用することができます。
5.自宅やオフィスからでも資金調達できる
ファクタリングでは、自宅やオフィスから資金調達できるケースがあります。
近年では、ファクタリングに関する手続きをオンライン上で完結できる「オンラインファクタリング」の普及が進んでおり、インターネット環境さえあればどこからでもファクタリングを利用することが可能です。
また、オンラインファクタリングに対応していなくても、メールや電話、郵送などで利用できるケースも珍しくありません。
ファクタリング会社へ足を運ぶ必要がないため、移動費や宿泊費、人件費といったコストを削減できます。
個人事業主がファクタリングを利用する際の3つの注意点
ファクタリングは、個人事業主にとってメリットの多い資金調達方法です。
有効に活用すれば、銀行融資やカードローンよりも満足度の高い資金調達を行うことができるでしょう。
しかし、利用に際して理解しておかなければいけない注意点があることも事実です。
注意点を理解していなければ、何らかのデメリットを受ける可能性があります。
1.相場内の手数料か確認する
ファクタリングを利用する際は、ファクタリング会社から提示された手数料が相場内であるか確認するようにしましょう。
ファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10%~20%、3社間ファクタリングで1%~9%です。
ただ、個人事業主は法人と比べて信用力が低いことから、上記の相場よりも少々高い手数料を請求されるケースが多い傾向にあります。
しかし、手数料30%以上など、相場を大幅に超える手数料を提示してくるファクタリング会社には要注意です。
高額な手数料は、資金繰りの悪化を招く原因にもなりかねないので、気を付けるようにしましょう。
2.信頼できるファクタリング会社であるか確認する
ファクタリングを利用する際は、信頼できるファクタリング会社であるか確認するようにしましょう。
ファクタリング会社の中には、高額な手数料を請求したり、ファクタリングという名目で融資契約を結ぼうとする悪徳業者が存在します。
悪徳業者を利用してしまうと、何らかのトラブルに巻き込まれる可能性があるため、注意が必要です。
3.売掛先が法人でない場合は利用することが難しい
ファクタリングは、個人事業主でも利用できる資金調達方法ですが、売掛先が法人でない場合は利用することが難しいといえるでしょう。
なぜなら、個人事業主やフリーランスは法人に比べて信用力が低く、十分な支払い能力がないと判断される可能性が高いからです。
個人事業主がファクタリングを利用する場合は、公的機関や規模の大きい法人など、できる限り信用力が高い売掛先との売掛債権を使用するようにしましょう。
個人事業主がファクタリングを利用する場合の流れ
ファクタリングの利用の流れは非常にシンプルです。
ファクタリングという言葉を初めて聞く個人事業主でも、簡単に利用することができます。
ただし、ファクタリングの利用の流れに関して正しく理解しておかなければ、規約違反などでトラブルに発展してしまう可能性があるため、注意が必要です。
1.利用するファクタリング会社を決める
ファクタリングを利用する際は、まず利用するファクタリング会社を選定します。
全国には、数多くのファクタリング会社が存在しているため、自身のニーズに合ったファクタリング会社を選定することが重要です。
ランキングサイトや比較サイトを活用して、効率的に利用するファクタリング会社を決めていきましょう。
利用するファクタリング会社が決まったら、申し込みを行います。
2.必要書類を提出する
申し込み後は、ファクタリング会社から求められた必要書類を提出します。
ファクタリングの必要書類は、一般的に本人確認書類、請求書、通帳のコピー、売掛先との基本契約書などです。
ほとんどの書類は、役所などへ行かず自身で揃えることができます。
必要書類に不備があった場合は、再提出を求められるため、資金調達スピードが遅れてしまう原因となってしまいます。
ファクタリング会社から求められた必要書類は、完璧に揃えておくようにしましょう。
3.ファクタリング会社の審査を受ける
必要書類を提出した後は、ファクタリング会社の審査を受けます。
審査では、売掛先の信用力や債権の内容から売掛金の未回収リスクを判断し、審査通過の可否や手数料を決定します。
4.契約内容に問題がなければ契約
審査通過後は、いよいよ契約です。
しかし、審査に通過できたからといって安心できるわけではありません。
ファクタリング会社側から貰う契約書を一読し、契約内容に問題がないか確認するようにしましょう。
特に償還請求権ありの契約になっていないか、売掛債権担保融資の契約になっていないかは、必ず確認するようにしてください。
5.ファクタリング会社から買取金額が入金される
契約締結後、ファクタリング会社から手数料を差し引いた買取金額が入金されます。
即日対応のファクタリング会社では、申し込みから入金までの一連の流れを最短即日で完了させることができます。
そのため、緊急で資金調達が必要な際は、即日対応しているファクタリング会社を利用するようにしましょう。
6.ファクタリング会社へ売掛金を支払う
売掛金本来の支払期日に、ファクタリング会社へ売掛金を支払います。
ファクタリング会社への支払方法は、契約方式により異なります。
2社間ファクタリングでは、売掛先から利用者へ売掛金が入金されるため、利用者自身がファクタリング会社への支払いを実行します。
一方3社間ファクタリングでは、売掛先からファクタリング会社へ直接売掛金が入金されるため、利用者自身が支払い手続きを行う必要はありません。
個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際の3つポイント
近年では、個人事業主に対応しているファクタリング会社も多く、幅広い選択肢からニーズに合ったファクタリング会社を選ぶことができます。
しかし、いくつかのポイントを押さえておかなければ、審査に落ちてしまったり、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
満足度の高い資金調達を行うためにも、ファクタリング会社を選ぶ際のポイントについて理解していきましょう。
1.個人事業主に対応しているか
個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際は、まず個人事業主に対応しているかという点を確認しなければいけません。
近年では、顧客層を広げるために個人事業主に対応しているファクタリング会社が増加傾向にあります。
なかには、個人事業主のみを利用対象としているファクタリング会社もあるくらいです。
ただし、すべてのファクタリング会社が個人事業主に対応しているわけではありません。
個人事業主に対応していないファクタリング会社に申し込みを行ったとしても、審査に通過することはできないため、注意が必要です
2.複数のファクタリング会社で相見積もりを行う
ファクタリング会社を選ぶ際は、1つの会社に絞り込むのではなく複数のファクタリング会社を比較することが大切です。
複数のファクタリング会社を比較することで、ニーズに合ったファクタリング会社と出会える確率が高くなります。
また、複数のファクタリング会社で相見積もりを行うことで、手数料を抑えることができます。
手数料が資金繰りに与える影響を最小限に抑えることができるため、ファクタリング会社を選ぶ際は、複数社で相見積もりを行うようにしましょう。
3.償還請求権なしの契約になっているか確認する
ファクタリングは、償還請求権なしの契約が主流です。
しかし、銀行系ファクタリング会社など、稀に償還請求権ありの契約になっていることがあります。
償還請求権ありの契約の場合、売掛金の未回収が発生した際は、利用者が弁済しなければいけません。
資金繰りの悪化や連鎖倒産を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
ファクタリングは個人事業主でも利用できる!のまとめ
今回は、個人事業主がファクタリングの審査に通過するためのポイントやメリット・注意点について解説させていただきました。
再度申し上げますが、ファクタリングは個人事業主でも利用可能な資金調達方法です。
有効に活用することで、資金繰りの改善や急な出費への対応を、難なく行うことができます。
ファクタリングは法人しか利用できないという間違った認識を持たれている個人事業主の方は、ぜひファクタリングの利用を検討してみてください。