ファクタリング情報

ファクタリングはどんな特徴のある資金調達手段?他の資金調達手段との違いやおすすめ理由を解説

ファクタリングは中小企業や個人事業主向けの資金調達手段として一般化してきました。経営者の中には資金繰りの悩みがあるのでファクタリングで資金調達したいという方がいらっしゃいます。

しかし、ファクタリングで資金調達する前に、ファクタリングと他の資金調達手段の違い、資金調達手段にファクタリングを追加することを推奨する理由、注意点などを知っておくことは大切です。

この記事では、ファクタリングと銀行融資・公的融資・クラウドファンディングといった他の資金調達手段との違い、ファンディングを利用するメリット、利用する際の注意点などを紹介します。

ファクタリングと他の資金調達手段との違い

ファクタリング以外で、一般的に企業や個人事業主が資金調達をする方法として利用するものは以下の通りです。

 銀行融資
 ノンバンクからのビジネスローン
 日本政策金融公庫の融資制度
 不動産担保ローン
 手形割引
 投資家からの支援
 クラウドファンディングなど

ファンディングの特徴と、これら一般的な資金調達手段との違いについて説明します。

ファクタリングや他の資金調達手段との相違点として挙げることができる点は次の4つです。

 資金調達手段の種類分けではアセットファイナンス
 負債にならないので金利負担・返済義務がない
 担保・保証人がいらない
 信用情報機関からの情報閲覧がない

それぞれの相違点についてさらに詳しく説明します。

資金調達手段の種類分けではアセットファイナンス

ファクタリングの特徴、他の資金調達手段の違いとして挙げられる最初の点は、資金調達手段の種類分けでアセットファイナンスに分類されるという点です。

資金調達手段は、その方法により以下の3つの種類に分類できます。

 アセットファイナンス:会社の資産(アセット)を売却して資金調達する方法
 デットファイナンス:銀行からの融資など負債(デット)を増加させて資金調達する方法
 エクイティファイナンス:新株を発行し株式資本(エクイティ)を増加させて資金調達する方法

ファクタリングでは、会社が保有する売掛債権という資産をファクタリング事業者に売却し、その代金を受け取ることで資金調達が可能です。

したがって、ファクタリングは、資金調達手段の種類分けとしては、会社の保有している資産を売却して資金調達するアセットファイナンスに該当します。

負債にならないので金利負担・返済義務がない

ファクタリングは、負債にならないので金利負担や返済義務がありません。これもファクタリングの大きな特徴であり、銀行融資や公的融資との違いです。

先ほど説明したように、ファクタリングは、会社が保有する売掛債権という資産をファクタリング事業者に売却し、その代金を受け取ることで資金調達できます。

借入の契約は金銭消費貸借契約なので、返済義務・金利負担が発生しますが、ファクタリングの契約は売掛債権の譲渡契約なので、返済義務・金利負担は発生しません。

したがって、借入による資金調達をこれ以上増やしたくないという企業や個人事業主には、ファクタリングをおすすめします。

担保・保証人がいらない

ファクタリングは借入による資金調達ではないので、申し込みの際に担保や保証人を差し出す必要はありません。これもファクタリングの特徴です。

銀行融資で資金調達する場合、保証人や担保を差し出すことが必要なケースがあります。不動産担保ローンは文字通り価値がある不動産を、手形割引では担保となる手形を所有していなければ利用できません。

中小企業や個人事業主の中には、担保・保証人を差し出すのが難しいので融資を申込できないところがあります。

ファクタリングは借入ではないので、担保や保証人を用意できないので申込できないということはありません。

信用情報機関からの情報閲覧がない

ファクタリングを利用しても、銀行やノンバンクが利用している信用情報機関に情報が登録されることはありません。これも、ファクタリングの特徴であり、他の資金調達手段との違いです。

銀行融資やノンバンクからの借入を利用した場合、その情報は金融機関やノンバンクが利用している信用情報機関に登録されます。

さらに、長期の返済遅延や債務整理、代位弁済などの金融事故を起こせば、その情報も信用情報機関に一定期間登録され、必要な時には銀行やノンバンクがその情報を閲覧することが可能です。

複数の金融機関やノンバンクからの借入があることが信用情報機関からの情報で確認できた場合、新たに融資を申し込んでも審査に通過することは難しいでしょう。金融事故の情報が登録されているなら審査通過は期待できません。

一方で、ファクタリングを申込しても、ファクタリング事業者による信用情報機関への情報閲覧請求はありません。

したがって、信用情報機関に銀行やノンバンクからの借入の履歴がある状態、過去に金融事故を起こしその記録が信用情報機関にまだ登録されている状態でも、ファクタリング審査に通過するこができます。

他の資金調達手段に加えてファクタリングを推奨する理由

資金繰りの悩みがあれば、銀行融資や公的融資、不動産ローンなどの資金調達手段に加えて、ファクタリングを資金調達手段に加えることをおすすめします。

資金調達手段にファクタリングを加えることを推奨する理由は次の4つです。

 申込から資金調達完了までのスピードが速い
 資金使途に制限がない
 創業したばかりの企業や個人事業主でも利用できる
 与信管理業務が軽減できる

それぞれの理由について具体的な内容を説明します。

申込から資金調達完了までのスピードが速い

ファクタリングは一般的な資金調達手段と比較すると、申込から資金調達完了までのスピードが速いので、資金調達手段に加えることを推奨します。

一般的な資金調達手段とファクタリングの申し込みから資金調達までのスピードをまとめました。

 銀行融資:およそ1ヶ月
 日本政策金融公庫からの公的融資:およそ1ヶ月
 新株の発行:およそ1ヶ月
 社債発行:およそ1ヶ月から2ヶ月
 不動産担保ローン:数日から数週間
 補助金・助成金:およそ1年
 クラウドファンディング:資金調達完了までの期間は予測が困難
 手形割引:最短で即日
 2社間ファクタリング:最短で即日、通常は2日から3日
 3社間ファクタリング:およそ10日から20日

ファクタリングの契約には2者間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。3社間方式の方が申込から資金調達完了まで時間がかかりますが、それでもほとんどの資金調達手段よりスピーディーに資金調達が可能です。

ファクタリング事業者の中には、申込から資金調達完了までの手続きをオンラン完結できるサービスを提供しているところがあります。

オンラインファクタリングでは、申込したその日に審査・入金してくれるところがあるので、今日明日中に資金調達したいというケースでは、便利なサービスです。

資金使途に制限がない

ファクタリングは資金使途に制限がないという点も、資金調達手段としてファクタリングを使うことをおすすめする理由です。

銀行融資を受ける場合、クラウドファンディングで資金を広く集める場合、その資金をどのように使うのか事前に説明しなければなりません。

たとえば、銀行から設備投資の目的で融資してもらった資金を無断で運転資金として使えば、資金使途違反です。資金使途違反をすれば、融資を受けた金融機関からの追加融資が難しくなります。

一方、ファクタリングは申込の際に、ファクタリング事業者に対して資金を何に使うのか明確に説明する必要はありません。

ファクタリングで資金調達したお金は申込企業のニーズに合わせ自由に使えます。設備投資に使うことができれば運転資金に使うことも可能です。ファクタリング事業者から資金使途違反の指摘を受けることもありません。

創業したばかりの企業や個人事業主でも利用できる

資金調達手段にファクタリングを追加することをおすすめする別の理由は、ファクタリングが創業したばかりの企業や個人事業主でも利用できるという点です。

たとえば、ビジネスローンでは、申込ができる条件として「事業開始後2年以上経過していること」「2期分の決算書・確定申告書の提出」といった項目を設けています。

こうした条件があれば、創業したばかりの企業や個人事業主は、ビジネスローンが利用できません。

したがって、創業から1年未満の企業や個人事業主は、こうした条件がないビジネスローンや創業者型支援融資を探します。

しかし、創業から1年未満の企業や個人事業主が申込できるビジネスローンは審査が厳しい、創業者支援型の融資は審査に時間がかかるのが問題です。

一方、ファクタリングは創業から1年未満の企業や個人事業主でも申込できます。

実際、創業間もない企業や個人事業主が利用できるファクタリング事業者はいくつもあります。

たとえば、あるファクタリング事業者は、初年度で決算や確定申告をまだしていない企業や個人事業主に対し、「事業用銀行口座の入出金履歴が4ヶ月以上あればお申し込み可能」としています。

創業したばかりで資金調達手段が限られているという企業や個人事業主で資金繰りの悩みがあれば、ファクタリングでの資金調達を検討してください。

与信管理業務が軽減できる

ファクタリングを使えば取引先の与信管理業務が軽減できます。これもファクタリングをおすすめする理由です。

与信管理とは、取引がある売掛先各社について売掛金の支払い能力があるかどうかを自社で定期的にチェックする業務を指します。

取引先の情報を収集し、信用力やその動向を分析予測しながら、取引額を調整して売掛金を回収できるよう管理する仕事です。

倒産する可能性が低い安全な取引先には、与信を大きくして取引を拡大していき、一方で信用力に不安がある取引先に対しては、与信を絞って取引を小さくします。

ファクタリングを申し込めば、対象となる売掛先について、ファクタリング事業者が信用力を審査してくれるので、特定の取引先について、与信審査の業務を軽減することが可能です。

ファクタリングを利用する際の注意点

ファクタリングで資金調達をする際には以下の3点に注意してください。

 売掛債権が必要
 審査がある
 手数料が発生する

売掛債権が必要

ファクタリングは売掛債権をファクタリング事業者に買取してもらい、その代金を受け取ることで資金調達できるサービスです。

したがって、買取可能な売掛債権がなければファクタリングでの資金調達できません。ファクタリングを利用する前に買取してもらえる売掛債権を保有していることを確認してください。

審査がある

ファクタリングには審査があります。審査で重要視されるのは売掛先の信用力つまり売掛金支払い能力です。

対象となる売掛先が、業績が悪い、売掛金の入金遅れや未回収があるという状態なら売掛金未回収になるリスクが高いとみなされ審査通過できない点に注意してください。

こうした理由から、売掛債権がいくつかあれば、信用力の高い売掛先の売掛債権からファクタリングすることをおすすめします。

手数料が発生する

ファクタリングでは、ファクタリング事業者の利益となる手数料が発生します。したがって譲渡する売掛債権の全額を現金化することはできません。

したがって、短期間に何度もファクタリングすれば、手数料コストがかなりかかります。

短期間に何度もファクタリングすれば、売掛金の入金期日まで待ってお金を受け取る場合より、現金化できる額が少なくなり、資金繰りをさらに悪化させることになるでしょう。

ファクタリングの特徴と資金調達手段に加えることを推奨する理由についてのまとめ

この記事ではファクタリングの特徴と他の資金調達との違い、ファクタリングを資金調達手段の一つに加えることを推奨する理由について紹介しました。

ファクタリングの特徴や他の資金調達手段との違いは以下の通りです。

 資金調達手段の種類分けではアセットファイナンス
 負債にならないので金利負担・返済義務がない
 担保・保証人がいらない
 信用情報機関からの情報閲覧がない

さらに、ファクタリングを資金調達手段の一つに加えることを推奨する理由には次のものがありました。

 申込から資金調達完了までのスピードが速い
 資金使途に制限がない
 創業したばかりの企業や個人事業主でも利用できる
 与信管理業務が軽減できる

ファクタリングは、資金調達完了までのスピードが速い、資金使途の自由度が高いといった銀行融資や不動産担保ローンなどにはない強みがあります。

融資以外の資金調達手段を探しているという経営者の方は、この機会にファクタリングの導入を積極的に検討してください。