ファクタリングによる現金化の流れやメリット、デメリットなどを解説
目次
ファクタリングによる現金化は、資金の問題を解決できます。
企業を経営していると、資金繰りに困る場面があるでしょう。
たとえば必要な支払いが迫っていて、銀行融資の審査まで待てない企業もあります。
取引先からの入金が遅れて、支払いに間に合うかわからないケースもあるでしょう。
そうしたときにおすすめなのが、ファクタリングです。
ファクタリングなら売掛金を業者に買い取ってもらい、早期に現金化できるので、金銭的な問題に対処できます。
資金繰りを改善できるようにメリットやデメリット、利用方法などを学びましょう。
今回はファクタリングによる売掛金の現金化について、メリットやデメリット、利用の流れなどをまとめました。
売掛金の現金化は買取ファクタリングで可能
売掛金の現金化は、買取ファクタリングに依頼してください。
ここに依頼すれば、業者に売掛金を買い取ってもらい、早期の現金化を実現できます。
手数料や掛け目などにより、一度に調達できる資金は限られます。
それでも早めに資金を得られれば、必要な支払いや新事業への投資など、金銭的な問題を解決できるでしょう。
買取ファクタリングでは、売掛金を与えた取引先の信用力が重要です。
取引先に支払能力があれば、企業の経営状態を問わず、審査に通れるでしょう。
買取ファクタリングは中小企業や個人事業主でも利用しやすく、手っ取り早い資金調達が可能です。
ファクタリングによる現金化のメリット3つ
ファクタリングを現金化すれば、さまざまな恩恵を受けられます。
スムーズな資金調達により、経営状況を改善できるでしょう。
売掛金の現金化のメリットについて、以下の3つを確かめてください。
1．早期の資金調達が可能
2．融資より楽に資金調達できる
3．柔軟な対応で審査を通りやすい
1．早期の資金調達が可能
最初のメリットは早期の資金調達です。
ファクタリングは資金の借り入れではなく、企業から売掛金を買い取るだけです。
買取金額に応じて、業者が企業の口座に一定額を振り込みます。
こうして売掛金の売却が成立するのです。
業者によっては、申し込みを受けてから即日で売掛金を買い取ります。
代金の入金も、申し込んだ日に済ませるのです。
売掛金を与えた取引先に十分な信用度があれば、短時間で審査に通ることもあります。
そのため申し込んだその日に、資金を調達できる企業もあるでしょう。
売掛金の現金化のメリットは、短期間で資金を得られる点です。
2．融資より楽に資金調達できる
売掛金の現金化は、融資より楽に資金調達できるのもメリットです。
担保や保証人が不要なので、銀行のビジネスローンより短期間で審査が終わりやすいといえます。
売掛金の現金化では返済義務も生じません。
そのためファクタリング業者は企業に対し、銀行より柔軟な対応をします。
ファクタリングの審査は、ビジネスローンと異なるしくみです。
ビジネスローンでは企業の経営や財務状況をチェックします。
ファクタリングでは取引先の信用度がポイントで、企業の経営状況は問われません。
一方ビジネスローンは借り入れなので、企業は返済が必要です。
ファクタリングは返済義務がなく、ローンより楽に資金調達できるでしょう。
取引先に一定の信頼性があれば、あらゆる企業がファクタリングの取引に進めます。
3．柔軟な対応で審査を通りやすい
最後のメリットは、業者による柔軟な対応です。
ビジネスローンと違って、保証や担保人が必要ないからです。
売掛金の存在証明に加え、取引先の安定性を示せれば、審査に通過できます。
業者は依頼企業の事情も踏まえつつ、売掛金を買い取り、早期入金も行うのです。
ファクタリングの業者が柔軟に対応できるのは、独自の審査基準があるからです。
業者は企業から売掛金を買い取ったら、取引先からそのぶんの金額を回収します。
回収失敗のリスクが生じないように、取引先の支払能力を、審査で重要視するのです。
取引先の信用度が十分なら、債務超過や赤字決算の企業でも審査に通れるでしょう。
ファクタリング業者は手続きの簡略化や即日入金などで、柔軟に対応します。
ファクタリングによる現金化のデメリット3つ
ファクタリングによる現金化は、メリットだけでなくデメリットも伴います。
手数料や掛け目により、手取りが限られる点に要注意です。
一部業者は債権譲渡通知を求めるので、なるべく求めない業者を選びましょう。
現金化のデメリットについて、以下の3つをまとめました。
1．手数料がかかる
2．掛け目により手取りが限られる
3．債権譲渡通知を要する業者がいる
1．手数料がかかる
ファクタリングによる現金化は、手数料に要注意です。
業者が売掛金を買い取る際、業務上の手間によって経費が生じます。
経費をカバーするため、サービスの利用者に手数料を要求するのです。
企業は売掛金を買い取ってもらうとき、一定のコストに気をつけてください。
ファクタリングの手数料は、業者やプランによって異なります。
契約形態や、回収失敗時に売掛金を買い戻す必要性、買取から決済までの期間などさまざまな条件があります。
諸条件によって、業者の手数料が決まるしくみです。
企業は売掛金を買い取ってもらうとき、業者の手数料を事前にチェックしてください。
手数料は基本的に、売掛金に対する一定の割合が定められます。
こうした点も踏まえながら、なるべく手数料の低い条件で契約しましょう。
2．掛け目により手取りが限られる
続いてのデメリットは、掛け目で手取りが限られる点です。
掛け目とは、売掛債権に対する買取率の割合です。
売掛金を売却しても、企業は代価の全額を受け取れるわけではありません。
業者は掛け目を計算したうえで、企業への入金額を決めます。
基本的に掛け目が大きいほど、企業の手取りは大きくなります。
業者によって掛け目は異なるので、なるべく割合の大きいところを選んでください。
たとえば掛け目が70％の業者と、90％の業者がいる場合です。
90％の掛け目なら、より多くの手取りを受け取れます。
掛け目を事前に学び、手取りの大きくなるファクタリング業者を見極めましょう。
3．債権譲渡通知を要する業者がいる
最後のデメリットは、債権譲渡通知のある業者の存在です。
債権譲渡通知とは、売掛金の買取証明を意味します。
登記によって、権利移行の事実を知る人がいるのです。
業者によっては企業に対し、債権譲渡通知が必要な点を、契約書に記します。
これに同意すると、売掛金の買取証明として、登記が行われるのです。
債権譲渡通知によって、取引先との関係が悪くなるかもしれません。
取引先が債権譲渡通知から、企業のファクタリングの利用を知るからです。
このとき取引先は、企業の資金繰りの悪化を疑うかもしれません。
企業は損失を避けるため、資金繰りのよくない企業を避けます。
そのためファクタリングを周囲に知られると、企業の信用に関わるおそれがあるのです。
多くのファクタリング業者は、債権譲渡通知を設けていません。
しかし一部業者はこうした特記事項を求めるので、周囲にファクタリングを知られたくなければ要注意です。
ファクタリングによる現金化の流れ
ファクタリングによる現金化の流れを紹介します。
基本的に企業は業者に売掛金を売り、代金を入金してもらうしくみです。
契約形態に2社間と3社間があり、それぞれ詳細な流れが異なります。
契約形態に応じて、ファクタリングの流れを確かめてください。
基本的な流れ
基本的にファクタリングは売掛金を業者に売り、その代価を振り込んでもらいます。
企業が申し込んだら、業者は対象の売掛金について審査するのです。
具体的には売掛金が本物か、取引先の信用度は十分か、未回収リスクがないかなどを確かめます。
審査通過なら業者は売掛金を買い取り、掛け目に応じて企業の口座へ入金します。
このとき売掛金の代価から、手数料が差し引かれる点に要注意です。
手数料はファクタリング業者や契約形態によって異なるので、事前に依頼先の公式サイトで確かめておきましょう。
ファクタリングの基本的な流れは、企業が申し込み、審査で問題がなければ業者が売掛金を買い取る形です。
2社間ファクタリングの場合
2社間ファクタリングは、利用者と業者のみで契約を結びます。
大まかな流れは以下のとおりです。
1．企業が業者へ申し込む
2．業者が売掛金の買取金額を見積もる
3．審査を行い、問題がなければファクタリング契約へ移る
4．業者は企業から売掛金を買い取り、代価を企業へ入金
5．企業は後日、取引先から売掛金の相当額を受け取る
6．企業は取引先からの受取金を業者へ渡す
2社間ファクタリングでは、企業は売掛金を買い取ったあと、取引先から売掛金の相当額を受け取ります。
取引先は企業のファクタリングを知らないため、従来どおり売掛金を決済するのです。
企業は売掛金の相当額を受け取ったら、業者へ渡さなければいけません。
こうした手間はありますが、企業は取引先に知られない形でファクタリングできます。
3社間ファクタリングの場合
3社間ファクタリングの流れは、2社間と違います。
企業と業者だけでなく、取引先も契約に含まれるからです。
以下の流れを見ていきましょう。
1．企業が業者へ申し込む
2．業者が買取金額を見積もる
3．企業は取引先へファクタリングを通知し、承諾を得る
4．審査を行い、問題がなければファクタリング契約へ移る
5．業者が売掛金を買い取り、代価を企業へ入金
6．取引先は業者に売掛金の相当額を入金
2社間と違うのは、企業が取引先にファクタリングを知らせ、同意を得る点です。
一方売掛金の売却後は、取引先が業者へ相当額を払うので、企業の負担が少ないといえます。
取引先にファクタリングへの理解があれば、スムーズに取引できるでしょう。
ファクタリングによる現金化のまとめ
売掛金を現金化するなら、買取ファクタリングを使いましょう。
業者によっては即日入金したり、審査で柔軟に対応したりします。
ビジネスローンと違って返済義務もないので、手軽な資金調達が可能です。
ファクタリングでは企業が売掛金を業者に売り、業者は買取額を企業へ入金します。
こうして売掛金が現金化されるのです。
2社間と3社間の2形態があり、3社間だと取引先へ通知しなければいけません。
同意を得られないとファクタリングできない点に要注意です。
それでもうまくいけば、早期の資金調達で経営を改善できるでしょう。