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ファクタリングは融資より審査に通りやすい?その理由と審査に通過するためのコツを紹介

ファクタリングは創業融資やビジネスローン、不動産担保ローンといった資金調達方法の中の1つです。

融資以外の方法で資金調達ができるということで、資金繰りの改善を図りたい中小企業や個人事業主から注目されています。

しかし、ファクタリングを利用する際には、融資を受ける場合と同じように審査に通過しなければなりません。

とはいえ、ファクタリングの審査は、融資審査よりも通りやすいというのが一般的な意見です。

そこで、本記事では、ファクタリングの審査が融資審査よりも通りやすいといわれている理由、ファクタリングの審査通過率を上げるためにできることなどを紹介します。

そもそもファクタリングとは?

ファクタリングの方が融資よりも審査に通りやすい理由を理解するためには、ファクタリングの意味や内容を知っておく必要があります。

ファクタリングとは、ファクタリング事業者が資金繰りに悩む企業が持つ入金待ちの売掛金(売掛債権)を買取するサービスです。
これにより、資金需要のある企業は、入金期日より前に売掛金を現金化できます。

ファクタリングは融資よりも審査が通りやすい理由

ファクタリングは融資よりも審査に通りやすいといわれていますが、それは次の6つの理由があるからです。

● 審査の対象となるものが違う
● ファクタリングは未回収リスクが少ない
● ファクタリングは担保や保証人がいらない
● ファクタリングは融資より提出書類が少ない
● 起業したばかりの会社や個人事業主でも利用可能
● 信用情報機関の情報が使われることがない

それぞれの点について内容を詳しく紹介します。

審査の対象となるものが違う

ファクタリングと融資では審査対象となるものが違うという点が、ファクタリングの方が融資よりも審査に通りやすい理由となっています。

融資の場合、資金需要のある企業つまり自社の信用力が審査の対象となります。

金融機関は融資先に数年から数十年の期間に渡り返済を求めます。したがって融資の際には、資金需要のある企業の財務状況、信用力、将来性などをくわしく確認し与信審査がおこわわれます。

したがって、企業が赤字や債務超過の状態であれば、審査に通過することは難しいでしょう。

そうした状態で審査を通過するためには、赤字解消のための具体的な対策や、返済に懸念がないことを示す証拠などをきちんと提出しなければなりません。

ファクタリングの場合は、売掛先が審査対象となります。

なぜなら、ファクタリングは先ほど説明したように、売掛債権の売却に過ぎないからです。

モノを買う場合、購入者側はその商品や販売先についてきちんと確認し購入するかどうかを決定します。

それと同じように、ファクタリング事業者が売掛債権を買取する場合も、売掛債権の存在、売掛先の信用力を注視し買取できるかどうかを判断するわけです。

まとめると、融資は融資先の信用力を重視するのに対し、ファクタリングは売掛先の信用力を重視するという違いになります。

したがって、ファクタリングは自社が赤字決算や債務超過の状態でも、売掛先に信用力があれば、審査に通りやすいというわけです。

未回収リスクが少ない

ファクタリングは融資よりも未回収のリスクが低いという点も、ファクタリングが審査に通りやすいといわれる理由です。

融資の場合は、低金利でお金を融資し、利用者側はそれを長期間かけて返済していきます。最初は順調に返済できていたとしても、景気などの影響を受けて返済が困難になるということもあるでしょう。

このように、融資は未回収のリスクが高いので、与信審査の時には、企業の将来性なども考慮し、金融機関は慎重に判断しなければなりません。

一方ファクタリングは、売掛債権を買取し、後に売掛先からその売掛金を回収するだけです。売掛先の信用力さえ確認しておけば売掛金未回収のリスクは抑えられます。

ファクタリング事業者は、今回買取する売掛債権のみについて、売掛金回収ができるかどうかを判断すればよいので、金融機関の与信審査と比較すると、ファクタリングの審査の方が審査は簡単といえるでしょう。

こうした理由から、融資よりもファクタリングの方が審査に通りやすいといわれています。

ファクタリングは担保や保証人がいらない

融資を受ける場合、担保や保証人を求められる場合があります。ファクタリングは担保や保証人不要で契約できます。

この点もファクタリングの方が融資よりも審査に通りやすいといわれる理由です。

融資の場合、金融機関は債務不履行になっても融資金額を回収できるように、市場価値があり換金できるものを担保として要求することがあります。

さらに、融資を受けるために経営者が連帯保証人になるよう求められるケースもあります。これは、債務不履行になった場合、経営者の私財を売却することで返済できるからです。

したがって、融資のために担保や保証人を求められた場合、担保評価額が低い、連帯保証人の返済能力に問題があるといったケースでは、審査に通過することが難しいでしょう。

一方、ファクタリングでは、資金需要のある企業が担保や保証人を差し出すことはありません。

なぜなら、ファクタリング事業者が審査のときに売掛先の信用力をきちんと確認し、売掛金未回収のリスクについて判断しているからです。

したがって、担保や連帯保証人を見つけるのが難しい中小企業や個人事業主でも、ファクタリングを使って資金調達ができます。

ファクタリングは融資より提出書類が少ない

審査に必要な書類は、ファクタリングの方が融資よりも少ないです。この点もファクタリングの方が融資よりも審査に通りやすい理由となります。

まずは、一般的に融資の審査で提出が求められる書類を見てみましょう。

● 履歴事項全部証明書
● 決算書
● 事業計画書
● 納税証明書
● 許認可証の写し(許認可のいる業種の場合)
● 印鑑証明書
● 代表者の本人確認書類

ファクタリングの申し込みの際には、一般的に以下の書類の提出が求められます。

● 決算内容確認書類(決算書や試算書)
● 売掛先との取引基本契約書
● 通帳のコピー
● 見積書・発注書・請求書・納品確認書など
● 印鑑証明書
● 代表者の本人確認書類

両者を比較すると、ファクタリングの方が提出する書類が少なく、すぐに揃えることができるものばかりです。

くわえて、融資に必要な書類の中には作成に手間と時間がかかるものが含まれます。

たとえば、融資の必要書類には事業計画書の提出が含まれます。

事業計画書から「どれくらいの額を融資してほしいのか」「何のためにお金を使うのか」「いつ頃までに返済できるのか」などを説明します。

こうした事柄がきちんと伝わる内容にするのはもちろん、その根拠となる数値や具体的なデータを示すことが大切です。

融資の場合、担当者を納得させるような事業計画書の作成が審査通過の1つのポイントになります。

一方、ファクタリングの場合は、申し込みに事業計画書の提出は含まれていません。これまで説明してきたようにファクタリングの審査で重要なポイントは自社よりも売掛先の信用力だからです。

こうした提出書類の揃えやすさも、ファクタリングの方が融資よりも審査に通りやすい理由となっています。

起業したばかりの会社や個人事業主でも利用可能

ファクタリングは起業したばかりの会社や個人事業主でも利用できるので、融資よりも審査に通りやすいといえます。

銀行のビジネスローンの中には、「事業開始後2年以上経過していること」「2期分の決算書・確定申告書の提出」を利用条件として設定しているものがあります。

したがって、起業したばかりの法人や個人事業主は、そうした条件の融資は利用できません。

こうしたハードルがあるので、資金繰りに悩む起業したばかりの企業は、創業から1年未満の法人や個人事業主でも利用可能なビジネスローンや創業支援型の融資を利用することになります。

しかし、起業したばかりの法人を対象としたローンは審査が厳しいです。さらに、創業支援型の融資は審査に時間がかかります。

これでは資金繰りの問題をすぐには解決できないでしょう。

一方、ファクタリングサービスには、起業から1年未満の法人や個人事業主でも申し込み可能なものがいくつもあります。

申し込み後の審査に通過すれば、売掛債権の買取額から手数料を差し引いたものが振り込まれるので、資金繰りに困っている起業したばかりの法人や個人事業主はとても助かるでしょう。

起業したばかりの法人や個人事業主も利用できるという点が、融資よりファクタリングの方が審査に通りやすい理由でした。

信用情報機関の情報が使われることがない

先ほど説明したようにファクタリングは銀行やノンバンクからの融資ではありません。

したがって、ファクタリングを利用しても信用情報機関に何らかの情報が記録される、それが第三者によって閲覧されるということはありません。

これも、ファクタリングの方が融資よりも審査に通りやすい理由です。

融資やビジネスローンを利用した場合、借金の事実、万が一返済が遅れればその金融事故の情報が信用情報機関に登録されます。

過去にローンの未納があり、その情報がまだ信用情報機関に残っている状態ならば、融資を申し込んでも審査に通過することは難しいでしょう。

一方、ファクタリングの審査のときに信用情報の照会がおこなわれることはありません。審査のときに重視されるのはあくまで売掛先の信用力です。

したがって、売掛先から売掛金をきちんと回収できることが確認できれば、過去の金融事故の履歴が信用情報機関に残っていたとしても、ファクタリングの審査に通過できる可能性は高いでしょう。

悪質なファクタリング利用者はJFICに記録が残る

ファクタリングを申し込んでも以下の信用情報機関に記録が残ることや、登録されている情報が参照されることはありません。

● KSC 全国銀行個人信用情報センター(全国銀行協会が運営)
● JICC 日本情報信用機構(消費者金融と商工ローン各社が出資して設立)
● CIC 指定信用情報機関(クレジットカード会社を中心に信販会社・リース会社・大手消費者金融が会員)

しかし、ファクタリング業界にもJFIC(日本ファクタリング信用情報機関)という独自の信用情報サービスがあります。

JFICには、悪質なファクタリング利用者の情報が登録されており、JFICに加盟している事業者はその情報を閲覧し、審査の可否を判断することが可能です。

JFICには、回収金の使い込み、通帳や契約書類の偽造、架空の売掛債権の売却、売掛債権の二重譲渡、大掛かりな計画倒産といったファクタリング事業者への不正・詐欺行為をおこなった利用者の情報が登録されています。

以前ファクタリングを利用した際に、こうした契約違反をし、その記録がJFICに残っている状態であれば、いくら審査に通りやすいといわれているファクタリングでも、審査に通過することはできないでしょう。

融資の審査に落ちたならファクタリングがおすすめ

これまで紹介してきたように、融資の審査よりもファクタリングの審査の方が通りやすいです。

したがって融資の審査に落ちた会社や個人事業主は、ファクタリングを申し込むことができるでしょう。

さらに、ファクタリングサービスはここ数年で急速に広がりを見せてきたので、事業者間で統一された審査基準があるわけではありません。

実際、事業者ごとに審査に必要な提出書類の種類や審査基準にはばらつきがあります。同じ会社が複数の事業者に審査を申し込んだときに、A社では審査に通過できなかったが、B社では通過できたというケースも多く存在します。

金融機関から融資を断れられた場合、他の金融機関に融資を申し込むということも可能です。

しかし、手間と時間を考えるなら、融資よりも審査に通りやすく、すぐに資金調達ができるファクタリングをおすすめします。

さらに、資金調達を確実におこなうため、1社ではなく複数のファクタリング事業者に審査を申し込めるでしょう。

ファクタリングの審査とは?

この部分では、ファクタリングの審査でどんな点が審査されるのかを紹介します。

基本的に審査されるのは以下の5点です。

● 売掛先の信用力
● 売掛金の支払期日
● 売掛先との取引履歴
● 企業の規模と買取希望額のバランス
● 申込者の信頼度

それぞれの点について説明を加えます。

売掛先の信用力

ファクタリングの審査で最も重要視されるのが売掛先の信用力、つまり売掛債権の支払い能力です。

たとえば、売掛先が倒産や業績悪化、経営不振などの問題がなければ、売掛金未回収のリスクはかなり低いということで、審査に通りやすいでしょう。

一方、売掛先が民事再生中、事業譲渡計画が進んでいるという状態であれば、売掛金未回収のリスクが高いので、審査に通ることは難しいです。

さらに、ファクタリング事業者は、売掛先が税金の滞納や借入金の返済などを滞納していないかどうか確認することがあります。

税金の滞納や借入金のある売掛先なら、倒産したときに、預金や不動産と一緒に売掛債権も差し押さえ対象となるからです。

売掛債権が差し押さえられると、ファクタリング事業者は資金の回収ができません。

したがってファクタリング事業者は審査のときに、売掛先に税金の滞納や借入金の返済に遅延がないかを確認します。

こうした理由から、申し込みの際には、信用力が高い売掛先の売掛債権について買取を依頼することをおすすめします。

売掛金の支払期日

売掛金の支払期日も審査のときにチェックされるポイントです。

ファクタリング事業者は、売掛金の支払期日が近い売掛債権は価値が高く、売掛金の支払期日がかなり先の売掛債権は価値が下がると判断します。

支払期日がかなり先の売掛債権は、売掛金の入金を待っている間に、売掛先が倒産などの理由で支払い不能になる可能性が高いからです。

そうなるとファクタリング事業者は売掛金の回収ができなくなり、損失を被ります。

こうした理由から、支払期日の近い売掛債権の方が審査に通りやすいです。逆に、支払期日がかなり先だと審査に通らない、もし通ったとしても手数料がかなり高くなる可能性があります。

売掛先との取引履歴

売掛先との取引履歴も審査のポイントになります。

資金需要のある企業と売掛先との間で、これまで取引が何度もおこなわれており、売掛金の支払いも支払期日までにきちんと入金されていることが確認できれば、審査に通りやすいでしょう。

一方で、売掛先との取引が1、2回程度の少ない頻度であれば、審査通過は難しいです。

企業の規模と買取希望額のバランス

ファクタリングを申し込んだ企業の売上規模と買取希望額のバランスも審査されます。

企業の売上規模に対して買取希望額が不釣り合いに大きい場合、審査通過が難しいでしょう。

たとえば、年間売上が5,000万円未満の企業が、ファクタリングで1億円の買取希望額を提示した場合、売上規模に対して買取希望額があまりにも多いので、書類を捏造して架空債権を買取させようとしていると疑われるかもしれません。

さらに、買取希望額が高額の場合、売掛先から回収した売掛金をファクタリング事業者に支払わず、そのまま使い込んだり持ち逃げしたりするリスクをファクタリングは危惧します。

申し込みの際には、売上規模に応じた買取希望額を設定するようにしてください。

申込者の信頼度

ファクタリングの場合、申し込む企業や個人事業主の信用力つまり支払い能力は、審査のポイントとはなりません。

しかし、申込者の信頼度や人間性の部分は、ファクタリング事業者もきちんと審査します。

たとえば、提出書類に偽造が疑われる、モラルに欠ける対応をする、過去にファクタリングの利用で不正行為があったという場合、審査通過は難しいです。

ファクタリング事業者が、申込者の信頼度や人間性をチェックするのは、犯罪防止という目的があります。

ファクタリングに関係する犯罪行為は二重譲渡です。二重譲渡とは、すでにファクタリング事業者に買取してもらった売掛債権を、別のファクタリングに買取してもらう行為を指します。

さらに、契約書や請求書などを偽造して架空債権を買取させる詐欺もあります。

こうした犯罪を防止するために、ファクタリング事業者は申込者の信頼度についても審査します。

ファクタリングの審査通過率をアップさせる方法

ファクタリングは、ファクタリング事業者に売掛債権を買取してもらい資金を調達する方法です。

したがって、売掛金が回収できる確率が高い信用力のある売掛債権ならば、ファクタリング事業者は喜んで買取してくれます。つまり、信用力の高い売掛先と売掛債権が審査を通りやすいものとするためのカギです。

この点を踏まえて、この部分では、ファクタリング審査をさらに通りやすいものとするために何ができるのかを紹介します。

以下の点が審査を通りやすいものとするためにできる事柄です。

● 信用力が高い売掛先の売掛債権を買取依頼する
● 支払期日が近い売掛債権を買取依頼する
● 売上規模に対してふさわしい買取希望額を提示する
● 3社間方式で契約する
● 自社や経営者の信頼度を高める

信用力が高い売掛先の売掛債権を買取依頼する

審査を通りやすくするための最初のポイントは信用力が高い売掛先の売掛債権を買取してもらうという点です。

たとえば、売掛先が公共機関や上場企業であれば、倒産や入金遅れなどによる売掛金未回収のリスクはかなり低いということで、審査に通りやすいでしょう。

こうした点の実際例として、医療ファクタリングがあります。医療ファクタリングは、医療機関や介護サービス事業者、調剤薬局が導入できるファクタリングです。

医療ファクタリングでは、支払期日よりも前に、診療報酬債権や介護報酬債権、調剤報酬債権を買取してもらい現金化します。

売掛先は、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金といった国や地方自治体が管轄する団体になるので、売掛先の信用力が高く、審査にも通りやすいファクタリングです。

こうした例からわかるように、ファクタリングを申し込む際は、信用力の高い売掛先の売掛債権を優先的に買取依頼してください。

売掛先と継続的な取引があり、信用力があることを証明するために、申し込みの際には、取引基本契約書、請求書、発注書、納品書、通帳のコピーなどをきちんと用意しておきましょう。

支払期日が近い売掛債権を買取依頼する

支払期日がかなり先ではなく、支払期日が近い売掛債権の買取を依頼することも、審査を通りやすくするためのポイントです。

支払期日が近ければ近いほど、売掛金未回収のリスクは低減でき、ファクタリング事業者は早期に資金を回収することが可能になります。

したがって、いくつかの売掛債権を保有している場合、売掛先の信用力が高く支払期日の近い売掛債権から買取を依頼すれば、審査に通りやすいです。

売上規模に対してふさわしい買取希望額を提示する

審査通過率を上げるための別のポイントは、自社の売上規模と買取希望額のバランスを取ることです。

自社の売上規模や経営状態と比較して買取希望額があまりにも高額であれば、本当に必要な資金調達なのかどうか疑問を持たれ審査に通過するのが難しくなるでしょう。

買取希望額の設定に決まりはありませんが、一般的には月商の40%以下が目安といわれています。

3社間方式で契約する

ファクタリングの契約形態には、2社間方式と3社間方式があります。

どちらも融資よりは審査に通りやすいですが、さらに審査に通りやすい契約形態は3社間方式です。

3社間方式は、契約や取引に資金需要のある企業・ファクタリング事業者・売掛先の3社が関わるのでそのように呼ばれています。

2社間方式を選択した場合、売掛先は契約に関与しないので、ファクタリング利用の承諾を売掛先に求める必要はありません。

一方、3社間方式の場合、売掛先にファクタリング利用の承諾をしてもらい、売掛金の入金を取引先の企業からファクタリング事業者に変更してもらう必要があります。

このように、3社間方式はファクタリング事業者が直接売掛先とやり取りすることで、売掛先の信用力をより詳しく審査することができ、なおかつ売掛金を直接回収することができます。

したがって、3社間方式は2社間方式よりも売掛金未回収のリスクは低いです。

こうした理由から、3社間方式は2社間方式よりも審査が緩く通過する確率は高いといえます。

ファクタリングの利用について売掛先からの承諾が得られるのであれば、審査通過率を上げるためにも、3社間方式を選択しましょう。

自社や経営者の信頼度を高める

自社や経営者の信頼度を高める努力をすることも、審査通過率を上げるためのポイントです。

ファクタリングの審査ではヒアリングがおこなわれることがあります。その際には一般的に以下の点が尋ねられます。

● 自社の事業内容
● 売掛先の事業内容や自社との取引内容
● 自社がファクタリングで資金調達を希望する理由
● 売掛先からのファクタリング利用についての承諾(3社間方式のみ)

こうした点について尋ねられたなら、正直に答えるようにしましょう。審査に通過したいという理由で自社の経営状態を粉飾して報告するなら、信頼度は下がり逆効果になります。

説明が丁寧で矛盾のないものであれば、たとえ自社の経営状態があまり良くなかったとしても、担当者に好印象を与えることができるので、良い結果が出るかもしれません。

独立系ファクタリング事業者を利用することも可能

なるべく審査に通りやすいファクタリング事業者を探しているという場合、独立系ファクタリング事業者の利用をおすすめします。

ファクタリング事業者は大きく分けると以下の3種類があります。

● 銀行系:銀行が親会社として出資しているファクタリング
● ノンバンク系:消費者金融や信販会社、クレジットカード会社といったノンバンクが運営しているファクタリング
● 独立系:銀行やノンバンク、大手企業が親会社として運営していない独立的・専門的にファクタリングサービスを提供する会社

どの系列のファクタリング事業者も、融資と比較すると審査に通りやすいといえます。3つの系列の中で最も審査に通りやすいといわれているのは独立系です。

独立系ファクタリングの特徴は、提出書類が少ない、申し込みから振込までが速い、創業したばかりの会社や個人事業主でも利用可能という点です。

資金調達を急いでいる、創業したばかりで決算書が作成できない、個人事業主なので売掛金の額が少ないという方は、審査に通りやすい独立系のファクタリング事業者をおすすめします。

大手と独立系を使い分ける

審査に通りやすい点だけに注目してファクタリング事業者を選ぶなら損をする場合もあるので、大手と独立系のスタイルを把握しておけば上手に使い分けることができます。

大手ファクタリング事業者は、「売掛金未回収のリスクが低い売掛債権を低い手数料で買取する」というスタイルが多いです。したがって独立系よりも審査は厳しくなります。

一方、独立系は大手と比較すると資金力がなく、2社間方式を得意としているところが多いので、「ある程度リスクのある売掛債権でも高い手数料で買取する」というスタイルになります。大手と比較すると審査は通りやすいでしょう。

しかし、審査に通りやすいという点だけで、ファクタリング事業者を選ぶなら、高い手数料を支払うことなり損をする場合があります。

したがって、審査の通りやすさに加えて、売掛先の信用力や自社との取引頻度、手数料などのコストも検討し、経営状況や売掛先の信用力に応じてファクタリング事業者を使い分けできるでしょう。

ファクタリングの審査が融資よりも通りやすいことについてのまとめ

この記事では、ファクタリングの審査が融資の与信審査よりも通りやすいといわれている理由をいくつか紹介しました。

たとえば、融資は自社の信用力や将来性が審査の対象となりますが、ファクタリングは売掛先の信用力が審査対象となります。

したがって、売掛先に信用力があれば、自社が債務超過の場合でも審査に通過できる可能性がありました。

さらに、ファクタリングは担保や保証人を差し出す必要はありません。融資よりも提出する書類が少なく、事業計画書といった作成が難しい書類は提出書類に含まれていません。

こうした理由から、ファクタリングは融資よりも審査に通過しやすいといえます。

融資は断られたので別の資金調達方法を探している、融資以外の方法で資金調達したいという中小企業の経営者や個人事業主の方は、ぜひファクタリングを申し込んでください。