ビジネスローンとファクタリングの使い分けを徹底解説

目次
- 1 ビジネスローンとは?
- 2 ファクタリングとは?
- 3 ビジネスローンとファクタリングの違い
- 4 ビジネスローンとファクタリングを使い分ける
- 5 まとめ:ビジネスローンとファクタリングを使い分けて資金繰り安定を
行の融資審査に落ちてしまった」
「緊急で資金調達が必要になった」
「手軽に調達したい」
このような場合、真っ先に思い浮かぶのはビジネスローンとファクタリングです。
ビジネスローンとファクタリングは、どちらも審査に通りやすく、資金調達スピードや利便性に優れています。
また、担保・保証のありかたも類似しています。
このため、どちらを利用しても同じと考える人もいるかもしれません。
しかし、ビジネスローンとファクタリングは適切に使い分けてこそ真価を発揮するものです。
この記事では、ビジネスローンとファクタリングの違いから、具体的な使い分けを解説します。
ビジネスローンとは?
ビジネスローンとファクタリングの使い分けを知るにあたり、まずはそれぞれの基本を押さえておく必要があります。
ビジネスローンの基礎知識からみていきましょう。
ビジネスローンは融資の一種
ビジネスローンは融資の一種です。
融資には銀行の普通融資、公的金融機関の融資、自治体の制度融資などいろいろありますが、ビジネスローンもこれらに準じます。
ビジネスローンが他の融資と大きく異なるのは、簡略化されていること。
そもそもビジネスローンを作ったのはメガバンクです。
メガバンクは膨大な資金を運用しており、いかに効率的に貸し付けるかが重要となります。
中小企業の小規模な融資案件と、大企業の大規模な融資案件を同様に扱うことはできません。
中小企業に対し、少額資金をスピーディに融資できるよう、生み出されたのがビジネスローンというわけです。
スピーディに融資しつつ、貸倒れリスクを一定に抑えることが重要です。
そのため、ビジネスローンは普通融資とは異なる審査方式で、機械的に審査しています。
決算書などの数値をもとに、安全性や回収可能性を機械的に算出し、融資の可否と条件を瞬時にはじき出すのです。
取引先を一社ずつ、人の手で精査する普通融資に比べて、多くの会社を一律の基準で機械的に審査するビジネスローンは、利便性と資金調達スピードに優れています。
ビジネスローンの種類
一口にビジネスローンといっても、銀行系とノンバンク系の二種類があります。
銀行系ビジネスローンは、銀行が取り扱うローン商品のうち、事業者向けに無担保で短期資金を融資するものです。
これは、いわゆる「銀行融資」とは異なります。
銀行融資は、各金融機関が独自の基準(銀行格付け)に基づき判断していますが、ビジネスローンはその基準にとらわれません。
判断基準はあくまでも機械的な審査(スコアリング)にあります。
銀行の融資である以上、貸付原資は預金が主体です。
したがって、預金者保護や公共性の観点から様々な規制を受けます。
銀行系ビジネスローンは普通融資の簡易版と考えるのが良いでしょう。
一方、ノンバンク系ビジネスローンは、ノンバンク(消費者金融・信販会社・リース会社など)が、事業者向けに無担保で短期資金を融資するものを指します。
そもそもノンバンクとは、「非銀行系」ということです。
銀行と非銀行の区別は、預金機能の有無にあります。
ノンバンクは預金業務を行っておらず、貸付原資も預金ではなく自己資金や投資家資金です。
したがって、ノンバンク系ビジネスローンは銀行系ビジネスローンほど規制を受けず、リスクに積極的といえます。
この記事のテーマはビジネスローンとファクタリングの使い分けですが、「銀行系ビジネスローンとノンバンク系ビジネスローンの使い分け」も重要な視点です。
ファクタリングとは?
次に、ファクタリングの基礎知識をみていきます。
ファクタリングの定義
ファクタリングは、世界的にみれば長い歴史があり、欧米ではごく一般的な資金調達方法です。
しかし日本では、手形取引の慣習が根強かったため、ファクタリングが普及してきたのはごく最近のこと。
ここ数年で普及率が大幅に伸びていますが、ビジネスローンなどの歴史ある資金調達方法に比べるとまだまだマイナーです。
ファクタリングを知らない人は、まずは定義から押さえるのがよいでしょう。
金融庁は、ファクタリングを以下のように定義しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ここにある通り、ファクタリングは売掛金を譲渡し早期資金化するサービスです。
売掛金は、信用取引によって発生します。
売掛債権の一種であり、支払期日に売掛先から代金を受け取る権利です。
逆にいえば、支払期日まで代金の受け取りを待つ義務ですから、資金繰りの負担にもなります。
とはいえ、売掛先の支払い能力に問題がなければ、売掛金は額面金額に近い価値をもっています。
その価値に応じて早期資金化するサービスがファクタリング、買い取る業者をファクタリング会社というわけです。
したがって、ファクタリングに利用する売掛金は、請求内容が確定していること(確定債権であること)、支払期日前であること(不良債権でないこと)が大前提です。
売掛金の譲渡取引ですから、ビジネスローンのようなお金の貸し借りとは根本的に異なります。
この違いが、ビジネスローンとファクタリングの使い分けにも深く関わります。
ファクタリングの方式
ファクタリングにはいくつかの方式があります。
売掛金の内容や取引の属性(特に国際取引)によって方式が異なりますが、現在日本で普及しているのは、国内取引で生じた売掛金を対象とする2社間ファクタリングと3社間ファクタリングです。
2社間ファクタリングは、その名の通り2社間で取引するファクタリング。
ファクタリングの利用会社(以下、利用会社)とファクタリング会社の2社間で取引し、売掛先は一切関与しません。
そのため、利便性や資金調達スピードに優れています。
詳しくは後述しますが、最近は2社間ファクタリングをオンラインで完結するオンラインファクタリングも徐々に普及しています。
3社間ファクタリングは、利用会社・ファクタリング会社・売掛先の3社間で取引する方式です。
売掛先が必ず関与するため、利用のハードルが高く、資金調達スピードにもやや難があります。
ビジネスローンとファクタリングの使い分けを考える際、ファクタリング方式は無視できません。
この記事でも、「銀行系ビジネスローン・ノンバンク系ビジネスローン・2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの使い分け」を考えていきます。
ビジネスローンとファクタリングの違い
ビジネスローンとファクタリングを正しく使い分けるには、それぞれの違いを詳しく知る必要があります。
ここからは、ビジネスローンとファクタリングの使い分けにつながる違いについて、くわしくみていきましょう。
法的根拠の違い
ビジネスローンとファクタリングは法的根拠が異なります。
これは、ビジネスローンとファクタリングの使い分けの中心部分です。
ビジネスローンの法的根拠
お金の貸し借りは、法的には消費貸借です。
実際、銀行から普通融資を受けたり、ノンバンクから個人的に借り入れたりする際、必ず金銭消費貸借契約を結びます。
ビジネスローンも、会社として銀行やノンバンクから借り入れるわけですから、法的根拠は消費貸借です。
消費貸借について、民法では以下のように定めています。
(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
簡単にいえば、銀行またはノンバンクからビジネスローンを受けた会社は、返済義務を負うということです。
法律では「種類、品質及び数量の同じ物をもって返還」としていますが、基本的には現金で返済します。
ビジネスローンは事業性資金を貸し付けるため、事業から得た利益が返済原資です。
現金で返済できない場合、それ以外の方法で返済するわけですが、後述の通りビジネスローンは原則無担保。
そのため、担保資産によって返済することはできず、代表者個人の連帯保証で対応することになります。
そのようなイレギュラーな事態を除けば、現金によって返済義務を履行するものと考えてください。
詳しくは後述しますが、ビジネスローンの審査で返済能力を重視するのも、ビジネスローンが法的に消費貸借であり、返済義務を伴うためです。
ファクタリングの法的根拠
金融庁の定義にもある通り、ファクタリングは法的に債権譲渡に分類されます。
債権譲渡について、民法の記載は以下の通りです。
(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
出典:出典:e-Gov法令検索「第四節 債権の譲渡」
ファクタリングは消費貸借ではなく、債権譲渡です。
この法的根拠は、ビジネスローンとファクタリングの使い分けにも通じる重要な部分です。
民法をみればわかる通り、債権譲渡には返済義務に関する記載が一切ありません。
ファクタリングに当てはめると、「売掛金は譲り渡すことができる」というだけで、その返還については何も定めていないのです。
事実、ファクタリング会社に売掛金を譲り渡すことで得た対価(売掛金の売却代金)は、契約違反などの特別な場合を除き、返済義務がありません。
後述の通り、回収不能時さえ償還を求められないのがファクタリングの大きな特徴のひとつです。
調達先の違い
ビジネスローンとファクタリングは、調達先が異なります。
外部から調達するか、あるいは内部から調達するか。
これも、使い分けに欠かせないポイントです。
ビジネスローンは外部資金調達
資金調達方法を大別すると、外部資金調達と内部資金調達があります。
外部資金調達は外部から資金を調達するもの、内部資金調達は内部から資金を調達するものです。
銀行やノンバンクからの融資、ベンチャーキャピタルや個人投資家から資金を集める出資、縁故者に社債を引き受けてもらう少人数私募債など、外部から資金を調達するものは全て外部資金調達に属します。
ビジネスローンも融資の一種ですから、外部資金調達です。
外部資金調達は、自社の状況に大きく左右されます。
自社の業績や将来性が良好であれば、お金を出したい人は容易に見つかるでしょう。
銀行の普通融資でも、ビジネスローンでも、あるいは出資でも資金は集めやすいものです。
しかし自社の経営に問題がある場合、お金を出したいと思う人はあまりいません。
経営改善プランや返済原資を示さなければ、容易にお金は集まらないでしょう。
良くも悪くも、外部の判断に大きく左右されるのが外部資金調達の特徴といえます。
ビジネスローンは、外部資金調達の中でもハードルが低いのが特徴です。
ファクタリングは内部資金調達
内部資金調達は、会社の内部留保によって調達します。
例えば資産の売却。
会社の遊休資産を売却したり、事業に使う資産をリースバックによって資金化したり、売掛金をファクタリングで早期資金化したりすることは、すべて内部資金調達です。
内部資金調達は、外部にほとんど左右されません。
資産を売却する場合、その資産の価値相応に調達できます。
経営の良し悪しに関係なく、資産価値さえ確かであれば、容易に資金を調達できるのです。
外部資金調達と内部資金調達の使い分けは、資金繰りの安定に重要な視点といえます。
ビジネスローンとファクタリングの使い分けも、調達先の違いから考えてみるとよいでしょう。
審査基準の違い
法的根拠と調達先の違いは、ビジネスローンとファクタリングの審査に大きな違いをもたらします。
それぞれの審査についてみていきましょう。
ビジネスローンは決算書を審査
ビジネスローンは、普通融資の簡易版です。
普通融資の審査では、会社の事業を評価します。
決算書を精査するのはもちろんですが、決算書に表れない情報も含め詳しく審査し、さらに稟議制によって判断します。
複数の人間が関与しながら、時間をかけて審査するのが普通融資です。
これに対し、ビジネスローンは人の手で審査せず、稟議も行いません。
決算書の数値をコンピューターに入力し、機械的に判断する「スコアリング審査」を用います。
スコアリング審査は、ほとんど決算書によって決まります。
決算書に表れない要素は一切考慮せず、決算内容が良ければ融資し、悪ければ融資しないのがビジネスローンです。
会社の事業は、決算書だけで評価できるものではありません。
ビジネスローンの審査は、普通融資のように事業内容を評価するのではなく、決算書を評価しているのです。
銀行系もノンバンク系も、どちらも決算書のスコアリングを軸に審査します。
ただし、判断基準はやや異なります。
銀行系ビジネスローンの判断基準は、安全性・健全性です。
財務的に安全な会社に、健全な融資を行うのが銀行系といえます。
一方、ノンバンク系ビジネスローンの判断基準は、回収可能性です。
決算内容に問題がある場合でも、回収可能と判断すれば融資します。
とはいえ、どちらもビジネスローンである以上、決算書のスコアリングが審査基準になる点は変わりません。
したがって、決算内容を踏まえてビジネスローンとファクタリングを使い分ける、あるいは銀行系・ノンバンク系を使い分けるのがポイントです。
ファクタリングは売掛金を審査
ファクタリングは、法的に債権譲渡です。
ファクタリング会社は、利用会社から売掛金を割安に買い取り、支払期日に売掛先から満額回収することで差額を儲けています。
このビジネスが成り立つかどうかは、売掛金の回収にかかっています。
ファクタリング会社にとって、利益の源泉は売掛先であり、利用会社ではありません。
したがって、ファクタリングの審査基準は売掛金です。
売掛金にはいろいろな情報が含まれます。
中でも重要なのが、売掛先(支払人)、額面金額、支払期日の三つ。
第一に、売掛先に支払い能力があることが大前提です。
そのうえで、額面金額と支払期日から採算を図り、問題なければ買い取ります。
売掛金さえ良好であれば、利用会社の決算内容に関係なく審査に通るのです。
もちろん、審査に落ちることもあります。
いくら利用会社の決算が好調でも、売掛金に問題があれば審査に通りません。
売掛金次第で審査に通るからこそ、「決算内容が悪い→ファクタリングで調達」といった使い分けも成り立つのです。
調達難易度の違い
資金調達は、必要資金を調達し、資金繰りを維持するためのものです。
条件的にいくら優れていても、実際に調達できなければ意味がありません。
したがって、資金調達方法を比較する際、調達難易度は重要なポイントです。
ビジネスローンとファクタリングは、どちらも調達難易度が低いとされます。
しかし、一概に簡単・難しいとはいえず、ある場合には簡単、ある場合には難しいというのが実情です。
その違いを知ることで、使い分けがみえてきます。
ビジネスローンは決算内容次第
ビジネスローンの審査基準は決算書です。
審査難易度も、決算書によって大きく変わります。
決算の良し悪しは、利益と純資産で判断します。
利益がプラス(黒字)の場合、ビジネスローンの審査に通る可能性が高いです。
逆に、利益がマイナス(赤字)であれば、ビジネスローンの審査に通るのは困難でしょう。
特に銀行系ビジネスローンは、赤字では審査に通りません。
ノンバンク系ビジネスローンはやや柔軟ですが、黒字・赤字の差は顕著です。
次に純資産。
純資産は、総資産から総負債を差し引くことで算出します。
純資産がプラスの会社は、赤字でない限りビジネスローンの審査に通るでしょう。
しかし純資産がマイナスの場合、黒字でも審査に落ちる可能性が高いです。
純資産のマイナスは、債務超過であることを意味します。
ビジネスローンの審査においても、債務超過は致命的な悪材料です。
決算内容が良い(利益・純資産がプラス)会社にとって、ビジネスローンの審査難易度はかなり低いといえます。
反対に、決算内容が悪い(利益または純資産がマイナス)会社にとって、ビジネスローンの審査難易度は高いです。
ファクタリングは売掛金次第
ファクタリングの審査基準は売掛金です。
そのため、ファクタリングの審査難易度は売掛金の良し悪しに左右されます。
売掛金の内容が良ければ、審査難易度はかなり低いです。
わかりやすいのが、大企業や公的機関の売掛金。
大企業は経営の安定性が高く、売掛金の支払い能力も安定しています。
公的機関は制度に基づき運営しているため、制度が破綻しない限り売掛金が回収不能になることはありません。
したがって、このような売掛金は優良債権とみなされ、難なく審査に通ります。
もちろん、中小企業の売掛金も、支払い能力に問題がなければ審査に通る可能性が高いです。
逆に、問題のある売掛金は審査難易度が高くなります。
例えば、新規取引先の売掛金。
取引を始めたばかりの売掛先は、過去の入金履歴から支払い能力を把握できず、回収不能リスクが高まります。
入金履歴から、支払い能力が低下しているとわかれば、審査に落ちるかもしれません。
以上のように、ファクタリングの審査難易度は売掛金次第です。
良い売掛金を持っていれば審査難易度は低く、良い売掛金が乏しければ審査難易度が高まります。
利便性の違い
資金調達方法を比較する上で、利便性もポイントとなります。
特に、ビジネスローンやファクタリングといった資金調達方法は、利便性が大きな特徴であるだけに、その違いと使い分けが気になる人も多いことでしょう。
ビジネスローンの利便性
ビジネスローンは、利便性が高い資金調達方法です。
他の融資と比較した場合、最も利便性に優れているのはビジネスローンでしょう。
普通融資の利便性が低いことは、皆さんもご存じの通りです。
様々な書類を求められ、銀行員との面談も必須です。
融資を受けるときだけでなく、日常的な交渉も審査に影響します。
そのため、「必要な時にすぐに申し込み、サクッと調達」といった手軽さはありません。
ビジネスローンは、普通融資よりも圧倒的に利便性が高いです。
そもそも、ビジネスローンには担当者がつきません。
担当者と日常的に交渉したり、融資を受ける際に面談したりする必要はないのです。
銀行系ビジネスローンの中には、申し込みや書類提出、あるいは契約時に支店を訪問することがあります。
しかし、近年は銀行系でも来店不要のビジネスローンが増えています。
ノンバンク系ビジネスローンの場合、ほとんどの業者が来店不要です。
銀行系・ノンバンク系を問わず、利便性の高いビジネスローンはオンライン完結が基本です。
オンライン完結のビジネスローンは、申し込みから契約までオンラインで完結できます。
ファクタリングの利便性
ファクタリングも利便性が高い資金調達方法のひとつです。
少ない書類で簡単に申し込むことができ、単純な手続きで調達できます。
ただし、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで利便性が大きく変わります。
利便性が高いのは2社間ファクタリングです。
利用会社とファクタリング会社の2社間で取引するため、複雑な手続きはありません。
オンラインファクタリング(オンライン完結の2社間ファクタリング)ならば、契約もオンラインですから非常に便利です。
一方、3社間ファクタリングは利便性に問題があります。
売掛先が承諾・協力しなければ3社間取引は成り立たないため、事前に売掛先の内諾を受ける必要があります。
売掛先が債権譲渡を認めなければ、その時点で資金調達は失敗です。
また、3社間ファクタリングはオンライン完結に非対応ですから、契約時に対面しなければなりません。
これにより、利便性が大きく損なわれることも。
利便性が高いのは、あくまでもオンライン完結の2社間ファクタリングに限られます。
担保・保証の違い
資金調達の際、カギになるのが担保・保証です。
とりわけ銀行から普通融資を受ける場合、担保・保証の有無が大きく影響します。
中小企業の経営者ならば、経営が悪くないのに担保・保証を求められたことがあるかもしれません。
それほど重要な担保・保証について、ビジネスローンとファクタリングの違いをみていきましょう。
ビジネスローンは無担保・無保証
ビジネスローンは、原則無担保・無保証で利用できます。
ただし、担保と保証ではやや考え方が異なるため注意が必要です。
まず担保ですが、ビジネスローンは無担保が基本となります。
ノンバンクの中には、ビジネスローンと同じくくりで不動産担保ローンや売掛債権担保ローンを提供している業者もあるため、担保を求められるイメージがある人もいるでしょう。
しかし、銀行系・ノンバンク系を問わず、ビジネスローンは原則無担保と考えて構いません。
そもそも、ビジネスローンは普通融資よりも簡単に融資することを目的とし、生み出されました。
担保付きの場合、担保資産の評価に手間がかかるため、ビジネスローンの目的に合わないのです。
したがって、担保余力がない会社でも、ビジネスローンならば決算書次第で簡単に調達できます。
一方、保証については注意が必要です。
ビジネスローンは、全くの無保証では利用できません。
ビジネスローンで「無保証」というのは、信用保証協会や保証会社の機関保証と、第三者の連帯保証であることを意味します。
その代わりに、代表者個人の連帯保証が必須です。
また、ビジネスローンの一部には、保証会社の保証付きの商品があります。
その場合、「代表者個人の連帯保証なし・保証会社の保証付き」または「代表者個人の連帯保証あり+保証会社の保証付き」となります。
ビジネスローンは「無担保(担保は一切不要)」かつ「無保証(代表者個人の連帯保証で対応)」が基本と覚えてください。
これにより、ビジネスローンの審査には保証力が影響します。
特に、代表者個人の保証力に問題があれば審査に通りません。
代表者の信用力・保証力も、ビジネスローンとファクタリングの使い分けといえます。
ファクタリングも無担保・無保証
ファクタリングも、原則無担保・無保証です。
ただし、無担保・無保証の意味合いがビジネスローンとは異なります。
ファクタリングは、いかなる意味においても、担保・保証は一切不要です。
不動産や売掛債権などの担保資産は必要なく、代表者個人の連帯保証や保証会社による保証も必要ありません。
これは、ファクタリングの法的根拠を考えるとよくわかります。
ファクタリングは法的に債権譲渡であり、借入れでないため返済義務がありません。
担保・保証は、返済不能に備えるためのものです。
返済義務がなければ備えも必要なく、担保・保証は不要というわけです。
ファクタリングは、担保資産が不足している会社、信用保証協会の保証枠を使い切っている会社、代表者の信用力・保証力に問題がある会社なども利用できます。
業歴の影響の違い
資金調達の際、業歴がネックになることがあります。
業歴が長ければ問題ありませんが、業歴が短い会社ほど資金調達が不利になるのです。
開業後間もない場合、この問題は特に深刻です。
ビジネスローンとファクタリングは、業歴による影響が異なるため、ここも使い分けのポイントとなります。
ビジネスローンは業歴を考慮
ビジネスローンに限らず、全ての融資は業歴が影響します。
普通融資が良い例です。
普通融資は、業歴が短いほど審査に通りにくくなります。
業歴は企業の安定性に大きく影響し、業歴が短い会社は業績が不安定で財務的にも脆弱なためです。
開業したばかりの会社は、普通融資では調達できません。
ビジネスローンも業歴が影響します。
ただし、普通融資とは業歴の見方が異なります。
普通融資の場合、銀行員が慎重に審査する中で「業歴が短い→事業実績と信用が乏しい」という評価です。
一方、ビジネスローンのスコアリング審査は、あくまでも決算書が軸となります。
決算書に問題がなければ、業歴が短い会社でもコンピューターは「融資可」と判断するのです。
しかしながら、業歴が短い会社は業績・財務が悪い傾向があるのも事実。
特に開業してから事業が軌道に乗るまでの間は業績が安定せず、赤字が続くことも珍しくありません。
つまり、ビジネスローンは「業歴が短い→赤字になりやすい→スコアリング審査に通らない」ということが多いのです。
また、ビジネスローンの多くは、必要書類として2~3期分の決算書を求めます。
開業1年目で手元に決算書が全くない、あるいは決算書が足りず申し込めないということもあり得ます。
この意味でも、ビジネスローンは業歴を考慮するといえるでしょう。
ファクタリングは業歴不問
ファクタリングは業歴を問いません。
業歴が短いことを理由に審査に落ちたり、条件が悪化したりすることはないのです。
ファクタリングの審査基準は売掛金であり、業歴よりも売掛金のほうが圧倒的に重要となります。
業歴が短い会社でも、売掛金の内容がよければ審査に通ります。
逆に、業歴が長い会社でも、売掛金の内容が悪ければ審査に落ちるのがファクタリングです。
創業1年未満の会社も、信用取引をしていれば手元に売掛金があるでしょう。
それを使えば、資金を調達できます。
資金調達スピードの違い
ビジネスローンまたはファクタリングの共通点は、資金調達スピードに優れていることです。
どちらも、他の資金調達方法に比べてかなりスピーディに調達できます。
とはいえ、資金調達スピードが全く同じではなく、使い分けにポイントにもなります。
ビジネスローンの資金調達スピード
ビジネスローンは、スピード融資が強みです。
普通融資ならば、銀行員が時間をかけて審査し、稟議の上で判断するところを、ビジネスローンはコンピューターで機械的に審査し、稟議も行いません。
これにより、普通融資よりも圧倒的にスピーディに調達できます。
銀行系とノンバンク系の資金調達スピードの目安は以下の通りです。
- 銀行系ビジネスローン…数日~1週間程度
- ノンバンク系ビジネスローン…最短即日~数日
銀行系ビジネスローンは1週間程度が目安です。
普通融資は、申し込んでから融資実行まで1ヶ月程度かかりますが、それでは間に合わない場合にビジネスローンが役立ちます。
緊急度が高ければノンバンク系ビジネスローンがおすすめです。
最短即日融資を謳うビジネスローンもあります。
ただし、現時点では土日の即日融資に対応しているビジネスローンはありません。
ファクタリングの資金調達スピード
ファクタリングの資金調達スピードは、ビジネスローンとほぼ同じです。
ただし、一部の商品はビジネスローンよりもスピーディに調達できる可能性があります。
方式別の資金調達スピードの目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング…最短即日~数日
- 3社間ファクタリング… 最短1週間程度
- オンラインファクタリング…最短数時間
このように、2社間ファクタリングはノンバンク系ビジネスローンと同じ、3社間ファクタリングは銀行系ビジネスローンと同じくらいのスピードと考えてください。
オンラインファクタリングのみ、最短数時間で調達できる場合があります。
緊急時には、このわずかな違いが、ビジネスローンとファクタリングを使い分けるポイントになるでしょう。
調達コストの違い
ビジネスローンとファクタリングは、どちらも調達コストが高い資金調達方法として知られています。
調達コストを少しでも抑えたい人は、この違いが気になることでしょう。
ビジネスローンとファクタリングの調達コストをみていきます。
ビジネスローンの調達コスト
「ビジネスローンは調達コストが高い」というのは、「普通融資に比べると金利が高い」という意味です。
普通融資の金利は、年2~3%が目安となります。
これに対し、ビジネスローンは年10%以上の金利で借りることも多いです。
金利が比較的安いのは銀行系ビジネスローンであり、ノンバンク系ビジネスローンは高めと考えてください。
目安は以下の通りです。
- 銀行系ビジネスローン…2~9%
- ノンバンク系ビジネスローン(リスク低)…6~10%
- ノンバンク系ビジネスローン(リスク中)…10~15%
- ノンバンク系ビジネスローン(リスク高)…15~18%
銀行系ビジネスローンの金利も、リスクによって変動します。
しかし、安全性・健全性を重視することから、リスクが高い会社には貸しません。
金利を上げてカバーするのではなく、そもそも貸さないという考え方です。
ノンバンクはリスクに積極的ですから、リスクに応じて金利を柔軟に設定します。
したがって、上限金利ギリギリの水準に設定されることも多いです。
決算内容や返済実績により、金利が下がることも多いですが、基本的には高金利で借りるものと考えてください。
ファクタリングの調達コスト
「ファクタリングは調達コストが高い」というのは、「手数料率の年利換算が高すぎる」ことを意味します。
ファクタリングの手数料は、売却する売掛金の額面金額に手数料率をかけて算出します。
手数料率の目安は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング…額面金額の10~30%
- 3社間ファクタリング…額面金額の1~10%
- オンラインファクタリング…額面金額の10%以下
この手数料率を年利に換算すると、非常な高率になります。
例えば、1ヶ月後に回収予定の売掛金を、手数料率15%でファクタリングする場合、実質的には月利15%で借りることと同じです。
これを年利に換算すると、実に180%。
ファクタリングは借入れではなく、実際に年利180%で借りるわけではありません。
支払手数料自体は小さいことも多いですが、同じ基準(年率)で比較した場合、ファクタリングの調達コストが高いのは事実です。
実際の使い分けは、実質的な調達コスト(ビジネスローンは支払利息の総額、ファクタリングは支払手数料の総額)を比較し、使い分けることが大切です。
必要書類の違い
便利に、手軽に調達したい人にとって、必要書類は大きな問題です。
多くの書類を求められる資金調達方法は、書類の準備だけで大きな手間がかかります。
少ない書類で申し込みたい場合、ビジネスローンとファクタリングはおすすめの資金調達方法です。
ただし、提出書類の内容は異なります。
ビジネスローンの必要書類
ビジネスローンの必要書類は、決算書が基本です。
スコアリングに欠かせない決算書を2~3期分提出し、その他に代表者の身分証明書、登記簿謄本、通帳コピーなどを求められます。
どれも簡単に揃う書類ばかりです。
普通融資のように、事業計画書などを求められることはありません。
最近、決算書も不要のビジネスローンが増えています。
入出金明細からキャッシュフローを把握し、それによって安全性や回収可能性を判断するものです。
このタイプが特に多いのはネット銀行。
インターネットバンキングから情報を取得して審査するため、「必要書類なし」で非常に便利です。
ファクタリングの必要書類
ファクタリングの必要書類は、決算書、入出金明細、請求書、売掛先との契約書など。
中でも重要なのが入出金明細と請求書です。
請求書は売掛金の情報が詰まっていますから、これがなければ審査はできません。
また、売掛先の支払い能力を把握するためにも、入出金明細が必要です。
毎月一定の取引をしている売掛先であれば、支払い期日に入金があるかどうかによって、売掛金の回収不能リスクを知るわけです。
ファクタリングの書類も簡単なものばかりですが、ビジネスローンのように「必要書類なし」ということはありません。
リスクヘッジの違い
ビジネスローンとファクタリングは、どちらもリスクヘッジに役立ちます。
ただし、リスクへの影響が異なるため、自社の状況と目的に応じた使い分けが大切です。
ビジネスローンで融資枠を確保しておく
ビジネスローンがリスクヘッジに役立つのは、融資枠を確保できるためです。
ビジネスローンには、証書貸付と極度型の2種類があります。
証書貸付の場合、スコアリング審査を踏まえて、希望額を一括で融資します。
極度型は、決算書から融資可能額を判断し、その範囲内で自由に使えるものです。
証書貸付は、何か目的があって借りる流れですから、実際に資金需要が発生してからビジネスローンに申し込み、審査を受けます。
緊急事態が発生してからでは遅いのです。
しかし極度型の場合、事前に申し込んで融資枠を確保しておき、そのまま使わずにとっておくこともできます。
枠の範囲内であれば、審査を受けずに調達できるのです。
決算が良いタイミングで枠を確保しておけば、いざという時の備えになるでしょう。
実際に借りなければ金利が発生することもありません。
ファクタリングで回収不能リスクを回避
ファクタリングのリスクヘッジは、将来の調達に備えるものではなく、将来的な資金繰り悪化に備えるものです。
債権譲渡の際、償還請求権の有無が問題となります。
償還請求権とは、譲渡した債権が回収不能になった場合、譲受人から譲渡人に買い戻しを求める権利です。
ファクタリングは、原則的に償還請求権がありません。
ファクタリングに用いた売掛金が回収不能になれば、ファクタリング会社が全ての損失を引き受けます。
売掛金の回収トラブルは、資金繰りに大きな影響を与えます。
回収不能額が大きい場合、連鎖倒産ということにもなりかねません。
事前にファクタリングしておけば、このような回収不能リスクに備えることができます。
資金繰りへの影響の違い
資金調達方法によって、資金繰りへの影響が異なります。
せっかく資金を調達しても、その負担によって資金繰りが悪化すれば本末転倒です。
ビジネスローンとファクタリングは、資金繰りにどのように影響するのでしょうか。
資金繰りの悪化と改善の両面からみていきましょう。
ビジネスローンは資金繰り悪化の懸念
ビジネスローンは、資金繰り改善効果は期待できず、むしろ悪化の懸念があります。
ビジネスローンのデメリットは金利が高いことです。
金利が高ければ支払利息は膨らみ、資金繰りの大きな負担になります。
決算内容や返済実績によって金利が下がることもありますが、普通融資と同じ水準で借り入れることは難しいでしょう。
無計画なビジネスローンは、借金地獄の危険があるため注意が必要です。
ファクタリングは資金繰り改善に
ファクタリングも、ビジネスローンと同じく調達コストが高いです。
無計画なファクタリングによって、資金繰りが悪化する会社も少なくありません。
ファクタリングの際、「売掛金の額面金額-手数料=買取代金」を受け取ることで調達します。
つまり、手数料の分だけ売掛金が目減りし、利益を損なうということです。
利益率が低い会社は、利益がほとんどなくなったり、赤字になったりします。
例えば、利益率10%の会社が手数料率15%でファクタリングする場合、支払手数料が利益を上回り、額面金額の5%は確実に赤字になります。
高い手数料でファクタリングを繰り返せば、資金繰りが悪化することは間違いありません。
同時に、ファクタリングには資金繰り改善効果もあります。
これは、売掛金による資金繰り負担を軽減できるためです。
売掛金は、支払期日にならなければ回収できず、その間にも資金繰りは続きます。
回収待ちの売掛金が多いほど資金繰りは苦しくなります。
ファクタリングで売掛金を早期資金化し、手元の売掛金を減らせば、それだけ資金繰りは楽になるというわけです。
ファクタリングの資金繰りへの影響は、このバランス次第といえるでしょう。
いくら手元の売掛金が減っても、手数料が高すぎて赤字になれば、資金繰りは確実に悪化します。
財務への影響の違い
資金繰りへの影響だけではなく、財務への影響も重要です。
ビジネスローンとファクタリングは、財務的な影響が違います。
違いと使い分けのポイントは自己資本比率です。
ビジネスローンは財務が悪化する
ビジネスローンで調達した場合、財務悪化は避けられません。
もっとも、財務が悪化するのはビジネスローンだけではなく、全ての融資に共通です。
ビジネスローンで調達した資金は、財務上「借入金」となります。
いずれは返済するものですから、自己資本(返済の必要がない資金)ではなく他人資本です。
総資産(自己資本+他人資本)に対する純資産(自己資本)の割合を「自己資本比率」といいます。
財務健全性を知るための重要な指標であり、銀行系・ノンバンク系を問わず審査に大きく影響するものです。
ビジネスローンで調達した場合、自己資本は変わらず、他人資本だけが増加します。
総資産が増えて自己資本が変わらないのですから、自己資本比率は必ず悪化するというわけです。
ビジネスローンの審査では、自己資本比率が一定の水準を保っているかどうかをみます。
もともと自己資本比率が高ければ、ビジネスローンで少々悪化したところで問題にはなりません。
しかし、自己資本比率が「良くも悪くもない」「やや悪いが許容範囲」といった場合、ビジネスローンによって「悪い(ビジネスローン不可)」に傾く恐れがあります。
ファクタリングは財務が悪化しない
ファクタリングは財務が悪化しません。
理由は単純です。
ファクタリングは法的に債権譲渡ですから、調達したお金は借入金ではありません。
他人資本が増えないのです。
ファクタリングの結果、売掛金が現金に変わるだけですから、総資産は一定のまま。
総資産・自己資本・他人資本の全てに影響がなく、自己資本比率も変わりません。
自己資本比率の良し悪しによって、ビジネスローンとファクタリングの使い分けが変わってくるでしょう。
信用リスクの違い
資金調達によって、信用的にプラスになる場合とマイナスになる場合があります。
信用リスクの違いを知り、使い分けることも重要です。
ビジネスローンの信用リスク
ビジネスローンの信用リスクは、銀行系とノンバンク系で異なります。
銀行系ビジネスローンは、信用的にプラスになる場合とマイナスになる場合があります。
同じ会社に貸し付ける場合、銀行は普通融資とビジネスローンを区別しません。
普通融資にしろビジネスローンにしろ、返済に問題があれば信用は悪化し、返済が良好であれば信用的にプラスです。
ビジネスローンの使い方が良ければ、普通融資の審査でプラスになります。
ビジネスローンで実績を積みながら評価を高め、普通融資の足掛かりにすることも可能です。
もちろん、使い方が悪ければ信用は悪化し、普通融資はさらに遠のくでしょう。
ノンバンク系ビジネスローンの場合、信用的にプラスにはならず、基本的にはマイナス方向に働きます。
ノンバンクからの借入金は、銀行の与信とは全く別物です。
ノンバンクで返済実績を積んでも、それを銀行がプラスとみなすことはありません。
むしろ、ノンバンクから借りている事実がマイナスになることも。
ノンバンクで借りる動機は、「銀行から普通融資もビジネスローンも受けられないから」というケースがほとんどです。
つまり、ノンバンクで借りていることは、銀行から借りられないことを意味します。
安全性・健全性に問題がある(または過去に問題があった)ことの裏付けといってよいでしょう。
この意味において、ノンバンク系ビジネスローンは信用リスクがあるといえます。
ファクタリングの信用リスク
ファクタリングの信用リスクは、方式によって異なります。
2社間ファクタリングは信用リスクが低く、3社間ファクタリングは信用リスクが高いと考えてください。
ファクタリングはまだまだマイナーな資金調達方法です。
法整備が不十分であり、後述の通り悪質業者が問題視されています。
このため、ファクタリングを違法とみなす人も少なくありません。
3社間ファクタリングは、売掛先の関与が必須となります。
売掛先の経営者がファクタリングにネガティブなイメージを持っていれば、おそらくファクタリングに同意してくれないでしょう。
その場合、資金を調達できず、なおかつ売掛先の信用が悪化する恐れがあります。
その点、2社間ファクタリングは売掛先が関与しません。
ファクタリングの利用を知られることはなく、売掛先の信用が悪化することもないのです。
なお、ファクタリングを健全に利用したところで、信用的にプラスにはなりません。
ファクタリングの信用リスクは、「売掛先に知られて信用悪化」というマイナスの影響だけです。
調達可能額の違い
資金調達は、不足額を調達して資金繰りを維持したり、事業計画に沿って必要額を調達することが目的です。
調達できても、不足額や必要額に足りなければ資金調達は失敗といえます。
したがって、調達可能額の違いを知り、資金需要を満たせるかで使い分けることも大切です。
ビジネスローンとファクタリングの調達可能額を比較してみましょう。
ビジネスローンの調達可能額
ビジネスローンの調達可能額は、限度額によって考えます。
決算書をスコアリングした結果、いくらまで貸せるかを計算し、限度額を設定するのです。
決算が赤字では審査に落ちるというのも、これが理由です。
赤字は利益がマイナスであり、返済原資が得られない状態ですから、「いくらまで貸せるか?」の答えは「全く貸せない(限度額ゼロ=審査落ち)」となります。
黒字で初めて限度額を設定でき、黒字がいくらかによって限度額が増えたり減ったりします。
決算が良好であれば、ビジネスローンで多額の資金を調達することも可能です。
ただし、限度額の設定は銀行系・ノンバンク系で異なります。
銀行系ビジネスローンの場合、メガバンクならば1億円以上を貸し付けることもありますが、その他の金融機関は数百万円~数千万円が目安です。
ノンバンク系ビジネスローンは、1000万円を上限とする商品が多く、実際には数十万円~数百万円の調達になるでしょう。
もちろん、利用実績と信用も影響します。
利用実績が浅いうちは、決算内容が良くても限度額が低くなりがちです。
決算書のスコアリングが「1000万円まで」と判断するところを、実績と信用に応じて「500万円まで」「800万円まで」といったように設定するのです。
決算は毎年変わるわけですから、毎年あるいは数年おきの更新によって限度額は変わります。
利用歴が長く、なおかつ決算が良好な会社は、ビジネスローンでも数千万円単位の調達が可能です。
ファクタリングの調達可能額
ファクタリングは、手元の確定債権を売却します。
将来発生する売掛金はファクタリングの対象外です。
したがって、ファクタリングの調達可能額は「手元の売掛金の総額」と考えてください。
厳密には、ファクタリングは手数料がかかるため、「手元の売掛金の総額-手数料」が調達上限です。
例えば、月商が1000万円、信用取引の比率が50%、回収サイト1.5ヶ月の会社があったとしましょう。
この場合、毎月発生する売掛金は500万円、売掛金の平残は1.5ヶ月分の750万円です。
手数料率10%でファクタリングすると、手数料75万円を差し引いた675万円が調達上限となります。
決算内容に関係なく、これ以上の調達は不可能です。
会社や業種によって信用取引の割合は異なり、売掛金が多い会社もあれば、少ない会社もあります。
売掛金が多い会社ほどファクタリングで調達できる金額は大きくなり、売掛金が少ない会社は少額しか調達できません。
売掛金をあまり持っていない会社はビジネスローンを選ぶ、調達額が大きい場合にはファクタリングとビジネスローンを併用する、といった使い分けを考えましょう。
悪質業者のリスクの違い
近年、会社を狙う詐欺行為が巧妙化しています。
最後に、悪質業者のリスクを比較してみましょう。
ビジネスローンの悪質業者
ビジネスローンは、悪質業者のリスクが低いです。
銀行系ビジネスローンを選べば、悪質業者のリスクはほぼゼロといってよいでしょう。
銀行を装ったDMや偽サイトによる詐欺被害もあります。
しかし、そのような被害を避けることは容易ですから、ほとんどリスクにはなりません。
銀行系ビジネスローンの中には、来店が必須になる場合もあります。
実際に支店を訪問するわけですから、銀行を装う悪質業者に騙されることはありません。
同様に、ノンバンク系ビジネスローンも悪質業者のリスクは低いです。
ビジネスローンを提供するノンバンクは、必ず金融庁の貸金業登録を受けています。
登録して営業しているのが正規業者、無登録で営業しているのがヤミ金です。
ノンバンク系ビジネスローンに申し込む際、登録番号を調べて照会することで、悪質業者かどうかがすぐにわかります。
銀行系ビジネスローン、あるいは正規のノンバンク系ビジネスローンを選べば、悪質業者の心配はありません。
ファクタリングの悪質業者
ファクタリングは、悪質業者のリスクがあります。
このことは、金融庁が以下のように注意喚起していることからも明らかです。
中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。
出典:出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
銀行系・ノンバンク系のビジネスローンは、最初から貸付けを建前としているため、そもそも「貸付け以外のサービスを装って騙す」ということはあり得ません。
しかしファクタリングの場合、ファクタリングを装って貸し付ける悪質業者が実在します。
これは、ファクタリングの規制が不十分であり、悪質業者に好都合なためです。
例えば、ファクタリング業を開業する際、許可や登録は一切不要です。
「金融庁の登録が必要な貸金業」と「登録制度がないファクタリング業」では、開業のハードルがまるで違います。
無登録で貸金業を営めば、貸金業法違反によって即座に摘発対象となりますが、グレーゾーンが多いファクタリングならば抜け道は多いというわけです。
ファクタリングの法整備が進み、規制が出来上がるまでは、この状況は続くでしょう。
登録制度がない以上、登録番号の確認・照会によって判断することもできません。
現状、ファクタリングの悪質業者を避ける唯一の方法は、優良ファクタリング会社を選ぶくらいのものです。
それでも、優良業者の認定制度のようなものはなく、だれでも(悪質業者でも)優良業者を自称できる以上、悪質業者のリスクは高いといえます。
ビジネスローンとファクタリングを使い分ける
以上のように、ビジネスローンとファクタリングは多くの点で異なります。
そこで重要となるのが使い分けです。
資金調達の際、会社が置かれている状況は様々です。
経営状況、資金繰り状況、緊急性、あるいは資金需要や必要額などなど、それらに応じてより適したものを選び、使い分ける必要があります。
ここからは、ビジネスローンとファクタリングの使い分けについて、具体的なシーンとともにみていきましょう。
経営状況で使い分ける
ビジネスローンとファクタリングの使い分けとして、まず考えたいのが経営状況による使い分けです。
資金調達にあたり、まずは自社の状況を分析し、強みや問題点を洗い出してください。
そして、その状況によってビジネスローンとファクタリングの使い分けを考えます。
よくある使い分けのパターンは以下の通りです。
決算が黒字
→銀行系ビジネスローン
ビジネスローンとファクタリングの使い分けの基準として重要なのが黒字・赤字です。
決算が黒字の場合、真っ先に検討したいのが銀行系ビジネスローン。
銀行系ビジネスローンは決算書を非常に重視します。
黒字であれば、その他に大きな問題がない限り審査に通るでしょう。
ノンバンク系ビジネスローンでも審査に通る可能性が高いですが、銀行系ビジネスローンのほうが条件が良くなることが多いです。
銀行系・ノンバンク系のいずれも審査に通るならば、好条件で調達しやすい銀行系ビジネスローンを選びましょう。
ただし、今期の決算が黒字でも、前期の決算が赤字であったり、信用に大きな問題がある会社は銀行系ビジネスローンの審査に通りません。
その場合、ノンバンク系ビジネスローンやファクタリングを利用します。
基本的に、銀行系ビジネスローン・ノンバンク系ビジネスローン・ファクタリングを全て利用できる会社は、銀行系ビジネスローンを最優先するものと考えてください。
決算が赤字
→ノンバンク系ビジネスローンとファクタリングを併用
決算が赤字の会社は、銀行系ビジネスローンはあきらめてください。
赤字では審査に通らないため、下手に申込履歴を増やしたり、時間と手間をかけたりするよりは、最初から切り捨てたほうが賢明です。
銀行系ビジネスローンは除外、ノンバンク系ビジネスローンとファクタリングを併用するのが、この場合の使い分けです。
ノンバンク系ビジネスローンも決算を重視しますが、銀行系のように「赤字→融資不可」ということはありません。
ノンバンク系は、回収の見込みがあれば赤字の会社にも融資します。
逆にいえば、キャッシュフローからみて、回収できる金額しか融資しません。
融資枠が数十万円程度からスタートすることも多いです。
赤字で資金調達方法が限られる以上、この融資枠はなるべく温存しておきたいところ。
そこで、日常的な資金繰りはファクタリングで回しつつ、必要に応じてノンバンク系ビジネスローンから調達するのがおすすめです。
この使い分けによって資金繰りを維持し、黒字回復を目指しましょう。
黒字になったら、ノンバンク系ビジネスローンから銀行系ビジネスローンへ移行します。
このように、経営状況と段階に応じて使い分けることもポイントです。
債務超過である
→ノンバンク系ビジネスローンとファクタリングを併用
融資を受ける際、債務超過は赤字以上に大きなマイナスになります。
銀行の普通融資を考えるとよくわかります。
普通融資では、赤字の会社に赤字補填資金を融資することはあっても、債務超過の会社に債務超過解消資金を融資することはありません。
赤字補填資金を出せば、その資金によって立て直しを図り、黒字を回復できることも多いです。
しかし、債務超過の会社に融資すれば、負債が増えた分だけ債務超過が一層ひどくなります。
銀行は債務超過の会社に対し、融資よりも回収を考えます。
したがって、債務超過の会社は銀行系ビジネスローンの審査に決して通りません。
この場合の使い分けも、ノンバンク系ビジネスローンとファクタリングの併用です。
使い分けの根拠は赤字の場合と同じ。
ノンバンク系ビジネスローンは回収可能性を重視するため、債務超過でも審査に通ることがあります。
ただし、融資枠は少額になるでしょうから、ファクタリングと併用しながら資金繰りを維持し、債務超過の解消に取り組んでください。
ビジネスローンの審査に落ちた
→ファクタリング
赤字や債務超過など、経営悪化が深刻な会社は、銀行系ビジネスローンは利用できず(最初からあきらめ)、ノンバンク系ビジネスローンの審査にも通らないことがあります。
その場合、他のノンバンク系ビジネスローンに再度申し込むこととなります。
2~3社で審査に落ちた時点で、ビジネスローンでの調達はあきらめてください。
ここからさらに申し込んでも、おそらく審査に通ることはありません。
ビジネスローンである以上、すべてスコアリングで審査しています。
スコアリングのアルゴリズムは、業者ごとに極端な差異はなく、むしろ似通ったものです。
2~3社で審査に落ちた会社は、4社目も5社目も同じ結果になるでしょう。
何度も申し込めば、信用情報が著しく悪化します。
いわゆる「申し込みブラック」という状態に陥り、半年間(申込歴が抹消されるまで)はどこに申し込んでも審査に通らなくなります。
それを避ける意味でも、それ以上ビジネスローンにこだわらず、ファクタリングで調達しましょう。
選択肢を切り捨てることも、立派な使い分けのひとつです。
リスケ中である
→ノンバンク系ビジネスローンとファクタリングを併用
経営が悪化し、資金繰りが維持できなくなった場合、まず考えるべきはリスケジュール(以下、リスケ)です。
リスケとは、借入先の銀行に依頼して返済計画を見直すこと。
一定期間にわたって元金の返済を据え置き、利息のみ支払うのが一般的です。
本来、元金返済に回していた部分を用いて、経営正常化を目指します。
債務超過の場合、元利返済の負担が過剰になっていることが多く、リスケしなければどうにもならないケースがしばしばです。
ただし、一旦リスケに踏み切ると、リスケ中は銀行融資を受けられなくなります。
銀行は、元金に利息を上乗せしてもらうことで儲けているのです。
元金さえ返せないリスケ中の会社に、あえて融資しようとする銀行はありません。
また、返済計画を維持する意味でも、どの銀行も横並びで融資を控えます。
リスケ中は銀行系ビジネスローンも利用できません。
したがって、リスケ中の使い分けはノンバンク系ビジネスローンとファクタリングの併用が基本となります。
ノンバンク系ビジネスローンにとって、リスケは必ずしも悪材料にはなりません。
元金の返済が必要なくなった分、余剰資金が生まれているわけですから、そこから回収できれば融資するのです。
複数のノンバンクに申し込むことで、300万円程度まで調達できる可能性があります。
ノンバンク系ビジネスローンだけで足りなければ、ファクタリングも利用しましょう。
税金(法人税)を滞納している
→ノンバンク系ビジネスローンorファクタリング
税金を滞納している会社は、融資での調達が困難です。
この場合、まず取り組むべきは税金滞納を解消すること。
税金の滞納を解消すれば、資金調達環境は大きく改善されます。
とはいえ、納税資金がないからこそ滞納しているわけで、まずは納税資金を調達しなければなりません。
滞納しているのが法人税であれば、ビジネスローンとファクタリングの使い分けで解消できます。
法人税を滞納しているということは、利益自体は出ているわけです。
黒字であれば銀行系ビジネスローン、というのが普通の考え方です。
しかし、銀行は税金を滞納している会社を相手にしないため、銀行系ビジネスローンは除外。
ノンバンク系ビジネスローンとファクタリングならば、審査に通る可能性があります。
ただし、税務署に相談して分納中であることが大前提です。
その場合、分納計画から必要額や回収の見通しがわかるため、回収可能性次第ではノンバンクから納税資金を調達できます。
ファクタリングの場合、必要額や回収可能性ではなく、分納中という事実を重視します。
それによって差し押さえの危険がなくなり、回収不能リスクを回避できるためです。
まずはノンバンク系ビジネスローンやファクタリングで税金の滞納を解消し、そこから銀行系を含めた使い分けを新たに考えていきましょう。
税金(消費税)を滞納している
→ファクタリング
税金滞納といっても、その内容によって使い分けは変化します。
消費税を滞納している場合、使い分けはファクタリング一択です。
消費税の滞納は、法人税の滞納以上に深刻となります。
消費税は、利益に対してではなく売上に対してかかるものです。
消費税を納税できない場合、赤字のケースが珍しくありません。
売上はあっても利益が出ない、資金が不足する、そこで消費税を使い込んでしまうわけです。
「黒字だが法人税を滞納中」よりも、「赤字に加えて消費税を滞納中」のほうが、経営状況は深刻といえます。
銀行系ビジネスローンはもちろんのこと、ノンバンク系ビジネスローンも基本的に融資しません。
したがって、頼れるのはファクタリングのみ。
ファクタリングで消費税の滞納を解消し、そこからビジネスローンとファクタリングの使い分けを改めて考えましょう。
資産状況で使い分ける
ビジネスローンとファクタリングは、資産状況によっても使い分けることができます。
手元の売掛金が多いか少ないか、これによって使い分けることがポイントです。
手元に売掛金が少ない
→ビジネスローン
まず、手元に売掛金が少ない場合。
この場合、ファクタリングは除外してビジネスローンを選ぶのが使い分けの基本です。
ファクタリングは売掛金を早期資金化するものですから、手元に売掛金が少なければ満足に調達できません。
また、手元に売掛金が少ない原因は、売上そのものが少ない、現金払いの比率が高い、売掛金の回収サイトが短いといったことが考えられます。
売上が少ないのは問題ですが、そうでなければビジネスローンの審査には好影響です。
特に、売掛金の回転が良好ということは、キャッシュフローが良いということです。
そのうえ、決算に大きな問題がなければ、銀行系ビジネスローンでの調達も容易でしょう。
決算書に何らかの問題があっても、ノンバンク系ビジネスローンの審査に通る可能性が高いです。
現金の入りが良いわけですから、そこから回収可能と判断するわけです。
決算が良ければ銀行系ビジネスローン、銀行系が無理ならノンバンク系というように使い分けます。
手元に売掛金が多い
→ファクタリング
手元に売掛金が多い場合、ビジネスローンも良いのですがファクタリングを優先しましょう。
これは、調達余力が大きいことと、資金繰り改善のためです。
ファクタリングで調達できる金額は、手元の売掛金額によって決まります。
手元に売掛金が多いほど調達可能額も大きくなるため、多額の調達も可能です。
しかしそれ以上に問題なのが、売掛金による資金繰り負担。
売上と売掛金が同じペースで増えるのは健全ですが、売上が増えていないのに売掛金が増えたり、売上の増加に対して売掛金の増加が著しい場合、回収サイトが悪化している可能性が高いです。
お金が入ってくるまでに時間がかかるため、資金繰りが苦しくなります。
いくら売上と売掛金があっても、資金繰りが破綻すれば元も子もありません。
黒字倒産を避けるためにも、売掛金を減らすことが急務です。
ファクタリングは売掛金の早期資金化ですから、手元の売掛金を減らし、資金繰りを改善するのに役立ちます。
ファクタリングを利用しながら回収サイト短縮に取り組み、その後ビジネスローンも活用していきましょう。
売掛金は多いが問題あり
→ビジネスローン
ただし、売掛金が多いといっても、売掛金自体に問題があればファクタリングは利用できません。
例えば、回収トラブルが発生している場合。
すでに売掛金の支払期日が過ぎていたり、直近数ヶ月の間に売掛金の支払いが遅れていたりすれば、ファクタリングの審査に落ちます。
早急に不良債権を処理し、与信管理の改善に取り組むべきです。
その際の必要資金はビジネスローンで調達しましょう。
決算内容に応じて銀行系・ノンバンク系を使い分けてください。
利便性で使い分ける
ビジネスローンとファクタリングは、どちらも利便性が高いです。
どちらがより便利か気になることでしょう。
利便性による使い分けは以下のように考えます。
利便性にこだわらない
→銀行系ビジネスローン
それほど利便性を重視しない場合、銀行系ビジネスローンをおすすめします。
銀行系ビジネスローンが不便というわけではありませんが、ノンバンク系ビジネスローンやファクタリングに比べるとやや劣るというのが正直なところです。
銀行系ビジネスローンの中には、申し込みや書類提出、契約などのために、来店が必須のものがあります。
このような手続きには手間がかかりますが、対面取引による安心感や納得感があるのも事実です。
また、銀行系ビジネスローンは条件が良く、将来の普通融資につながることも多いため、その点でもおすすめです。
利便性を重視したい
→ビジネスローンorファクタリング(オンライン完結)
利便性を重視する人は、ビジネスローンとファクタリングをうまく使い分けましょう。
銀行系・ノンバンク系を問わず、ビジネスローンは選び方次第で非常に便利に使えます。
ネット銀行のビジネスローンは特に利便性が高く、ノンバンク系と比較しても遜色ありません。
しかしながら、利便性はノンバンク系ビジネスローンのほうがやや上です。
銀行系を便利に使いたい人はネット銀行のビジネスローンを、それ以上の利便性を求めるならばノンバンク系ビジネスローン、という使い分けがおすすめです。
ファクタリングの利便性は、2社間・3社間の使い分けがポイントとなります。
利便性が高いのは2社間ファクタリング、それもオンライン完結のものがよいでしょう。
ビジネスローンもファクタリングも、基本的にはオンライン完結が便利と考えてください。
担保・保証で使い分ける
ビジネスローンもファクタリングも無担保・無保証が基本です。
担保・保証で使い分けを考えてみましょう。
担保余力がない
→ビジネスローンorファクタリング
まず、担保余力がないケース。
この場合、担保付き融資を受けることはできません。
普通融資を無担保・無保証で利用するのは至難の業ですから、無担保でも調達できるビジネスローンとファクタリングを活用しましょう。
どちらも純粋に無担保ですから、使い分けは決算や資産状況によって考えます。
ただし、ファクタリングに用いる売掛金は、それそのものが担保になり得ます。
近年、日本でも徐々に注目されているABLは、動産を担保とする融資です。
売掛債権担保融資もABLの一種です。
ファクタリングで売掛金を早期資金化するか、ABLで売掛金を担保に融資を受けるか、ここはよく考えたいところ。
オーソドックスなのは、ビジネスローンは外部資金調達として、、ファクタリングは内部資金調達として使い分けることです。
ビジネスローンを優先的に選び、売掛金は温存しておくことも考えられます。
ABLで融資を引き出した後、担保余力がなくなればビジネスローン、といった使い分けもよいでしょう。
保証余力がない
→ビジネスローンorファクタリング
普通融資の場合、担保がなければ保証、というのが担保・保証の一般的な使い分けです。
しかし、信用保証協会の保証枠は、無担保8000万円、有担保2億8000万円の上限があります。
また、これはあくまでも保証の上限であって、実際の保証枠は月商3ヶ月分が目安。
そのため、保証枠が不足する会社も少なくありません。
この場合も、無保証で調達できるビジネスローンとファクタリングを使い分けましょう。
代表者に保証力があれば、銀行系・ノンバンク系いずれも審査に通ります。
保証会社の保証付き商品は注意が必要です。
決算内容がよければ保証審査に通る可能性が高いですが、保証料が発生します。
せっかく決算が良いのですから、わざわざ保証会社を利用せずとも、代表者個人の連帯保証だけで調達すべきです。
ビジネスローンとファクタリングの使い分けは、ビジネスローンの保証審査に落ちたらファクタリングと考えてください。
代表者個人の信用情報に重大な傷があれば、銀行系・ノンバンク系を問わず審査に通りません。
いくら申し込んでも審査には通らないため、ファクタリングに切り替えたほうが賢明です。
ファクタリングは、代表者の個人保証も不要ですから、保証力に関係なく調達できます。
業歴で使い分ける
業歴によって、適した資金調達方法は変化します。
業歴から、ビジネスローンとファクタリングの使い分けを考えてみましょう。
業歴が長い
→銀行系ビジネスローン
業歴が資金調達に影響するのは、短い場合です。
業歴が長ければ、業歴自体を問題視されることはなく、プラスに影響することもあります。
業歴の長さがプラスになるのはビジネスローンで、ファクタリングは業歴をほとんど考慮しません。
したがって、業歴が長い会社は、それを少しでも調達に役立てるために、ビジネスローンを活用しましょう。
銀行系・ノンバンク系のうち、業歴がプラスになりやすいのは銀行系です。
銀行系ビジネスローンは、安全性と健全性を重視します。
普通、業歴が長い会社は経営が安定しており、そのこと自体がプラスになることが多いです。
もっとも、銀行系ビジネスローンもスコアリングですから、業歴が直接的に大きく影響することはありません。
業歴が役立つのは、ビジネスローンで調達し、やがて普通融資に切り替えていくときです。
その際、銀行が「ビジネスローンの利用は良好、業歴も長い、取引深耕のため普通融資に切り替えよう」と判断すればしめたものです。
ノンバンク系の場合、業歴がプラスになりにくいため、使い分けは「銀行系ビジネスローン>ノンバンク系ビジネスローン>ファクタリング」と考えてください。
業歴が短い
→ビジネスローンとファクタリングを併用
業歴が短い会社の使い分けは、ビジネスローンとファクタリングの併用が良いでしょう。
業歴数年の会社は、銀行系・ノンバンク系ともに利用できます。
ビジネスローンを利用する際、必要書類として決算書を2~3期分求められることが多く、それ以下の業歴では利用できません。
もっとも、最近は決算書が全く不要(入出金明細のみで判断)というビジネスローンも出てきています。
特に、ネット銀行系のビジネスローンや、ノンバンク系ビジネスローンは業歴を問わず利用できるものがあるため、業歴の短い会社にはねらい目です。
ただし、業歴が短い会社は業績が不安定であり、それを見越して少額融資からスタートすることが多いです。
業歴を重ねながら、決算内容の変化に応じて融資枠が大きくなっていきます。
業歴が短いうちは調達方法が限られるため、ファクタリングも併用しましょう。
ファクタリングは業歴不問ですから、業歴が短い会社でも問題ありません。
緊急度で使い分ける
ビジネスローンとファクタリングは、どちらも資金調達スピードに優れています。
緊急度で使い分けるケースをみていきましょう。
1週間以上余裕がある
→銀行系ビジネスローンor3社間ファクタリング
それほど緊急でなければ、ビジネスローンとファクタリングのどちらも利用できます。
1週間以上余裕があれば、銀行系・ノンバンク系、2社間・3社間のどれを選んでも間に合うでしょう。
この場合、時間をかけて好条件で調達することを考えます。
ビジネスローンならば銀行系のほうが、ファクタリングならば3社間のほうが調達コストが安く、好条件で調達できます。
どちらも1週間程度が目安です。
銀行系ビジネスローンの審査に落ちた、あるいは3社間ファクタリングを利用できなかった場合に、ノンバンク系ビジネスローンや2社間ファクタリングに切り替えましょう。
数日中に調達したい
→ノンバンク系ビジネスローンor2社間ファクタリング
緊急度がやや高く、1週間以内の調達を目指すならば、銀行系ビジネスローンと3社間ファクタリングは除外して考えます。
銀行系ビジネスローンは数日で調達できることもありますが、初回利用であれば1週間程度かかるのが普通です。
また、融資に伴う諸条件(法人アカウントの取得や法人口座開設など)により、1週間以上かかることもあるため、間に合わない恐れがあります。
数日の余裕があれば、ノンバンク系ビジネスローンや2社間ファクタリングで十分に対応できるでしょう。
いずれも「最短即日」「最短翌営業日」といったスピード対応が期待できます。
即日で調達したい
→ノンバンク系ビジネスローンと2社間ファクタリングを併用
さらに緊急度が高まり、なんとしても即日で調達したい場合、使い分けはシビアです。
銀行系ビジネスローンと3社間ファクタリングは除外し、ノンバンク系ビジネスローンと2社間ファクタリングを併用するのが良いでしょう。
ただし、ノンバンク系・2社間なら何でもよいというわけではありません。
どちらも「オンライン完結」を選ぶのがポイントです。
来店を求められたり、審査書類や契約書類の郵送が必要になったりする場合、即日中の調達は不可能です。
申し込みから契約まで全てオンラインであれば、移動や郵送といった時間のかかる手続きがなく、即日調達の可能性が高まります。
なお、「ノンバンク系ビジネスローンまたは2社間ファクタリング」という使い分けは避けてください。
どちらか一方で調達できれば良いと考えて、あくまでも併用・同時利用が基本です。
土日に調達したい
→2社間ファクタリング
土日に調達したい場合、使い分けは一層シビアになります。
というのも、土日はビジネスローンが使えないからです。
事前に申し込んで枠を確保しておけば、ビジネスローンでも土日に調達できます。
しかし、申し込みから始める場合、ビジネスローンは使えません。
ビジネスローンの「土日対応」は、「土日も申込受付中」を意味します。
土日に申し込みから契約まで手続きを完了し、調達できるわけではないのです。
土日に申し込んだものが週明けに受理され、手続きが始まります。
即日融資を謳っていても、週明けに即日融資という流れが現実的です。
どうしても土日の間に調達したければ、2社間ファクタリングを選んでください。
2社間ファクタリングの中には、土日でも調達できるものがあります。
まとめ:ビジネスローンとファクタリングを使い分けて資金繰り安定を
この記事では、ビジネスローンとファクタリングの使い分けを詳しく解説しました。
ビジネスローンは外部資金調達、ファクタリングは内部資金調達という点で大きく異なります。
それだけに、会社の状況によって使い分けることが大切です。
ある場合にはビジネスローンを優先、またある場合にはファクタリングを優先、さらにはビジネスローンとファクタリングの併用といった使い分けにより、資金繰りの安定を目指しましょう。
ビジネスローンなびでは、ファクタリングよりも優れたビジネスローンや、ファクタリングとの併用に適したビジネスローンについても情報を発信しています。
ビジネスローンとファクタリングの使い分けに、ぜひ参考にしてみてください。
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・元ノンバンク担当者:他社融資と比較した最適な資金繰りアドバイス
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