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ビジネスローンは赤字決算でも利用できる?調達のポイントを徹底解説

どれほど経営努力を払っても、事業環境の変化や一時的な不調により、赤字決算に陥ることはあるものです。
赤字決算になると、銀行からの借入れが困難になります。
その場合、次善策としてビジネスローンを検討する人も多いことでしょう。
ビジネスローンは赤字決算でも調達できる方法として有名です。
しかし、ビジネスローンだからといって、赤字決算が影響しないわけではありません。
むしろ、一般的な銀行融資以上に悪影響となり、全く審査に通らなくなることもあるのです。
資金調達のために重要なのは、ビジネスローンの赤字決算の影響について、銀行系とノンバンク系の違いを知ることです。
この記事では、赤字決算がビジネスローンに与える影響と、調達のポイントを詳しく解説します。

赤字決算はなぜ悪い?

 
会社の資金調達方法には、内部資金調達と外部資金調達があります。
内部資金調達は、会社の内部留保から調達するものです。
遊休資産や売掛債権の売却などがよく知られています。
外部の影響を受けずに調達できるため、赤字決算の会社も安心です。
赤字決算の場合、困るのは外部資金調達。
外部資金調達は、読んで字のごとく外部から資金を調達します。
融資や出資が代表例ですが、中でも融資は会社の資金調達に欠かせないものです。
赤字決算は、融資審査に大きな悪影響をもたらします。
なぜ、赤字決算と融資は相性が悪いのでしょうか。

融資の法的根拠

 
赤字決算と融資は、本来相容れないものです。
これは、融資の法的根拠を考えるとよくわかります。
民法では、消費貸借について以下のように定めています。

(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
簡単にいえば、融資には返済義務が伴うということです。
ごく当たり前のことですが、赤字決算が悪影響になる理由はここにあります。

赤字決算→利益がでていない

 
民法には「種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をする」とありますが、現金で返済するのが基本です。
ここでいう現金とは、「性質を問わず、現金なら何でもよい」というものではありません。
個人ならいざ知らず、法人が、事業のために借り入れる以上、返済原資は「本業から得た現金(利益)」というのが大前提です。
そもそも赤字決算は、利益がマイナスの状況を意味します。
返済原資が得られないとなれば、貸倒れリスクは高いと考えるのが妥当です。
融資において、赤字決算が大きな悪材料になる理由はここにあります。
一時的な赤字決算も大きなマイナス、連続での赤字決算は致命というのが、融資審査の実情です。

赤字決算を前向きにとらえる

 
赤字決算かどうかによって、融資環境が大きく変わるともいえます。
赤字決算が「利益マイナス→返済原資なし→悪影響」とすれば、黒字決算は「利益プラス→返済原資あり→好影響」です。
実際に、赤字決算で融資に苦しんだ会社が、赤字決算を解消したとたん、貸し手の態度がガラリと変わることも珍しくありません。
よく、「銀行は雨の日に傘を貸さない」などといいます。
黒字決算のとき(晴れの日)は積極的に貸す一方、赤字決算に陥り、本当にお金が必要なとき(雨の日)には貸さないというわけです。
しかしながら、「赤字決算→貸倒れリスク高い→融資謝絶」、「黒字転換→貸倒れリスク低下→融資実行」という考え方は、融資ビジネスが成り立つために欠かせないものです。
貸し手の対応を恨むよりも、赤字決算を踏まえて銀行と交渉したり、赤字決算でも審査に通る方法を検討するほうが建設的でしょう。
もちろん、赤字決算の早期解消を心がけることが、いっそう大切です。

「赤字決算だから銀行融資は無理」は間違い!

 
上記のように、赤字決算は融資審査に確実にマイナスです。
赤字決算に陥った時、資金調達方法に悩む人も多いことでしょう。
赤字決算というだけで銀行融資(銀行の一般的な融資、以下普通融資)をあきらめ、ビジネスローンに振り切る人もいます。
しかし、赤字決算の影響は、融資の種類によって異なります。
赤字決算といっても、会社の個別事情や具体的な決算の数値は違うわけです。
銀行は、融資先の個別事情を汲みつつ判断するため、「赤字決算→即NG」というわけではありません。
赤字決算と普通融資の関係を、いくつかの点からみていきましょう。

債務者区分と赤字決算

 
銀行は、金融庁の監督下で営業しており、全ての融資先を適切に管理することを義務付けられています。
その代表的なものが債務者区分です。

債務者区分とは

 
債務者区分は、融資先の業績・財務や返済状況に応じて六段階に区分します。
債務者区分を簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 正常先・・・業績・財務ともに良好で、返済トラブルも起こしていない会社
  • 要注意先・・・業績・財務・返済状況に軽微な問題があり、今後の取引に注意を要する会社
  • 要管理先・・・要注意先のうち、より深刻な会社
  • 破綻懸念先・・・将来的に破綻が懸念される会社
  • 実質破綻先・・・実質的に経営破綻の状況にあるが、法的・形式的に経営破綻の事実がない会社
  • 破綻先・・・事実上(法的・形式的に)経営が破綻している会社

この区分のうち、スムーズに融資を受けられるのは正常先だけです。
要注意先に区分された時点で普通融資の難易度が跳ね上がり、要管理先以下となれば普通融資はほぼ不可能になります。

赤字決算で債務者区分が変わる

 
赤字決算は、債務者区分に大きく影響する要素です。
これまで正常先に区分されていた会社も、赤字決算になった時点で要注意先にランクダウンします。
繰越損失がなく、債務超過でもなく、全く延滞していない会社も、たった1期の赤字決算で借入が難しくなるのです。
一時的な赤字決算の影響度は、軽微な延滞や債務超過(解消年数3年以内)と同レベルです。
2期連続で赤字決算となれば、要管理先へのダウンは避けられません。
なにしろ、2期連続の赤字決算はリスケジュールに相当するほどの悪材料といわれます。
リスケ中、銀行から融資を受けられなくなることは周知の事実です。
このことからも、連続の赤字決算がいかに深刻かがよくわかるでしょう。

銀行は事業性を評価

 
普通融資の審査において、銀行は会社のなにを評価し、判断しているのでしょうか。
一言でいえば事業性です。
銀行は、事業にお金を貸しているのです。

赤字決算の本質とは

 
会社の事業性を評する上で、赤字決算はほんの一面にすぎません。
事業性そのものに問題があり、赤字決算に陥っている場合、銀行は融資しないでしょう。
そのような会社は、赤字決算に陥るべくして陥ったわけで、そのままでは来期もおそらく赤字決算になる可能性があります。
「単発の赤字決算だから融資してみる」ではなく、「連続の赤字決算になる恐れがあるから融資しない」と判断するわけです。
しかし、銀行が赤字補填資金を融資することも事実。
赤字決算でも事業性自体に問題がなければ、銀行は融資します。
具体的には「事業性はこれまで通り良好、赤字決算の理由も特定できており、黒字回復の見通しも明らか」といった場合です。
今期の赤字決算としても、連続で赤字決算になる可能性は低いため、致命的にはなりません。

赤字決算は致命的ではない

 
もし、事業性が良好な会社を「赤字決算」というだけで切り捨てるならば銀行経営は成り立たないでしょう。
会社経営には波があるもので、創業から廃業まで赤字決算は皆無、という会社はありません。
どこかで赤字決算になっても、立ち直り、大きくなっていく会社も多いのです。
赤字決算で問答無用・即NGとすることは、優良顧客を切り捨てることを意味します。
赤字決算を適切に判断し、融資を厭わないところに、銀行の本領があるといえます。
赤字決算だからといって、普通融資をあきらめる必要はありません。

担保・保証の影響

 
ただし、事業性が良好であっても、赤字決算が無視されるわけではなく、むしろ大きな悪材料です。
赤字決算によって債務者区分がダウンする中で、融資できる材料が必要となります。
そこで活きるのが、担保・保証です。

赤字決算を担保・保証でカバー

 
赤字決算に関係なく、銀行は本質的に担保・保証を重視します。
無担保・無保証で普通融資を受けられるのは、1割程度の超優良企業だけです。
黒字決算でも保険的に担保・保証を徴求するのですから、赤字決算ならばなおさらです。
赤字決算でも担保・保証があれば、担当者は稟議書を書きやすくなります。
例えば、「赤字決算の原因は○○によるもので事業は引き続き良好。保全(担保・保証)も充足しており、積極的に対応したい」などと書きます。
赤字決算の会社は、担保・保証があって、初めて稟議の土台に乗るわけです。

赤字決算に強い保証付融資

 
赤字決算の場合、特にプラスに働くのが信用保証協会の保証。
銀行は、債務者区分に応じて貸倒引当金を積まなければなりません。
債務者区分が悪化するほど引当率は上がり、融資や投資に回せる資金が拘束されます。
正常先ならば引当率は0.2~0.3%のところ、要注意先・要管理先の引当率は1~15%にもなります。
赤字決算で要注意先に区分さるだけで、最大で15%近くも引当率が上がるわけですから、銀行もおいそれとは貸せません。
ところが、信用保証協会の保証付きで融資する場合、債務者区分に関係なく貸倒引当金を積まなくてよいルールになっています。
赤字決算で債務者区分が落ちても、信用保証協会の保証審査に通りさえすれば、銀行は積極的に対応できます。
これも、普通融資が赤字決算でも審査に通る理由のひとつです。

意外と赤字決算に厳しいビジネスローン

 
資金調達方法の選び方として、銀行融資が最適であることは言うまでもないでしょう。
しかし、銀行融資は事業性の問題や赤字決算により、審査に通らないこともよくあります。
その場合、ビジネスローンを検討する人も多いはずです。
赤字決算のとき「銀行融資がだめならビジネスローンで調達」という考え方は、半分正解・半分誤りです。
ビジネスローンも、赤字決算を甘くみるわけではなく、時に致命傷となります。
ビジネスローンには銀行系とノンバンク系がありますが、まずは赤字決算に対するビジネスローン全体の傾向をみていきましょう。

スコアリングと赤字決算

 
ビジネスローンと普通融資の大きな違いは審査方法にあります。
普通融資は稟議制によって審査するのに対し、ビジネスローンはスコアリングによって審査します。
スコアリングとは、融資先の決算書の数値をコンピューターに入力・採点し、融資の可否と条件を機械的に判断するものです。
会社ごとに点数は異なるわけですが、個別事情は一切考慮せず、「〇点以上は融資可」「〇点未満は融資不可」と判断します。
スコアリングを左右する要素はいくつかありますが、そのひとつは利益です。
赤字決算と黒字決算、すなわち利益が出ているかどうかによってスコアリングの結果が大きく変化します。
赤字決算の原因がなんであるか、一時的な赤字決算で済むのか、黒字回復の見通しは立っているか、といったことは関係ありません。
あくまでも「赤字決算」という事実に基づき、採点が大幅に下がるのがビジネスローンの審査です。
ビジネスローンだからといって、「赤字決算でも問題ない」「赤字決算でも審査に通る」「連続赤字でもビジネスローンなら…」などと考えるのは間違いです。
ある意味、スコアリングという審査方法は、赤字決算に厳しいといえます。

ビジネスローンは原則無担保

 
ビジネスローンは原則無担保です。
ノンバンクの中には、担保付きのビジネスローンを提供する業者もありますが、それは例外と考えましょう。
ビジネスローンの多くは無担保であり、これがビジネスローンの特徴であり、メリットでもあるのです。
しかし、無担保のビジネスローンがメリットになるのは、黒字決算の場合です。
普通融資は、黒字でも無担保とは限りません。
むしろ、黒字かつ担保付きで融資を受ける会社も多いのです。
ビジネスローンの場合、無担保は大前提であって、そのうえで機械的に「黒字→融資可」と判断します。
決算に問題がなければ、無担保で簡単に調達できるというわけです。
逆に、赤字決算の場合、無担保がデメリットになりかねません。
普通融資のように、「赤字決算だが担保さえあれば融資できる」とはならず、「赤字決算でも無担保で融資する」か「赤字決算だから融資しない」のいずれかです。
赤字決算を担保でカバーできない点からも、ビジネスローンは赤字決算に厳しいといえるでしょう。

ビジネスローンと保証

 
では、保証はどうでしょうか。
ビジネスローンは、信用保証協会の保証の対象外です。
普通融資のように、信用保証協会の保証付きで融資を受けることはできません。
ビジネスローンで「保証」といえば、代表者の個人保証を意味します。
なお、これは単純保証ではなく連帯保証です。
会社が返済できなくなれば、代表者個人が連帯保証人として債務を負うことになります。
ほとんどのビジネスローンは、この連帯保証を必須としています。
ビジネスローンの商品概要に「無保証」あるいは「無保証人」などと記載されている場合、「保証会社などの保証は不要」「第三者の連帯保証は不要」という意味です。
もちろん、そこには「代表者個人の連帯保証は必須」という意味が含まれています。
このような保証のあり方も、赤字決算とは相性がよくありません。
普通融資の場合、赤字決算でも信用保証協会の保証審査に通れば調達できます。
一方、ビジネスローンは、赤字決算でも黒字決算でも代表者の個人保証は必須であり、保証を付けることが交渉カードにならないのです。
ビジネスローンの中には、保証会社の保証をつけるものがあります。
しかし、これも商品設計自体が「保証会社必須」というもので、赤字決算をカバーすることが目的ではありません。
保証会社付きのビジネスローンは、その他(個人保証のみ)のビジネスローンに比べると、赤字決算にやや寛容といえます。
しかし、肝心の保証会社が、果たして赤字決算の会社を保証するかどうかは疑問です。
赤字決算により保証会社の審査に落ち、結局ビジネスローンを利用できないということも珍しくありません。

銀行系・ノンバンク系で判断が異なる

 
ビジネスローンには、銀行系とノンバンク系があります。
同じビジネスローンでも、銀行系とノンバンク系では赤字決算の影響度は異なります。
赤字決算でも比較的審査に通るのが、ノンバンク系ビジネスローンです。
このことから、「ビジネスローンは赤字決算でも審査に通る」というイメージを持つのでしょう。
しかし、銀行系・ノンバンク系のいずれにおいても、赤字決算は問題です。
ノンバンク系ビジネスローンも、赤字決算を軽視しているわけではありません。
赤字決算によりスコアリングが大幅に悪化し、その上で条件を工夫しながらなんとか融資を出すもの、とイメージしてください。
銀行系ビジネスローンの場合、赤字決算が致命傷になります。
詳しくは後述しますが、銀行系ビジネスローンは赤字決算の会社に融資を出しません。
銀行系・ノンバンク系に関係なく、ビジネスローンは赤字決算に厳しいのです。

銀行系ビジネスローンは赤字決算NG

 
ここからは、赤字決算がビジネスローンに与える影響について、銀行系とノンバンク系を個別にみていきましょう。

健全性・安全性重視

 
銀行系ビジネスローンは、銀行の融資商品の一種です。
その点では普通融資と同じくくりといえます。
実際、銀行は普通融資と銀行系ビジネスローンを切り離さず、同じ与信とみなして管理するのです。
普通融資もビジネスローンも、預金が貸付原資となります。
これは、銀行系とノンバンク系の大きな違いです。
そもそも、銀行系とノンバンク系の根本的な違いは、預金機能の有無にあります。
利用者の立場からみて、預金できるのが銀行、預金できないのがノンバンクです。
個人から法人まで、多くの顧客から預かったお金は、責任をもって管理しなければなりません。
銀行法の規制や金融庁の監督のもと、適切に管理し、運用するのが銀行のつとめです。
預金を融資に回すことは、銀行の資金運用の基本といえます。
預金者保護の観点から、銀行の融資審査は健全性と安全性を重視します。
つまり、銀行系ビジネスローンのスコアリング審査は、健全性・安全性を機械的に判断しているのです。
健全性・安全性に疑いのある会社は、スコアリングで即座に落とされます。
赤字決算はその典型例です。
普通融資のように、赤字決算でも貸せる理由や条件を探るのではなく、機械的に「赤字決算→融資不可」と判断します。
銀行系ビジネスローンにおいて、赤字決算は一発NGと考えてください。

個別事情を汲みとれない

 
融資するのは銀行でも、普通融資と銀行系ビジネスローンは全く別物です。
例えば、個別事情の影響。
普通融資は、全ての取引先に担当者がつき、個別事情を踏まえて稟議し、判断します。
赤字決算でも融資が出る理由はここにあります。
しかし銀行系ビジネスローンの場合、個別事情は全く影響しません。
影響しないというよりも、個別事情を汲みとる仕組みがないのです。
銀行には、ビジネスローン専門の部署があります。
普通融資における融資課は、各融資係に取引先を割り当てますが、ビジネスローンはこの部署でまとめて管理しています。
そもそも担当者という概念がないため、個別事情を汲み上げることができません。
担当者がいれば、赤字決算について説明し、交渉することもできますが、銀行系ビジネスローンの場合、交渉を持ち込む場所が存在しないのです。
銀行系ビジネスローンは、赤字決算を覆すことは不可能です。

将来性を把握できない

 
個別事情が影響しないのと同じように、将来性も影響しません。
これも、銀行系ビジネスローンの仕組み的に、将来性の把握は不可能ということです。
銀行系ビジネスローンの審査に用いるのは、主に決算書。
そもそも、決算書は1年間の事業の結果をまとめたものです。
また、スコアリングという仕組みも、その結果から現在の健全性・安全性を評価するものです。
つまり、審査する書類も、審査するシステムも、対象となるのは過去から現在であり、将来とは無関係の仕組みといえます。
普通融資の場合、赤字決算でも将来性を見込んで融資することがあります。
例えば、これまで経営改善に取り組み、ようやく黒字がみえてきた会社。
あるいは、お金をかけて研究開発に取り組み、その結果がようやく出始めた会社。
人の手で審査すれば、このような数値に表れない個別事情も考慮できます。
しかし、コンピューターでは不可能です。
将来性が極めて優れていても、それを把握できない以上、あくまでも現在の赤字決算を重視します。

金利が低め

 
普通融資の場合、赤字決算の会社を審査に通すには、それなりの条件を求められます。
金利を引き上げつつ、担保・保証で保全をはかるのが普通です。
ビジネスローンは原則無担保であり、保証によるカバーも限定的ですから、金利設定が一層重要となります。
銀行系ビジネスローンも、融資先の健全性・安全性に応じて金利を変え、リスクに対応しています。
ただし、銀行系ビジネスローンはノンバンク系に比べて金利が低めです。
大まかな目安は、年2~9%。
ノンバンク系ビジネスローンのように、金利が二ケタ台になることは少ないです。
裏を返せば、それだけリスク許容度は低いということです。
金利引き上げの余地は年2~9%の範囲にとどまり、それを超える場合には融資しません。
「健全性・安全性は低いが、さらなる高金利で対応」というのではなく、「健全性・安全性が低いため融資不可」という考え方です。
赤字決算の会社をスコアリングすれば、健全性・安全性に「問題あり」の評価は避けられません。
金利設定に関係なく、融資を見送るのが銀行系ビジネスローンのスタンスです。
銀行系ビジネスローンの金利が低いことは、黒字決算の会社には大きなメリットといえます。
しかし、赤字決算の会社にとっては、金利の低さがデメリットになることもあるのです。

融資枠は決算次第

 
銀行系ビジネスローンは、スコアリングで融資枠を決めます。
決算書の数値から、「利益はこれくらい→金利〇%・返済期間〇年なら〇万円まで貸せる」と判断します。
上記の通り、交渉の余地はありません。
500万円を必要としていても、審査の結果300万円までと決まれば、足りない部分は別の方法で調達することになります。
大まかには、黒字の規模によって融資枠が決まり、多額の調達も可能というイメージです。
業績が上がれば、黒字も大きくなり融資枠は拡大。
業績が悪化し、黒字が縮小するにつれて融資枠も減っていきます。
融資上限だけをみれば、銀行系ビジネスローンはそれなりに大きな融資にも対応していますが、実際の融資枠は決算次第です。
業績が好調だからといって、無計画に借りていると、あっという間に借金地獄になるかもしれません。
特に、赤字決算になった場合、その時点で追加の借入れは不可能となります。

  • 業績が好調な会社は融資枠も十分で活用しやすい。
  • 業績低調(なんとか黒字維持)では融資枠が小さいため活用しにくい。
  • 赤字決算では融資枠を設定できず活用できない

これが銀行系ビジネスローンです。

わずかな赤字決算が命取りに

 
「今期はわずかに赤字決算。節税を見直せばすぐ黒字になるし、審査に通るだろう」
このように考える人もいますが、銀行系ビジネスローンは軽微な赤字決算もNGです。
上記の通り、銀行は本業による利益を返済原資とみなし、返済力に応じて融資枠を設定します。
わずかでも黒字であれば、返済力に応じて(少額に限り)融資できる可能性があります。
しかし、わずかでも赤字決算の場合、「赤字は赤字→返済力ゼロ→融資枠もゼロ」というわけです。
融資枠を設定できない以上、審査に通る道理がありません。
確かに、軽微な赤字決算は、節税の見直しで黒字になることも多いでしょう。
ならばそれを放置せず、赤字決算を未然に防ぐべきです。
一旦赤字決算になってしまうと、少なくとも今後1年間は銀行系ビジネスローンの審査に通りません。
来期の決算で黒字になるまで、銀行系ビジネスローンでは調達できないのです。

融資期間は短期~中期

 
銀行系ビジネスローンの融資期間は短期~中期です。
銀行系ビジネスローンにおける短期は、普通融資における「短期借入」に相当します。
中期は1年以上で、普通融資でいえば長期借入です。
ただし、普通融資の場合、融資額が特に大きい場合には5年・10年といった長期返済もあり得ます。
銀行系ビジネスローンの「中期」は、それよりも短いイメージです。
なぜ銀行系ビジネスローンは長期融資に対応していないのでしょうか。
普通融資が5年・10年といった長期に対応できるのは、人の手で審査し、事業の将来性を十分に見込んでいるためです。
これに対し、銀行系ビジネスローンの審査は、上記の通り将来性を把握できません。
本来、将来性がわからなければ、中期(数年)でさえ難しいところ。
しかし、銀行系ビジネスローンは健全性・安全性が高いことが大前提です。
現状、赤字決算でなく、一定の健全性・安全性を確認したうえで、コンピューターが「融資枠は〇万円まで、返済期間は〇年以内なら安全」と判断します。
銀行は、融資先との共存を目指すため、無理な融資はしません。
返済期間も無理なく設定します。
業績が良く、融資枠がそれなりに大きいとなれば、中期返済も当然あり得るというわけです。
逆に、赤字決算では超短期の融資さえ不可能です。

黒字継続→普通融資へ

 
ここまでの内容から、銀行系ビジネスローンが赤字決算に非常に厳しいことが分かったでしょう。
深刻な赤字決算でなく、普通融資ならば審査に通る場合であっても、銀行系ビジネスローンは「赤字決算」というだけで審査に落ちます。
融資枠はゼロ、短期借入も不可能です。
したがって、銀行系ビジネスローンを活用するには、第一に赤字決算を避けることが重要です。
現状が赤字決算の会社は、業務効率改善やリストラ、節税の見直しなどを通して、早期の黒字回復を目指しましょう。
しかし、一旦は審査に通っても、どこかで赤字決算になれば活用できなくなります。
したがって、単に赤字決算を避けるよりも、黒字を維持することが一層重要です。
経営や信用に何らかの問題を抱えている会社は、決算自体は黒字でも、普通融資の審査になかなか通りません。
その場合、銀行系ビジネスローンで調達することになるでしょう。
銀行系ビジネスローンは、黒字なら審査に通る可能性が高いです。
銀行系ビジネスローンで調達しつつ、黒字を維持すれば、普通融資にも大きなプラスです。
銀行は普通融資と銀行系ビジネスローンを同じ与信として管理します。
銀行系ビジネスローンの利用中、赤字決算に陥らなければ、銀行は融資先を「黒字安定」「返済実績良好」と認識します。
以前は普通融資を出せなかった会社にも、銀行系ビジネスローンの利用実績を踏まえて、普通融資を前向きに検討します。
赤字決算に厳しい銀行系ビジネスローンですが、その基準に順応していけば、やがて普通融資につながるのです。
「銀行系ビジネスローンで調達→黒字維持→普通融資で調達」というのが、銀行系ビジネスローンの賢い使い方です。

ノンバンク系ビジネスローンは赤字決算でも使える

 
ノンバンク系ビジネスローンも、銀行系と同じように審査します。
しかし、基本的な融資姿勢が違うことから、赤字決算でも審査に通る場合が少なくありません。
赤字決算で普通融資を受けられない会社にとって、ノンバンク系ビジネスローンは強い味方です。
なぜノンバンク系ビジネスローンは、赤字決算でも使えるのでしょうか。

リスクに積極的

 
銀行系ビジネスローンが保守的であり、リスクを嫌うのに対し、ノンバンク系ビジネスローンはリスクに積極的です。
ノンバンクには預金機能がなく、預金を貸付原資にできません。
ノンバンク自身の資本金、外部から融資や出資で調達した資金を貸し付けに回します。
そのため、預金者保護のための規制を受けず、積極的にリスクを取り、利益を追求することができます。
銀行系がリスクを嫌って融資しない会社にも、ノンバンク系ならばリスクを取って融資できる場合があるのです。
そもそも、銀行系とノンバンク系の審査基準が全く同じであれば、ノンバンク系の存在意義はありません。
審査基準が異なり、赤字決算などの問題を抱える会社でも融資を受けられるところに、ノンバンク系ビジネスローンの価値があるといえます。

回収可能性を重視

 
ノンバンク系ビジネスローンも、スコアリングで審査します。
スコアリングに決算書を用いることも銀行系と同じです。
銀行系とノンバンク系が違うのは、スコアリングによって評価するポイントです。
銀行系ビジネスローンは、スコアリングから健全性・安全性を評価し、判断します。
これに対し、ノンバンク系ビジネスローンがスコアリングから評価するのは回収可能性です。
赤字決算の場合、その一点によって健全性・安全性が大きく損なわれます。
銀行系は「返済原資=利益」と考えるため、赤字決算は返済できないことを意味します。
しかし、赤字決算だからといって、返済できないとは限りません。
赤字決算の会社も、現実的に資金繰りを回し、経営を続けています。
運転資金を捻出する方法は色々です。
手元資金で補填する、資産を売却する、経営者自身が貸付ける、保険を解約して返戻金を受け取るなどなど。
赤字決算、つまり本業で利益が出ていない中、いつまでも資金繰りを維持できるものではありません。
赤字決算を解消しない限り、いずれ資金繰りは破綻するでしょう。
しかしながら、少なくとも現時点においてはキャッシュフローがあるわけです。
それを返済に回すならば、十分に「回収可能性は高い」といえます。
ノンバンクは、赤字決算の事実を踏まえて、なおかつ回収可能と見込んだ相手には融資するのです。

将来性は度外視

 
将来性をみないところは、銀行系・ノンバンク系ともに同じです。
ノンバンク系ビジネスローンもスコアリングである以上、将来性を把握できる仕組みを持っていません。
しかし、銀行系のように「将来性が不明→赤字決算NG」とは考えないのが、ノンバンク系の特徴です。
後述の通り、ノンバンク系ビジネスローンは短期返済がメインです。
短期間で回収すれば、将来性が不明でもあまり問題にはなりません。
将来性とは無関係に、たとえ赤字決算でも融資できます。
ノンバンク系ビジネスローンにおいて、将来性を度外視することは、借りる側にとってメリットといえます。

金利が高め

 
ノンバンク系ビジネスローンは、銀行系に比べて金利が高めです。
利息制限法の規制により、貸付総額に応じて年利15~18%という上限はあります。
それを超えない範囲で、金利を高めに設定するのがノンバンク系ビジネスローンと考えてください。
公式HPをみると、銀行系ビジネスローンとあまり変わらない金利を提示しているノンバンクもあります。
例えば、「年2~15%」といった設定であり、下限だけをみれば銀行系とほぼ同じ水準です。
しかし、銀行系と同じ水準で調達できるのは、決算・利用実績ともに良好な会社に限られます。
実際のところ、あまり現実的ではありません。
そもそも、赤字決算の場合、銀行系が即NGと判断しているのです。
銀行系が貸せない会社に敢えて貸すのですから、銀行系と同水準の金利になるはずがありません。
総じて、ノンバンクの貸付先は、何らかの問題を抱えているものです。
貸付先の状況を黒字・赤字で区別するならば、黒字決算の会社よりも、赤字決算の会社のほうが多いでしょう。
したがって、ノンバンク系の融資全体の平均リスクは、銀行系よりもはるかに高いといえます。
リスクとリターンは連動するため、基準となる金利は「銀行系<ノンバンク系」が基本です。
赤字決算の場合、この金利の高さが却ってメリットになります。
金利を引き上げる余地が大きく、赤字決算のリスクを金利に転嫁できるケースも増えるからです。
ノンバンクは、膨大なデータをもとに、リスクに応じて金利を設定しています。
例えば、以下のグループがあったとしましょう。

  • グループA:黒字決算で回収可能性が高い。スコアリング結果は優良。貸し倒れの発生率は1%
  • グループB:赤字決算だが回収可能性には問題なし。スコアリング結果は良。貸し倒れの発生率は4%
  • グループC:赤字決算で回収可能性にもやや難あり。スコアリング結果は可(短期・少額ならば可能)。貸し倒れの発生率は8%

グループごとに貸し倒れの発生率が異なるため、同じ金利では融資できません。
赤字決算を抱えるグループBは、グループAよりも貸し倒れの発生率が3%高くなっています。
3%の貸倒れリスクをカバーする方法は単純で、グループB全体の金利を3%引き上げるだけです。
グループCの考え方も同じです。
グループAの基準金利が年8%とすれば、グループBは年11%、グループCは年15%が基準となります。
具体的な金利設定は業者ごとに異なりますが、赤字決算のリスクを単純に金利に転嫁する場合、これが基本的な考え方です。

少額・短期が基本

 
ノンバンク系ビジネスローンは、銀行系よりも融資枠が小さく、返済期間も短いです。
融資枠は数十万~数百万円、返済期間は短期がメインとなります。
リスクが高い会社に融資するには、回収可能性を高める工夫が欠かせません。
そのために、少額・短期融資が非常に効果的です。
赤字決算の会社に貸し付ける場合、1000万円の融資は「回収不可能」でも、100万円ならば「回収可能」かもしれません。
同様に、3年返済は回収不可能でも、1年返済ならば回収可能となることも多いです。
少額融資と短期返済を組み合わせるならば、回収可能性はさらに高まります。
ノンバンク系ビジネスローンで、それなりにまとまった金額を、それなりに長い期間にわたって借りることは難しいです。
それだけに、中長期の資金繰りには使いにくいのも事実。
しかし、短期的な資金繰りには活用できます。
赤字決算の会社にとって、「赤字決算では全く調達できない銀行系」と、「赤字決算でも少額・短期で調達できるノンバンク系」のどちらが優れているでしょうか。
いうまでもなく、赤字決算でも調達できるノンバンク系です。

ある程度の赤字決算は許容範囲

 
以上のように、ノンバンク系ビジネスローンは赤字決算でも融資できる仕組みを持っています。
赤字決算でも、深刻でなければ許容範囲です。
一時的・軽微な赤字決算は、金利を数%引き上げることでリスクをカバーできます。
やや大きめの赤字決算でも、金利を上限ぎりぎりまで上げ、少額融資・短期返済とすることで回収可能性が高まることも多いです。
注意すべきは、大幅な赤字決算や2期以上連続の赤字決算。
銀行系ビジネスローンはもちろん、普通融資でも非常に難しい状況ですから、ノンバンク系も簡単には貸せません。
このような深刻な赤字決算は、回収可能性が大きく低下します。
たとえ連続でなくとも、大幅な赤字決算の場合、その補填のためにキャッシュが大量に流出していることでしょう。
金利を上限ギリギリまで引き上げてもカバーできず、キャッシュからの回収も難しいとなれば、融資することは困難です。
連続の赤字決算はさらに深刻です。
1期目の赤字でキャッシュが流出し、2期目を迎えるまでにキャッシュの流出が続いています。
1期目・2期目ともに軽微な赤字決算ならば別ですが、実際は2期目にさらなる悪化というケースが多いです。
このような深刻な赤字決算でも、ノンバンク系ビジネスローンの審査に通る方法はいくつか考えられます。
わかりやすいのが、事前にリスケジュールをしておくこと。
1期の大幅な赤字決算、または2期以上連続の赤字決算でも、リスケジュールをすれば銀行借入の元金返済分が余剰となります。
それは返済力の一部とみなされ、ノンバンク系ビジネスローンの審査に通ることがあります。

赤字決算→黒字転換→普通融資へ

 
ノンバンク系ビジネスローンは、長期的に使うものではありません。
赤字決算などの状況において、短期の資金繰りに活用するものです。
すでに赤字決算に陥っている場合、まずは赤字決算から黒字決算への転換が急務となります。
来期の黒字決算を目指し、ノンバンク系の短期融資で資金繰りをつないでいきましょう。
1年後、無事に赤字決算を解消できたら、銀行系ビジネスローンに切り替えます。
赤字決算でなければ、銀行系ビジネスローンの審査に通るはずです。
しかしながら、前期赤字決算だった会社が、1年で大幅な黒字になることは少ないです。
黒字になったとはいえ、銀行系ビジネスローンで十分に調達できるとは限りません。
その場合、銀行系ビジネスローンで十分に調達できるようになるまで、ノンバンク系ビジネスローンと併用するのがおすすめです。
銀行系ビジネスローンにシフトしていくうちに、銀行の評価も徐々に高まり、いずれ普通融資も可能になっていきます。
この流れがうまくいかず、再び赤字決算になることもあるでしょう。
その場合、またノンバンク系ビジネスローンを活用しながら、「赤字決算→黒字転換→黒字安定→普通融資」を目指せばよいのです。

まとめ:赤字決算の会社はノンバンク系ビジネスローンで調達を!

この記事では、赤字決算がビジネスローンに与える影響を詳しく解説しました。
赤字決算は、普通融資においても、ビジネスローンにおいても大きなマイナスです。
わずかな赤字決算でも、銀行系ビジネスローンはほぼ審査に通らないため、ノンバンク系ビジネスローンでの調達が現実的でしょう。
ノンバンク系ビジネスローンは、赤字決算の会社が再起するために、ぜひ必要なものです。
高い金利を払うだけの価値は十分にあります。
赤字決算の際には、ノンバンク系ビジネスローンをうまく活用していきましょう。

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