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ビジネスローンと銀行融資の違いを徹底比較!シーン別の使い分けも解説

目次

融資にはいろいろな種類があります。
その中でも、会社の資金調達によく利用されているのが、銀行融資とビジネスローンです。
しかし、銀行融資にもプロパー融資、担保付融資、保証付融資などがあり、ビジネスローンにも銀行系とノンバンク系があります。
これらのすべてを活用し、その時々で最適な方法を選ぶことができれば、資金調達は多様になり、資金繰りは安定することでしょう。
そのためには、ビジネスローンと銀行融資の違いを知ることが欠かせません。
さらに、その違いをどう活かすか、すなわちビジネスローンと銀行融資の使い分けまで知っておくことが重要です。
この記事では、ビジネスローンと銀行融資を様々な角度から比較し、違いを明らかにしていきます。
その違いを踏まえて、具体的な使い分けについても学んでいきましょう。

銀行融資とビジネスローンの定義

 
ビジネスローンと銀行融資の違いを理解する上で、まずはそれぞれの違いを明確にすることが重要です。
そこで、銀行融資とビジネスローンの定義を確認しておきましょう。
銀行融資、銀行系ビジネスローン、ノンバンク系ビジネスローンの定義は以下の通りです。

  • 銀行融資(普通融資)…メガバンク・地方銀行・信用金庫などの民間金融機関が、自社の基準に基づいて事業者に貸し付ける一般的な融資。
  • 銀行系ビジネスローン…銀行が取り扱うローン商品のうち、事業者向けに無担保で短期資金を融資するもの。
  • ノンバンク系ビジネスローン…ノンバンク(消費者金融・信販会社・リース会社など)が、事業者向けに無担保で短期資金を融資するもの。

これら定義を踏まえて、ビジネスローンと銀行融資の違いを、様々な角度からみていきましょう。

ビジネスローンと銀行融資の審査の違い

 
ビジネスローンと銀行融資の違いのうち、もっとも顕著な違いは審査にあります。
ビジネスローンと銀行融資では審査方式がまるで違うのです。

銀行融資は稟議制

 
銀行融資の審査は、稟議制によって行われます。
後述の通り、銀行融資を受けた会社には、例外なく担当者がつきます。
担当先の融資を検討するのが融資担当者です。
会社から融資の相談を受けた際、融資担当者は決算書その他の書類を審査するほか、経営者と面談を行います。
日常的な取引を踏まえ、面談と書類審査の結果を稟議書に記載するのです。
稟議書の内容は、融資先の現状、取引の推移、今後の見込み、そして担当者自身の融資判断。
出来上がった稟議書は、融資係長、次長、支店長と流れ、支店長が決済します。
支店の裁量を超える案件は、本部による審査を経て決済する流れです。
このように、多くの人がかかわり、念入りに審査するのが銀行融資の特徴といえます。
人間の手で審査するのが銀行融資ともいえるでしょう。
会社の個別事情や取引採算なども、あらゆる角度から検討を重ねていきます。

ビジネスローンはスコアリング

 
ビジネスローンの審査は、銀行融資とは根本的に異なります。
ビジネスローンは、銀行融資のように人の手で審査しません。
ビジネスローンの審査はコンピューターによって行います。
これは「スコアリング」という仕組みです。
銀行融資にもスコアリングの概念はあり、融資先ごとに人の手で評価・評点した「信用格付け」は、審査に大きな影響を及ぼします。
しかし、ビジネスローンのスコアリングは、あくまでも機械的なものです。
決算書の数値をコンピューターに入力し、独自のアルゴリズムに基づいて採点。
採点結果に基づき、機械的に判断します。
人間の判断が介入することはなく、そこにあるのは数値だけのドライな判断です。
銀行系ビジネスローンもノンバンク系ビジネスローンも、どちらもスコアリングを用います。
ただし、スコアリングの根底にある論理はやや違います。

銀行系ビジネスローンのスコアリング

 
銀行系ビジネスローンのスコアリングは、銀行融資の簡略版とイメージしてください。
そもそも、ビジネスローンの仕組みを作りだしたのはメガバンクです。
メガバンクが、膨大な資金を効率的に運用するためには、安全な融資先に、まとまった金額を融資する必要があります。
小さな会社の小口融資まで個別対応していては、効率が悪化するのです。
そこで、年商数億円以下の会社を効率的にさばくために、スコアリング審査を導入しました。
メガバンクが重視するのは効率であり、小規模取引におけるコスト削減です。
「日常交渉や融資審査に手間をかけない」という意味では、ビジネスローンのスコアリングは極めて効果的といえます。
しかし、あくまでも「銀行の論理の枠組みにおいて」という条件付きです。
人の手で審査しないとはいえ、判断が保守的である、厳格であるといった銀行融資に類する要素は、銀行系ビジネスローンにも確かにあります。
銀行系ビジネスローンの審査は、銀行のシステムによる審査と考えることがポイントです。

ノンバンク系ビジネスローンのスコアリング

 
ノンバンク系ビジネスローンのスコアリングは、銀行系とは異なる独自のものです。
メガバンクからその他の銀行へ、さらにノンバンクへとビジネスローンが広がり、現在のノンバンク系ビジネスローンが誕生しました。
ノンバンク系ビジネスローンのスコアリングも、機械的に判断する点は同じですが、審査の思想は違います。
銀行のスコアリングが保守的・厳格とすれば、ノンバンクのスコアリングは積極的・柔軟です。
大きな仕組みとしては同じスコアリングでも、審査結果や条件には違いが生じるのです。
詳しい違いはこれからみていきます。
まずは「ビジネスローンと銀行融資の違いは審査にあり、ただし銀行系とノンバンク系のスコアリングは異なる」と考えてください。

ビジネスローンと銀行融資の日常取引の違い

 
ビジネスローンと銀行融資は、日常取引にも大きな違いがあります。

銀行融資は担当者がつく

 
上記の通り、銀行は取引先企業に担当者をつけます。
融資を担当する融資担当者のほか、取引先の預金を取り扱う預金係、取引先を訪問し営業などを行う得意先係など、複数の担当者がつくのが一般的です。
人の手で審査する銀行融資では、担当者との日常的な取引が極めて重要といえます。
稟議は、融資担当者の作る稟議書を軸に進めます。
稟議書に個人的見解として、担当者が「積極的に融資したい」と書くか、「慎重に検討したい」「融資は見送りたい」と書くかによって、稟議の方向が変わってくるのです。
融資担当者から「積極的に融資したい」と書いてもらうには、それだけの材料がなければなりません。
会社と担当者が普段から良好な関係を築いていれば、担当者のほうで材料を探してくれることもよくあります。
稟議制であり、支店長が決裁権を持っているとはいえ、融資先を最もよく知る融資担当者の判断は支店長にとっても軽視できません。
本来審査に通らない会社が、融資担当者の姿勢ひとつで審査に通ることも珍しくないのです。
また、銀行は融資以外の日常取引も含め、総合的な採算で判断しています。
融資以外の様々な取引を、関係が良好な特定の銀行に集中させることで、融資審査に通りやすくなります。
日常取引が大きい会社ほど、得意先係も熱心に付き合うものです。
今後のさらなる取引拡大を目指し、融資提案を受ける機会も増えてくるはず。
自社のほうから「貸してくれ」と頼むより、銀行側から融資提案を受けて「借りてもいいよ」という形をとることで、銀行融資のハードルは大幅に下がります。

ビジネスローンは担当者がつかない

 
一方、ビジネスローンで借りても担当者はつきません。
全ての融資先はビジネスローン部門でまとめて管理します。
担当者が個別に付き合い、融資相談を受けたり、営業をかけたりすることはないのです。
当然、担当者との日常取引が審査に影響することもありません。
ビジネスローンの審査担当者はコンピューターであり、そこにあるのは機械的な判断だけ。
担当者の判断が融資の結果を決定づけたり、支店長の決済が「融資謝絶」の方針を覆したりすることは皆無です。
スコアリングの結果が良ければ「融資可」、スコアリングの結果が悪ければ「融資不可」。
特にノンバンク系ビジネスローンの場合、預金機能を持たないノンバンクの商品ですから、取引全体の採算などという概念もありません。
担当者がつかない、日常取引が融資だけということは、ビジネスローンと銀行融資の大きな違いといえます。

ビジネスローンと銀行融資の評価基準の違い

 
ビジネスローンと銀行融資の審査は、それぞれ目的が違います。
目的の違いが、審査方式の違いにつながるともいえるでしょう。
審査によって何を評価し、融資判断の基準としているのか。
それを比較してみましょう。

銀行融資は事業を評価

 
よく、銀行融資の審査では融資先の返済力を評価するといわれます。
確かにそれも銀行融資の一面です。
しかし、より本質的なことをいえば、銀行融資の審査では事業を評価しています。
もし、融資先の返済力だけをみているとすれば、赤字の会社には全く貸せなくなります。
赤字は利益が出ていないのですから、返済力もゼロということになり、例外なく融資謝絶となるはず。
しかし実際のところ、銀行は赤字補填資金という名目で、赤字の会社に融資を出しています。
これは、銀行融資の評価基準が、本質的には「事業性の評価」にあることの表れです。
今は赤字の会社も、事業に問題がなければ近い将来黒字に回復し、返済力が見込めるでしょう。
そのような会社を、返済力だけをみて融資を打ち切り、関係を断ってしまうのは得策ではありません。
むしろ、苦しい時こそ支援し、関係の深耕を図るのも銀行の戦略のうちです。
銀行は、担当者をつけて会社を定量・定性の両面から審査し、事業性を評価します。
その事業が「融資に値する」と判断すれば融資実行、「融資に値しない」「積極的に融資するだけの魅力がない」「融資は危険」などと判断すれば融資謝絶。
これが銀行融資の評価基準です。

ビジネスローンは決算内容を評価

 
ビジネスローンも、事業性を全く無視するものではありません。
しかし、事業性よりもはるかに決算内容を重視します。
ビジネスローンの評価基準は決算にあるといってよいでしょう。
ただし、評価の仕方は銀行系とノンバンク系で異なります。

銀行系ビジネスローンは健全性を重視

 
銀行系ビジネスローンは、決算内容の評価によって、「融資の健全性」を測ります。
銀行系ビジネスローンの貸付原資は預金ですから、預金者保護の観点から、健全な会社に限って貸し付けるよう、厳しく規制されています。
したがって、銀行系ビジネスローンが融資するのは、決算が健全な会社だけです。
健全な会社に融資することで、銀行の融資業務も健全性を保つことができます。
赤字の会社に融資するのは健全とはいえません。
債務超過の会社に融資するのも健全ではないでしょう。
信用面に重大な問題を抱える会社への融資も不健全です。
いくら事業性が良好でも、銀行系ビジネスローンはそのような会社には融資しません。
同じ銀行系の融資でも、銀行融資と銀行系ビジネスローンの違いは大きいのです。

ノンバンク系ビジネスローンは回収可能性を重視

 
ノンバンク系ビジネスローンは、決算内容の評価によって、回収可能性を測ります。
回収可能性とは、読んで字のごとく「貸付金を回収できるかどうか」です。
ノンバンクは預金機能を持たず、貸付原資は自己資金や投資性の資金ですから、預金者保護の縛りを受けません。
このため、銀行系ビジネスローンのように健全性を重視することもないのです。
したがって、ノンバンク系ビジネスローンは、決算に問題がある会社にも融資することがあります。
赤字や債務超過の会社にも、条件次第で貸し付けることがあるのです。
逆に、事業性が良好であっても、回収可能性に疑問があれば融資しないのが、銀行融資とノンバンク系ビジネスローンの違いといえるでしょう。

ビジネスローンと銀行融資の審査難易度の違い

 
ビジネスローンと銀行融資について、審査方法や評価基準の違いをみてきました。
これらの違いによって、審査難易度にも大きな差が出ます。

銀行融資は審査が厳しい

 
銀行融資は、ビジネスローンよりもはるかに審査が厳しいです。
それどころか、あらゆる資金調達方法の中でも、最も厳しいのが銀行融資といえます。
銀行融資は、人の手で念入りに審査します。
融資担当者が深くかかわり、なおかつ支店全体で稟議して判断するため、審査のハードルが幾重にも連なっているのです。
担当者の書類審査で落ちるかもしれません。
書類に問題はなくとも、面談で落ちることがあります。
担当者の書類審査と面談を切り抜けても、稟議の過程で審査に落ちることも。
全てうまくいったのに、最後の最後で支店長や本部決済で否決になるケースもあるのです。
この厳しい審査を通過するには、決算内容が良好で、事業性も一定以上に評価される必要があります。
日常的なコミュニケーションをおろそかにせず、関係の深耕を図ることも欠かせません。
このように考えると、銀行融資の審査がいかに厳しいかがわかると思います。

ビジネスローンの審査は厳しくない

 
ビジネスローンの審査は、それほど厳しくありません。
もっとも、これは「銀行融資に比べて厳しくない」ということであり、審査に簡単に通るという意味ではありません。
銀行系とノンバンク系の審査難易度は以下のように考えます。

銀行系ビジネスローンはドライに判断

 
銀行系ビジネスローンは、ある意味銀行融資よりも厳しく、またある意味では銀行融資よりも易しいです。
銀行系ビジネスローンの審査はスコアリングによって行い、健全性が評価基準となります。
決算に問題がある会社は決して審査に通りません。
赤字の場合、銀行融資ならば赤字補填資金が出る可能性がありますが、銀行系ビジネスローンはまず不可能です。
このように、決算書ありきでドライに判断する点では、銀行系ビジネスローンの審査は厳しいといえます。
少なくとも、簡単に審査に通るものではありません。
ただし、銀行系ビジネスローンは、決算に問題なければ容易に審査に通ります。
財務的に安全圏であり、決算が黒字の会社に対しては、機械的に「融資可能」と判断するのです。
決算がそこそこ良い会社も、銀行融資では「これまで取引がない。決算はそこそこだが、ひとまず見送り」といった判断になることもありますが、銀行系ビジネスローンならば「決算がそこそこ、融資してよい」という判断です。
この意味では、銀行系ビジネスローンは銀行融資よりも厳しくないといえます。

審査難易度が一番低いのはノンバンク系ビジネスローン

 
銀行融資・銀行系ビジネスローン・ノンバンク系ビジネスローンの審査難易度の違いを比較した場合、最も難易度が低いのはノンバンク系ビジネスローンです。
ノンバンク系ビジネスローンは、回収可能性を重視します。
回収可能性に問題があれば審査に通りませんが、その場合、銀行融資や銀行系ビジネスローンの審査にも通らないのが普通ですから、ノンバンク系ビジネスローンが厳しい理由にはなりません。
逆に、回収可能性さえあれば審査に通ります。
事業性に問題があって銀行融資に通らない会社も、決算に問題があって銀行系ビジネスローンの審査に通らない会社も、ノンバンク系ビジネスローンならば審査に通ることがあるのです。
一般的に、ノンバンク系ビジネスローンの審査が緩いといわれるのも、この理由によります。
ただし、ノンバンク系ビジネスローンでも審査に落ちることはあり得るため、安易に「ノンバンク系の審査は簡単・緩い」と考えるべきではありません。

ビジネスローンと銀行融資の担保設定の違い

 
ビジネスローンと銀行融資の違いのうち、担保設定の違いは非常にわかりやすいです。
担保の有無は資金調達にも大きくかかわってくるため、しっかり理解しておきましょう。

銀行融資は担保を重視

 
銀行融資は担保に大きく影響されます。
これは、銀行融資が法的に消費貸借であること、そして銀行が貸倒れリスクを極度に嫌うことが原因です。
まず、銀行融資は法的に消費貸借であり、民法で以下のように定められています。

(消費貸借)
第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

出典:出典:e-Gov法令検索「第五節 消費貸借」
簡単にいえば、銀行融資で調達した資金(借入金)は返済義務があるということです。
この点に疑問はないでしょうが、注目したいのは「種類、品質及び数量の同じ物をもって返還」という部分。
銀行融資で借りたお金は、基本的には現金で返済します。
現金で返済できなくなった場合には、銀行は別の手段によって回収可能ということです。
現金で返済できなければ、不動産や在庫、売掛債権などの担保資産を処分して返済に充て、貸倒れリスクを回避できます。
担保の有無によって貸倒れリスクが大きく変わってくるため、銀行は担保を好むのです。
無担保で銀行融資を受けられる会社はごく一部のみで、大抵は担保を求められます。
担保不足のために資金を調達できず、倒産に至るケースも少なくありません。

ビジネスローンは原則無担保

 
ビジネスローンも法的に消費貸借であり、返済義務があります。
民法からいえば、ビジネスローンの返済も現金または種類、品質及び数量の同じ物をもって返還ということになります。
しかし、ビジネスローンは消費貸借でありながら原則無担保です。
銀行系・ノンバンク系のいずれにおいても、担保なしで利用できます。
当然、担保の有無によって審査難易度が変わったり、融資条件が変わったりすることはありません。
これがビジネスローンの特徴のひとつであり、銀行融資との大きな違いといえるでしょう。
大手ノンバンクの中には、売掛債権担保融資や不動産担保ローンを提供している業者もあります。
不動産担保ローン専門のノンバンクも存在し、普通融資よりも担保評価が高いことも多いです。
しかし、それらの商品はあくまでも「ノンバンク系の担保付融資」であって、原則無担保のビジネスローンとは明確に区別すべきです。
したがって、ビジネスローンは、担保を持っていない会社でも安心して利用できます。
事業の性質上、担保を持ちにくい会社や、開業したばかりで資産が乏しい会社には大きなメリットです。

ビジネスローンと銀行融資の保証の違い

 
担保の違いが分かれば、次に気になるのが保証の違いです。
ビジネスローンと銀行融資は、保証の点でも違います。

銀行融資は信用保証協会を利用

 
銀行融資の際、無担保では融資できず、しかし担保もない会社に役立つのが信用保証協会です。
信用保証協会の保証をつけることで、銀行融資の審査に通る可能性が高まります。
この場合、融資先が返済不能になれば、信用保証協会が残債の8割を銀行に弁済します。
貸倒れリスクの大部分を信用保証協会が肩代わりするため、事業性に問題がある会社でも、担保がない会社でも、銀行は安心して融資できるというわけです。
ただし、信用保証協会の保証審査に通らなければ、保証付融資を受けることはできません。
また、信用保証協会の保証枠には上限があるため、保証審査に通っても枠を十分に確保できず、調達できないこともあります。
これに加えて、銀行融資の際には代表者個人の連帯保証を求められることも多いです。
信用保証協会の機関保証にせよ、経営者の個人保証にせよ、銀行融資と保証は密接な関係といえます。

ビジネスローンは代表者が連帯保証人に

 
ビジネスローンの際、信用保証協会は利用できません。
また、基本的には第三者の連帯保証も不要です。
ビジネスローンが求める保証は、代表者個人の連帯保証のみ。
銀行系とノンバンク系のいずれにおいても、代表者の個人保証が基本となっています。
ただし、ノンバンク系などでは、無保証人(代表者の個人保証も不要)とするものがあります。
その場合、保証会社の保証を付けるのが基本です。
公的な信用保証協会による保証ではなく、民間の保証会社を組み込んだパッケージ商品になっています。
全くの無保証ではなく、あくまでも「借入先に対して無保証人で利用できる」というだけです。
返済不能になれば、保証会社は借入先に弁済した後、やはり代表者個人から回収を図ります。
無保証人のビジネスローンといっても、代表者個人が全く責任を負わない仕組みと考えるのは誤りです。
ビジネスローンは、代表者個人の連帯保証が必須と考えるべきでしょう。

個人保証は免除されない?

銀行融資とビジネスローンは、信用保証協会の利用に違いがあります。
どちらも重視するのは、代表者個人の連帯保証です。
代表者個人の連帯保証は免除されないのでしょうか?
近年、政府が進める経営者保証改革により、銀行融資の現場では、代表者個人の連帯保証を外す動きが高まっています。
実際に、銀行融資(プロパー融資や保証付融資)においては、一定の財務基準(自己資本比率や利益水準)を満たせば、経営者保証を免除するケースが増えてきました。
民間金融機関の融資全体でみると、経営者保証を付けない融資は、2022年度末で33.2%(新規融資ベース)まで上昇しています。
しかし、これは主にプロパー融資や優良企業への融資であり、まだまだ経営者保証を求められるのが現状です。
ビジネスローンの場合、経営者保証の免除はほぼあり得ません。
原則として無担保・無保証人を特徴とするビジネスローンにおいては、代表者個人の連帯保証が依然として審査の「最後の砦」として機能しており、これを外せるケースは極めて限定的です。
ビジネスローンに限定したデータはないものの、無担保・高リスクな商品特性上、代表者の連帯保証を外せるケースは数%程度であり、特例中の特例といってよいでしょう。
今後の流れによっては、「経営者保証なし」の銀行融資が増えてくる可能性があります。
しかし、ビジネスローンは商品の特性上、銀行融資の流れは無関係に「経営者保証つき」が前提であり続けるでしょう。

ビジネスローンと銀行融資の資金調達スピードの違い

 
ビジネスローンと銀行融資は、資金調達スピードに大きな違いがあります。
資金調達方法を選ぶうえで、スピードは重要な指標です。
この違いについてもみていきましょう。

銀行融資は時間がかかる

 
銀行融資は、調達に時間がかかります。
経営内容が良好な会社ならば、早くて2週間程度。
大抵は、申し込みから融資実行までに1ヶ月程度を要します。
もちろん、新規融資の場合や第三者が関与(自治体が絡む制度融資や、信用保証協会が絡む保証付融資など)する場合、1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
銀行融資は、資金調達方法の中でも特に時間がかかるのです。
その理由は、ここまでの解説からわかるでしょう。
銀行融資の審査は、まず担当者が書類分析と面談を実施し、慎重に審査した上で稟議書を作成。
その後の稟議で複数人の手を経て初めて決済されます。
稟議がスムーズにいけば数週間での融資実行もあり得ますが、そう簡単ではありません。
例えば、担当者は「融資実行」の方向で稟議書を作っても、稟議の過程で保全の充足や条件の見直しを求められることがあります。
その場合、担当者は融資先とさらに面談して新たな担保を求めたり、条件面を再検討したりしながら、稟議書を作り直さなければなりません。
時には、支店長まで稟議書が上がってから、支店長面接が実施されることも。
銀行にとって重要な取引先や、大型融資の場合にそのようなことがありがちです。
以上のように、銀行融資にスピード対応は望めません。
スピーディに対応するよりも、「時間をかけて念入りに」というのが銀行融資の考え方です。

ビジネスローンはスピーディ

 
ビジネスローンは、資金調達方法の中でもスピードに定評があります。
銀行融資とは違い、ビジネスローンは簡単な手続きと機械的な審査に特化しています。
手続き・審査のどちらもスピーディですから、銀行融資ではあり得ないスピードで融資できるのです。
ただし、銀行系とノンバンク系でスピードは違います。

銀行系ビジネスローンは1週間程度

 
銀行系ビジネスローンは、申し込みから融資実行まで1週間程度が目安です。
もちろん、書類の不備などの問題があれば、書類の再提出や追加提出により、1週間以上かかることもあります。
特に問題がなければ、新規利用でも1週間程度というイメージです。
借入先の銀行とすでに取引があれば、数日で調達できることもあるでしょう。
ただし、銀行系ビジネスローンにおいて、即日融資は一般的ではありません。
銀行系ビジネスローンのうち、ネット銀行の商品には最短即日融資を謳うものがあります。
それでも、実際に即日融資を受けられるかどうかは疑問です。
銀行系ビジネスローンを利用する際には、最短即日を謳っていても、最短数営業日はかかると考えておくのが無難です。

ノンバンク系ビジネスローンは最短即日

 
ノンバンク系ビジネスローンは、銀行系ビジネスローンよりもスピードに優れています。
申し込みから数日中に資金を調達できることが多いです。
また、「最短即日融資」を謳う業者は銀行系よりも多く、即日融資の可能性も銀行系より高いです。
したがって、ノンバンク系ビジネスローンの資金調達スピードは、最短即日~数日中が目安となります。

ビジネスローンと銀行融資の金利の違い

 
ビジネスローンと銀行融資の違いとして、一般的にもよく知られているのが金利。
ビジネスローンと銀行融資は金利が大きく異なります。
調達コストにかかわる部分ですから、この違いをよく理解しておくことが大切です。

銀行融資は低金利

 
銀行融資は低金利で貸し付けます。
貸付金利は、融資先の状況や担保の有無、あるいは銀行の規模などにより様々です。
基本的には規模が大きい銀行ほど、金利は低くなる傾向があります。
メガバンクと信用金庫を比較すると、おおむね1%程度の違いが出るイメージです。
大まかな目安としては、年利2%程度と考えればよいでしょう。
1億円借りた場合でも、年間に支払う利息は単純計算で200万円。
これは、資金調達方法の中でもかなり安い部類といえます。
資金調達は銀行融資がベストといわれるのも、調達コストの安さが大きな理由です。

ビジネスローンは高金利

 
銀行融資に比べて、ビジネスローンは金利が高いです。
銀行融資ならば金利引き下げになる材料があっても、ビジネスローンでは大して金利に影響しないことがよくあります。
また、銀行融資ならばあまり金利に影響しない材料が、ビジネスローンでは悪くみられて金利が高くなることも。
ビジネスローンは原則無担保であり、リスクプレミアムが大きいことから、金利が底上げされる傾向があるのです。
ただし、金利の目安は銀行系とノンバンク系で違います。

銀行系ビジネスローンはやや高金利

 
銀行系ビジネスローンは、銀行融資に比べてやや金利が高いです。
目安は年2~9%程度。
銀行融資の目安が年2%ですから、銀行系ビジネスローンは銀行融資に近い金利で調達できることもあります。
そうでなくとも、年利1ケタ台の設定が多いことから、銀行融資との違いは「やや高い」というレベルです。
なぜ銀行系ビジネスローンの金利は低めに設定されるかといえば、安全性を重視するためです。
審査の方式や評価基準からもわかるように、銀行系ビジネスローンは赤字や債務超過では審査に通りません。
ある程度の安全性があって、初めて審査に通ります。
貸倒れリスクが低い会社に限って貸し付けるのですから、金利も低めに設定できるのです。
ただし、保証会社を付けることによって、基準金利が「保証料込み」となり、年10%を超えることもあります。

ノンバンク系ビジネスローンは金利が高い

 
金利が高いのはノンバンク系ビジネスローンです。
ノンバンクの公式HPをみると、年利の下限を1~2%に設定しているケースも珍しくあります。
「年1~15%」などと書かれているわけですが、これはほとんど参考になりません。
実際のところ、ノンバンク系ビジネスローンの金利は、年10~18%程度が目安です。
よほど決算が良い会社、あるいは実績を長く積んでいる会社でなければ、1ケタ台で借りるのは難しいでしょう。
それほどの会社であれば、ノンバンク系ではなく銀行系から借りているはずですから、ノンバンク系は2ケタ台の金利が一般的であり、また現実的といえます。
ノンバンク系ビジネスローンは、銀行系ビジネスローンよりもリスクに積極的です。
リスクが高くても、回収可能性が高いと判断すれば融資します。
このとき、金利を引き上げてリスクに対処するため、金利が高くなるのです。
したがって、「リスクに消極的な銀行系→やや高金利」「リスクに積極的なノンバンク系→高金利」という違いが生じます。
ノンバンク系ビジネスローンの融資条件は、少額・短期が基本です。
そのため、たとえ2ケタ台の金利で調達しても、実際の調達コストは少額になるもの。
調達コストを過度に気にせず、適切なタイミングで活用していきましょう。

金利の変動

 
銀行融資にせよビジネスローンにせよ、上記の目安はあくまでも現時点のものです。
必ず「年〇%程度」と決まったものではありません。
というのも、政策金利の影響を強く受けるためです。
最近の流れでいうと、日本銀行は2024年3月にマイナス金利を解除した後、段階的に利上げを実施してきました。
2025年12月には、政策金利(短期誘導目標)を0.50%から0.75%へ引き上げ。
これは約30年ぶりの高水準であり、2026年中に1.00%まで上昇するとの予測も出ています。
銀行融資やビジネスローンの金利も、この影響を必ず受けると考えてください。
これは、融資の仕組みを考えるとよくわかります。
銀行融資の貸付原資は預金だけではなく、足りない部分は日銀から調達しています。
政策金利を決めている日銀から調達するわけです。
したがって、政策金利が上がれば調達金利が上がり、それに連動する形で銀行融資の金利も上がります。
ビジネスローンも同じです。
ビジネスローンの金利は、銀行の短期貸出基準となる「短期プライムレート(短プラ)」に連動します。
当然、政策金利が上がれば、それに連動する形でビジネスローンの金利も上がるというわけです。
実際、政策金利が0.1%から0.25%へ引き上げられた局面では、多くの銀行が短プラを約17年ぶりに引き上げました。
政策金利とビジネスローンの金利の相関性は極めて高く、政策金利が0.25%上昇すると、基準金利も概ね同幅(0.15%〜0.25%程度)スライドして上昇するといわれます。
ビジネスローンの金利はもともと高く、変動幅も大きいです。
さらに、審査を受けてみなければわからないため、政策金利の影響を実感しにくいものです。
しかし、政策金利が上がればビジネスローンの金利も上がると考えてください。
近年の傾向から、ビジネスローンを利用する際には、調達コストへの意識が一層重要となってくるでしょう。

ビジネスローンと銀行融資の融資上限の違い

 
資金調達において、「いくら調達できるか?」も重要な視点です。
当然のことながら、資金調達の目的は「不足資金を供給し、資金繰りを維持すること」にあります。
資金繰りに必要な金額を調達できなければ、資金繰りはショートします。
審査に通ったところで、資金調達としては失敗です。
ビジネスローンと銀行融資の違いも、調達できる上限額を知ることが大切です。

銀行融資は上限なし

 
銀行融資には、融資上限というものがありません。
銀行は、融資先の事業性を評価し、返済できる範囲内で貸し付けます。
逆にいえば、返済に問題がなければいくらでも貸すのです。
「返済力が十分」というだけでも、銀行にとっては大きな好材料。
返済力がまちまちの10社に1億円ずつ貸すよりも、返済力が十分な会社に10億円貸したほうが、安全性の面でも、収益性の面でも効率的です。
10億円といわず、20億でも30億でも貸したいのが銀行の本音なのです。
もちろん実際には、無制限に貸すわけではありません。
返済力は無尽蔵ではなく、どこかで上限に達するでしょう。
しかし、全ての融資先に一律で何千万円まで、何億円までといった基準を設けていないのです。
したがって、設備投資などを目的として、多額の資金調達を必要とする場合には、銀行融資を選ぶのがよいでしょう。

ビジネスローンは上限あり

 
ビジネスローンには融資上限があります。
決算書の数値をコンピューターに入力し、スコアリングの結果に基づき「〇万円まで」という融資枠が設定されます。
利用実績(信用)なども考慮しつつ、「この決算内容なら1000万円まで」と機械的に決めるわけです。
ただし、実際の融資上限は銀行系とノンバンク系で違います。

銀行系ビジネスローンの融資上限

 
銀行系ビジネスローンの融資上限は、決算内容や利用実績によって決まります。
決算書のスコアリングをもとに、「ここまでなら安全に貸せる」というギリギリのラインを決め、融資枠を設定するのです。
銀行系ビジネスローンの審査に通る会社は、決算に深刻な問題を抱えていません。
それだけに、「ここまでなら安全」というラインも高くなる傾向があります。
実際の上限額は銀行の規模によって違い、メガバンクでは数千万円~数億円の融資枠を設定することも。
銀行の規模によらず、初回利用でも数百万円の枠を確保できることが多いです。
融資枠が大きめであることは、銀行系ビジネスローンのメリットといえます。
しかし、借りすぎには注意が必要です。
銀行の「ここまでなら安全に貸せる」という判断は、あくまでも銀行の論理にすぎません。
これを自社の判断基準として、「融資枠いっぱいに借りても安全」と考えるのは誤りです。
銀行の見方は、ある意味「これ以上貸せば危険」ということでもあります。
融資枠いっぱいに借りてしまうと、次回の決算が悪化して融資枠が減額となった場合、借入総額が融資枠を超過することになりかねません。
つまり、借入額が危険な水準となり、資金繰り負担が苦しく、なおかつ追加融資も不可という深刻な状況に陥るのです。

ノンバンク系ビジネスローンは少額が基本

 
ノンバンク系も、スコアリングをもとに「ここまでなら回収可能」という融資枠を決めます。
ただし、ノンバンク系ビジネスローンの融資枠は、銀行系とは違い少額です。
ノンバンク系ビジネスローンは、リスクが高い融資先に積極的に対応しています。
リスクが高い相手に、多額の融資をすることはできません。
したがって、ノンバンク系ビジネスローンは少額・分散が基本です。
リスクが高い1社に1000万円を貸すのではなく、リスクが高い10社に100万円ずつ貸し付けることでリスクを分散します。
1000万円貸すとなれば、短期間で返済することはできず、回収可能性が不透明になります。
しかし、100万円であれば直近のキャッシュフローから「回収可能」という見通しも立ちやすく、なおかつ短期回収も可能です。
したがって、ノンバンク系ビジネスローンの融資枠は少額が基本です。
融資枠の目安は、数十万円~数百万円。
初回利用の会社が確保できる融資枠は、複数のノンバンクに申し込んで300万円程度が現実的でしょう。
ノンバンク系ビジネスローンの公式HPをみると、融資上限を1000万円以上に設定するケースも珍しくありません。
しかし、ノンバンクの基本姿勢は「少額・短期」ですから、「多額・長期」の借入れは極めて困難と考えてください。
もっといえば、金利が高いノンバンク系ビジネスローンで多額の融資を受け、長期にわたって返済すれば、膨大な調達コストを支払うことになります。
そのような資金繰りは極めて危険ですから、仮に「多額・長期」が可能であるとしても、慎重に利用するべきです。

ビジネスローンと銀行融資の返済期間の違い

 
融資条件のうち、特に重要なのは返済期間です。
返済期間が長いほど、毎回の支払いは少額になるため、資金繰りは楽になります。
多額の借入れを短期間で返済しようとすれば、資金繰りは破綻するでしょう。
自社の状況に合わせながら、適切な返済期間を設定する必要があります。
そこで、ビジネスローンと銀行融資の返済期間についても、違いを知っておくことが大切です。

銀行融資は長期融資に対応

 
銀行融資は、返済期間を柔軟に設定します。
融資先の事業を評価し、長期的にWin-Winの取引を目指すのが銀行です。
無理な返済期間を設定し、融資先をつぶすようなことをすれば、結局は銀行自身の収益にマイナスとなります。
かといって、返済期間を必要以上に長く設定するのは好ましくありません。
したがって、銀行は融資の性質に応じて、返済期間を以下のように設定します。

  • 運転資金や納税資金、賞与資金など、少額の資金需要に対しては、1年以内に一括返済の「短期借入」で対応
  • 設備資金、買収資金など、多額の資金需要に対しては、数年間にわたり分割返済していく「長期借入」で対応

短期はもちろん長期融資にも対応しており、借入額によっては5年、10年といった長期返済計画を組むこともあります。

ビジネスローンは返済期間が短い

 
ビジネスローンの返済期間は、銀行融資よりも短いです。
ただし、実際の返済期間は、銀行系とノンバンク系で大きな違いがあります。

銀行系ビジネスローンは短期~中期

 
銀行融資の返済期間が「柔軟」であるのに対し、ビジネスローンの返済期間は「やや柔軟」です。
融資先と長期的な取引を期待するのは、銀行系ビジネスローンも同じです。
経営内容が良くなっていけば、やがてビジネスローンから普通融資への切り替えることもあります。
安全性を重視することからも、無理な返済は求めません。
したがって、銀行系ビジネスローンでは、少額の資金需要は短期返済としつつ、それなりにまとまった融資には中期に設定します。
1年以内に返済するものを「短期」、5年・10年といった返済計画もあり得るのが「長期」とすれば、「中期」はその中間です。
数年にわたる返済も可能となります。

ノンバンク系ビジネスローンは短期メイン

 
銀行系とは違い、ノンバンク系ビジネスローンは短期メインです。
ノンバンク系ビジネスローンはリスクに積極的であり、回収可能性を重視します。
ただでさえリスクが高い会社に、中期~長期の貸付けは危険です。
融資期間中に経営がさらに悪化し、貸倒れリスクが高まるからです。
また、回収可能性は直近のキャッシュフローから判断することが多く、将来的な推移を十分に織り込むことができません。
リスク選好型のノンバンク系ビジネスローンは、短期返済でなければ対応が難しいのです。
また、短期間で回収して区切りをつけるため、長期的な関係を前提としていません。
ある意味、「回収できればよい(後のことは知らない)」という考え方です。
審査に通ったものの、設定された返済期間はごく短期であり、その条件をのめば経営悪化は必至…というケースが実際にあります。
ノンバンク系ビジネスローンは、資金繰りショートの回避や、ごく短期のつなぎ資金など、短期性の資金調達に活用するのがポイントです。

ビジネスローンと銀行融資の信用リスクの違い

 
最後に比較するのは、信用リスクの違いです。
ビジネスローンで調達した場合と、銀行融資で調達した場合とでは、信用にどのような違いが生じるのでしょうか。
長期的に安定した資金繰り・資金調達を実現するために、この違いは重要です。

銀行融資は信用にプラス

 
銀行融資は、まともに利用している限り信用リスクはほとんどありません。
特定の銀行からたくさん借りても、複数の銀行から多額を借りても、それが返済能力の範囲内であれば信用は悪化しないのです。
むしろ、たくさん借りていることは信用面でプラスになります。
というのも、「たくさん借りることができる」ということは、「返済能力が高い」「利益がたくさん出ている」といったことにつながるためです。
A銀行からたくさん借りている会社には、B銀行も貸したいと考えるでしょう。
C銀行・D銀行・E信金が積極的に貸しているとなれば、三行が積極対応している事実そのものが好材料となり、F銀行としても何とか貸したいと考えます。
銀行は金融庁の監督下で営業しており、無理な融資はしません。
融資判断が銀行によって極端に変わることはなく、他行の動向が好材料にも悪材料にもなるのです。
複数の銀行から借り入れ、取引銀行を増やしていくことで、銀行間の競合も期待できます。
実際、複数行取引をしている会社の稟議書には、他行の動向が記載されることが多いです。
例えば、
「業績堅調な先柄として、他の金融機関も積極対応先。当行との取引振りも充実しており、今後さらなる取引メリットが期待できる。本件対応(融資を実行)し、取引基盤の強化を図りたい」
などと記載されるのです。
稟議制の銀行融資において、融資担当者がこのように強気の稟議書を出せば、よほどの問題がない限り審査に通るでしょう。
銀行融資は、複数の銀行から、(返済力の範囲内で)多く借りるほど良いと考えてください。
銀行融資によって信用が悪化するのは、返済トラブルや背信行為、そして借りすぎです。
返済の遅れや虚偽申告などは、会社の心がけ次第で回避できるものですから、リスクにはなりません。
注意すべきは借りすぎです。
借入れが大きくなるほど、借入金月商倍率や自己資本比率が悪化します。
銀行融資とはいえ、過剰な借り入れは信用にマイナスです。
複数行から借りすぎているとなれば、どの銀行も追加融資を渋るでしょう。
その結果、返済が滞って信用が著しく悪化することもあります。

ビジネスローンは信用リスクあり

 
ビジネスローンは、銀行融資よりも信用リスクが高いです。
ただし、銀行系とノンバンク系では、信用リスクに大きな違いがあります。

銀行系ビジネスローンはプラスまたはマイナスの影響

 
銀行系ビジネスローンの場合、信用面でプラスにもマイナスにもなり得ます。
ビジネスローンの使い方が良ければ、信用にプラスです。
これは、銀行が普通融資とビジネスローンを区別せず、同じ与信として管理するためです。
同じ銀行から普通融資で1000万円、銀行系ビジネスローンで500万円借りている場合、銀行はその融資先に対して1500万円貸しているものと考えます。
条件の違いは、それほど重要ではありません。
その融資先が倒産すれば、普通融資・銀行系ビジネスローンの区別なく、1500万円が貸し倒れになります。
銀行はここを重くみるわけです。
これにより、銀行系ビジネスローンの利用実績が良好な会社は、プラスに評価されます。
過剰に借り入れず(融資枠いっぱいに借りず)、返済も順調であれば、将来銀行融資を受ける際、審査にプラスになるでしょう。
銀行系ビジネスローンから普通融資に切り替えることは、銀行にとってもメリットがあります。
普通融資は銀行系ビジネスローンよりも条件が良く、返済負担は小さいです。
借入の構成が「銀行系ビジネスローンだけ」から「普通融資+銀行系ビジネスローン」になった場合、返済は楽になり、貸倒れリスクも低くなります。
また、担当者がつかない銀行系ビジネスローンよりも、担当者がつく普通融資のほうが、融資先と関係が深まり、融資外取引も期待できます。
これは銀行にとってメリットです。
銀行系ビジネスローンで銀行評価を改善し、普通融資への切り替えを目指すのは、ビジネスローンの賢い使い方といえます。
ただし、銀行系ビジネスローンの使い方が悪ければ、たちまち信用リスクが生じます。
普通融資よりも金利が高いだけに、銀行系ビジネスローンの借りすぎは返済力の大幅な低下に直結するのです。
銀行系ビジネスローンの融資枠は「ここまでならぎりぎり貸せる」というものですから、枠いっぱいに借りている会社は、「これ以上の深入りは危険(普通融資などとんでもない)」とみなされ、信用が悪化する可能性が高いです。

ノンバンク系ビジネスローンはマイナスの影響

 
ノンバンク系ビジネスローンは、銀行融資や銀行系ビジネスローンとは違い、プラスの影響がありません。
「信用リスクなし(プラスもマイナスもなし)」か、「信用悪化(マイナス)」のいずれかのみ。
使い方が良くてもプラスにならず、マイナスの可能性は常にあるわけですから、信用リスクには注意が必要です。
ノンバンク系ビジネスローンでも、利用実績が良好であればプラスになりそうなものですが、銀行はそのように考えません。
そもそも、銀行内の与信とノンバンク系ビジネスローンは全くの別物です。
ノンバンク系ビジネスローンの利用実績が良好といっても、具体的なことは銀行にはわからず、プラスに評価しようがないといえます。
しかし、ノンバンクでの返済遅延や借入過多などは、信用情報あるいは申告書類から容易に把握できます。
つまり、プラスの要素は表面化せず、マイナスの要素は表面化するのがノンバンク系ビジネスローンです。
銀行によっては、利用の実態とは無関係に、ノンバンク系ビジネスローンから借りているだけでマイナスにみなすこともあります。
ノンバンク系ビジネスローンで借りる場合、「銀行融資の審査に落ちた→銀行系ビジネスローンの審査に落ちた→ノンバンク系ビジネスローンで借りた」という流れが普通です。
ノンバンク系ビジネスローンで借りているという事実そのものが、銀行融資や銀行系ビジネスローンの審査に落ちたこと、延いては事業性・返済力・決算内容などに問題を抱えていることを裏付けます。
さらに、ノンバンク系ビジネスローンは金利が高いことから、資金繰りの悪化・返済力の低下を疑われたり、経営者の資質に問題があり(コスト感覚が鈍いなど)と評価されたりすることもしばしばです。

ビジネスローンと銀行融資の違いから使い分けを考える

 
ビジネスローンと銀行融資の違いを、様々な角度からみてきました。
基本的には、ビジネスローンよりも銀行融資のほうが優れていることは事実です。
このことは、融資条件の違いをみれば明らかでしょう。
だからといって、ビジネスローンが無価値というわけではありません。
銀行融資にせよ、ビジネスローンにせよ、それぞれの違いと特徴を知り、会社の状況に応じて使い分けることで真価を発揮します。
ビジネスローンが最適なケースも少なくないのです。
もちろん、ビジネスローンと銀行融資の違いだけでなく、同じビジネスローンでも銀行系とノンバンク系の違いを知り、うまく使い分けることが大切です。
ここからは、様々なケースを想定しながら、使い分けをみていきます。

決算が好調

 
ビジネスローンと銀行融資は、審査方法と評価基準が違います。
特に「決算がどう影響するか」という違いが大きいです。
まずは、直近数期の決算が好調なケース。
この場合、「業歴が短い」「借入が過剰」「緊急の調達」「銀行取引がゼロ」といった事情がない限り、銀行融資を選ぶべきです。
決算が好調な会社は、銀行から高く評価されます。
例えば、業績が右肩上がりに伸びている場合、今後も会社は成長していき、資金需要は高まっていくでしょう。
ここで融資を実行し、取引を深めておけば、将来的に設備投資のために多額の融資を出したり、海外展開を支援することで為替取引を獲得したり、銀行にとって良い収益源になるかもしれません。
稟議書の方向は「積極対応」となり、審査に通る可能性は高いです。
また、この場合、銀行は「取引深耕のために借りてほしい」と考えています。
「融資謝絶」という判断は、融資を他行に譲ることにほかならず、二重の意味で損失といえます。
それを避けるために、好条件を提示する銀行も多いです。
決算が好調な会社は、あえてビジネスローンを選ぶ必要はありません。
迷わず銀行融資を選び、低金利、無担保、長期返済などの好条件を目指しましょう。

決算内容がいいのに銀行融資の審査に落ちた

 
もっとも、決算内容が良くても、銀行融資の審査に落ちることがあります。
例えば、以下のようなケースです。

  • 業歴が短い
  • 直近の決算が悪かった
  • すでに借りすぎている

業歴が短いほど、銀行融資の審査に通りにくくなります。
銀行融資は事業性を重視するため、業歴が短く事業実績が乏しい会社には積極的に対応できないのです。
今期の決算が良いだけで、直近の決算に問題がある会社も審査に通りにくいといえます。
「業績が順調に回復し、今期ついに黒字になった」という場合、業績の推移そのものは好調ですから、銀行融資の審査に通る可能性があります。
しかし、業績が不安定で黒字と赤字を繰り返しているならば問題です。
今期はたまたま黒字になっただけで、本質的には赤字かもしれません。
借りすぎがマイナスに評価されることは、すでに解説した通りです。
いくら決算が良くても、その会社の事業からみて借りすぎであれば、それ以上貸すことはできません。
決算がよくても銀行融資の審査に通らない会社は、ビジネスローンを活用しましょう。
この場合、「好決算」という大きな好材料があるにもかかわらず、本来通るはずの審査に落ちたわけです。
決算書を覆すだけの大きな悪材料を抱えていることも多く、他の銀行に再度融資を申し込んだところで、やはり審査に落ちる可能性が高いです。
その点、ビジネスローンは決算書を中心に審査します。
特に銀行系ビジネスローンは「決算書ありき」といっても過言ではありません。
黒字の会社には、その黒字によって返済できる範囲で融資するのが銀行系ビジネスローンです。
業歴・業種特性・事業性などの個別事情は特に考慮されません。
業歴が短くても、業績が不安定でも、借りすぎの傾向があっても、決算が良ければ審査に通ります。
もちろん、ノンバンク系ビジネスローンも、決算が良ければ審査に通るでしょう。
しかし、基本的には条件が良い銀行系ビジネスローンを優先すべきです。

決算が赤字である

 
赤字決算は、銀行融資の審査に大きなマイナスとなります。
利益が出ていないため、いわば返済力ゼロの状況です。
銀行融資で赤字補填資金を調達できるのは、事業性の評価が高い会社だけです。
多くの会社は、事業に問題があるから赤字になっているわけで、赤字で審査に通るのは困難といえます。
この場合、ひとまず銀行融資を検討するのが吉です。
メインバンクは、赤字でも簡単には見捨てず、ある程度は面倒をみてくれます。
それを振り切って、最初からビジネスローンを選ぶ必要はありません。
メインバンクで審査に落ちた時点で、ビジネスローンに切り替えます。
最も親身になってくれるメインバンクが手を引いた以上、その他の銀行が支援する理由はありません。
どの銀行でも審査に落ちるため、銀行融資へのこだわりは早々に捨て、速やかにビジネスローンに切り替えましょう。
ここで選ぶのはノンバンク系ビジネスローンです。
銀行系ビジネスローンは、決算書だけで判断します。
他にいくら好材料があっても、「赤字」というだけで機械的に切り捨てます。
最初から審査に落ちるとわかっているのですから、銀行系ビジネスローンを選ぶだけ無駄です。
ノンバンク系ビジネスローンは、回収可能と判断すれば赤字の会社にも融資します。
当座の資金をノンバンク系ビジネスローンで調達し、来期の黒字回復を目指しましょう。

債務超過に陥っている

 
債務超過も深刻な問題のひとつです。
債務超過とは、決算書の貸借対照表の「純資産」がマイナスであることを意味します。
純資産は、総資産から総負債を引いたものです。
それがマイナスということは、会社の資産を全て売却しても負債が残るということです。
銀行融資において、債務超過は非常に大きなマイナスとなり、ほぼ審査に落ちると考えてください。
メインバンクでさえ、借入れは困難でしょう。
債務超過に陥る過程で、メインバンクはさんざん支援してきたはずです。
それでも経営が悪化し続け、債務超過になったのですから、メインバンクとしてもお手上げというケースが非常に多いです。
メインバンクに相談するとしても、あまり期待はできません。
したがって、債務超過の会社は「ひとまず銀行融資(メインバンク)」と考えるのではなく、
「一応、メインバンクに相談しつつ、ビジネスローンを検討する」
というように、同時進行がポイントとなります。
メインバンクの反応が芳しくなければ、審査結果を待たずにビジネスローンに申し込むべきです。
ここで選ぶのはノンバンク系ビジネスローンです。
決算ありきの銀行系ビジネスローンは、債務超過の会社に融資しません。
純資産がわずかでもマイナスであれば審査に落ちます。
ノンバンク系ビジネスローンも、債務超過を重くみます。
しかし、
「決算書は債務超過だが、実質的には債務超過ではない」
「純資産のマイナスは軽微で、少額・短期なら安全に貸せる」
といった判断により、債務超過でも審査に通ることがあるのです。
ノンバンク系ビジネスローンで資金を確保し、債務超過の解消に取り組みましょう。

税金を滞納している

 
税金の滞納は、ビジネスローンと銀行融資の違いに関係なく、非常に大きな悪材料です。
税金の滞納を解消しない限り、銀行はまず相手にしません。
銀行融資・銀行系ビジネスローンのいずれも、審査に通る可能性はゼロです。
したがって、税金滞納中の資金調達は、最初からノンバンク系ビジネスローンと考えてください。
ノンバンク系ビジネスローンは、税金滞納中の会社に融資する場合があります。
ただし、税金を支払わないまま放置している会社は、ノンバンク系ビジネスローンも利用できません。
税務署に相談して分納を認めてもらい、審査の時点で滞納していないことが条件です。
この場合、ノンバンクは税金の支払額や完納の見通しなどを、分納の計画から把握できます。
回収可能性に問題がなければ、審査に通ることも多いです。
注意したいのは、調達可能額と税金の種類。
税金を滞納している会社にとって、喫緊の課題は「納税」です。
資金使途は、当然「納税資金」であるべきですから、運転資金その他の使途では調達が難しいでしょう。
したがって、ノンバンク系ビジネスローンで調達できる額は納税額が目安となります。
また、滞納している税金の違いも重要です。
ノンバンクが税金滞納中でも融資するのは、あくまでも法人税に限られます。
消費税を滞納している場合、ノンバンク系ビジネスローンでも審査に通りません。
消費税は、いわば顧客からの預かり金です。
会社の資金繰りに流用しなければ、納税に困ることはないはず。
それを使い込んでいるのは、手元にキャッシュがないからです。
ノンバンク系ビジネスローンが重視する「回収可能性」は、主にキャッシュフローによって判断します。
したがって、「消費税滞納中→キャッシュフローが悪い→回収可能性に問題あり」とみなされ、審査に落ちる可能性が高いです。
税金を滞納している会社は、法人税に限り、ノンバンク系ビジネスローンを選びましょう。

リスケジュールの最中である

 
リスケジュールは、経営再建を目指す会社にとって切り札となります。
返済計画を変更するわけですが、一定期間にわたって元金の返済を据え置き、利息だけを支払うのが一般的です。
これにより、元金返済分が余裕資金となり、経営再建に取り組むことができます。
ただし、リスケジュール中の資金調達方法は限られます。
銀行からの調達は不可能と考えてください。
そもそもリスケジュールは、借入先の銀行に依頼するものです。
全ての銀行が横並びでリスケジュールに対応します。
リスケ計画の破綻を防ぐために、追加融資は一切認めません。
銀行融資も銀行系ビジネスローンも、「銀行による融資」であることは同じですから、リスケ中は利用できないのです。
リスケ中の借入れは、ノンバンク系ビジネスローンだけが頼りです。
ノンバンク系ビジネスローンは、銀行の与信とは全く無関係ですから、リスケ中かどうかで判断しません。
審査基準はあくまでも「回収可能性」であり、リスケ中でも回収可能と判断すれば融資します。
ある意味、リスケはノンバンクにとって好材料です。
リスケによって元金返済がなくなり、余裕資金が生まれるため、これを返済原資にすれば回収可能性は高いといえます。
リスケ中はノンバンク系ビジネスローンで調達し、資金繰りを回していくとよいでしょう。
ただし、リスケで浮いたお金を全てビジネスローンの返済に充ててしまうと、経営改善はいつまでたっても進みません。
リスケ後、銀行融資や銀行系ビジネスローンで調達できるよう、ノンバンク系ビジネスローンをうまく使いましょう。

担保・保証で使い分ける

 
以上は、決算の違いや問題の違いによる使い分けです。
ここからは、会社の資産状況の違い、あるいは資金繰りの違い、重視する条件の違いなどで使い分けを考えてみましょう。
まずは担保・保証の違いによる使い分けです。

担保に余裕がある

 
担保の有無は、資金調達を左右するポイントです。
担保に余裕がある会社は、銀行融資を選ぶのが良いでしょう。
ビジネスローンは原則無担保ですから、担保を活用できません。
しかし銀行融資は、担保の有無によって審査結果が大きく変わります。
銀行の担保付融資は、無担保融資よりも審査に通りやすく、金利も低くなるのです。
決算が悪く無担保では銀行融資の審査に通らない、あるいは条件が悪くなってしまうという場合、担保をうまく活用しましょう。
担保資産のうち、一般的によく知られているのは不動産です。
しかし、借入先の銀行に預けている定期預金や、有価証券、売掛債権なども担保になります。
これらの資産は、不動産よりも掛け目が高く、定期預金に至っては掛け目100%が一般的です。
このような担保を持っており、なおかつ資金繰りに活用したい場合には、銀行融資を選んでください。

担保はあるが温存したい

 
担保の使いどころは慎重に考えるべきです。
銀行融資の際、担当者に求められるまま担保を提供していると、本当に必要な時に担保不足に陥ってしまいます。
そうならないためにも、あえて担保を温存することも大切です。
例えば、近い将来、大規模な投資を考えている会社は、その時まで担保資産を温存しておき、多額の資金調達に備えるべきです。
担保を温存したい場合、銀行融資は無担保が前提となります。
銀行融資は無担保を前提に相談し、「担保がなければ融資できない」となれば諦めるほかありません。
無担保融資はハードルが高いため、銀行融資を受けられない会社も多いはず。
その場合、ビジネスローンを選びましょう。
銀行系・ノンバンク系を問わず、ビジネスローンは原則無担保です。
「無担保」あるいは「審査落ち」の二択であって、担保を活用する余地はありません。
審査に通れば必ず無担保となり、担保を温存できます。
銀行系とノンバンク系の使い分けは、以下のように決算の違いで考えるのが基本です。

  • 決算が良ければ銀行系・ノンバンク系いずれも可→銀行系ビジネスローンで担保を温存
  • 決算が悪ければ銀行系は不可→ノンバンク系ビジネスローンで担保を温存

担保を温存したい会社の使い分けは、ひとまず銀行融資、その後ビジネスローンと考えてください。

担保に余裕がない

 
業種や事業内容によっては、担保をほとんど持たないケースもあります。
また、すでに担保付きで融資を受けており、ある程度返済が進まなければ活用できない会社もあるでしょう。
当然ながら、無担保融資が前提となります。
この場合も、まず銀行融資で無担保の可能性を探ってみて、望みがなければビジネスローンで調達するのが基本です。
表面的には、担保温存を目指す使い分けと同じですが、スピード感が違います。
担保を温存したい場合、将来的な資金調達や、万が一の場合に備えることが目的であって、まとまった資金を調達するために担保を温存するわけです。
しかし担保に余裕がない場合、温存も何もありません。
将来の資金調達や備えに関係なく、無担保でなければ調達できず、調達できなければ資金繰りが破綻する(やむを得ず担保付きという選択肢はない)のです。
この違いから、「銀行融資→ビジネスローン」を速やかに切り替えることが大切です。
ひとまず銀行融資で…と考えている間に、資金繰りがショートするかもしれません。
状況次第では銀行融資を最初から捨てて、初めからビジネスローンを選ぶことも考えられます。

信用保証協会の保証を受けられる

 
担保が不足している会社にとって、頼りになるのが信用保証協会です。
信用保証協会は、保証先の会社が返済できなくなった場合、残債の8割を弁済します。
信用保証協会の保証付融資であれば、銀行は安心して融資できるわけです。
ただし、保証付融資で調達するには、信用保証協会の保証審査に通らなければなりません。
保証を受けられる会社は、銀行融資(信用保証協会の保証付き)を選ぶのが良いでしょう。
その場合、銀行に支払う利息に加えて、信用保証協会に対して保証料が発生します。
とはいえ、銀行融資の利息が年2%程度、信用保証協会の保証料率は1.5%程度が目安ですから、保証料込でもビジネスローンより安いです。
「銀行融資で調達したいが無担保では不可能、しかし信用保証協会の保証は可能」という会社は、銀行融資(保証付融資)をおすすめします。

信用保証協会の保証を受けられない

 
信用保証協会の保証を受けられない会社はどうすべきでしょうか。
原因は二つ考えられます。
ひとつは、経営に問題があり保証審査に通らないこと。
保証審査に通らなければ、銀行融資は受けられません。
もうひとつは、保証枠に余裕がないこと。
信用保証協会の保証枠には上限があります。
保証限度額は、無担保が8000万円、有担保が2億8000万円です。
保証審査の結果に応じて、この範囲内で保証枠を設定します。
保証枠の目安は月商3ヶ月分です。
売上の規模が小さい会社は、保証枠も小さくなり、早々に使い切ってしまうことがあります。
そして、売上がいくら大きくても、保証枠には限界があります。
売上の規模が大きい会社は資金需要が旺盛ですから、保証枠が不足することが珍しくありません。
信用保証協会の保証審査に落ちた、あるいは保証枠に余裕がない場合、銀行融資は選択肢から除外します。
特に、保証審査に落ちる会社は、銀行融資の審査にも間違いなく落ちます。
無担保・無保証のプロパー融資は、銀行融資の中でも特に審査が厳しく、保証審査に落ちる会社が利用できるものではありません。
したがって、ビジネスローンを選びましょう。
銀行系とノンバンク系の使い分けは、これまでの解説に準じます。
決算が良ければ条件の良い銀行系ビジネスローンを選び、決算が悪ければノンバンク系ビジネスローンを選ぶのが基本です。

資金調達の緊急度で使い分ける

 
資金調達方法を選ぶにあたり、資金調達スピードも重要な基準となります。
資金調達の目的は、資金繰りを維持することです。
好条件で調達できても、調達に時間がかかって資金繰りがショートすれば元も子もありません。
ビジネスローンと銀行融資は、緊急度の違いで使い分けるべきです。

資金繰りに余裕がある

 
まず、資金繰りに余裕があるケースです。
手元資金が潤沢で、資金繰りがショートする危険は極めて低い。
なおかつ、資金繰り計画を作っており、早いうちから資金調達に取り組むことができる。
このような場合、迷わず銀行融資を選んでください。
資金繰りに余裕がある会社は、財務の安全性が高いです。
貸倒れリスクが低いため、銀行融資の審査に通りやすいといえます。
また、銀行融資には担当者がつき、個別事情も含めて柔軟に対応します。
計画的に資金繰りしており、資金不足の時期をあらかじめ特定したうえで、余裕をもって銀行融資を相談すれば、担当者は好感を持つものです。
もちろん、時間をかけて銀行と交渉することもできます。
銀行融資の審査を有利に進め、好条件で調達できる可能性も高いです。
ビジネスローンの場合、資金繰りの余裕がプラスに働くことは少ないです。
大切なのは決算内容であって、資金繰りの余裕が審査を大きく左右するものではありません。
資金繰りに余裕があり、調達に時間をかけてよいという会社は、銀行融資を優先してください。

資金繰りに余裕がない

 
資金繰りに余裕がない場合、銀行融資の優先順位は下がります。
優先順位の違いは、緊急性に応じて「銀行融資<銀行系ビジネスローン<ノンバンク系ビジネスローン」と考えてください。
銀行融資の資金調達スピードは、早くて数週間~1ヶ月です。
例外的に、手形割引など一部の銀行融資は、1週間程度で調達できることもあります。
とはいえ、政府が手形取引の縮小・廃止に取り組んでいる昨今、手形割引を利用できない会社も多いことでしょう。
普通の銀行融資は、数週間で調達できるのは優良企業だけですから、基本的には1ヶ月の余裕が欲しいところ。
突発的な資金需要が発生した場合や、計画的に資金繰りしていない場合は、資金調達のリミットが1ヶ月を切っていることもよくあります。
その場合、ビジネスローンを積極的に検討すべきです。
ビジネスローンの場合、銀行系ビジネスローンは数日~1週間程度、ノンバンク系ビジネスローンは即日~数日で調達できます。
具体的には、資金調達のリミットに応じて以下のように使い分けてください。

  • 2~3週間以内に調達したい→銀行融資で間に合う可能性もあるが、過信は禁物。銀行融資とビジネスローンを並行で進め、リミットが2週間を切った時点で銀行系ビジネスローンに申し込む。
  • 2週間以内に調達したい→銀行融資は望みなし。最初から銀行系ビジネスローンを選ぶ。
  • 1週間程度で調達したい→銀行系ビジネスローンで間に合う可能性もあるが、審査落ちに備えてノンバンク系ビジネスローンと並行利用。
  • 数日で調達したい→銀行系ビジネスローンとノンバンク系ビジネスローンを並行する。ただし、軸はノンバンク系。
  • 即日で調達したい→ノンバンク系ビジネスローン以外は不可。即日融資を謳う業者を選ぶ。数日かかる場合に備えて、即日調達できる他の方法(ファクタリングなど)と並行で利用する。

調達コストで使い分ける

 
ビジネスローンと銀行融資は、調達コストの違いでも使い分けできます。
複数のパターンをみていきましょう。

プロパー融資を受けられる

事業性を高く評価され、将来性があり、直近の決算も好調、なおかつ銀行取引も良好という場合、プロパー融資を受けられる可能性があります。
プロパー融資は、貸倒れリスクを全て銀行が負担するものです。
当然、信用保証協会の保証はつけません。
プロパー融資=無担保とは限りませんが、実際には無担保になることが多いです。
プロパー融資を出せるほどの優良企業であれば、銀行は担保なしでも借りてほしいと考えます。
複数の銀行から融資提案を受けることも多く、この競合により無担保・無保証・低金利などの好条件が期待できます。
様々な好条件の中でも、特に注目すべきは金利です。
プロパー融資において、無担保や無保証といった条件は大して差別化にはならず、大抵は金利で競合することになります。
その結果、年1%以下の金利で調達できることも。
同じ銀行融資でも、プロパー融資と通常の融資では、金利に大きな違いがあるのです。
低金利でプロパー融資を受けられる会社は、わざわざそれを捨ててビジネスローンを選ぶ必要はありません。
調達コストを抑えるためにも、使い分けは「銀行融資のみ」が最適です。

担保または保証付きで銀行融資を受けられる

 
プロパー融資は無理でも、担保や保証枠に余裕があれば銀行融資を受けられることがよくあります。
したがって、調達コストを抑えるために銀行融資を選ぶのがおすすめです。
基本的に、融資の金利は担保を付けることで安くなります。
例えば、日本政策金融公庫(一般貸付)の基準金利は、無担保が年3.3~4.7%、有担保が年2.3~4.3%の設定です。
担保付きで融資を受けるだけで、年0.4%~2.4%もの差が出ます。
民間金融機関はこのように基準金利を公表していませんが、銀行融資も同じと考えてよいでしょう。
無担保よりも確実に金利が低くなり、調達コストを抑えることにつながります。
信用保証協会の保証を受ける場合、保証料がかかります。
また、担保のように金利が低くなるわけでもありません。
銀行融資の金利はそのまま、保証料を上乗せという形が一般的です。
したがって、保証付融資は保証料の分だけ調達コストが高くなります。
しかしながら、保証料率は1.5%程度ですから、依然としてビジネスローンよりも安い水準です。
調達コストを重視する会社は、担保・保証を活用し、銀行融資で調達しましょう。

銀行融資は不可だが決算は悪くない

 
銀行融資を受けられない場合、ビジネスローンを選ぶことになります。
銀行系とノンバンク系は基準金利が違います。
金利の目安は以下の通りです。

  • 銀行系ビジネスローン…2~9%
  • ノンバンク系ビジネスローン(リスク低)…6~10%
  • ノンバンク系ビジネスローン(リスク中)…10~15%
  • ノンバンク系ビジネスローン(リスク高)…15%

このような違いから、調達コストを抑えるには銀行系ビジネスローンを選ぶべきです。
ただし、銀行系ビジネスローンで調達できるのは決算内容がよい会社のみ。
したがって、「銀行融資は不可だが決算は悪くない」という場合に、銀行系ビジネスローンを選んでください。

銀行融資は不可、決算も悪い

 
銀行融資を受けられず、決算も悪いとなれば、調達できるのはノンバンク系ビジネスローンのみです。
ノンバンク系ビジネスローンは、融資先のリスクの違いによって金利を設定します。
リスクが低い会社は、銀行系ビジネスローンにかなり近い金利まで抑えることができます。
とはいえ、リスクが低ければ銀行系ビジネスローンの審査にも通るはず。
実際には、リスク中以上のケースが大半ですから、ノンバンク系ビジネスローンの金利は高いもの、銀行系の水準では調達できないものと考えるのが無難でしょう。
金利が高ければ調達コストも高くなります。
ポイントは、「高いコストを支払うだけの価値が十分にある」と判断できるかどうか。
例えば、資金繰りのショートを回避できるならば、高金利で借り入れる価値は十分にあります。
また、調達額を最低限にとどめ、短期返済を心がけることで、調達コストを抑えることも可能です。

調達額で使い分ける

 
ビジネスローンと銀行融資は、融資上限が違います。
したがって、調達額で使い分けることも重要です。

多額の資金調達が必要

 
多額の資金調達が必要な場合、最適なのは銀行融資、次善は銀行系ビジネスローンです。
ノンバンク系ビジネスローンは選択肢になりません。
銀行融資には融資上限という概念がなく、事業性と返済力に問題がなければいくらでも調達できます。
数千万円~数億円単位を調達する場合、銀行融資だけを考えましょう。
メガバンクのビジネスローンなどは、数千万円以上の融資枠を設定するケースもしばしばです。
しかし、ビジネスローンは金利が高いため、多額の資金調達には適していません。
銀行融資を調達の軸とし、補完的に銀行系ビジネスローンを活用するのが賢い使い分けといえます。

それなりの調達余力を確保したい

 
銀行系ビジネスローンは、決算内容から融資枠を決めます。
決算次第では、数百万円~数千万円といった融資枠を獲得することも可能です。
多額の資金を調達するには金利の高さがネックとなりますが、実際に借りるかどうかに関係なく、「それなりの調達余力を確保したい」という動機であれば、銀行系ビジネスローンが役立ちます。
原則無担保で利用できるビジネスローンは、いわば信用枠です。
また、銀行系ビジネスローンは決算が良ければ審査に通ります。
どの銀行に申し込んでも、審査する決算書は同じですから、A銀行で審査に通れば、B銀行でもC信金でも審査に通り、同程度の信用枠を確保できる可能性が高いです。
したがって、複数の銀行でビジネスローンを申し込み、まとまった信用枠を獲得しておけば、資金繰りの維持に役立つでしょう。
ノンバンク系ビジネスローンは、このような使い方に適していません。
少額融資が基本となるため、融資枠はたかが知れています。
それなりの枠を確保しようと思えば、たくさんのノンバンク系ビジネスローンに申し込まなければなりません。
ビジネスローンの申込履歴は、信用情報として記録されます。
たくさんのノンバンク系ビジネスローンを利用した場合、度重なる申し込みが悪材料となり、銀行融資・ビジネスローンを問わず審査に通らなくなります。
いわゆる申し込みブラックという状態です。
それを避けるためにも、調達余力は銀行系ビジネスローンで確保しましょう。

少額でもいいから調達したい

 
銀行融資も銀行系ビジネスローンも審査に通らず、少額でもいいから調達したいという場合、ノンバンク系ビジネスローンを利用しましょう。
税金を滞納している会社や、リスケ中の会社が好例です。
税金滞納中は、何をおいても納税を最優先すべきです。
納税資金がなければ、ノンバンク系ビジネスローンで調達し、速やかに滞納を解消してください。
リスケ中も銀行系の融資は一切使えませんが、ノンバンク系ビジネスローンならば可能です。
調達そのものが難しいリスケ中において、ノンバンク系ビジネスローンの融資枠が生命線となります。
たとえ少額でも、積極的に借り入れるべきです。

まとめ:ビジネスローンと銀行融資の違いを知り、適切な使い分けを!

この記事では、ビジネスローンと銀行融資の違いについて詳しく解説しました。
ビジネスローンと銀行融資には、様々な違いがあります。
また、同じビジネスローンでも、銀行系とノンバンク系は違いがあるものです。
これらの違いを知ることで、自社に最適な資金調達方法を選ぶことができます。
銀行融資は資金調達の王様ですが、全ての資金需要をカバーできるわけではありません。
そもそも、銀行融資の審査に通ること自体、高いハードルがあります。
緊急性が高い場合や、経営に問題がある会社は、銀行融資よりもむしろビジネスローンのほうが適していることがしばしばです。
ネガティブなイメージを持たれやすいノンバンク系ビジネスローンも、違いを活かすことで唯一無二の資金調達方法になります。
ビジネスローンと銀行融資の違いを踏まえ、多様な資金調達を心がけてください。

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ファクタリングサポート監修チーム
・貸金業取扱主任者:法令遵守(コンプライアンス)と正しい契約の徹底解説

・ファクタリング実務経験者:審査通過率を上げるためのノウハウ提供

・元ノンバンク担当者:他社融資と比較した最適な資金繰りアドバイス

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