ファクタリングが借金じゃない理由とは？融資との違いを踏まえ解説
目次
ファクタリングで借金をしないか不安な方もいるでしょう。
結論からいうと借金ではなく、調達資金の返済義務は生じないので、気軽に利用できます。
会社の資金繰りに不安を抱えている方は、手元の売掛金をファクタリング業者へ売却するのも選択肢です。
短時間で資金調達できることもあるため、財務状況の改善にもつながります。
今回はファクタリングが借金にあたらず、利用しやすい理由について解説します。
ファクタリングが借金じゃない理由4つ
ファクタリングは借金に当てはまらないため、誰もが気軽に利用できます。
健全な業者を利用すれば、財務状況や経営などへのリスクを抑えられるのです。
借金に該当しない理由について、以下の4つを確かめてください。
1．返済義務がないため
2．審査基準がほかの資金調達手段と異なるため
3．信用情報との関連性がないため
4．利用者が利息を負担しないため
1．返済義務がないため
ファクタリングは返済義務がないことから、借金には該当しません。
売掛金を専門業者に買い取ってもらうだけなので、通常の売買にあたります。
一度きりの支払いでサービスが成立するため、返済の概念がありません。
売掛金の売却が決まれば、ファクタリング業者が利用者の口座へ代金を振り込みます。
このとき代金から一定の手数料が差し引かれるものの、振り込まれた代金については、利用者はどのように使ってもかまいません。
ファクタリングは返済義務を負わない形で利用できるため、事業拡大や財務状況の改善に役立ちます。
2．審査基準がほかの資金調達手段と異なるため
ファクタリングの審査基準はほかの資金調達手段と違い、業者によっては銀行融資より審査基準が緩いといえます。
そのため銀行融資を断られた方でも、ファクタリングなら利用できるかもしれません。
審査で主に重視されるのは、売掛金に関係する取引先の信用力です。
利用者の財務状況がよくなくても、取引先の支払い能力が十分なら審査を通過できます。
ファクタリング業者は売掛金の買取後、取引先から資金を回収するためです。
売掛金に問題がなければ、利用者は経営状況に関係なく資金調達を遂行できます。
3．信用情報との関連性がないため
ファクタリングは信用情報との関連性がないため、過去の金融事故を気にする必要はありません。
信用情報は特定人物や法人について、借金額や金融事故の有無などをデータベース化しています。
過去の金融事故が掲載されていると、その人物の信用性に問題があるとされ、ローンを組めない可能性があるのです。
しかしファクタリング業者は審査において、信用情報機関を参照しません。
売掛金を買い取るだけで返済を求めないので、利用者の支払い能力を判定しなくてよいのです。
借金歴が多かったり、金融事故があったりすると銀行からの融資を断られやすくなります。
しかしファクタリングではそのようなリスクがないため、引き続き資金調達に活用できるのです。
4．利用者が利息を負担しないため
ファクタリングは利用者が利息を負担しない点でも、借金と異なります。
契約時にかかる出費は業者により定められた手数料だけで、こちらも売掛金から自動的に差し引かれるため、支払いの手間がかかりません。
利息がかかるときは銀行融資やビジネスローンなどで、資金を借りた場合です。
ファクタリングは借金ではないため、利息に関する法規制の影響を受けません。
借金をすると利息に苦しむ方もいますが、売掛金の取引ではそのようなリスクも排除できます。
資金を借りるという概念がないため、金利や利息を気にする必要もないのがファクタリングのポイントです。
ファクタリングに適用されない法規制2つ
ファクタリングは借金と異なるため、一部の法規制が適用されません。
代表例として以下の2つを確かめてください。
1．総量規制
2．上限金利の引き下げ
1．総量規制
ファクタリングは返済義務が生じないため、総量規制の対象外です。
借入残高が年収の3分の1に達すると、新規の借金ができないという規制で、2010年から施行されています。
総量規制のおかげでローンの利用者は、借りすぎによる破産のリスクを抑えられる一方、金融機関は利用者の債務不履行による貸し倒れを防げます。
しかしファクタリングは借金がないため、総量規制とも関係がありません。
総量規制の対象になるのは借入額のみで、売掛金の代価には当てはまらないからです。
たとえば売掛金の代価が、利用者の年収の3分の1を超えたとしても、総量規制には引っかかりません。
2．上限金利の引き下げ
ファクタリングは借金の概念がないため、上限金利の規制対象にもなりません。
上限金利の法的根拠として利息制限法や出資法などがあります。
たとえば利息制限法は借入金のある人を守るため、借入額に応じて上限金利を定める法律です。
出資法は違法な経済活動から人々を守るためのルールで、高金利への処罰や出資金の受け入れ制限などが規定されています。
しかしファクタリングは借金ではないため、利息制限法や出資法の規制に引っかかりません。
借金や返済の概念がないため売掛金の額に金利がかからず、金銭の貸借にも該当しないことから出資法との関連性も見られないのです。
ファクタリングのしくみからわかる借金との違い3つ
ファクタリングのしくみを調べてみれば、借金との違いがわかります。
早期の資金調達ができたり、バランスシートの状態を良好に保ったりなどが可能です。
ファクタリングでのお金の動き方に注目し、借金との違いを以下で3つ解説します。
1．資金調達までの時間が融資より短い
2．ファクタリングに利息はないものの手数料が発生する
3．バランスシートのオフバランス化も可能
1．資金調達までの時間が融資より短い
ファクタリングは借金と比べて、資金調達までの時間が短いといえます。
多くの業者は銀行融資より審査時間が短く、申し込み当日に売掛金を買い取り、入金まで済ませるケースもあるのです。
たとえば銀行融資の場合、申し込みから資金調達まで約1週間はかかるでしょう。
しかしファクタリング業者によっては、AI審査で約10分で結果を出して即日入金につなげるため、必要な支払いが差し迫っている事業者も利用しやすいのです。
すぐに資金が必要と思ったら、ローンよりファクタリングを選んでみましょう。
2．ファクタリングに利息はないものの手数料が発生する
ファクタリングは借金でないため利息が生じない一方、手数料には注意しなければなりません。
銀行融資では借りた分を、利息と一緒に支払うのが特徴です。
しかしファクタリングは売掛金の取引なので、業者は手数料という形で利用者からコストを取ります。
銀行融資は長期的な返済計画の必要性を踏まえ、年利数％の金利を設ける一方、ファクタリングは2社間だと10～20％の手数料が相場です。
3社間契約をした場合は1～9％まで手数料の相場が下がるため、利用者は経費削減につなげられます。
それでもファクタリングは一回きりの取引であるぶん、まとまった手数料の可能性があるのです。
3．バランスシートのオフバランス化も可能
ファクタリングではバランスシートにおいて、オフバランス化も可能です。
借金ではないことから何度利用しても負債が増えないので、財務状況の悪化のリスクがありません。
たとえば銀行から融資を受けた場合、返済義務が生じるため、貸方に借入金を書く必要があります。
未返済分が記されると財務状況の悪化を判断されることもある一方、ファクタリングなら借金に該当しないので、貸方の借入金は増えません。
売掛金の売却代金は普通預金として計上されるので、手元の資金が多いこともアピールできます。
バランスシートのオフバランス化ができる観点から、ファクタリングは合理的な資金調達手段と考えられます。
ファクタリングで貸金業法の対象になる場合3つ
ファクタリングと謳うサービスでも、貸金業法の規制対象となるケースがあります。
契約の実態や償還請求権の有無などから、業者が貸金業法に違反していないか注意してください。
法規制の対象になる例として、以下の3つを解説します。
1．契約の実態が債権譲渡にあたらない場合
2．償還請求権をともなう場合
3．担保や保証つきの契約を結んだ場合
1．契約の実態が債権譲渡にあたらない場合
業者がファクタリングと主張していても、債権譲渡契約に該当しなければ貸金業法の規制を受ける可能性があります。
本来のファクタリングは債権譲渡契約にあたりますが、実際のサービス内容がファクタリングの定義から外れていれば該当しません。
たとえば契約内容が売掛金を担保にした貸し付けだと、ファクタリングではなくABLという融資です。
貸し付け契約を行うなら貸金業法で正式な登録が必要であるものの、一部業者は未登録のまま運営しています。
該当の業者を利用すると、トラブルに見舞われる可能性があるので要注意です。
2．償還請求権をともなう場合
償還請求権をともなうファクタリングも、貸金業法の規制対象になります。
多くの業者は償還請求権なしで利用者と契約する一方、償還請求権ありとして契約を締結する業者もいるのです。
償還請求権があると、売掛金の取引先が債務不履行にいたれば、利用者に弁済義務が生じます。
結果として取引先の未払い金を代わりに支払わなければならないため、損失リスクを負うことになるのです。
3．担保や保証つきの契約を結んだ場合
業者がファクタリングと主張するサービスでも、担保や保証をともなうものは貸し付けと判断され、貸金業法の規制を受けます。
本来のファクタリングには担保や保証人が必要なく、必要とされるサービスを行う業者は貸金業登録を済ませなければいけません。
しかし未登録のまま該当のサービスを行い、トラブルを起こす悪質業者もいるので、引っかからないように注意しましょう。
ファクタリングで返済を求める業者は違法の可能性あり
ファクタリングは借金に該当しないため、返済を求める業者は違法の可能性があります。
ファクタリングに見せかけた貸し付け契約を結び、利用者への取り立てを行う悪質業者もいる状況です。
利用者は法外な金利による利息や、悪質な取り立て行為に苦しむことがあります。
万が一悪質業者とトラブルになった場合、警察や消費者センターなどに相談してください。
ファクタリングが借金じゃない理由のまとめ
ファクタリングは売掛金の売買なので借金に該当せず、返済義務がないことで手軽に資金調達できる利用者もいます。
銀行融資の審査に落ちたり、金融事故のある方でも利用できるケースがあるのです。
ただしファクタリングと見せかけて貸し付け契約を結び、違法な形で返済を求める悪質業者もいるため、信頼できる依頼先を見極めましょう。
悪質業者に引っかかってはいけないという注意点はありますが、ファクタリングは借金をせずに資金調達できる貴重な手段です。