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ファクタリングできない請求書とは?審査通過に向けた注意点も解説

ファクタリングでの資金調達において、請求書は欠かせません。
しかし請求書に問題があると、サービスを利用できない可能性があります。
内容や売掛先などに問題がないか、事前に調べておきましょう。
ファクタリングで審査通過できず悩んでいる方へ、請求書の提供ができない理由を解説します。
以上を踏まえて、準備段階における注意点をまとめました。
これを読めば、正しい請求書のヒントがわかります。

一部ファクタリング会社は請求書がないと活用できない

多くのファクタリング会社では、申し込み時に請求書が必要です。
売掛先との取引は請求書が証拠になるため、用意できないと断られることがあります。
請求書の売却では、ほかにも以下の書類を準備しておきましょう。

・本人確認書類
・銀行の通帳
・確定申告書や決算書
・商業登記簿謄本(法人の場合)

ファクタリング会社によっては請求書に加え、上記の一部だけで申し込める場合もあります。
たとえば一部の会社は、請求書と通帳だけで申し込みが可能です。
ただしファクタリング会社によって規約が違うため、本人確認書類や通帳、確定申告書などは大切に管理しておきましょう。

ファクタリングに向かない請求書8種類

請求書によっては、ファクタリングで提供できない可能性があります。
請求書の内容や売掛先に問題があると、一部の会社では審査を通過できません。
問題のある請求書のタイプについて、以下の8種類を見ていきましょう。

1.不良債権
2.初回・単発のもの
3.個人事業主と取引したもの
4.事業の請求書ではないもの
5.経営状態のよくない売掛先のもの
6.売掛先に問題があるもの
7.二重譲渡にあたるもの
8.現金集金する請求書

1.不良債権

不良債権のファクタリングはトラブルにつながるので、やめてください。
不良債権とは支払い期日を過ぎた債権で、ほとんどのファクタリング会社で活用できないのです。
支払い期日の経過を知りながら会社へ提供すると、詐欺罪に問われることもあります。
たとえば11月30日が支払い期日の場合、期日までに売掛先からの振り込みがなければ不良債権になります。
そこで12月1日以降にファクタリング会社へ申し込んでも、買い取ってもらえません。
ファクタリング会社は請求書の買い取り後、売掛先から資金を回収します。
しかし期日を守らない売掛先からは、資金回収の見込みがありません。
そのため不良債権の申し込みは、ほとんどの会社から断られます。

2.初回・単発のもの

売掛先との取引が初回・単発のものだと、請求書を申し込めない可能性があります。
ファクタリング会社は請求書の審査時、利用者の申請内容に虚偽がないか確かめます。
初回・単発の請求書だと、申請内容の信憑性を証明しにくいでしょう。
ファクタリングしやすい請求書は、継続性のある取引です。
たとえば同じ売掛先から、毎月決まった日に入金されていれば、請求書の審査を通過しやすいといえます。
ファクタリング会社も通帳の入金履歴から継続的な取引を確かめ、買い取りに応じるのです。
以上から請求書は、継続的に取引されたものが望ましいといえます。

3.個人事業主と取引したもの

売掛先が個人事業主の請求書は、ファクタリングできないおそれがあります。
個人事業主は法人と比べ、社会的信頼性が低いと見られがちです。
そのためファクタリング会社も、資金回収の可能性が低いと見込み、審査を通過させないことがあります。
ファクタリング会社は審査時、売掛先の関連情報を確かめます。
法人なら商業登記簿謄本による調査が可能です。
しかし個人事業主は登記制度がないため、実態を把握しづらいといえます。
そのため個人事業主が売掛先だと、請求書のファクタリングが困難です。

4.事業の請求書ではないもの

事業関連の請求書でない限り、ファクタリング会社に買い取ってもらえません。
ファクタリングできるのは、事業上の取引で生じたものに限られます。
事業と関係のない請求書までは、資金調達に活用できないのです。
たとえばプライベートで使っている車を売った場合です。
売却先によっては支払いが後払いになり、請求書の支払いを期日まで待つことになります。
しかしプライベートのものの売却は事業と無関係なので、ファクタリングには使えません。
ファクタリングを利用するなら、事業上の取引による請求書を申し込んでください。

5.経営状態のよくない売掛先のもの

売掛先の経営状態がよくないと、請求書をファクタリングに活用できないおそれがあります。
審査でとくに重要視されるのが、売掛先の財務状況です。
売掛先の経営がよくないと、請求書を活用できないこともあります。
ファクタリング会社は業界内での情報共有やSNSで、売掛先の評判を知ることがあります。
そこで悪い評判を見ると、請求書の買い取りを断るかもしれません。
売掛先が支払い期日を守らないと、ファクタリング会社が多額の損失を被るからです。
以上から利用者は、請求書の売掛先の状況を調べておきましょう。
経営状況がよくなさそうなら、ファクタリングへの利用を控えてください。

6.売掛先に問題があるもの

売掛先に特段の問題がある請求書も、ファクタリングに活用できないことがあります。
たとえば売掛先が違法行為をしている場合です。
利用者がそれを知っていながら、請求書を売却するとトラブルにつながります。
ファクタリング会社にとって、違法な売掛先の請求書の買い取りは、大きなリスクになるのです。
またナイトワーク関連の売掛先の請求書も活用できない可能性に要注意です。
ナイトワークの業界では経理体制が不十分で、突発的な廃業や行方不明になる事業者も見られます。
ファクタリング会社の一部はこのようなリスクを見込んで、請求書を断るのです。
売掛先の財務状況だけでなく、運営会社の実態も調べておきましょう。
ファクタリングでは、健全な売掛先の請求書を申し込んでください。

7.二重譲渡にあたるもの

二重譲渡にあたる請求書は、ファクタリングできないので要注意です。
ひとつの請求書を複数社に提供すると、二重譲渡という違法行為になります。
その場合は、利用者やその企業が社会的信用を失うのです。
二重譲渡をすると、提供相手である2社以上のファクタリング会社のうち、1社しか資金を回収できません。
ほかの会社は、資金回収不可能な請求書を買い取る形です。
そのため二重譲渡した者は、不正な資金調達として詐欺罪に問われることがあります。
手元の資金が足りなくても、二重譲渡はやめてください。

8.現金集金する請求書

売掛先が現金払いをする場合、請求書を売却できません。
現代社会では少なくなったものの、一部事業者は銀行口座を使わず、請求書に応じて現金払いをします。
たとえば青果店が飲食店に商品を配達し、後払いの約束で請求書を出し、期日までに現金で回収してもらう形です。
現金集金は銀行通帳に記録されないため、支払い実績を証明できません。
以上からファクタリング会社も、売掛先が現金払いだと、通帳から支払い履歴を確認できないのです。
このような理由から現金払いの売掛先の請求書は、ファクタリングに使えません。

ファクタリングで審査通過可能な請求書のポイント4つ

ファクタリングの審査を通過するには、健全な請求書を申し込まなければなりません。
請求書の内容や売掛先を慎重に確かめ、リスクの低いものを活用してください。
請求書のポイントについて、以下の4つを解説します。

1.支払い期日を確かめる
2.請求書の信頼性を検証する
3.売掛先は法人が望ましい
4.請求書は丁寧に管理する

1.支払い期日を確かめる

ファクタリングを利用する前に、請求書の支払い期日を調べておきましょう。
支払い期日が遠すぎると、活用できないことがあるからです。
たとえば期日が3か月先だと、その間に経済情勢の変化や、売掛先の倒産などが起きるかもしれません。
ファクタリング会社はこのようなリスクを見込んで、期日の遠すぎる請求書は買い取らないのです。
売却予定の請求書は1~2か月先の期日が理想です。
期日が過ぎたものは不良債権として買い取ってもらえません。
また期日が遠すぎる場合も、ファクタリング会社がリスクを想定し、審査で落とすことがあります。

2.請求書の信頼性を検証する

次のポイントは請求書の信頼性です。
ここでは売掛先との取引期間と、売掛先の経営状況に注目してください。
売掛先との取引期間が長ければ、請求書をファクタリングに活用しやすいといえます。
銀行通帳にも同じ売掛先の入金履歴がいくつも記録されます。
ファクタリング会社はこのような点を評価して、請求書を買い取るのです。
売掛先自体の信用度も見逃せません。
仮に売掛先の財務状況に問題があれば、倒産のリスクが想定されます。
ファクタリング会社は、倒産した企業からの資金回収ができません。
利用者だけでなくファクタリング会社にも大きなリスクを負わせないように、請求書の売掛先を検証してください。

3.売掛先は法人が望ましい

請求書の売掛先は法人が望ましいといえます。
個人事業主だと、ファクタリング会社が実態を調べにくいからです。
そのため個人事業主との取引による請求書は、対応できないことがあります。
請求書の買い取り後のトラブルを防ぐため、利用者を断るかもしれません。
このような観点からファクタリングする請求書は、法人相手によるものが望まれます。

4.請求書は丁寧に管理する

ファクタリングのために、普段から請求書は丁寧に管理してください。
請求書の管理は、二重譲渡の防止に欠かせません。
譲渡済みと気づかずに、同じ請求書を二重譲渡する利用者もいます。
この場合もファクタリング会社に損害を負わせるため、トラブルにつながるのです。
表計算ソフトで売掛金台帳を作っておけば、スムーズに管理できます。
売掛金台帳では請求年月日や売上金額などを請求書ごとに入力しておきましょう。
徹底した管理によって、二重譲渡のようなトラブルを未然に防げます。

ファクタリングできない請求書のまとめ

ファクタリングできない請求書は、内容や売掛金に問題があります。
たとえば支払い期日を過ぎた不良債権だと、資金調達に活用できません。
また売掛先に問題がある場合も、審査に通過できないため、ファクタリングには使えないでしょう。
審査落ちやトラブルを防ぐには、売却予定の請求書の精査が大切です。
支払い期日や売掛先の財務状況などを調べ、健全な請求書だけを申し込んでください。