ファクタリングは何社まで契約できる可能？複数社契約のメリットやデメリットも紹介
目次
ファクタリングについて、何社まで利用できるかわからない事業者もいます。
結論からいうと、何社と契約しても問題ありません。
業者の掛け持ちにより、ファクタリングを活用しやすくなる業者もいます。
複数社の利用のメリットとデメリットを確かめれば、掛け持ちすべきかの判断が可能です。
ここまで見れば、ファクタリングの有効活用のヒントを学べるでしょう。
今回はファクタリングの掛け持ちをしたい事業者のため、何社まで契約可能かを解説します。
依頼先の掛け持ちのメリットやデメリットとともに見てください。
ファクタリングは何社まで利用できる？
同時利用できるファクタリング業者の数について、詳しく解説します。
ファクタリングの複数社利用に関するルールを見ていきましょう。
何社からでも見積もりを取れる
ファクタリングの利用前に、見積もりを取る事業者もいます。
実際は何社から見積もりを取っても問題ありません。
たとえば2社以上に売掛金の買取金額を見積もってもらっても、それ自体は罪に問われないのです。
むしろファクタリングでは、複数社からの見積もりが一般的といえます。
業者によってサービス内容や、手数料が異なるからです。
1社からしか見積もりを取らないと、査定結果が適正かわかりません。
たとえば依頼先の手数料が相場より高くても、事業者が気づかないこともあります。
このようなリスクに対処するため、相見積もりは重要です。
複数社に対するファクタリングの見積もり依頼について、法的な規制はありません。
事業者は見積もりの依頼先の数を、自由に決められます。
利用できる業者の数に制限はない
見積もりに加えて、契約可能な業者の数にも制限はありません。
ファクタリングでは同じ事業者から複数業者への依頼について、法的な規制がないのです。
そのため何社へ依頼しても、違法に問われません。
たとえば業者Aに依頼をしていて、売掛金の売却額の入金に時間がかかったとしましょう。
その間に業者Bや業者Cへ別の売掛金を売っても、違法にはなりません。
一事業者何社までという決まりがないので、利用の仕方は原則自由です。
ファクタリングでは「何社までしか利用できない」という決まりがありません。
そのため同じ時期に複数の業者と契約していても、法的な問題にならないのです。
事業者は資金調達が必要な限り、複数のファクタリング業者を自由に利用できます。
複数社契約をしても他社で不利になるわけではない
複数社契約をしても、他社で不利な契約を結ばされるわけではありません。
ファクタリング業者は多くの場合、事業者が別の業者へ売掛金を売却していても気づきにくいといえます。
ファクタリングには2社間契約と3社間契約があります。
2社間の場合、事業者と業者の間だけで契約が結ばれるしくみです。
ほかのファクタリング業者は、この契約に関与しません。
3社間契約では事業者と業者、売掛金の対象である取引先が契約対象です。
この場合も、事業者がほかのファクタリング業者へ別の売掛金を売却していても、契約違反には問われません。
こうした背景から、事業者はファクタリング業者を何社利用しても許されます。
売掛金やサービス内容に応じて、別々の業者を使い分けてもかまいません。
複数社契約と二重譲渡の違い
ファクタリングでは何社まで契約可能という規制がない一方、同じ売掛金の複数社への譲渡は違法です。
複数社を利用する事業者の一部は、二重譲渡を行うことがあります。
また悪意がなくても、売掛金の管理が甘いと、知らないうちに二重譲渡するケースもあるのです。
以上を踏まえて、複数社契約と二重譲渡の違いを確かめてください。
複数社契約に違法性はない
ファクタリングで複数社への契約自体は、違法ではありません。
何社まで契約可能という法的な規制がないからです。
「1社まで」や「3社まで」のような制約がないため、事業者は一人あたり何社利用しても認められます。
たとえば2つの業者との同時契約では、売掛金Aをファクタリング業者Aに、売掛金Bを業者Bに売却する形です。
別々の業者に、別々の売掛金を譲渡するのは、法的に認められます。
こうした理由から同じ事業者でも、異なる性質の売掛金を持っていれば、複数社を利用することがあるのです。
たとえば2つの売掛金を抱えていて、それぞれの金額が300万円と500万円だったとしましょう。
普段利用している業者Aの買取可能額が最低500万円の場合、500万円の売掛金は売却できます。
しかし300万円の売掛金は対応してもらえないので、買取可能額が低い別の業者を探さなければなりません。
このような事情も想定されるため、事業者は何社でもファクタリング業者を利用できます。
同じ売掛金の二重譲渡は違法性がある
ファクタリングを複数社利用する場合、売掛金の二重譲渡はやめてください。
同じ売掛金について、複数の業者と同時に売買契約を結ぶと、二重譲渡にあたります。
以上の行為は違法となり、業者から刑事告訴されるケースもあるのです。
たとえば特定の売掛金について、すでに業者Aと売買契約を結んでいたとしましょう。
同じ売掛金の売却を、業者Bに持ちかけると二重譲渡です。
業者Aへ譲渡済みの売掛金は、もう業者Bへ譲渡できません。
譲渡できない売掛金の買取額をだまし取れば、詐欺が成立します。
ファクタリング業者を複数利用する場合、それぞれに別々の売掛金を譲渡するのは合法です。
ただし同じ売掛金を、別々の業者へ譲渡すれば犯罪になります。
二重譲渡しないように売掛金の管理方法を決めておこう
複数のファクタリング業者を利用する場合、売掛金の管理方法を慎重に決めておきましょう。
複数社を利用している場合、うっかり二重譲渡する事業者もいます。
別の業者への売掛金の売却を忘れ、同じものを別の業者へ譲渡する形です。
この場合も業者へ損害を与えたとして、違法行為に問われることがあります。
社会的信用を失わないためにも、売掛金の丁寧な管理が欠かせません。
たとえば表計算ソフトで、売掛金の管理表を作ってください。
そこでファクタリングの依頼先や買取日などを記録しておくと、売掛金の取引履歴がわかります。
履歴をこまめにチェックすれば、譲渡済みの売掛金を別の業者へ譲渡せずに済むでしょう。
また会計ソフトの活用でも売掛金の入金や、ファクタリングの履歴を把握できます。
徹底的な売掛金の管理が、二重譲渡を防ぐポイントです。
ファクタリングの複数社利用のメリット3つ
ファクタリングの複数社利用には、さまざまなメリットがあります。
資金調達や契約条件などで、恩恵を受けられる可能性があるのです。
ここでは以下の3つのメリットを見ていきましょう。
1．必要資金を調達しやすい
2．条件のよい依頼先を見つけやすい
3．サービス内容に応じた使い分けが可能
1．必要資金を調達しやすい
最初のメリットは、必要資金を調達しやすいことです。
売掛金の金額に応じて、業者を使い分けるやり方があります。
業者によって利用可能額が違うため、売掛金の金額に合わせて依頼先を決めてください。
たとえば普段利用している業者の買取可能額が200万～5000万円の場合です。
この場合、1000万円や2000万円の売掛金なら、買い取ってもらえます。
ただし1億円の売掛金を抱えていて、早期の資金調達が必要な場合、普段の業者だと買い取ってもらえません。
買取可能額の上限が1億円以上の業者を探すことになります。
一方で複数業者と契約しておけば、買取可能額に応じて業者を使い分けられるのがメリットです。
あらゆる売掛金を資金化するなら、複数業者との契約も選択肢といえます。
2．条件のよい依頼先を見つけやすい
ファクタリング業者を複数社利用すれば、条件のよい依頼先を見つけやすいといえます。
優良業者の特徴は手数料の安さや、入金時期の早さなどです。
たとえば特定の業者を利用中に、手数料の安い業者を見つける事業者もいます。
前の業者の利用が終わる前でも、コストの安い別の業者との契約が可能です。
このようにして、条件の優れたファクタリング業者へ乗り換えてもよいといえます。
複数のファクタリング業者と関われば、条件のよい依頼先を見極められるのです。
3．サービス内容に応じた使い分けが可能
複数社を利用すれば、サービス内容に応じた業者の使い分けが可能です。
たとえばファクタリングのたびに、業者の店舗を訪れているとしましょう。
時期によっては本業が忙しく、店舗への移動が難しいかもしれません。
そこでオンライン契約可能な業者を使えば、売掛金の売買を手軽にできます。
インターネットによる手続きや面談を通し、売掛金を買い取ってもらえるしくみです。
仕事が忙しくて、店舗への移動時間が確保できない場合も助かります。
自社の状況に応じて使い分けられるように、複数社と契約を結んでもよいのです。
ファクタリングの複数社利用のデメリット2つ
ファクタリングを複数社利用する場合、デメリットに注意しなければなりません。
事務作業や、業者との関係性に影響が及ぶこともあります。
ここでは以下の2つのデメリットを見ていきましょう。
1．事務コストが増える
2．業者との信頼関係を築きにくい
1．事務コストが増える
最初のデメリットは、事務コストが増える点です。
ファクタリングは、何社まで利用できるかに関して、特段の規制がありません。
しかし多くの業者を利用するほど、各社で手続きをこなす必要があります。
業者によって手続きのルールが違うので、複数社契約には一定の注意を払ってください。
たとえば必要書類の多い業者だと、それだけ準備にも時間がかかります。
仮に書類不備があれば、手続きをやり直すことになり、資金調達が遅れることもあるのです。
手続きが面倒な場合は、依頼先を一社に絞った方が、スムーズに準備を進められるかもしれません。
2．業者との信頼関係を築きにくい
複数社の契約により、特定業者との信頼関係を築きにくいといえます。
業者の使い分けにより、売掛金の取引実績も各業者へ分散するからです。
一社ごとの取引実績が乏しいことで、信頼関係の構築に時間がかかります。
特定のファクタリング業者と強固な関係性を築くなら、1社と積極的に付き合う選択肢もあります。
ファクタリングは何社まで契約できるかのまとめ
ファクタリングにおいて、何社まで契約できるかの規則はありません。
依頼先の掛け持ちに関して、厳密な規制がないため、事業者は何社でもファクタリング業者を利用できます。
複数社の利用により、好条件を見つけやすくなったり、使い分けをしたりできるのがメリットです。
一方、特定業者の信頼関係の築きにくさや、手続きに時間がかかるリスクなどに注意してください。
それでも事業者によっては、複数の業者の利用でファクタリングをしやすくなります。