ファクタリングは補助金や助成金の受給に役立つ？活用方法を解説
目次
補助金や助成金は、事業の継続に欠かせません。
しかし自己資金をはじめ、一定の条件を満たすことが必要です。
そこでファクタリングを活用すれば、自己資金を増やし、補助金や助成金を受け取りやすくなります。
ファクタリングで補助金や助成金自体を受け取ることも可能です。
今回は補助金や助成金を目的とした、ファクタリングの活かし方をまとめました。
これを学べば、まとまった資金の調達に役立ちます。
補助金や助成金には自己資金を要することがある
国や自治体は、数多くの補助金や助成金を扱っています。
しかし一部は、一定の自己資金が条件です。
自己資金がないばかりに、補助金や助成金を受け取れない企業もあります。
公的機関からのサポートを受けられなくて、資金に悩む企業もあるでしょう。
しかし売掛金があれば、ファクタリングで国からのサポートにつなげられます。
売掛金を業者に買い取ってもらい、自己資金を十分に蓄えれば、補助金や助成金の受給条件を満たせるからです。
売掛金だけでなく、公的機関からの経済的支援により、キャッシュフローを大きく改善できます。
このように補助金や助成金が目的でも、ファクタリングが有効です。
ファクタリングは補助金や助成金の受給につながる
ファクタリングを利用すれば、補助金や助成金のきっかけをつかめます。
事業規模が小さかったり、信用度が低かったりしても、ファクタリングの活用が可能です。
資金調達をきっかけに、補助金や助成金の条件を満たす企業もあります。
公的機関からの資金支援を見据えたファクタリングの活用について、4つの要点を見ていきましょう。
自己資金を増やし補助金や助成金の条件をクリアできる
ファクタリングで自己資金を増やし、補助金や助成金の条件をクリアする企業があります。
企業によっては、手元に資金があまり残っていません。
しかし一部の補助金や助成金は、一定の自己資金を条件としています。
なおかつ借入金を自己資金として認めないケースもあるのです。
しかしファクタリングを使えば、返済義務を負わないで資金調達できます。
借り入れではないので、売掛金を売った分だけ、資金を手に入れられるのです。
さらに業者によっては即日や、2～3日で売掛金の代価を入金します。
補助金や助成金の募集締め切りが近いときも、早期の資金調達が可能です。
自己資金の条件に合わせるため、ファクタリングが役に立ちます。
企業の信用度が低くても資金調達できる
ファクタリングなら、企業の信用度に関わらず資金調達できます。
審査時は取引先の信用力が重要視されるからです。
企業の業績がよくなくても、取引先が健全なら売掛金を売却できます。
ファクタリング業者は、原則として企業の状況を問わず、柔軟に対応するのです。
売掛金の売却は、銀行融資よりうまくいきやすいでしょう。
融資では企業の信用力が問われるため、経営状態がよくないと審査に通過できません。
借入金の返済が必要なので、企業の支払能力が不十分だと断られます。
しかしファクタリングは、取引先の健全性が重要です。
そのため融資を断られた企業でも、審査を通過できるでしょう。
ファクタリングでは企業の業績を問わず資金調達ができ、補助金や助成金のために自己資金を増やせます。
調達困難な金額も得られる
ファクタリングを利用すれば、調達困難な金額も得られます。
事業規模が小さいと、融資では思いどおりの資金調達が難しいでしょう。
審査に通過できても、限度額が企業の希望を下回るかもしれません。
しかしファクタリングなら、融資の限度額以上の資金を得られることがあります。
たとえば大口の売掛金を持っていれば、ファクタリングによる一括換金で、多額を得られます。
取引先の規模が大きければ、数千万や億単位の売掛金を持てるのです。
それをファクタリングにかければ、まとまった金額を調達できます。
補助金や助成金に自己資金の条件があっても、大口の売掛金の換金でクリアできるでしょう。
融資で調達しづらい金額も、ファクタリングで得られます。
取引先に知られないでファクタリングを活用できる
ファクタリングのメリットとして、取引先に知られないで活用できる点もあります。
2社間ファクタリングなら、企業と業者だけで契約を結ぶしくみです。
取引先に気づかれないように、早期の資金調達を済ませられます。
売掛金の売却後、取引先からは従来どおり売掛金の相当額を受け取ってください。
それをファクタリング業者に渡せば、手続きが完了します。
ただし3社間ファクタリングだと、取引先に売掛金の譲渡を通知しなければなりません。
通知を受けた取引先は、企業への信頼を置かなくなるおそれがあります。
売掛金の支払期日前に資金が必要とわかれば、企業の資金繰りの悪化を疑うからです。
補助金や助成金が目的でも、取引先に知られたくなければ2社間ファクタリングが推奨されます。
補助金や助成金をファクタリングで早期に受け取れることも
ファクタリングでは、補助金や助成金自体も早期に調達できます。
一部ファクタリング業者が、補助金や助成金が対象のファクタリングを扱っているのです。
国や自治体からの支援金は、企業への入金まで数カ月かかることが多いといえます。
なかには交付決定から入金まで、1年かかるケースも見られるのです。
しかしファクタリングを利用すれば、補助金や助成金の入金を実質的に早められます。
たとえば補助金を電子記録債権化して、ファクタリングで早期に資金化する業者もいます。
この場合も入金まで数カ月かかる補助金を、短期間で入手できるのです。
資金繰りが厳しくなったときは、補助金や助成金のファクタリングも考えてみましょう。
現金化を早めて、経営状況を改善できます。
補助金や助成金のためにファクタリングを行うときの注意点4つ
補助金や助成金を目的としたファクタリングの利用には、さまざまな注意点があります。
事業の性質や目的に応じて、どちらを受け取るべきか考えましょう。
また状況次第で補助金や助成金を受け取れなかったり、ファクタリングができなかったりします。
ファクタリングや補助金などの注意点を、以下で4つまとめました。
1．補助金と助成金の違いを知ろう
2．適切な事務処理をしないと補助金を受け取れないことがある
3．補助金や助成金自体は支払期日次第でファクタリングできない
4．ファクタリングで収益が減る
1．補助金と助成金の違いを知ろう
補助金と助成金は違うので、事業目的に応じて応募先を決めてください。
ファクタリングの前に、適切な応募先をはっきりさせましょう。
補助金は新規事業や研究開発など、主に新しいビジネスが目的です。
経済産業省の管轄で、受給額の相場は数百万円以上に及びます。
また補助対象となる経費も、幅広いのが特徴です。
一方助成金は、労働環境改善や人材育成など、企業の維持を目的としています。
厚生労働省が管轄しており、受給額の相場は数十万円から100万円程度です。
労務や人事、育成、設備投資など、労働環境に関する経費が対象です。
補助金と比べると、活用範囲が狭く、条件も厳しいといえます。
国や自治体から資金援助を受ける場合、その用途を明確化しましょう。
2．適切な事務処理をしないと補助金を受け取れないことがある
ファクタリング後も、適切な事務処理をしないと補助金や助成金を受給できない可能性があります。
資金援助を受けるなら、事業期間終了から締め切りまでに、報告書や支払証明の書類を提出しなければなりません。
必要書類を出さなかったり、目的外の経費支出があったりすると、受給を認められないおそれがあります。
受給の条件が整ったら、提出書類の管理を徹底してください。
たとえば試作関連の補助金を申請した場合です。
量産用の機械購入は、補助金対象の経費として認められず、受給を拒否されることがあります。
機械はレンタルかリースで導入し、補助期間内における試作作業の分だけ資金援助をしてもらうのが適切です。
補助金や助成金をもらうなら、受給条件を満たせるように、事務処理の体制を整えてください。
3．補助金や助成金自体は支払期日次第でファクタリングできない
補助金や助成金自体は、支払期日によってファクタリングできないことがあります。
受給決定から入金までの時期について、長すぎる可能性があるからです。
基本的に支払期日が遠すぎる売掛金だと、ファクタリングの審査に通らないおそれがあります。
補助金や助成金が対象でも、同様のケースが起きるかもしれません。
ファクタリング業者は補助金・助成金ファクタリングで、企業に一定額を入金します。
国や自治体に代わって、支給額を肩代わりする形です。
しかし補助金や助成金の入金時期が遠すぎると、肩代わりする側の負担が続きます。
そのため入金時期が遠すぎると、補助金や助成金のファクタリングを断られるかもしれません。
補助金や助成金によって、受給決定から支払時期までのスパンが異なります。
確実にファクタリングするなら、支払時期が遠すぎないものを対象にしましょう。
4．ファクタリングで収益が減る
ファクタリングを利用すると、収益が減る点に要注意です。
手数料によって、企業の手取りが減ります。
たとえば補助金目的で、売掛金を売却する場合です。
補助金の条件である自己資金をクリアできても、収益の一部が犠牲になります。
売掛金から手数料が差し引かれるからです。
また補助金や助成金自体をファクタリングするときも、手数料で手取りが減ります。
そのためファクタリングを利用するなら、売却にかかるコストを想定してください。
手数料を差し引いた調達額で、どこまで自己資金を増やせるか確かめましょう。
補助金や助成金を目的としたファクタリングのまとめ
補助金や助成金の受給条件を満たすうえで、ファクタリングが役立ちます。
国や自治体から企業に対する資金援助のうち、一部は一定の自己資金が条件です。
しかしファクタリングで売掛金を売れば、自己資金をクリアできるかもしれません。
また補助金や助成金自体をファクタリングできる業者も存在します。
公的機関からの資金援助のために、売掛金を売却するのも選択肢です。