ファクタリング情報

評判の良いファクタリング事業者を見つける方法とは?―悪徳業者を避けるポイントも紹介

ファクタリングはここ数年の間に資金調達手段として広く認知されるようになりました。

一方で、急速なサービスの拡大に伴い、ヤミ金融などの悪徳業者がファクタリングを偽装し資金需要のある企業や個人事業主を騙すケースが報告されています。

しかし、大半のファクタリング事業者は利用者からの評判が良い安心して依頼ができる事業者です。

ファクタリングを初めて利用するという方の中には、評判の良い事業者を見つける方法、悪徳事業者を見分けるポイントを知りたいという方がいらっしゃいます。

そこで、この記事では評判の良いファクタリング事業者を見つける方法、悪徳業者の特徴や手口を紹介します。

評判の良い事業者を見つける方法

評判の良い事業者かどうか見極めるために、利用を検討している事業者がいくつかあれば、その事業者について以下の点をチェックしてください。

● 企業情報
● 資本提供をしている親会社
● これまでの実績
● ファクタリング手数料
● 審査基準
● 特定の団体に所属しているかどうか
● 口コミ

それぞれのチェックポイントについて、それがなぜ評判の良いファクタリング事業者を見つけることにつながるのかを解説します。

企業情報

評判の良いファクタリング事業者は正確な企業情報を公開しています。それをチェックすることで安心して利用できる事業者かどうか判断できるでしょう。

ファクタリング事業者の大半が公式サイトを持っており、その中で「会社概要」として次の情報を公開しています。

● 社名
● 所在地
● 代表者名
● 設立年月日
● 資本金
● 事業内容
● 従業員数
● 取引金融機関
● 電話番号

公式サイトで公表している会社情報と、「国税庁 法人番号公表サイト」で入手できる情報を比較し、利用を検討しているファクタリング事業者が実在している会社かどうか、公開している情報が正確かどうかをチェックしてください。

「国税庁 法人番号公表サイト」では、法人番号指定を受けた会社について、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号を公表しています。

公式サイトの情報と、法人番号公表サイトの情報が一致しないなら、評判の良い事業者とみなすことは難しいでしょう。

資本提供している親会社

評判の良いファクタリング事業者を見つけるために、事業者の親会社についてチェックしてください。

ファクタリング事業者は親会社との関係で次の3つに分類できます。以下の3種類に大別できます。

● 銀行系:銀行が親会社として出資し運営しているファクタリング
● ノンバンク系:消費者金融やカード会社、信販会社が親会社として出資し運営しているファクタリング
● 独立系:銀行やノンバンクなどを親会社として持たず、独立的かつ専門的にファクタリングサービスを提供する事業者

銀行系・ノンバンク系のファクタリング事業者は、親会社がしっかりしているので評判が良く安心して利用できます。

独立系のファクタリングは親会社が大手企業や有名企業ではないので心配、悪徳業者が混ざっているかもしれないから不安という方がいらっしゃいます。

しかし、ファクタリング業界は利用者が安心して利用できるサービスとなることを目指して日々努力しており、利用者も評判の良い事業者とそうでない事業者を見分ける知識を身に着けています。

そうした結果、悪徳業者は淘汰されているのが事実です。

独立系ファクタリングでも、公式サイトで丁寧にサービス内容や利用の仕方を説明しており、これまでの実績や利用者の口コミなどを公開しているところであれば、評判の良い事業者として利用できるでしょう。

ちなみに、銀行系・ノンバンク系・独立系のファクタリングにはそれぞれ以下の特徴があります。

● 銀行系:手数料が安い、取り扱うファクタリングの種類が多い、大口債権にも対応可能
● ノンバンク系:手数料は銀行系より高いが独立系よりは安い、審査から入金までの期間は銀行系より短い
● 独立系:銀行系・ノンバンク系より審査が甘い、最短即日で売掛債権の資金化が可能

それぞれの特徴を踏まえて、自社の資金ニーズに合ったふさわしい事業者を選んでください。

実績

ファクタリング事業者の中には公式ページで、これまでの実績やサービスを公開しているところがあります。一般的に公開されている実績の情報は以下の通りです。

● 創業時期・運営年数
● 実績のある業界
● 取引した会社の情報(年商・業種・事業内容など)
● 調達金額
● 調達日数
● 手数料
● 審査通過率

開業したてのファクタリング事業者は、利用者が少ないので口コミ評価などからその事業者が評判の良い事業者かどうか判断するのが難しいです。

初めてファクタリングを利用する場合、運営年数などを調べて、ある程度実績のある事業者を選ぶことをおすすめします。

さらに、自社と同じ業界・業種で取引実績があるファクタリング事業者を選ぶのもおすすめです。

同業者との取引実績があるので、業務内容や資金繰りの悩みについて相談しやすく、売掛先の情報をすでに持っている可能性があるので、申し込みから資金調達完了までスムーズに事が運ぶことを期待できます。

手数料

評判の良いファクタリング事業者を見つけるためには、手数料もチェックしてください。

相場よりもかなり高い手数料、またはかなり安い手数料を提示してくるファクタリング事業者には警戒が必要です。

ちなみに、ファクタリング手数料は、2社間方式なら売掛債権の8%~18%、3社間方式なら売掛債権の2%~9%あたりが相場になります。

すぐに現金が欲しいという会社の弱みに付け込んで、相場よりもかなり高い手数料を支払えば即日で入金すると話を持ち掛ける事業者は悪徳業者です。

一方で、納得できる理由がないのに相場よりもかなり低い手数料を提示してくる事業者にも注意してください。

相場よりも安い手数料で契約を持ち掛け、契約してから手付金や保証金という名目で、従来ファクタリングでは発生しない料金の支払いを請求するからです。

手数料が相場の範囲内で、その説明に納得できる根拠があれば、評判の良い優良なファクタリング事業者とみなせるでしょう。

審査基準

ファクタリングには与信審査があります。与信審査により、ファクタリング事業者は売掛債権の存在を確認し、売掛金がきちんと回収できるかどうかを判断し、手数料の割合を設定するからです。

したがって、審査に必要な書類の提出が不要、審査なしで契約可能といったファクタリング事業者は評判の良い事業者とはいえません。

そうした事業者と取引すれば、後で大きなトラブルになるので絶対に契約しないでください。

特定の団体に所属している

ファクタリング事業者の中には、国からの認定を受けている団体や特定の業界団体に所属しているところがあります。

利用を検討している事業者が特定の団体に所属していれば、評判の良い事業者と判断できるでしょう。

たとえば、ファクタリング事業者が所属している団体には以下のものがあります。

● 認定経営革新等支援機関(認定支援機関)
● 一般社団法人オンライン型ファクタリング協会

認定支援機関は、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として国の認定を受けた税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関などが所属する団体です。

一般社団法人オンライン型ファクタリング協会は、業界ガイドラインの整備や正しい情報の広報・啓発活動をおこない、オンライン型ファクタリングを安心して利用できるよう環境整備することを目的として設立された団体です。

口コミ

評判の良いファクタリング事業者を見つけるために、利用者の口コミをチェックできます。

ファクタリング事業者の口コミ・比較サイトで利用者の評価を調べることが可能です。さらにファクタリング事業者の中には公式サイト内で利用者の口コミを掲載しているところがあります。

利用者の口コミには、利用者の事業内容、調達できた金額、手数料、サービスに対する感想などがかかれているので、評判の良い事業者かどうか判断するための材料にしてください。

悪徳業者を見分けるポイント

評判の良いファクタリング事業者を見つけるためには、悪徳業者の特徴や手口を知っておくことが必要です。

悪徳業者を見分けるポイントには以下のものがあります。

● 偽装ファクタリング
● 担保や保証人を要求する
● 見積書・契約書がない

それぞれの特徴や手口について説明します。

偽装ファクタリング

ファクタリングを装って利用者を勧誘し、最終的に貸付の契約をさせる偽装ファクタリングに注意してください。

おおまかな手口は以下の通りです。

● 「売掛債権を買取し即日入金に対応します」といった形でファクタリング事業者を装い勧誘する
● 売掛債権を担保とする貸付の契約を結ばせる

通常のファクタリングは売掛債権についての債権譲渡契約であり、償還請求権なしの契約となっているので、売掛先が売掛金を支払えなくなっても、利用企業側に弁済責任が生じることはありません。

しかし、悪徳業者はそのあたりをうまくごまかし、償還請求ありの契約を結ばせます。

償還請求権ありの契約なら、万が一売掛先が倒産し売掛金回収不能となった場合、利用企業側が弁済責任を負うことになります。

こうした償還請求権ありのファクタリング契約は、売掛金を担保とした貸付の契約と実質的に同じものとなり、貸金業としての登録がなければ、そうした行為はおこなえません。

万が一、こうした契約を締結させられる場合は、貸金業の登録確認をしてください。貸金業の登録がなければ偽装ファクタリングとみなし、契約しないのが賢明な対処法です。

担保や保証人を要求する

契約には担保や保証人が必要というファクタリング事業者は悪徳事業者なので契約しないでください。

ファクタリングは金銭消費貸借契約ではないので、担保や保証人は不要です。

さらに、ファクタリング事業者が売掛金回収不能のリスクを回避するため、利用企業に担保や保証人を求めれば、それは融資に該当し貸金業法に抵触します。

したがって、担保や保証人が必要というファクタリング事業者は、評判の良い事業者ではなく悪徳業者です。

見積書・契約書がない

ファクタリング事業者に売掛債権の買取を申し込めば、事業者から見積書の提出があるのが一般的です。

見積書がない、その内容があいまいという場合は悪徳業者の可能性があります。

見積書の内容について明確な根拠がなく、おおまかな金額のみが記載されている、本来ファクタリングでは発生しない手付金や保証金、審査費用などの項目が追加されている場合は危険です。

さらに、契約書を作成しない、契約書を作成しても控えを渡さない事業者は悪徳業者とみなせます。

契約書を作成すると、手付金や保証金、登録手数料、審査費用などの名目で追加の費用を請求し、利用者を騙すことができなくなるからです。

評判の良い事業者は、丁寧な見積書を作成し、契約書の作成と控えの提出をしてくれます。ファクタリング事業者を選ぶ際には、見積書・契約書の作成をきちんとしてくれる事業者を見つけてください。

安心して利用できるファクタリング事業者についてのまとめ

この記事では評判の良いファクタリング事業者を見つけるためにチェックできるもの、悪徳業者を見分けるためのポイントなどを紹介しました。

大半のファクタリング事業者は評判の良い優良事業者です。しかし、わずかな悪徳業者の存在によりファクタリングそのものが信用できない取引という印象を持たれています。

ファクタリング事業者には、銀行系・ノンバンク系・独自系の事業者があり、それぞれが質の高いサービスで利用者から良い評判を得ているので、安心して利用できるファクタリング事業者を探すことは可能です。

売掛債権をもっと早く資金化したい、資金調達手段を増やしたいという経営者は、評判の高いファクタリング事業者を選んでください。そうすれば資金繰りの悩みは解決するでしょう。