安心して利用できるファクタリング事業者を見分ける方法―悪徳業者を見分ける方法も紹介
目次
ファクタリングは最近になり、中小企業や個人事業主向けの資金調達手段として広く利用されるようになりした。
業界の急速な拡大に伴い、ヤミ金融などがファクタリングを装い利用者を騙すケースが報告されているので「ファクタリングは怖いもの」というイメージを持っている方がいらっしゃいます。
しかし、大半のファクタリング事業者は健全な経営をおこなっているので、安心して利用できます。
そこで、この記事では、安心して利用できるファクタリング事業者を見分けるポイント、悪徳業者の特徴や手口を紹介します。
安心して利用できる事業者を見分けるポイント
安心して売掛債権の買取が依頼できるファクタリング事業者を見分けるポイントを紹介します。
安心して利用できるファクタリング事業者を見分けるポイントは以下の6つです。
● 企業情報の信頼性
● 親会社
● 実績
● 手数料
● 審査基準
● 特定の団体に所属している
それぞれのポイントについて、それがなぜ安心できるファクタリング事業者を見分けることにつながるのかを説明します。
企業情報の信頼性
安心して利用できるファクタリング事業者かどうかを判断するために、まずは企業情報の信頼性を確認してください。
たいていのファクタリング事業者が公式サイトで「会社概要」として、一般的に以下の情報を公開しています。
● 会社名
● 所在地
● 電話番号
● 資本金
ファクタリング事業者についてこうした情報を入手し、「国税庁 法人番号公表サイト」で実在している会社かどうかを調べることができます。
「国税庁 法人番号公表サイト」では、指定を受けた法人について、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号を調べることが可能です。
ファクタリング事業者が公表している情報と、法人番号公表サイトの情報が違えば、安心して利用できるとは言えないので利用を控えるのが賢明です。
親会社
安心して利用できるファクタリング事業者かどうかを調べるために、事業者の親会社がどこなのかを調べることができます。
ファクタリング事業者は親会社との関連で以下の3種類に大別できます。
● 銀行系:銀行が親会社として出資し運営しているファクタリング
● ノンバンク系:ノンバンクと呼ばれる消費者金融や信販会社、クレジットカード会社親会社として運営しているファクタリング
● 独立系:銀行やノンバンク、大手企業が親会社として運営しておらず、独立的・専門的にサービスを提供するファクタリング
100%悪徳業者ではない安心できるファクタリング事業者を選びたいなら、銀行系・ノンバンク系のファクタリング事業者がおすすめです。
独立系のファクタリング事業者は、親会社が銀行やノンバンクではないので、悪徳業者が混ざっているという意見があります。
しかし、ファクタリング業界も進歩発展しており、利用者も知識を身に着けているので、悪徳業者は淘汰されているのが現状です。
口コミサイトなどで紹介されており、利用者からの評判も良いものであれば、独立系のファクタリング事業者でも安心して利用できるでしょう。
実績
ファクタリング事業者の中には公式ページで、サービスを提供してきた業界や業種、買取額、利用者の利用目的、利用者数といった実績を公表しているところがあります。
利用者が多いファクタリング事業者なら、利用者の満足度が高く信頼できる事業者なので安心して利用できるでしょう。
さらに、自社と同じ業界・業種で実績があるファクタリング事業者ならば、相談もしやすく、売掛先についても情報をすでに持っている可能性があるので、申し込みから資金調達完了までスムーズに物事が進むことを期待できます。
手数料
相場よりもあまりにも高い手数料、もしくは安い手数料を提示してくるファクタリング事業者には注意が必要です。
一般的なファクタリングの手数料の相場は以下の通りです。
● 2社間方式:売掛金額の8%~18%
● 3社間方式:売掛金額の2%~9%
資金繰りに困っていることに付け込んで、高額な手数料を支払えばすぐに売掛金を買取すると持ち掛けてくる事業者は悪徳業者です。
一方で、根拠がない状態で相場よりも低い手数料を提示してくる事業者にも注意が必要です。
そうした業者は、手数料以外に手付金や保証金という名目で、本来ファクタリングでは支払う必要のないお金を請求してくることがあります。
手数料が相場の範囲内で、その数字に納得できる説明があれば、安心して利用できるファクタリング事業者とみなせるでしょう。
審査基準
ファクタリングを申し込めば必ず審査があります。審査により、ファクタリング事業者は売掛債権の存在を確認し、売掛金未回収のリスクを判断し、手数料の割合を設定するからです。
したがって、審査に必要な書類の提出が不要、審査なしで契約可能といったファクタリング事業者は、まともに審査しているとは言えないので、安心して利用できる事業者とはみなせません。
特定の団体に所属している
ファクタリング事業者の中には特定の団体や、国からの認定を受けている団体に所属しているところがあります。そうしたファクタリング事業者であれば安心して利用できるでしょう。
ファクタリング事業者が所属している団体の例には以下のものがあります。
● 一般社団法人オンライン型ファクタリング協会
● 認定経営革新等支援機関(認定支援機関)
一般社団法人オンライン型ファクタリング協会は、「オンライン型ファクタリングを安心して利用できる環境を整備し、ファクタリング市場の健全な発展のために、業界ガイドラインの整備や正しい情報の広報・啓発活動」をおこなう団体です。
認定経営革新等支援機関は、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)です。
こうした団体に所属しているファクタリング事業者を選べば、騙される心配なく安心してファクタリングが利用できます。
悪徳業者の手口や特徴
安心して利用できるファクタリング事業者を選ぶためには、悪徳業者がよく用いる手口や特徴を知っておくことも必要です。
代表的な悪徳業者の手口や特徴には以下のものがあります。
● 担保や保証人を要求する
● 契約書を作成しない
● 償還請求権ありの契約を求める
それぞれの手口や特徴について説明します。
担保や保証人を要求する
金融機関からの融資を受ける際には、担保や保証人を求められることがあります。
一方ファクタリングは、売掛債権の売買であり金銭消費貸借契約ではないので、担保や保証人は不要です。
ファクタリング事業者が売掛金未回収のリスクに備えるために担保や保証人を求めれば、それは融資となり貸金業法に抵触します。
したがって、契約するには担保や保証人が必要というファクタリング事業者は、ファクタリング事業者を装った偽装ファクタリングです。そうした悪徳業者とは契約しないでください。
契約書を作成しない
契約時に契約書の作成をしない、もしくは契約書を作成しても控えを渡さないというのは、悪徳業者の特徴です。
悪徳業者は、審査費用や保証金、遅延損害金といった名目を付けて追加の手数料を要求します。契約書を作成すると、こうした手口で騙すことができなくなるので契約書を作成する、または控えを渡すということをしません。
契約書を作成し、控えを渡してくれる事業者は安心できます。契約手続きをきちんとしてくれる事業者を選んで取引してください。
償還請求権ありの契約を求める
ファクタリングの契約は基本的に償還請求権なしのノンリコース契約です。
償還請求権とは、債務者が金銭債権の支払いをしない場合、金銭債権をさかのぼり直接請求できる権利です。
償還請求権なしの契約なら、万が一売掛先が倒産しファクタリング事業者が売掛金を回収できなくなっても、ファクタリングを利用した企業に弁済責任が問われることはありません。
悪徳業者は、償還請求権ありの契約にすることで、売掛金が回収不能になった場合、利用企業に弁済責任を負うように取り決めます。
本来ファクタリングでは、回収不能のリスクがある程度高ければ、手数料を高くすることでファクタリング事業者はそのリスクに備えます。
高い手数料でなおかつ償還請求権ありの契約を求めてくる事業者であれば、安心して取引はできないので、絶対に契約しないでください。
安心して利用できるファクタリング事業者についてのまとめ
安心して利用できるファクタリング事業者を見分けるポイント、悪徳業者の手口や特徴を紹介しました。
大半のファクタリング事業者は安心して利用できますが、一部の悪徳業者の影響で、ファクタリング自体が恐ろしいという印象を持たれています。
しかし、銀行やノンバンクが親会社のファクタリング事業者、独自のサービスで実績を積んでいる独立系のファクタリング事業者など安心して利用できる事業者はたくさんあります。
キャッシュフローを改善したい、資金調達手段を増やしたいという経営者は、安心して利用できるファクタリング事業者を選んでください。そうすれば資金繰りの悩みもすぐに解決できるでしょう。