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介護報酬でファクタリングは可能!?介護事業の資金確保にファクタリングを推奨する理由を紹介

介護事業を継続していく上で運転資金の確保が問題になることがあります。

運転資金の確保で悩んでいる介護事業者におすすめなのが、介護報酬ファクタリングです。

しかし、経営者の中には「介護報酬ファクタリングを利用した経験がない」「介護報酬の仕組みをよく知らない」という方がいらっしゃいます。

そこで、この記事では介護報酬ファクタリングとは何か、介護報酬ファクタリングが資金繰りの悩みを解決できるのはなぜか、介護報酬ファクタリングの利用によるメリット、利用する際の注意点を紹介します。

介護報酬ファクタリングとはどのような資金調達手段?

ファクタリングは、会社が保有する売掛債権をファクタリング事業者に買取してもらい、会社はその買取代金を受け取ることで、売掛金の入金期日より前に売掛債権を現金化できます。

介護報酬ファクタリングにおいて、売掛先となるには国民健康保険団体連合会で、売掛債権に該当するのが介護報酬です。

介護報酬ファクタリングのプロセス

次に、契約から資金調達までのプロセスを解説します。流れは以下の通りです。

 債権譲渡契約を介護事業者とファクタリング事業者で締結
 介護事業者が国民健康保険団体連合会に介護報酬を請求
 ファクタリング事業者が介護事業者に請求した介護報酬の約8割を先払い
 ファクタリング事業者が国民健康保険団体連合会から介護報酬(売掛金)を受け取る
 ファクタリング事業者が介護事業者に介護報酬の残金を支払う

ファクタリング事業者は、売掛債権を買取する際に、売掛債権の額に一定の比率の掛け目(買取率)をかけて買取金額を計算します。

たとえば100万円の介護報酬で掛け目が80%なら、先払いで手にする金額は80万円です。

掛け目は保証金と同じような役割なので、ファクタリング事業者が介護報酬の入金を確認すれば、掛け目で差し引いた金額が返還されます。

介護報酬ファクタリングのプロセスを理解したところで、介護サービス提供から資金調達完了までのプロセスを具体的な数字を使い説明しましょう。

 4月1日~4月30日:利用者への介護サービス提供
 5月10日:国民健康保険団体連合会へ4月分の介護報酬として300万円を請求
 5月10日からおよそ5営業日以内:ファクタリング事業者から介護事業者へ約240万円の入金
 6月下旬:国民健康保険団体連合会よりファクタリング事業者へ300万円の入金
 6月下旬から7月上旬:ファクタリング事業者から介護事業者へ残金の入金

上記の例では、ファクタリング事業者の掛け目を80%とし計算しました。

先払いの際には、介護報酬300万円に掛け目をかけた金額からさらにファクタリング事業者の手数料を引いた金額が入金されます。

介護報酬ファクタリングは資金繰りの悩みを解決する

介護事業を営んでいる方に介護報酬ファクタリングを推奨するのは、それが資金繰りの悩みの解決策となるからです。

事業所が資金繰りに悩む原因には次のものがあります。

 介護報酬の支払いはサービス提供月からおよそ2ヶ月後
 利用者の減少などで介護報酬が少なくなるケースがある
 銀行融資や公的融資を受けるのが難しい

介護事業では、給与、家賃、水道光熱費、燃料費、備品・消耗品などの購入費、設備の維持費などの経費が毎月発生します。

さらに、設備の修理費など急な支払いが発生することもしばしばです。

しかし、介護報酬の入金は、サービス提供月からおよそ2ヶ月後です。さらに、利用者の減少や融資を受けるのが難しいといった理由で思ったように資金が確保できないことがあります。

こうしたことが原因で運転資金が足りないという状況が生じることがあるでしょう。そのピンチを救ってくれるのが介護報酬ファクタリングです。

介護報酬ファクタリングなら、サービス提供月から2ヶ月後の介護報酬の入金を待つ必要がありません。

国民健康保険団体連合会に介護報酬を請求してから5営業日程度で入金があるので、各所への支払いをスムーズにおこなうことができます。

介護報酬ファクタリングのメリット

介護報酬ファクタリングを利用するメリットには以下のものがあります。

 回収サイトが短くなる
 負債にならない
 審査が厳しくない
 他の買取型ファクタリングより手数料が低い
 担保や保証人を差し出す必要がない

それぞれのメリットについて具体的な内容を解説します。

回収サイトが短くなる

介護報酬ファクタリングを利用すれば回収サイト(売掛金が計上されてから実際に入金されるまでの期間)が短くなります。

通常、介護サービスを提供してからおよそ2ヶ月後に介護報酬は入金されます。

一方、介護報酬ファクタリングでは、ファクタリング事業者によって異なりますが、毎月10日の介護報酬請求から5営業日程度で最初の入金があります。

したがって、通常の2ヶ月後の回収サイトより、およそ1.5ヶ月回収サイトを短くすることが可能です。

回収サイトが短くなれば、運転資金の不足に悩むことが少なくなります。そうなれば余裕を持った経営ができるでしょう。

負債にならない

別のメリットは、介護報酬ファクタリングは負債にならないという点です。ファクタリングは売掛債権という自社が持つ資産をファクタリング事業者に売却することなので負債にはなりません。

負債ではないので、融資やビジネスローンを利用した場合に発生する返済義務や金利負担はありません。

融資やビジネスローンといった借入以外の方法で資金調達したいという介護事業の経営者は、介護報酬ファクタリングをご利用ください。

審査が厳しくない

ファクタリングを利用するには審査に通過する必要があります。しかしファクタリングの審査は融資を受けるための与信審査と比較するとそれほど厳しくありません。

与信審査では資金調達を希望する会社の経営状況や事業規模などが詳細に調査され、返済能力が乏しい、信用力が低いと判断されれば審査に落ちます。

ファクタリングの審査では基本的に資金調達を希望する会社の信用力は重要視されません。

ファクタリングの審査で注目されるのは売掛先の信用力です。ファクタリング事業者が売掛先について売掛金を支払う能力があると判断できれば審査に通過できます。

資金調達を希望する会社が赤字や債務超過の場合でも、売掛先の信用力が高ければ審査に通る可能性が高いです。

介護報酬ファクタリングの売掛先は、国民健康保険団体連合会という公共団体です。ファクタリング事業者は売掛金未回収のリスクがほぼないと判断できます。

他の買取型ファクタリングより手数料が低い

介護報酬ファクタリングは他の買取型ファクタリングより手数料が低い点がメリットです。

一般的な3社間ファクタリング手数料の相場は売掛債権の2%~9%、介護報酬ファクタリングでは0.25%~1%が相場になります。

ファクタリング事業者は売掛金未回収のリスクが高ければ、手数料を高くします。

売掛先である国民健康保険団体連合会に倒産などによる売掛金未回収のリスクはほぼありません。したがって介護報酬ファクタリングは手数料を低く設定できるわけです。

担保や保証人を差し出す必要がない

担保や保証人がいらないという点がメリットです。

融資を受ける際には、担保や保証人を求められることがありますが、ファクタリングは、売掛債権の売買であり金銭消費貸借契約ではないので、担保や保証人はいりません。

ファクタリング事業者が売掛金未回収のリスクに備えるため担保や保証人を要求すれば、融資となり貸金業法に抵触します。

介護報酬ファクタリングを利用する際の注意点

介護報酬ファクタリングを利用する際の注意点は以下の2つです。

 介護報酬全額の資金化はできない
 悪徳業者に騙されないようにする

それぞれの注意点について具体的な内容を解説します。

介護報酬全額の資金化はできない

介護報酬ファクタリングを利用する際には、介護報酬の全額を資金化することはできないという点に注意してください。

ファクタリングを利用すれば、介護報酬の請求額からファクタリング事業者の手数料が引かれるからです。

さらに、支払いも1回ではなく、2回に分けておこなわれます。

最初に介護報酬から掛け目と手数料を引いたものが入金されます。

次は、ファクタリング事業者が介護報酬の入金を確認してからです。2回目では、掛け目で引かれた分の残金が入金されます。

悪徳業者に騙されないようにする

ファクタリングは最近になり一般化してきた資金調達サービスです。新しいサービスであるがゆえにファクタリングを装った悪徳業者の存在も報告されています。

介護報酬のファクタリングを取り扱う事業者の大半は優良な事業者ですが、一部悪徳業者が混ざっている可能性があります。

悪徳業者を見分けるポイントは以下の通りです。

 相場よりも手数料が高い
 審査費用や保証金といった名目で追加の費用を請求してくる
 債権の買取代金が債権額に比べて著しく低額
 担保や保証人を要求する

何の説明もなしに相場よりも高い手数料を請求する、審査費用や保証金とった通常のファクタリングでは請求されない費用を請求するファクタリング事業者には注意が必要です。

さらに、ファクタリングを装いながら、担保や保証人を要求し実際は貸付をおこなう悪徳業者がいます。

こうした悪徳業者を避け、安心して利用できるファクタリング事業者を選んでください。

介護報酬ファクタリングのまとめ

この記事では介護報酬ファクタリングとはどのようなサービスなのか、介護事業所に介護報酬ファクタリングを推奨する理由、利用するメリットや利用する際の注意点を取り上げました。

介護サービスは、介護サービスを必要とする方、またそのご家族にとって必要不可欠なものです。

しかし、事業継続のための資金確保がときに難しくなることがあります。資金繰りに困っており事業継続が危ぶまれる状況であれば介護報酬ファクタリングを利用してください。

介護報酬ファクタリングを使えば、介護報酬債権を迅速に資金化でき、資金繰りの悩みを解決できます。

資金繰りの悩みが軽減されれば、利用者やそのご家族にさらに喜んでいただけるサービスが提供できるでしょう。