ファクタリングは一括返済しかできない？理由や注意点などを紹介
目次
2社間ファクタリングを利用した場合、利用者は売掛先からの入金分を一括返済しなければなりません。
仮にできない場合、債権譲渡通知や訴訟などのリスクが生じます。
期日を守って返済できるように、売掛先から得た資金の扱いに注意してください。
一括返済できないときは、原因を踏まえながら適切に対処しましょう。
本記事では一括返済の注意点を解説します。
ファクタリングは一括返済のみ
ファクタリングの返済方法は、一括払いのみです。
2社間契約を利用すれば、利用者自身の一括返済が必要です。
分割払いは多くのファクタリング会社で認められていません。
仮に分割払いを宣伝している場合、悪質業者の可能性があります。
一括返済の必要性に関して、以下を見ていきましょう。
2社間ファクタリングで一括返済が必要
2社間ファクタリングでは、売掛先から得た資金の一括返済が必要です。
売掛金を買い取った会社は、売掛先から相当額を回収しなければなりません。
2社間契約の場合、売掛先は売掛金譲渡を知らないため、通常どおり利用者に相当額を支払います。
利用者は売掛金の相当額を受け取ったら、ファクタリング会社へ返さなければいけません。
なおかつ分割返済が認められていないので、受け取った資金は一括で返すことになります。
一方、3社間ファクタリングの場合、売掛金の譲渡後は売掛先が一括返済します。
このようにファクタリング会社は売掛金の買い取りで、利用者に相当額を貸しているのです。
そのため利用者の一括返済を要する場合があります。
分割返済できない理由
ファクタリングの返済金は、分割払いができません。
分割返済は融資にあたり、多くの会社で対応できないからです。
ファクタリングは融資と違うため、返済予定の資金の分割はできません。
分割返済を行う場合、毎回の返済分に利息が加算されます。
利息は金利に応じて決まり、利用者は借りたぶんとともに支払わなければなりません。
さらに融資を扱う会社は、貸金業許可を受ける義務があります。
多くのファクタリング会社は、貸金業として運営していないため、分割返済を認められません。
分割払いの宣伝には要注意
ファクタリング会社によっては、分割払いを宣伝しています。
しかしこのような会社は、悪徳業者の疑いがあるので、注意してください。
ファクタリングは融資と違うため、取り扱い会社の多くは貸金業にあたりません。
しかしそうした会社には、無許可で貸金業を営むケースがあります。
彼らは利用者に分割返済を持ちかけ、返済時に法外な利息を求め、莫大な損失を負わせることがあるのです。
分割返済を宣伝する会社は、金銭トラブルのリスクがあるため気をつけましょう。
ファクタリングの一括返済の注意点3つ
ファクタリングで一括返済をするには、さまざまな注意点があります。
返済遅延を避けるには、売掛先からの入金分の取り扱いに気をつけてください。
一括返済の注意点について、以下の3つを見ていきましょう。
1．売掛先からの入金分はすぐにファクタリング会社へ渡そう
2．一括返済の延期は困難
3．踏み倒しは認められない
1．売掛先からの入金分はすぐにファクタリング会社へ渡そう
売掛先からの入金分は、ファクタリング会社へすぐ一括返済しましょう。
売掛金の返済の流れが、以下のように決まっているからです。
1．売掛先からの決済確認
2．受け取った売掛金をそのまま会社へ渡す
上記の流れを考えると、売掛先から決済された資金は、すぐにファクタリング会社へ渡すことが望ましいといえます。
返済前に使い込んでしまうと、支払い期日を守れないおそれがあるからです。
一部利用者には差し迫った支払いがあり、売掛先から得た資金を使いたくなるかもしれません。
しかしファクタリング会社との信頼関係を守るため、売掛金の譲渡後の一括返済を優先してください。
2．一括返済の延期は困難
一括返済の延期は、原則として認められません。
ファクタリング会社は期日までに必要資金を受け取れないと、大きな損失になるからです。
支払い期日を守れないことで、利用者が責任を問われることもあります。
期日までの一括返済が難しそうなら、ファクタリング会社へ早めに相談してください。
事前相談によって、会社も柔軟な対応をするかもしれません。
しかし期日直前や、過ぎたあとに相談しても、延期を認めてもらえないでしょう。
ファクタリングの利用者は、一括返済の期日の厳守を優先すべきです。
仮に返済が難しくなったら、早めの相談を行いましょう。
3．踏み倒しは認められない
ファクタリングの返済金の踏み倒しはやめてください。
売掛先からもらった資金をファクタリング会社へ払わず、別の用途に使う利用者もいます。
しかし期日前に一括返済をしなければ踏み倒しとなり、刑事罰の可能性が生じるのです。
売掛先からの売掛金を返済しないと、詐欺や横領とみなされるかもしれません。
そのためファクタリングを利用したら、売掛金の譲渡先の資金回収に、積極的に協力してください。
返済が困難である場合はすぐに相手へ連絡し、事情を説明しましょう。
ファクタリングで一括返済できない原因3つ
ファクタリングの利用者が、金銭的事情から一括返済できないケースが見られます。
返済が難しい原因も、状況により異なるのです。
返済遅延の原因を事前に知っておけば、トラブルを避けられるでしょう。
一括返済できない原因として、以下の3つを解説します。
1．売掛先から入金されない
2．入金分を別の支払いに使う
3．手数料が高すぎる
1．売掛先から入金されない
一括返済できない最初の原因は、売掛先から入金されないことです。
この場合は売掛先の経営状況悪化や、倒産などが原因といえます。
支払い期日に間に合いそうになければ、ファクタリング会社へ問い合わせてください。
実際の利用者は、ファクタリング後に売掛先が支払い期日を守らなくても、基本的には責任を負いません。
多くの会社は償還請求権のないノンリコース契約を結ぶからです。
ノンリコースの場合、会社は売掛金の支払い期日が守られなくても、利用者に未払い分を請求できません。
しかし売掛先から入金されないと、金銭的トラブルにつながり、利用者の社会的信用が損なわれることもあります。
支払い期日を過ぎても売掛先からの決済がない場合、すぐにファクタリング会社へ相談してください。
2．入金分を別の支払いに使う
売掛先から得た資金を、別の支払いに使ってしまうと、ファクタリング会社への一括返済ができません。
以上の原因として、緊急的支出の補填や、運転資金への使用などが考えられます。
財務状況を見誤り、ファクタリング会社への返済分を別の用途に使ってしまう形です。
資金管理体制が不十分であるため、売掛先から得た資金を使い込み、一括返済できなくなる方もいます。
このような事態を防ぐには、資金管理の徹底が大切です。
支払い履歴や財務状況のデータ化、資金の分別などの対策が欠かせません。
金銭トラブルを避けるためにも、資金管理体制を整えてください。
3．手数料が高すぎる
ファクタリング会社によっては手数料が高すぎるため、利用者が大きな損失を受けることがあります。
利用頻度が多くなるほど、手数料が蓄積して、資金ショートにつながるかもしれません。
手数料は一定の割合で売掛金から差し引かれます。
売掛先から得た資金は、ファクタリング会社に全額回収してもらわなければなりません。
しかし手数料により調達資金が少なくなり、資金繰りが改善できないと、一括返済が困難になります。
このような事態を避けるには、手数料の安いファクタリング会社を普段から選びましょう。
ファクタリングで一括返済できないときのリスク3つ
ファクタリングで一括返済できないと、事業面でさまざまなリスクが生じます。
会社から訴訟を起こされることもあり、社会的信用に影響がおよぶのです。
一括返済失敗によるリスクを、以下で3つ見ていきましょう。
1．債権譲渡を売掛先に通知される
2．訴訟を起こされる
3．刑事罰に処される場合もある
1．債権譲渡を売掛先に通知される
ファクタリングで一括返済できないと、債権譲渡を売掛先に通知されるかもしれません。
利用者の返済がないと、依頼先の会社は売掛先にそのことを知らせます。
返済期日を守らないと、売掛先にファクタリングを知られるかもしれません。
売掛先からの信頼を失う可能性があるため、連絡なしでの返済遅延は避けてください。
2．訴訟を起こされる
期日までの返済がなければ、依頼先から訴えられるおそれがあります。
一部会社は2社間契約の場合、債権譲渡登記を行うしくみです。
利用者からの返済がないと、登記の事実が裁判の証拠として使われます。
以上の場合、利用者が裁判に勝つのは困難なので、損害賠償を支払う可能性もあるでしょう。
裁判に発展したことで、利用者が社会的信用を失うこともあります。
3．刑事罰に処される場合もある
最後のリスクは刑事罰の可能性です。
売掛先からの資金を一括返済しないと、詐欺や横領の罪に問われるかもしれません。
仮に犯罪が認められれば、利用者が懲役刑に処されたり、事業停止に追い込まれたりします。
刑事罰のリスクを考えると、一括返済の遅延は避けるべきです。
ファクタリングで一括返済できないときの対処法
一括返済が難しいときは、ファクタリング会社へ相談してください。
支払い期日より早い段階で、会社に事情を説明しましょう。
特段の事情が認められれば、会社は期日の延期を認めるかもしれません。
また支払い困難になったとき、弁護士への相談も選択肢です。
法律の専門家のサポートにより、ファクタリング会社への交渉がスムーズになります。
一括返済が難しいときは一人で抱え込まず、外部への相談をしましょう。
ファクタリングの一括返済のまとめ
ファクタリングの利用者は売掛金の譲渡後、一括返済を要することがあります。
ここで返済するのは、売掛先から支払われた資金です。
売掛先からの支払いを受けながら、一括返済をしなかった場合、利用者が責任を問われることもあります。
ファクタリング会社からの訴訟や刑事罰にも気をつけましょう。
このような事態を避けるため、売掛先から得た資金は、すぐにファクタリング会社へ渡してください。
返済が難しくなったら、会社や弁護士へ相談し、解決策を話し合いましょう。