ファクタリングの2社利用は可能？メリットやデメリットなどを紹介
ファクタリングで2社利用可能か、悩む方もいるでしょう。
結論から述べると、複数社の同時利用は可能です。
実践によって、取引条件がお得になる方もいます。
ただし相見積もりや手続きなどの手間がかかるので、実際に行うときは注意が必要です。
以上を踏まえながら、最適な形での2社利用を目指してください。
ファクタリングの2社利用のメリットやデメリット、依頼先の選び方などを解説します。
ファクタリングの2社利用とは
ファクタリングでは、2社利用をしても問題ありません。
ただし同じ売掛金を複数機関へ売ると、二重譲渡という違法行為になるので注意してください。
別々の売掛金を、それぞれの会社へ譲渡する形は問題になりません。
二重譲渡との違いを踏まえつつ、2社利用が可能であることを解説します。
事業者がファクタリング会社を2社同時に利用すること
2社利用とは、事業者がファクタリング会社を2社同時に使うことです。
2社同時利用は、法的に問題ありません。
他社を利用中でも、ファクタリングの審査に通過できるケースもあります。
2社利用は相見積もりや、乗り換えなどの目的で行われます。
たとえば手数料や買い取り額の想定のため、複数のファクタリング会社から相見積もりを取る形です。
特定のファクタリング会社での取引が完了する前に、他社へ乗り換える利用者もいます。
いずれも法的には、違法となりません。
2社利用は利用者の自由なので、必要に応じて実践できます。
二重譲渡との違い
ファクタリングの2社利用自体は問題になりませんが、売掛金の二重譲渡は違法です。
二重譲渡とは同じ売掛金を、複数の機関へ売却する行為です。
売掛金はひとつにつき、一組しか買い取れません。
二重譲渡は、一方の機関に対し架空の取引を持ちかける行為なので、利用者が詐欺罪に問われることもあります。
売掛金の譲渡を受けたファクタリング会社は、売掛先から資金を回収しなければなりません。
しかし二重譲渡を受けると、資金回収できない可能性が生じます。
そのため利用者は不正な資金調達として、詐欺罪に問われるのです。
2社利用をするときは、別々の売掛金を各社へ売却してください。
同じ売掛金を複数機関へ売ると、二重譲渡という犯罪行為が成立するため、有罪判決や社会的信用の失墜のおそれがあります。
ファクタリングの2社利用のメリット3つ
ファクタリングの2社利用には、さまざまなメリットがあります。
実践すれば、よりよい契約条件を見つけられるかもしれません。
ここでは3つのメリットとして、以下を見ていきましょう。
1．契約条件の比較が可能
2．手数料を抑えられる可能性がある
3．より早い資金調達に期待
1．契約条件の比較が可能
2社利用をすれば、契約条件の比較が可能です。
申し込みから入金までの期間、手数料などを比べ、お得なサービスを見分けられます。
比較検討ができれば、有利な条件でのファクタリングの方法がわかるのです。
一方、1社のみを利用し続けると、契約条件の判断が難しくなります。
比較検討をしないと、利用中のファクタリング会社において、手数料や入金スピードなどがお得か判別しづらいのです。
そのため不利な条件での契約を、長期間にわたり強いられることもあります。
また利用者自身は、不利な条件に気づかないことがあるのです。
このような理由から、ファクタリングの取引方法を見直すうえで、2社利用は有効な手段といえます。
2．手数料を抑えられる可能性がある
次のメリットは、手数料のコストダウンの可能性です。
ファクタリングを利用すると、一定の手数料がかかります。
会社によってコストが違うため、高すぎて損をする利用者もいるのです。
2社利用をすれば、手数料の安い依頼先を見つけやすくなります。
コストがかかりにくいとわかれば、新たな依頼先へ乗り換えてもよいのです。
多くの資金を確保するには、手数料のより安いところを探してください。
手数料は売掛金に対し、一定の割合として差し引かれるしくみです。
多くのファクタリング会社は手数料の割合を公表しているため、利用者は比較検討をしやすいといえます。
3．より早い資金調達に期待
2社利用の最後のメリットは、資金調達が早まる可能性です。
ファクタリング会社の利用中、売掛金の売却後の入金が遅いと感じるかもしれません。
その場合は、入金対応の早い他社に注目してください。
一部のファクタリング会社は「最短2時間」のように、申し込みから入金までの時間が短いのです。
こうしたポイントに目をつければ、スムーズな資金調達へつなげられます。
たとえば経費の支払い期限が迫っており、利用中の会社で早期の資金調達が期待できない場合です。
最短数時間で入金できる他社を利用すれば、早期の資金調達で経費をカバーできるでしょう。
ファクタリングの2社利用のデメリット3つ
ファクタリングの2社利用には、さまざまなデメリットがあります。
複数社の利用には、手間がかかる点に注意してください。
また状況次第で、審査への悪影響も懸念されます。
ここでは以下の3つのデメリットを見ていきましょう。
1．相見積もりの手間に要注意
2．手続きが面倒になるかもしれない
3．審査への悪影響の可能性がある
1．相見積もりの手間に要注意
最初に注意すべきデメリットは、相見積もりの手間です。
ファクタリング会社ごとに、見積もりの手続きをしなければいけないからです。
複数社からの査定を求める場合、すべての手続きを終えるまで時間がかかることもあります。
手続きの時間を短縮するには、一括査定がおすすめです。
インターネットにはファクタリングの一括査定サービスもあります。
こちらを利用すれば、相見積もりの手続きを短時間で済ませられるのです。
ただし全社の結果が揃うまで、想定より長い時間がかかることもあります。
相見積もりの手続きは複雑になりやすいので、余裕のある時間に一括査定を活用してください。
2．手続きが面倒になるかもしれない
2社利用は、取引時の手続きも面倒になりやすいといえます。
ファクタリング会社によって、手続きの仕方や必要書類が異なるからです。
そのため利用者は、各社の異なるルールに適応しなければいけません。
たとえば必要書類は、ファクタリング会社によって違います。
一部の会社は、売掛金と通帳だけで審査を受けられるしくみです。
しかし他社は先の2種類に加え、確定申告書や法人の登記簿謄本などを求めるかもしれません。
ファクタリング会社により規約が違うため、2社利用は手続きに時間を取られやすいといえます。
事前に必要書類を一か所にまとめておけば、スムーズな準備が可能です。
3．審査への悪影響の可能性がある
最後のデメリットは、審査に対する悪影響の可能性です。
ファクタリング会社の2社利用自体に、違法性はありません。
しかし会社によっては、2社利用をよく思わない可能性があります。
たとえば審査の過程で、会社側が利用者について、他社でのファクタリングを知ることがあります。
一部会社は上記を理由に、審査に落とすかもしれません。
また面談時は2社利用の理由を聞かれることもあるので、正当な理由を答えられるように用意しておきましょう。
2社利用は合法ですが、会社によっては悪印象の可能性があるので要注意です。
2社利用時の依頼先の選び方4つ
ここでは2社利用時の依頼先の選び方を紹介します。
正しいポイントを押さえておけば、お得な会社を見つけやすくなります。
ここでは以下の4つのポイントを見ていきましょう。
1．入金の早さ
2．手数料の低さ
3．必要書類の少なさ
4．オンライン対応可能か
1．入金の早さ
最初に注目すべきポイントは、入金の早さです。
ファクタリングは融資より審査時間が短く、入金対応も早くなりやすいといえます。
しかし利用者によっては手元の資金が足りず、数日以内の調達が必要です。
一部のファクタリング会社は、申し込みから入金まで最短数時間です。
早期の資金調達を希望するなら、最短数時間で入金可能な会社を選びましょう。
スピーディな対応の有無に注目すれば、自社に合う会社を見つけられることがあります。
2．手数料の低さ
次に注目すべきなのは手数料の低さです。
ファクタリングでは売掛金から一定の割合が、手数料として差し引かれます。
このようなコストは利用者の損失なので、なるべく手数料の低い依頼先が望ましいといえます。
一般的に2社間ファクタリングは10～20%、3社間は2～10%が相場です。
しかしオンライン対応の会社だと、相場より低いこともあります。
手数料に応じて比較検討すれば、優良な依頼先を見つけられるでしょう。
3．必要書類の少なさ
次に注目すべきポイントは、必要書類の少なさです。
数が少ないほど、利用者は手続きの準備をしやすいといえます。
短時間で準備と手続きを済ませられれば、早期の資金調達にもつながります。
2社利用するときは、複数社の公式サイトへアクセスし、各規約を調べておきましょう。
そこで必要書類の点数と内容を、会社ごとにメモしてください。
より少なくて用意しやすいところなら、短時間で準備できるので、早期の資金調達の可能性が高まります。
4．オンライン対応可能か
2社利用するなら、オンライン対応できるファクタリング会社がないか調べてください。
近年はIT技術の進展により、オンラインで取引を行う会社も増えました。
インターネットで手続きや契約ができれば、資金調達も手軽になります。
2社利用を始めるなら、オンライン対応の有無は重要なチェックポイントです。
対面での面談が必要だと、複数社の店舗に出向かなければならず、移動に時間がかかることもあります。
このようなリスクを抑えるには、オンラインの活用が欠かせません。
ファクタリングの2社利用のまとめ
ファクタリングは2社利用をしても問題ありません。
契約条件の比較を通し、有利な条件で取引できる方もいます。
ただし相見積もりや手続きに手間がかかるため、早めの準備が大切です。
2社利用は問題ありませんが、二重譲渡はやめてください。
ファクタリング会社に損失を与える違法行為なので、社会的信用を失うおそれがあります。
ただし複数社で別々の売掛金を取引すれば、二重譲渡にあたりません。
さまざまな注意点を踏まえながら、正しく2社利用をすれば、有利な契約条件を得られる可能性があります。
好条件での契約を求めるなら、2社利用を実践してはいかがでしょうか。