ファクタリング活用法

ファクタリングは元請企業の倒産対策になる?建設業の利用のメリットについて解説

建設業の事業者によっては、ファクタリングの利用中に元請企業が倒産しないか不安な方もいるでしょう。
ファクタリングでは元請から資金を回収できなくても、下請は責任を負いません。
以上から事業者は、自社の金銭的リスクを抑えながら、売掛金を売却できます。
ファクタリングを利用すれば、建設業としてスムーズに資金を調達できるでしょう。
今回は元請の倒産への対策として、ファクタリングの重要性を解説します。

建設業によるファクタリングのメリット3つ

まずは建設業によるファクタリングのメリットを知りましょう。
短時間での資金調達により、金銭的余力が生まれます。
経営状態がよくなくても利用できるので、資金計画の見通しを立てやすいでしょう。
ここでは以下の3つのメリットを紹介します。

1.経費をカバーしやすくなる

建設業によるファクタリングの最初のメリットは、経費のカバーにつながる点です。
建設業は、売掛金が支払われる前の経費がかさみやすいといえます。
さらに建設業界は重層下請構造なので、元請から下請へ仕事を頼むのが通例です。
自社から見ると、元請から頼まれた仕事の一部を、さらなる下請へ頼むことがあります。
この場合、元請から売掛金を決済してもらう前に、自社が下請企業へ買掛金を支払うケースもあるのです。
そこでファクタリングを利用すれば、工事完了後の売掛金を売却できます。
一部業者は申請日当日に入金するため、建設業は経費をカバーしやすいのです。
建設業界は重層下請構造なので、人件費や機材費、下請への依頼コストなど経費がかかりやすいといえます。
資金繰りが厳しくなったら、ファクタリングによる改善を考えましょう。

2.大型契約につながる

ファクタリングの次のメリットは、大型契約につながる点です。
本来は建物の完成後に、工事代金が支払われます。
しかし工事代金は後払いが原則なので、企業は売掛金を受け取り、その支払期日までに工事代金をもらうのが通例です。
建設業は経費がかかりやすいため、資金繰りが厳しいと次の工事案件の取引をしづらいでしょう。
そこでファクタリングを利用すれば、資金繰りが改善し、大型契約へつなげられます。
資金に余裕があれば、次の工事における外注コストや、人件費などをカバーできるからです。
そのため大型案件を提示されたときも、快諾しやすくなります。
建設業にとってファクタリングによる早期の資金調達は、案件の受注へのモチベーションにつながるのです。
大型契約を積極的に取りたいときも、ファクタリングで資金的な余裕を作るとよいでしょう。

3.赤字でも利用可能

ファクタリングは赤字企業でも利用できます。
主な審査基準が、売掛金の取引先の信用力だからです。
企業の経営状態がよくなくても、取引先が健全ならファクタリングの審査に通りやすいといえます。
赤字に苦しんでいる建設業でも、早期の資金調達が可能です。
ほかの資金調達方法として融資があります。
しかし融資は企業の業績がよくないと、返済能力が不十分と判断され、金融機関から断られるでしょう。
一方ファクタリングは取引先が健全なら、短時間での資金調達が可能です。
差し迫った支払がある場合も、すぐに資金が入れば安心できるでしょう。
経営状態がよくなくて、資金調達を急ぐ場合は、ファクタリングがおすすめです。

建設業は元請の倒産に要注意

建設業が気をつけるべき点に、元請の倒産があります。
建設業界は、多重の請負構造が特徴です。
たとえば元請から工事作業の依頼を受けた自社が、一部作業を孫請けへまかせることもあります。
この場合孫請けから見れば、仕事を委託した自社が元請です。
以上から建設業界では、元請の倒産により、経営悪化に見舞われる事業者がいます。
元請の資金力が不十分だと、売掛金を期日までに支払えず、債務不履行にいたるからです。
とくに建築資材の価格が急騰すると、元請の経費がかさみ、倒産が起きやすくなります。
元請の債務不履行が起きやすいと、下請の経営状態が悪化し、連鎖倒産のリスクも高まるでしょう。
ただしファクタリングを利用すれば、元請が倒産しても、企業への影響がありません。
そのため売掛金の譲渡で、他社の倒産による損失を防げるのです。

元請の倒産リスクへの対策としてファクタリングは有用

元請の倒産リスクに備えるため、ファクタリングは有用です。
社会情勢の変化により、他社の倒産にいつ巻き込まれるかわかりません。
しかしファクタリングはノンリコース契約が原則なので、取引先が倒産しても、企業は損失を受けずに済みます。
ただしファクタリングの依頼時に、売掛金の取引先に問題があれば、審査不通過のリスクが生じるので要注意です。
元請の倒産対策として、ファクタリングの重要性をまとめました。

元請によっては倒産の可能性がある

建設業界では元請の倒産リスクに要注意です。
建設業界は重層下請構造で、2次や3次の下請を引き受ける企業もあります。
つまり下請企業も、孫請企業へ工事作業を委託するので、孫請から見た元請になります。
そのため自社から見た元請が、資金的な問題を抱えているかもしれません。
大手企業が元請なら信頼できるでしょう。
ただ中小企業だったり業績が悪かったりすると要注意です。
元請からの売掛金をファクタリングすれば、元請の倒産に備えられます。
元請が支払期日までに売掛金を決済できなくても、譲渡を受けた専門業者が損失をカバーするからです。
企業は専門業者のカバーにより、元請の倒産による損失を防げます。
ただし元請が倒産すると知りながら、その売掛金を業者へ売ると、業者から相当額の請求を受けることがあるので注意してください。
それでもファクタリングでは、取引先のトラブルのリスクマネジメントが可能です。

不良債権の発生は建設業にとって致命的

不良債権の発生は、建設業にとって致命的です。
売掛金が支払期日までに決済されないと、不良債権化します。
支払期日を過ぎた売掛金は、ファクタリングで提供できません。
他社の債務不履行により、企業が致命的な損害を受けることもあります。
しかし支払期日を過ぎていない売掛金は、原則ファクタリングで売却できます。
業者に売掛金を譲渡し、相当額を受け取れば、万が一元請が倒産しても影響を受けません。
このときの損失は、ファクタリング業者がカバーするからです。
つまり企業にとっては、売掛金の不良債権化の対策になります。
建設業では、いつ不良債権が生じるかわかりません。
しかし支払期日前の売掛金をファクタリング業者へ譲渡すれば、不良債権による損失を防げるでしょう。

ファクタリングはノンリコース契約が原則

ファクタリングはノンリコース契約が原則です。
多くの関連業者は、ファクタリングの契約にあたって、企業へ償還請求権を行使しません。
償還請求権とは、売掛金のような金銭債権を全額請求する権利です。
しかしファクタリングでは、業者による償還請求権がありません。
業者は売掛金の資金回収に失敗しても、企業へ未回収資金を請求できないのです。
そのため企業は取引先が債務不履行を起こしても、損失を負いません。
ファクタリング業者が、未回収資金について責任を取る形です。
ノンリコース契約により、建設業の事業者は損失リスクを避けながら、ファクタリングを利用できます。

売掛金の取引先に問題があるとファクタリングを断られる可能性

売掛金の取引先に問題があれば、企業はファクタリングを断られるかもしれません。
ファクタリングの審査では、売掛金の取引先の信用力が問われます。
仮に取引先の経営状態が危ういと、審査不通過になるかもしれません。
業者は取引先について、売掛金を支払期日までに決済できないと判断するからです。
支払期日までに売掛金が払われないと、債務不履行になり、業者の損失になります。
業者もこうした事態を防ぐため、不健全な売掛金は買い取りません。
建設業の事業者によっては、経営状態の危うい元請から、売掛金を受け取るでしょう。
仮に元請の支払能力が不十分だと、ファクタリングの審査に影響します。
元請の倒産によって、業者が損失を受けるからです。
以上からファクタリングを利用する場合、売掛金を出した元請に問題がないか確かめましょう。

下請が元請を選ぶポイント2つ

自社が下請として、元請から仕事を受けるには、トラブルを避けるコツがあります。
発注を出す元請の調査や、同業他社との関連情報の共有です。
元請の倒産対策として、受注先の見極め方を紹介するので、以下の2点をチェックしてください。

1.元請の企業情報を調べる
2.同業他社との情報共有も大切

1.元請の企業情報を調べる

元請の倒産対策として、受注先の企業情報を調べましょう。
依頼企業の素性を知るのは、ビジネスにおいて大切です。
仮に悪質な企業だと、売掛金を支払わなかったり、法律に違反する要求を出したりするかもしれません。
以上によって、大きな損失に見舞われる企業もあります。
インターネットやデータバンクなどを使えば、元請企業の情報をチェックできます。
売上情報や主要取引先、事業実績、メインバンクなどから元請の信頼度を検証しましょう。
ファクタリングでは元請の信用力が審査通過のポイントなので、事前調査が欠かせません。

2.同業他社との情報共有も大切

同業他社との情報共有も、企業の利益を守るうえで大切です。
建設業でも、仕事上の付き合いだけでなく、他社に関して積極的に意見を交わし合いましょう。
こちらを実践すれば、元請の評判がわかります。
建設業が利益を守るには、評判のよい企業から受注を受けつつ、不健全な企業との関わりを避けなければなりません。
以上の積み重ねで、企業は経営を続けられます。
同業他社とのコミュニケーションを重ねれば、取引先に関する情報共有をしやすくなります。
健全な元請と取引できれば、売掛金をファクタリングに出しやすくなったり、元請の倒産に巻き込まれるリスクを抑えたりできるでしょう。

ファクタリングによる元請の倒産対策のまとめ

ファクタリングは、元請の倒産対策としても大切です。
業者への売掛金の譲渡後に、元請が債務不履行を出すかもしれません。
この場合本来は、下請が大きな損失を受けるでしょう。
しかしファクタリングでは、元請の債務不履行による損失は、業者がカバーします。
建設業ではどの企業がいつ倒産するかわからないため、万が一の損失対策が欠かせません。
資金調達が必要なら、元請の倒産リスクを防ぐ意味でも、ファクタリングが最適です。