ファクタリング情報

ファクタリングで詐欺になる場合とは?トラブルを未然に防ぐ対策も紹介

不当な債権をファクタリング会社へ譲渡すれば、詐欺に問われることがあります。
ファクタリングで多くの資金調達を目指す方もいるでしょう。
しかし資金調達が目的でも、犯罪は許されません。
架空債権や不良債権の譲渡をすると、刑事事件への発展のおそれがあるので、やめてください。
社会的信用を失わないために、ファクタリング詐欺に問われるケースを確かめましょう。
事業者が詐欺に問われるケースを紹介し、正しいファクタリングの使い方を解説します。

ファクタリングで詐欺に該当するケース4つ

ファクタリングのルールに違反すると、詐欺に問われることがあります。
不当な債権を譲渡したり、債権の内容を偽造したりするのは違法です。
詐欺にあたるケースとして、以下の4つを見ていきましょう。

1.架空債権の譲渡
2.債権の内容の偽造
3.債権の二重譲渡
4.不良債権の譲渡

1.架空債権の譲渡

ファクタリング詐欺のひとつが、架空債権の譲渡です。
取引実態のない債権を作り、ファクタリングに用いると、違法に問われます。
本来のファクタリングは売掛債権を譲渡し、代価を受け取ることです。
しかし取引実態のない債権を提供すると、相手から資金をだまし取ることになります。
会社から詐欺罪で刑事告訴されるおそれがあるため、推奨されません。
架空債権の譲渡は、2社間ファクタリングで起こりやすいといえます。
事業者とファクタリング会社だけで契約を結び、売掛先には知らせないからです。
3社間契約の場合は売掛先も契約対象ですが、架空債権だと連絡が取れないことで発覚します。
または売掛先が取引実態を否定すれば、債権内容が虚偽だと判明しかねません。
しかし2社間契約の場合、ファクタリング会社が最後まで気づかないと、事業者が資金をだまし取ることになります。
以上から架空債権による詐欺は、ビジネスシーンで起こりやすいパターンです。

2.債権の内容の偽造

一部内容を偽造した債権も、ファクタリングに使えば違法です。
たとえば請求金額や支払い日などが虚偽だと、犯罪に問われます。
債権の内容の一部が事実に反しているだけで、刑事事件に発展しかねません。

たとえば事業者によっては、少しでも多くの資金を調達するため、債権の金額を実際より高額にします。
しかし債権の金額が実際と違えば、不正取引につながるのです。
会社は債権の買い取り後、売掛先から資金を回収しなければなりません。
回収額が債権の内容より低いとわかれば、詐欺被害に気づき、事業者を訴えるでしょう。
また支払い日の偽造も違法です。
ファクタリングで扱う債権は、支払い期日までの期間が審査されます。
期間が長いと、不測の事態による売掛先の倒産リスクが見込まれやすいのです。
そのためファクタリング会社が、審査に通さないこともあります。
事業者は審査に通過するため、支払い期日を実際より早い時期へ書き換えるかも知れません。
その時点で支払い期日を偽っているため、詐欺に問われる可能性があります。
以上から債権には、一切の虚偽があってはいけません。
一部が事実と違うだけで犯罪に問われ、逮捕や起訴を受けることもあります。

3.債権の二重譲渡

二重譲渡とはひとつの債権について、別々の業者へ売却しようとする行為です。
これも犯罪になるため、やってはいけません。
二重譲渡で資金を多く調達すれば、詐欺罪に問われる可能性があるのです。
たとえば事業者の手元にひとつだけ売掛金があり、代価が300万円だとします。
300万円の売掛金を、2つのファクタリング会社へ同時に売ったとしましょう。
1社目からは通常どおり、売掛金の300万円から手数料を引いた額が入ります。
しかし2社目から同じ売掛金の代価を受け取ると、その金額に関して詐欺罪が成立するのです。
ファクタリング会社は取引後、売掛先から資金を回収します。
しかし同じ売掛金について、資金回収できるのは1社だけです。
二重譲渡をすると、資金回収できない会社が現れます。
資金回収できなかった会社は、二重譲渡の被害者として事業者を訴えるでしょう。
債権の二重譲渡は法律で禁止されており、ファクタリング会社から刑事告訴されることもあります。

4.不良債権の譲渡

不良債権の譲渡も、詐欺に問われる可能性があります。
債権には支払い期日があり、支払われないまま期日を過ぎると不良債権になるのです。
その状態でファクタリング会社へ譲渡し、トラブルに発展する例もあります。
ファクタリングにおいて、不良債権の譲渡は禁止です。
売掛先が期日までに支払えないと知っていながら、譲渡に用いてはいけません。
ファクタリング会社は不良債権を受け取っても、大抵の場合は売掛先から資金回収できないのです。
そのため事業者は不良債権の譲渡により、資金を不正に受け取ったとみなされます。
以上から不良債権を売るのは違法行為です。
売掛先から資金を回収できず、譲渡先に損害を与えるため、犯罪にあたります。
ファクタリングを使うなら、支払い期日前の債権を申し込んでください。

ファクタリング詐欺で問われる罪3つ

ファクタリング詐欺をすると、さまざまな罪に問われる可能性があります。
詐欺罪だけでなく、文書の偽造の罪に問われる事業者もいるのです。
ここではファクタリング詐欺で想定される3つの罪を見ていきましょう。

1.詐欺罪
2.私文書偽造罪
3.公文書偽造罪

1.詐欺罪

ファクタリングで不正取引をすると、詐欺罪の可能性があります。
詐欺罪とは虚偽の事実で相手をだまし、財物を不正に得る行為です。
不当な債権を譲渡し、お金をだまし取ると、詐欺に問われる可能性が高いといえます。
ファクタリングでは架空債権や不良債権の売却が、詐欺に問われやすいとされます。
売掛先が存在しなかったり、資金回収を見込めなかったりするからです。
こうした事実を知りながら、不当な債権を譲渡すれば、トラブルは免れられません。
詐欺罪は10年以下の懲役が課され、実刑判決にいたる人もいます。
詐欺罪が成立すれば、社会的信用の失墜からも逃れられません。
以上から、架空債権や不良債権などを使った詐欺行為はやめてください。

2.私文書偽造罪

ファクタリング詐欺を働いたことで、私文書偽造罪に問われる事業者もいます。
法人や民間人による文書の偽造があれば、この罪に問われる形です。
事実に反する内容の文書を使うことで、私文書偽造罪で逮捕される人もいます。
ファクタリングでは架空債権の譲渡により、私文書偽造が認められるしくみです。
架空債権は代価や取引記録など、全体の内容が事実に反することもあります。
債権の内容は一部が虚偽になっているだけでも、有罪になる可能性が高いのです。
たとえば代価を多く書き換えるだけで、私文書偽造に問われるケースもあります。
この犯罪では3か月以上5年以下の懲役が課されます。
詐欺罪とともに認められる可能性もあるので、決してやらないでください。
文書の偽造がわかった場合も、社会的信用の失墜は免れられません。

3.公文書偽造罪

ファクタリング詐欺によっては、公文書偽造罪に問われます。
国や自治体などの発行文書を偽造すると、この罪が適用されるしくみです。
ファクタリングでは、国や自治体が関わる売掛金も取引されます。
企業によっては、自治体へ商品やサービスを提供しています。
その場合も早期の資金調達が必要なら、自治体が売掛先である債権を、ファクタリングで活用することがあるのです。
しかし自治体や国などが相手の売掛金の偽造も想定されます。
公的機関との架空債権を作ると、公文書偽造罪に問われる可能性があるのです。
有罪判決が下れば、1年以上10年以下の懲役刑です。
国や自治体を巻き込んだことで、社会的な悪評も立ってしまいます。

ファクタリングを正しく行うときの注意点3つ

ファクタリングで詐欺をしないために、正しいやり方を覚えてください。
正当な債権を使い、規則に従って取引を進めましょう。
ここでは以下の3つの注意点を解説します。

1.正当な債権を利用する
2.ファクタリングのルールを正確に理解する
3.契約書類や約款内容もよく見ておく

1.正当な債権を利用する

ファクタリングを利用するなら、正当な債権を申し込んでください。
債権の取引実態を調べ、譲渡可能か確かめましょう。
ファクタリング詐欺は意図的な場合が多い一方、気づかずに架空債権を作り上げるケースも見られます。
たとえば債権の金額の書き間違いには要注意です。
書き間違いのある債権を譲渡しても、ファクタリング会社に損害を与えたとして、トラブルになるケースがあります。
いずれにしても債権の内容は、正確でなければいけません。
ファクタリングの前に、内容の間違いがないか精査しておきましょう。

2.ファクタリングのルールを正確に理解する

ファクタリングの利用前は、ルールを正しく把握しておきましょう。
たとえば売掛債権は、1件につき1社にしか譲渡できません。
複数社に譲渡すると、不正取引の疑いで刑事事件に発展することがあります。
一部のファクタリング会社では、独自のルールも見られるので、入念に確かめておきましょう。
必要書類の数も会社によって異なるため、依頼先のルールに合わせて準備してください。
ファクタリングに関する法律や、依頼先のルールの確認が大切です。

3.契約書類や約款内容もよく見ておく

最後のポイントは契約書類や約款内容の確認です。
利用者とファクタリング会社がお互いに納得できる形で取引する場合、契約や約款に関する書類が重要といえます。
書類がなかったり、内容が曖昧だったりすると、取引後のトラブルが懸念されるのです。
契約書類や約款内容の確認は、事業者が被害を受けないためにも重要です。
内容によっては、利用者にとって不利な条件が書かれています。
わからないことや、気になることがあれば、ファクタリング会社に問い合わせてください。
契約内容で納得できないことがあれば、取引の中止も選択肢です。
犯罪やトラブルを避ける意味でも、契約内容は入念に確かめてください。

ファクタリング詐欺のまとめ

ファクタリングの詐欺には、さまざまなパターンがあります。
事業者が架空債権や不良債権などを譲渡すれば、詐欺罪に問われることがあるのです。
債権の偽造により、私文書または公文書偽造罪に問われる事業者もいます。
有罪判決が下されたり、社会的信用を失ったりすることがあるため、詐欺や文書偽造はやめてください。
正しいルールに従って、ファクタリングを利用しましょう。