ファクタリングは「与信管理」にも役立つ！その理由と注意点について解説
目次
与信管理について
与信管理とは、取引先の信用力を詳細に把握し、取引の金額や規模を調整することです。
取引先の経営状況や現在までの取引状況など、総合的な信用力に基づいて売掛金の限度額や取引の継続を決定していきます。
与信管理は、取引先の経営悪化や倒産に伴う売掛金の貸し倒れリスクを最小限に抑える効果があります。
そのため、与信管理は収益を確保するために不可欠な要素ともいえるのです。
もし、与信管理をせずに取引を行ってしまった場合は、売掛金の貸し倒れによる損失を受ける可能性が高くなってしまいます。
現在の企業間取引では、貸し倒れリスクが高い「掛け取引」が中心となっているため、与信管理を行うことは非常に重要です。
与信管理が重要となる3つの理由
上述したように、与信管理は売掛金の貸し倒れリスクを軽減する効果があります。
売掛金の貸し倒れは、経営を行う上で重要な問題を引き起こす可能性があるため、事業者は何としても避けなければいけません。
本章では、与信管理が重要となる3つの理由について解説していきます。
理由①：損失を回避するため
与信管理を行わずに取引を行い、売掛金の貸し倒れが発生した場合、事業者は多大な損失を受けることになります。
本来得られるはずの収入がなくなるわけですから、資金繰りが悪化してしまう可能性も考えられるでしょう。
また、手元資金が不足している状況では、運転資金を確保するために融資やカードローンなどの資金調達方法を利用しなければいけなくなります。
しかし、与信管理を行い、売掛金の限度額などを適切に管理することができれば、売掛金の貸し倒れによる損失を回避できます。
理由②：黒字倒産を防ぐ
黒字倒産とは、得られる収入があるにも関わらず、手元資金の不足によって倒産してしまうことです。
売掛金の支払いサイトが原因となって手元資金が不足すると、黒字倒産に陥る可能性があります。
特に与信管理を行わずに取引を行うケースでは、売掛金の入金遅れによる黒字倒産の危険性が高まります。
しかし、事前に与信管理を行えば、売掛金の入金遅れによる黒字倒産を防ぐことができます。
理由③：連鎖倒産を回避するため
連鎖倒産とは、取引先の倒産の影響によって自社も倒産に追い込まれることです。
取引先が倒産し、売掛金の貸し倒れによる損失を受けた場合、自社は多大な影響を受けることになります。
十分な手元資金を有していれば経営回復も見込めますが、手元資金が不足している状況では、資金繰りの悪化や倒産に陥る可能性があります。
そのため、売掛金の貸し倒れリスクを把握するうえで欠かせない与信管理を実施し、取引先に倒産のリスクがないか確認しておくことが重要です。
ファクタリングが「与信管理」に役立つ理由とは？
中小企業や個人事業主に人気の資金調達方法として知られているファクタリングですが、実は「与信管理」にも活用することができます。
では、なぜファクタリングは与信管理に役立つのでしょうか？
本章では、ファクタリングが与信管理に役立つ理由について解説していきます。
理由①：審査で売掛先の信用力が重視される
ファクタリングの審査では、「売掛先の信用力」が重視されます。
なぜなら、ファクタリング会社は売掛先から売掛金を回収できなければ損失を受けてしまうからです。
利用者の経営状況や信用情報が売掛金の未回収リスクに影響することはないため、売掛先の信用力に問題がなければ、ファクタリングの審査には通過できます。
つまり、「ファクタリングの審査通過＝売掛金の支払い能力がある」と判断することができるのです。
このように、ファクタリングの審査は与信管理に役立てることができます。
理由②：提示された手数料により信用力を詳細に把握できる
ファクタリングを利用する際は、必ず手数料が発生します。
手数料は、売掛金の未回収リスクに応じて設定されるため、取引先の信用力を具体的な数値として確認することができます。
取引先の信用力に不安要素があれば高額な手数料が設定されるため、取引先の与信管理に役立てることができます。
理由③：最新の情報を収集できる
ファクタリングを利用する際は、その都度審査が行われます。
手数料など、ファクタリング会社から提示される条件も変わるため、前回の条件と比較して取引先の与信を確かめることができます。
当然、前回の条件よりも悪化した場合は、売掛金の限度額や取引継続の可否について検討しなおさなければいけません。
このように、ファクタリングの利用を通じて取引先の最新情報を収集できることも、ファクタリングを与信管理に活用できる理由だといえます。
ファクタリングを与信管理に活用する際の3つの注意点
上述したように、ファクタリングは与信管理に役立つ資金調達方法です。
ただし、活用する際はいくつかの注意点に気を付けなければいけません。
本章では、ファクタリングを与信管理に活用する際の3つの注意点について解説していきます。
注意点①：手数料が発生する
ファクタリングを利用する際は、必ず手数料が発生します。
手数料相場は、2社間ファクタリングで10%～20%、3社間ファクタリングで1%～9%ほどです。
例えば、100万円の売掛金を10%の手数料でファクタリングした場合、10万円の手数料が発生することになります。
本来受け取ることができた売掛金の金額よりも少なくなってしまうため、資金繰りに悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
ファクタリングを利用する際は、複数社で相見積もりを取り、低い手数料を提示してくれるファクタリング会社を利用するようにしましょう。
注意点②：利用するファクタリング会社ごとに買取条件が異なる
ファクタリング利用時の買取条件は、各ファクタリング会社の審査基準によって変動します。
同じ売掛金でもA社では手数料10%、B社では手数料20%という現象が起こりえるのです。
そのため、複数のファクタリング会社を利用している場合は、与信管理の正確性が低下してしまう可能性があります。
ファクタリングを与信管理に活用する際は、1つのファクタリング会社に絞って行うようにしましょう。
注意点③：「与信管理」だけの利用はできない
ファクタリングは売掛金を早期に現金化できる資金調達方法です。
与信管理として活用することもできますが、「与信管理だけ」の利用は不可能です。
与信管理だけを目的として、審査通過の可否や買取条件の確認のみを繰り返し行うと、ファクタリング会社から利用を断られてしまう可能性があります。
そのため、ファクタリングによる与信管理は、あくまでも資金調達の一環として行う必要があります。
ファクタリングの活用方法
ここまでファクタリングは「資金調達」と「与信管理」に役立てられる旨をお伝えさせていただきました。
しかし、実際のところファクタリングは「売掛金の貸し倒れリスクを回避する」ことにも活用できます。
本章では、「資金調達」と「与信管理」を含めたファクタリングの活用方法について解説していきます。
活用方法①：資金調達
ファクタリングは、基本的に資金調達を目的として利用されます。
ファクタリングは、他の資金調達方法と比較して審査スピードが早く、最短即日で資金調達を行うことが可能です。
素早く資金調達できるため、資金ショートの回避や急な支払いへの対応にも活用できます。
また、審査では売掛先の信用力が重視されるため、債務超過や赤字決算など、融資やカードローンの審査ではマイナス要素となる問題を抱えている方でも、利用することができます。
融資の審査に通過することが難しい中小企業や個人事業主にとっては、利用しやすい資金調達方法だといえるでしょう。
活用方法②：与信管理
本記事でも述べたように、ファクタリングは与信管理にも活用できます。
商品・サービスの提供から代金の支払いまでに一定の期間が空く掛け取引では、取引先の経営悪化や倒産により、売掛金が貸し倒れになる可能性があります。
売掛金の貸し倒れによって損失を受けた場合、資金繰りの悪化や連鎖倒産に陥ってしまうことも考えられます。
事業者は、売掛金の貸し倒れリスクを軽減するために、適切な与信管理を行わなければいけません。
ファクタリングでは、主に売掛先の信用力に関して審査が行われます。
審査通過の可否や売掛金の未回収リスクに伴う手数料設定により、取引先の与信を把握することができるため、与信管理にも活用することができるのです。
活用方法③：貸し倒れリスクの回避
ファクタリングは、売掛金の貸し倒れリスクを回避する目的で利用されるケースがあります。
掛け取引においては、売掛金の貸し倒れが発生するリスクがあります。
しかし、「償還請求権なし」の契約でファクタリングを利用した場合、売掛金の貸し倒れリスクを回避できます。
なぜなら、償還請求権なしの契約でファクタリングを利用した場合、売掛金の貸し倒れが発生したとしても、ファクタリング会社から弁済を求められることがないからです。
ただし、償還請求権ありの契約では、売掛金の買戻しを求められるため注意が必要です。
ファクタリングは「与信管理」にも役立つ！その理由と注意点について解説のまとめ
今回は、ファクタリングが与信管理に役立つ理由や利用する際の注意点について解説させていただきました。
ファクタリングは、資金調達をはじめ、貸し倒れリスクの回避や与信管理など、様々なケースで活用できます。
これまで与信管理を行っていなかった事業者でも、ファクタリングの利用をきっかけに与信管理の重要性に関して理解を深めることができるかもしれません。
取引先の与信管理を行う方法について悩まれている場合は、ぜひ一度ファクタリングを利用してみてはいかがでしょうか。