ファクタリングでのトラブルは弁護士に相談!トラブル事例とトラブルを防ぐためのポイントについて解説
目次
悪徳業者の利用によるトラブル事例
ファクタリングは安全な資金調達方法ですが、なかには悪徳業者が存在します。
なぜなら、ファクタリング会社は開業に伴って貸金業登録を行う必要がなく、資金さえあれば誰でも開業できるからです。
悪徳業者の利用を回避するには、過去のトラブル事例に関して理解を深めることが重要です。
本章では、悪徳業者の利用によるトラブル事例をご紹介します。
事例①:高額な手数料を請求された
ファクタリングを利用する際は、必ず手数料が発生します。
手数料相場は、2社間ファクタリングで10%~30%、3社間ファクタリングで1%~9%ほどです。
しかし、ファクタリングには手数料の上限を制限する法律がありません。
そのため、悪徳業者の利用では「高額な手数料を請求された」というトラブルが相次いでいます。
また、「申し込みや契約の時点では低めの手数料を提示されていたが、いざ現金化する際に高めの手数料に変更された」という事例も珍しくありません。
高額な手数料を伴うファクタリングは、資金繰りに悪影響を及ぼします。
提示された手数料に疑問を抱いた場合は、他のファクタリング会社に申し込みを行い、比較してみることをおすすめします。
事例②:償還請求権ありの契約にされた
ファクタリング会社と契約を締結する際は、「償還請求権」の有無に関して確認する必要があります。
償還請求権とは、売掛金が貸し倒れになった場合に、ファクタリング会社が利用者に対して弁済を求めることができる権利です。
一般的なファクタリング会社では、償還請求権なしの契約が結ばれます。
しかし、悪徳業者の利用では、「知らないうちに償還請求権ありの契約にされていた」というトラブルが発生しています。
償還請求権ありの契約を結んでしまうと、売掛金の貸し倒れが発生した場合に、ファクタリング会社に対して売却した売掛金の金額を支払わなくてはいけません。
利用者は、売掛金の支払いが完了するまで安心することができないため、本来の業務に支障をきたしてしまう可能性があります。
事例③:常識を逸脱した取り立てを受けた
悪徳業者の利用により、「常識を逸脱した取り立てを受けた」との事例も多くあります。
利用者とファクタリング会社で取引を行う2社間ファクタリングでは、「売掛先→利用者→ファクタリング会社」の順番で支払いが実行されていきます。
利用者は、売掛先から支払われた売掛金をそのままファクタリング会社に入金しなければいけません。
しかし、なかには資金繰りの改善や支払いのために、売掛金を使い込んでしまう方もいます。
この場合、利用者は横領罪や詐欺罪などの罪に問われる可能性があるため、ファクタリング会社は法的手続きによる取り立てを行う必要があります。
しかし、悪徳業者は「売掛金を使い込んだ」という弱みを使い、違約金を取り立ててきます。
場合によっては、会社だけでなく、個人の自宅にまで乗り込んでくることも珍しくありません。
悪徳業者による取り立てがトラブルに発展してしまった場合、会社としても、個人としても社会的信用を失うことになります。
ファクタリングでのトラブルを弁護士に相談すべき理由
結論から申し上げると、悪徳業者の利用によるファクタリングでのトラブルは、すぐに弁護士に相談すべきです。
弁護士に相談するタイミングを逃してしまうと、高額な手数料による資金繰りの悪化や、違法な取り立てによる社会的信用性の失墜を招いてしまう可能性があります。
本章では、ファクタリングでのトラブルを弁護士に相談すべき理由について解説していきます。
理由①:払い過ぎた手数料を取り返せる可能性がある
ファクタリングには、手数料を制限する法律がありません。
しかし、償還請求権ありの契約など、契約内容の実態が「貸付」になっている場合、利息制限法が適用される可能性があります。
利息制限法が適用される契約で手数料を払い過ぎていた場合、弁護士に相談することで過払い金を請求することが可能です。
実際に、ファクタリングの手数料に関して弁護士に相談し、過払い金が返還されたという事例もあります。
ただし、過払い金が少額である場合は、弁護士に支払わなければいけない報酬の方が大きくなり、結果として損をしてしまう可能性があります。
そのため、弁護士に手数料の件を相談する際は、払い過ぎた手数料と弁護士報酬を比較してみるようにしましょう。
理由②:悪質な取り立てを止めることができる
悪徳業者は、利用者からお金を回収するために、悪質な取り立てを行ってくることが多いです。
会社への張り紙や電話など、業務に支障をきたすことも考えられます。
場合によっては、売掛先との関係悪化が懸念される「債権譲渡通知」を送付されることもあります。
そんな時は、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。
なぜなら、悪徳業者は弁護士に弱いからです。
弁護士に介入してもらうことで、悪徳業者と直接的にやり取りを行わなくてよくなるため、悪質な取り立てを止めることができます。
理由③:売掛先への説明をしてくれる
上述したように、悪徳業者を利用してしまった場合、売掛先に「債権譲渡通知」を送付される可能性があります。
もし、反社会勢力のようなイメージを持つ悪徳業者と関わっていることが売掛先に知られてしまった場合、取引を停止されてしまう可能性があります。
また、悪徳業者を利用していることが周囲に知られてしまえば、新規の取引先を開拓することも難しくなるでしょう。
しかし、弁護士から売掛先へしっかり説明してもらえれば、悪徳業者の利用によるリスクを最小限に抑えることができます。
自社で対応するよりも、弁護士に相談したほうが良い結果に結びつく可能性が高いため、売掛先への説明は弁護士に相談することをおすすめします。
ファクタリングのトラブルを弁護士に相談する際の注意点
ファクタリングにおけるトラブルは、弁護士に相談することによって早期解決に期待できます。
しかし、弁護士に相談する際はいくつか注意しなければいけない点があります。
本章では、ファクタリングのトラブルを弁護士に相談する際の注意点について解説していきます。
注意点①:ファクタリングに精通している弁護士が少ない
ファクタリングは、比較的新しいサービスです。
そのため、ファクタリングに精通している弁護士が少ない状況にあります。
弁護士は法律のプロであり、様々な問題を解決する際に頼りになることは事実です。
ただ、警察への通報や訴訟は、過去の判例や対応を参考にして行うことが一般的であるため、判例が少ないファクタリングに関するトラブルに関しては、対応しきれない可能性があります。
ファクタリングに関する問題を専門とする弁護士は存在するものの、数的には未だ少ない状況であるため、ファクタリングに関するトラブルを相談する弁護士を見つけることが難しいという問題点があります。
注意点②:悪質な弁護士が存在する
上述したように、ファクタリング問題を専門とする弁護士は少ない状況です。
そのため、「弁護士を見つけるのが難しい」という相談者の弱みに付け込み、多額の弁護士報酬を要求してくる悪質な弁護士が存在します。
また、ファクタリング専門を謳いながら、実際はファクタリングに関するトラブルに対応した経験がなく、解決に至らないというケースもあります。
高額な弁護士報酬を支払ったうえに、トラブルも解決できないという最悪な事態を招いてしまう可能性があるため、悪質な弁護士には要注意です。
注意点③:公的機関に相談したほうが安く済む場合もある
ファクタリングのトラブルを弁護士に相談する際は、必ず弁護士費用が発生します。
内訳としては、相談料、着手金、成功報酬、経費などがあります。
闇金や相続トラブルなど、依頼が多い事案であれば相場となる費用がありますが、ファクタリングに関する相談はあまり多くないため、相場となる費用が分かりにくい状況にあります。
そのため、相談料や着手金は安くても、トラブルを解決した段階でいきなり高額な成功報酬を請求されることも珍しくありません。
そのため、弁護士に相談するよりも、公的機関に相談したほうが安くトラブルを解決できる可能性があります。
現在では、金融庁や警察、日本貸金業協会など、多くの公的機関が相談窓口を設けています。
弁護士への依頼費用に不安がある場合は、まず公的機関に相談するようにしましょう。
ファクタリングのトラブルを防ぐためのポイント
ファクタリングのトラブルは弁護士に相談することをおすすめします。
ただ、弁護士への相談にも様々なリスクがあるため、トラブルを起こさないことが一番です。
本章では、ファクタリングのトラブルを防ぐためのポイントについて解説していきます。
ポイント①:複数のファクタリング会社で相見積もりをとる
「高額な手数料を請求される」というトラブルを防ぐためには、複数のファクタリング会社で相見積もりを取ることがポイントです。
ファクタリングの手数料には相場がありますが、それぞれの売掛金によって未回収リスクは異なるため、実際のところ参考程度にしかなりません。
そのため、複数のファクタリング会社に申し込みを行い、対象となる売掛金の手数料相場を知ることが重要です。
ファクタリングを検討している売掛金の手数料相場を知ることで、高額な手数料を請求してくる悪徳業者の利用を回避できます。
ポイント②:ファクタリングの仕組みを知る
「償還請求権ありの契約にされた」など、契約内容に関するトラブルを防ぐためには、ファクタリングの仕組みを知ることが重要です。
なぜなら、ファクタリングの仕組みを理解していなければ、その契約内容が一般的なものか分からないからです。
ファクタリングは、売掛金を早期に現金化できるサービスであり、ファクタリング会社が利用者の売掛金を買取るといったシンプルな仕組みです。
売掛金の未回収によって利用者に弁済義務が生じない「償還請求権なし」の契約が基本になります。
売掛金の未回収リスクは、債権譲渡と同時にファクタリング会社に移行するため、利用者は確実に売掛金を回収することが可能です。
これは一例ですが、このようにファクタリングの仕組みに関して理解を深めることで、ファクタリングのトラブルを防ぐことができます。
ポイント③:ファクタリング会社選びは慎重に行う
「常識を逸脱した取り立てを受けた」など、悪徳業者の利用によるトラブルを防ぐためには、ファクタリング会社選びを慎重に行うことがポイントです。
ファクタリングは、今や中小企業や個人事業主に人気の資金調達方法です。
利用者数の増加に伴い、多くのファクタリング会社が存在しているため、会社選びが難しい状況にあります。
特に初めてファクタリングを利用する方は、一般的なファクタリング会社と悪徳業者を見分けることが困難であるため、慎重に会社選びを行わなければいけません。
ファクタリング会社の実績や信頼性などを確認し、悪徳業者の利用を回避できれば、トラブルを事前に防ぐことができます。
ファクタリングでのトラブルは弁護士に相談!トラブル事例とトラブルを防ぐためのポイントについて解説のまとめ
今回は、悪徳業者の利用によるトラブル事例と弁護士に相談すべき理由、トラブルを防ぐためのポイントについて解説させていただきました。
ファクタリングにおけるトラブルは、弁護士に相談することで早期に解決できる可能性があります。
しかし、ファクタリングを専門とする弁護士は少ない状況にあるため、トラブルは事前に防ぐことが大切です。
もし、ファクタリングで何らかのトラブルに巻き込まれた場合は、ファクタリングに精通している弁護士に相談するようにしましょう。