ファクタリングと事業者ローンの違いは?おすすめの資金調達方法を解説
目次
ファクタリングと事業者ローンのどちらで資金調達すべきか悩んでいませんか。
結論から述べるとファクタリングがおすすめです。
事業者ローンは比較的簡単に融資を受けられます。
しかし契約時のリスクの低さから、ファクタリングの方が利用しやすいしくみです。
事業者ローンの定義を踏まえ、ファクタリングとの共通点や違いを解説します。
事業者ローンとは?
事業者ローンは「ビジネスローン」とも呼ばれ、融資形態のひとつです。
融資のなかでは比較的借りやすい一方、借り入れ可能額の低さや金利の高さなどに注意しなければなりません。
基本的なしくみについて、以下を見ていきましょう。
事業資金に特化したローン
事業者ローンとは、事業資金を借りられる融資サービスです。
法人または個人事業主のみが利用できます。
借り入れ金の使用目的は、ビジネスのためでなければいけません。
事業者ローンの目的として、主に以下が挙げられます。
・新規事業の開始
・設備投資
・運転資金
・取引先への支払い
このようにビジネス関連のお金なら、どのような場面でも借りられます。
会社経営では新規事業の立ち上げに限らず、設備投資や経費の支払いなど、さまざまな場面でまとまったお金がかかります。
手元の資金が足りないときは、事業者ローンで解決できることもあるのです。
総量規制の対象外
事業者ローンの特徴は、総量規制の対象外である点です。
総量規制は2010年6月に完全施行されました。
ローンの提供者は利用者に対し、年収の3分1を超える金額は貸しつけられません。
たとえば利用者の年収が600万円なら、融資可能額は200万円までです。
しかし事業者ローンには、上記のルールが適用されません。
そのため借り入れ金が年収の3分の1を超えるケースもあります。
一般的な銀行融資やカードローンと違い、借り入れ金に実質的な制約がないのです。
総量規制に当てはまらないため、事業者ローンは一部経営者にとって使いやすいといえます。
融資のスピードが比較的早い
事業者ローンは、申し込みから融資までの期間が比較的短いといえます。
銀行融資や公的融資は、審査に時間がかかりやすいしくみです。
一般的には借り入れまで2週間から1か月を要するでしょう。
しかし事業者ローンは、最短で即日に借りられます。
そうでなくても申し込みから1週間~10日後に借りられる傾向があります。
すぐに資金が必要な経営者は、早期の融資に助けられるでしょう。
このように事業者ローンは、ほかの融資形態より素早い対応が特徴です。
借り入れ可能額の低さや金利の高さに要注意
事業者ローンは借り入れ可能額の低さや、金利の高さがデメリットです。
借り入れ可能額は提供会社により異なるものの、多くて数百万円程度が相場といえます。
つまり1000万円以上借りたい場合は、事業者ローンが推奨されません。
金利の高さも、経営者にとって大きな負担です。
たとえば銀行から融資を受けた場合、その金利は年利2%台が相場とされます。
しかし事業者ローンを利用すると、10~18%の金利がかかります。
まとまった金額を借りにくいうえ、返済時は利息がかさみやすいのです。
ファクタリングと事業者ローンの共通点2つ
ファクタリングと事業者ローンは、それぞれ多くの経営者が利用しています。
2つの資金調達方法には共通点があるので、以下を見ていきましょう。
1.資金調達に使いやすい
2.担保や保証人なしで契約可能
1.資金調達に使いやすい
最初の共通点は、資金調達に使いやすいことです。
ファクタリングは、多くの業者で早期の資金調達ができます。
一部業者は即日入金可能であるため、急に資金が足りなくなっても助かるのです。
事業者ローンも一部業者において、即日入金があります。
申し込みから融資まで1週間~10日かかるケースもありますが、それでも融資のなかでは早い方です。
手軽に借りられる点で、サービスを評価する経営者もいます。
ファクタリングと事業者ローンは、ともに短時間で資金調達できるイメージです。
2.担保や保証人なしで契約可能
ファクタリングだけでなく、事業者ローンも担保や保証人なしでの契約が可能です。
ここでの担保とは、不動産や売掛金などの特定資産を指します。
資金を借りたとき、期限までに返済できなければ、担保品を売って返済に充てるしくみです。
また保証人を立てた場合、金融機関が彼らに未払い金を請求します。
利用者が返済期限を守れない場合、保証人が代わりに返済しなければなりません。
ファクタリングは返済義務がないため、担保や保証人が不要です。
事業者ローンも融資でありながら、担保や保証人なしで申し込めます。
ファクタリングと事業者ローンの違い3つ
ファクタリングと事業者ローンは、サービス内容が異なります。
契約内容やコストのかかり方などが違うので、比較検討に役立ててください。
ここでは以下の3つの違いを見ていきましょう。
1.契約形態の違い
2.コストの違い
3.審査内容の違い
1.契約形態の違い
ファクタリングと事業者ローンの最初の違いは、契約形態です。
ファクタリングは売掛金を買い取ってもらうだけなので、融資の概念がありません。
利用者に返済義務がないため、月々の支払いも不要です。
事業者ローンは融資にあたり、借りたお金を返さなければなりません。
借りたぶんだけでなく、金利に応じて利息支払い義務も生じます。
さらに返済期限を守れないと、今後の利用を断られることもあります。
ファクタリングは事業者ローンと違い、返済義務がありません。
返済計画を立てなくてよいので、気軽に利用できる経営者もいます。
2.コストの違い
次の違いはコストのかかり方です。
ファクタリングは売掛金の金額の一部に対し、手数料がかかります。
業者からの入金時に、手数料が売却額から差し引かれるしくみです。
一方事業者ローンは、毎月の返済のたびに利息を支払わなければなりません。
長期的にコストがかかるため、慎重な資金管理が求められます。
ファクタリングの手数料は一括払いである一方、事業者ローンの金利は毎月かかる点に要注意です。
コストのしくみを踏まえながら、理想の資金調達方法を決めてください。
3.審査内容の違い
最後の違いは、申し込み後の審査内容です。
ファクタリングの主要な審査基準は、売掛先の健全性です。
売掛先に支払い能力があれば、取引できる可能性が高いといえます。
そのため自社の経営状況がよくなくても、資金調達できる場合があります。
一方事業者ローンは、自社の財務状況が主な審査対象です。
事業者自身が返済をしなければならないため、支払い能力が欠けていると利用できません。
資金調達方法によって、審査内容が異なります。
どちらの場合も、審査通過のため入念な準備を済ませてください。
ファクタリングを選ぶべき理由3つ
事業性ローンより、ファクタリングによる資金調達がおすすめです。
多くの経営者が利用できるほか、返済のような金銭的リスクがありません。
事業性ローンよりファクタリングが推奨される理由を、以下で3つ解説します。
1.経営状態にかかわらず利用できる
2.貸借対照表へのリスクも少ない
3.原則ノンリコース契約ができる
1.経営状態にかかわらず利用できる
ファクタリングの最初のメリットは、経営状態にかかわらず利用できることです。
主要な審査基準が売掛先なので、自社の財務状況がよくなくても取引できます。
事業者ローンは、自社の財務状況がよくないと利用できません。
融資を提供する金融機関は、利用者の返済能力を重視するからです。
資金繰りが厳しくなったとき、金融機関から融資を断られると先行きが不透明になります。
申し込みに無駄な時間を費やすうえ、資金調達の見通しが立たないからです。
しかしファクタリングは、財務状況がよくない経営者でも利用できるため、早期の資金調達を済ませやすいといえます。
2.貸借対照表へのリスクも少ない
ファクタリングの次のメリットは、貸借対照表へのリスクの少なさです。
利用者は返済義務を負わないため、貸借対照表に負債が記録されません。
以上から財務状況へのダメージを抑えられます。
負債なしで資金調達できれば、貸借対照表のスリム化が可能です。
借り入れ金が記録されないため、余分な情報を書き込まなくてよいといえます。
事業者ローンは資金を手軽に借りられる一方、貸借対照表に負債が記録されます。
ファクタリングはそのようなリスクがないため、融資より気軽に使えるのです。
3.原則ノンリコース契約ができる
ファクタリングの最後のメリットは、原則ノンリコース契約である点です。
ノンリコースとは償還請求権なしを意味します。
償還請求権を業者が有している場合、利用者に財務上のリスクがともないます。
売掛金の売掛先が支払い期日を守れないとき、業者が未払い金を利用者に請求するからです。
しかしノンリコース契約なら、売掛先の債務不履行があっても、業者が責任を負います。
そのため利用者は財務上のリスクを受け入れる必要がありません。
ファクタリングと事業者ローンの違いのまとめ
ファクタリングだけでなく、事業者ローンも手軽な資金調達方法です。
融資のなかでは借り入れ可能額が低く、金利が比較的高いものの、早期に資金を借り入れられます。
そのため多くの経営者が利用しています。
しかし実際はファクタリングの方が、資金調達方法としておすすめです。
融資と違って返済義務がなく、貸借対照表のスリム化も期待できます。
計画的に資金を調達するなら、ファクタリングを検討してください。