【早期再就職支援等助成金】UIJターンコースの内容と活用する際の注意点について解説
目次
早期再就職支援等助成金「UIJターンコース」は、東京圏からの移住者を雇入れた事業主を支援する制度です。
採用活動に掛かった経費に対して助成を受けることができます。
人材確保を課題として抱える事業主にとっては非常にメリットのある制度となっているので、ぜひ活用を検討してみてください。
本記事では、早期再就職支援等助成金「UIJターンコース」の内容と活用する際の注意点について解説していきます。
早期再就職支援等助成金「UIJターンコース」とは
早期再就職支援等助成金「UIJターンコース」は、東京圏からの移住者を雇入れた事業主に対して、採用活動に掛かった経費の一部を助成する制度です。
地方分散が注目されている昨今において、注目を集めている助成金の一つとなっています。
「UIJターンコース」の「UIJ」とはどのようなことを意味するかご存知ですか。
・Uターン:地方で生まれ育った人が一度都会で就職をし、その後移住・転職を目的に再び生まれ育った地方に帰ること
・Iターン:元々都会で生まれ育ち、そのまま都会で就職した人が地方へ移住・転職すること
・Jターン:地方出身の人が一度都会に出て就職をし、再度地方に移住・転職すること
UターンとJターンは非常に似ていますが、「どこまで戻るか」という点に違いがあります。
例えば大分県出身の方が一度上京し、再度大分県に戻る場合は「Uターン」となります。
一方、大分県出身の方が一度上京し、福岡県など出身地の近くに移住・転職する場合は「Jターン」になります。
「UIJターンコース」は、上記のような都会から地方への移住・転職を促進することを目的としています。
早期再就職支援等助成金「UIJターンコース」の内容
ここからは本記事の本題である「UIJターンコース」の内容について解説していきます。
受給要件や助成対象となる経費、助成金額について解説していきますので、UIJターンコースの活用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
UIJターンコースの受給要件
本コースを活用して助成金を受給するためには以下の受給要件を満たす必要があります。
申請者にあたる事業主の要件、本コースの対象となる労働者の要件に分けてご紹介します。
【事業主の要件】
・採用活動に関する計画書を管轄する労働局に提出し、認定を受けている
・計画書で定めた期間中に以下の採用活動を行っていること
1.募集・採用パンフレット等の作成・印刷
2.自社ホームページ・自社PR動画の作成・改修
3.就職説明会・面接会・出張面接の実施(オンライン可)
4.外部専門家(社会保険労務士・中小企業診断士等)によるコンサルティング
【労働者の要件】
・東京圏からの移住者の方(※1,※2)
・デジタル田園都市国家構想交付金を活用してマッチングサイトに掲載された求人に応募し、期間中に雇入れられた方
・雇入れ日より雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇入れられた方
・継続して雇用することが確実であると認められる者
※1:デジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)を活用して地方公共団体が実施する移住支援事業を利用したUIJターン者に限る
※2:新規学卒者及び新規学卒者と同一の採用の枠組みで採用された者は対象外
「UIJターンコース」の助成対象となる経費
本コースにおいて助成対象となる経費は以下の通りです。
・募集・採用パンフレット等の作成・印刷経費
・自社ホームページ・PR動画の作成・改修経費
・就職説明会・面接会・出張面接等の実施経費
・外部専門家によるコンサルティング費用
民間有料職業紹介事業の紹介手数料や求人情報誌や求人情報サイトへの掲載料などは、助成対象経費にならないので注意が必要です。
「UIJターンコース」の助成金額
本コースの助成率・助成金額は、企業規模に応じて変動します。
具体的な、助成率・助成金額は以下の通りです。
・中小企業:1/2(助成率),100万円(上限額)
・中小企業以外:1/3(助成率),100万円(上限額)
また、上記でご紹介した助成対象経費のうち、以下の費用に関しては別途以下のように上限額が設けられています。
・就職説明会等の実施に要した費用のうち採用担当者の宿泊費:1人1泊8,700円まで
「UIJターンコース」の申請の流れ
本コースの申請の流れは以下の通りです。
1.採用活動に係る計画書の提出・認定
2.採用活動の実施
3.支給申請書の提出
本コースを活用する際は、計画開始日の3ヵ月前までに採用活動に係る計画書を提出する必要があります。
その後労働局から認定を受け、採用活動計画を実施します。
採用活動の実施は上記で解説した受給要件に従って行う必要があり、申請者にあたる事業主は計画期間中に1人以上の移住者を新たに雇用しなければいけません。
計画期間終了後は、終了日の翌日から起算して2ヵ月以内に支給申請書とその他必要書類を労働局へ提出してください。
もし、申請の流れに関して不明点や質問がある場合は、最寄りの労働局・ハローワークへお問い合わせください。
「UIJターンコース」を活用する際の注意点
本コースは、東京圏からの移住者を雇入れた事業主に対して助成する制度です。
採用活動に係る経費の一部に対して助成を受けられるため、人材確保に注力している事業主にとっては非常にメリットがある制度だといえます。
しかし、実際に活用する際はいくつか注意しなければいけない点が存在します。
本記事では、早期再就職支援等助成金「UIJターンコース」を活用する際の注意点について解説していきます。
雇用した労働者が6ヵ月以内に離職した場合は助成金を受給できない
本コースで助成金を受給するためには、東京圏からの移住者を65歳以上まで継続的に雇用することを前提に雇入れる必要があります。
とはいえ、雇入れた労働者が要因となって継続的な雇用が不可能になるケースもあるので、最低でも6ヵ月以上は継続的に雇用する必要があります。
離職理由に関わらず、雇入れた労働者が6ヵ月以内に離職した場合は、助成対象外となってしまうため注意が必要です。
また、計画期間の始期から支給申請書の提出日までの間に、もともと雇用していた雇用保険被保険者を事業者都合によって解雇等した場合も助成対象外となってしまいます。
地方公共団体の移住支援事業・マッチング支援事業への登録が必要
本コースを活用するためには、申請者にあたる事業主が地方公共団体の移住支援事業・マッチング事業へ登録する必要があります。
移住支援事業・マッチング事業とは、いわば都市部から地方への移住を支援する制度のことです。
ただ、現状上記事業への登録が済んでいないからといって焦る必要はありません。
採用計画書の提出は上記事業への登録が済んでいない事業主の方でも行うことができます。
【早期再就職支援等助成金】UIJターンコースの内容と活用する際の注意点について解説のまとめ
今回は、早期再就職支援等助成金「UIJターンコース」の内容と活用する際の注意点について解説させていただきました。
UIJターンコースは国・地方自治体が進める地域活性化の取組みの一部で、東京圏からの移住者を雇入れた事業主を支援する制度となっています。
実際に助成金を受給するためには、上記で解説したようにいくつかの要件を満たす必要がありますが、事業主にとってメリットがある制度であることは間違いありません。
UIJターンコースの活用を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。