助成金・補助金情報

2024年に使える中小企業・個人事業主向けの補助金・助成金からおすすめの5つを紹介

会社経営者の中には「設備投資後の資金繰りが心配」「業務改善や人材育成に取り組んでいるが、その後も資金が続くかどうか不安」という方がおられます。そうした方におすすめなのが補助金や助成金です。

2024年は、ポストコロナの時代に入り事業転換、事業編成、国内回帰、新たな市場への進出に取り組み企業が増えてきました。

国や自治体は、2024年以降新たな分野にチャレンジする企業や個人事業主をサポートするため補助金や助成金をいくつも用意しています。

そこで、この記事では2024年に使える補助金・助成金の中からおすすめのものを厳選して5つ紹介します。

そもそも補助金と助成金では何が違う?

2024年に使える補助金・助成金を紹介する前に、補助金と助成金の違いを説明します。

補助金は、主に経済産業省や自治体が管轄しています。新規事業の支援、事業拡大や設備投資の支援を目的としており、公益や地域振興につながる事業をサポートすることが目的です。

補助金の特徴をまとめました。
・目的:新規事業、事業拡大、設備投資などの支援により公益や地域振興につながる事業を促進させるため
・管轄:経済産業省、自治体
・給付額:高額(数百万円~数十億円)
・受給に必要な条件:審査に通過する必要がある(審査は比較的厳しい)
・応募できる期間:公募は一定期間のみ
・返済の必要性:なし

助成金は、主に厚生労働省が管轄しており、雇用促進や職場改善といった労働環境を整える活動を促進させるためのものです。

助成金の特徴もまとめてみました。
・目的:雇用促進や職場改善など労働環境を整える活動を促進させるため
・管轄:厚生労働省
・給付額:補助金よりは低い(数十万円~数百万円)
・受給に必要な条件:条件を満たせば受給が可能
・応募できる期間:年間を通じで公募している(通年公募)
・返済の必要性:なし

補助金・助成金に共通する点は、原則として事業期間中に支払った経費のうち、補助対象となっている特定の経費について、事業終了後の確定検査を経て補助されるという点です。

したがって、補助金も助成金も、何かしらの事業を始める前にもらえるお金ではありません。

2024年に使える補助金・助成金を探しているという会社経営者は、資金使途を把握し、それに応じた補助金もしくは助成金を選んでください。

おすすめの2024年に使える補助金3選

2024年に使える補助金としておすすめするのは次の3つです。

・事業再構築補助金
・ものづくり補助金
・小規模事業者持続化補助金

事業再構築補助金

2024年に使える補助金として、まず紹介するのは事業再構築補助金です。

事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業などの挑戦を支援することを目的としています。

申請に必要な必須条件は以下の通りです。

①事業計画について認定経営革新等支援機関や金融機関の確認を受けること
②補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加の達成

申請枠の種類は以下の通りです。
・成長枠
・グリーン成長枠(エントリーとスタンダードの2種類)
・卒業促進枠
・大規模賃金引上促進枠
・産業構造転換枠
・サプライチェーン強靭化枠
・最低賃金枠
・物価高高騰対策・回復再生応援枠

中小企業の事業再構築促進事業の例には以下のものがあります。
・オフィス勤務向けの弁当販売事業をおこなっている事業者が高齢者受けの食事宅配事業を開始する
・衣料品の店舗販売のみをおこなっていた事業者がネット販売を開始し、全国的に商品を販売する
・半導体製造装置の技術を応用した洋上風力設備の部品製造を新たに開始する

補助対象となる経費は以下の通りです。
・建物費(建物の建築・改修など)
・機械装置・システム構築費・技術導入費(知的財産権導入に要する経費)
・外注費(加工・設計など)
・広告宣伝費・販売促進費(広告作成・媒体掲載・展示会出展など)
・研修費(教育訓練など)など

事業再構築補助金は、申請枠の種類がたくさんある、補助対象となる経費の範囲が広いという特徴があるので、2024年に使える補助金ということができます。

ものづくり補助金

2024年に使える補助金として、次に紹介するのはものづくり補助金です。

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上や持続的な賃上げに向けて、革新的な製品・サービスの開発、生産プロセスなどの省力化に必要な設備投資・システム構築を支援することを目的にしています。

ものづくり補助金を申請するためは、以下の要件すべてを満たす3年~5年の事業計画を策定することが必要です。

・事業者全体の付加価値額を年平均成長率(CAGR)3%以上増加
・給与支給総額を年平均成長率(CAGR)1.5%以上増加
・事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

ものづくり補助金の申請枠にはいくつかの種類があります。

・省力化(オーダーメイド)枠
・製品・サービス高付加価値化枠(通常類型と成長分野進出類型の2種類)
・グローバル枠

たとえば、省力化枠の活用イメージとしては、熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、AIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現するといったものがあります。

省力化により、組立工程における生産性が向上し、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能です。

ものづくり補助金は、申請枠がいくつかあり、補助金の上限額も従業員規模に合わせて、数百万円から数億円と比較的高額になっています。会社で取り組みを検討している事業があれば、内容に適した申請枠を探せるでしょう。

小規模事業者持続化補助金

2024年に使える補助金として、おすすめする3番目のものは小規模事業者持続化補助金です。

この補助金は、小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上でおこなう販路開拓や生産性向上の取り組みを支援することが目的になっています。

商業・サービス業なら常時使用する従業員数が5人以下、宿泊業・娯楽業は常時使用する従業員数が20人以下、製造業その他なら常時使用する従業員数が20人以下で申し込み可能です。

さらに申請には以下の要件をすべて満たさなければなりません。

・資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
・直近過去3年分の各年もしくは各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
・持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を、原則本補助金の申請までに受領されたものであること
・「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと

小規模事業者持続化補助金にはいくつかの申請枠があります。

・通常枠
・賃金引き上げ枠
・創業枠
・後継者支援枠
・創業枠

小規模事業者持続化補助金は、会社および会社に準ずる営利法人、商工業者である個人事業主、社会福祉法人や医療法人などを除く特定非営利活動法人が補助の対象です。

事業継続に悩んでいる中小企業や個人事業主は、小規模事業者持続化補助金の活用を検討できるでしょう。

おすすめの2024年に使える助成金2選

2024年に使える助成金としておすすめなのは次の2つです。

・地域雇用開発助成金
・キャリアアップ助成金

地域雇用開発助成金

2024年に使える助成金としておすすめするのは、地域雇用開発助成金です。

この助成金は、雇用情勢の厳しい地域などで、事業所の設置・整備に伴い地域の求職者などを雇い入れた事業主に対して支給されます。

雇用情勢の厳しい地域に該当するものは次の3つです。

・同意雇用開発促進地域(求職者数に比べて雇用機会が著しく不足している地域)
・過疎等雇用改善地域(若年層・壮年層の流出が著しい地域)
・特定有人国境離島等地域

対象地域に雇用保険の適用事業所を設置・整備し、それに伴い、その地域に居住する求職者を一定の条件で雇い入れた場合、設置・整備に要した費用と増加した人数に応じて、一定の金額を助成されます。

キャリアアップ助成金

2024年に使える助成金として次におすすめするものは、キャリアアップ助成金です。

キャリアアップ助成金では、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者といった非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成金が支給されます。

キャリアアップ助成金には大きく分けると正社員化支援と処遇改善支援の2つの支援分野があり、正社員化のコースは、次の2つです。

・正社員化コース
・障害者正社員化コース

処遇改善支援のコースは次の4つです。

・賃金規程等改正コース
・賃金規程等共通化コース
・賞与・退職金制度導入コース
・社会保険適用時処遇改善コース

正社員化コースでは、有期雇用労働者などを1人正社員化するだけで、中小企業なら80万円の助成金が支給されます。

非正規雇用労働者の正社員化などを検討しているなら、申請すべき助成金です。

2024年使える補助金・助成金のまとめ

この記事では、2024年に使える補助金・助成金の中からおすすめとして次の5つを紹介しました。

・事業再構築補助金
・ものづくり補助金
・小規模事業者持続化補助金
・地域雇用開発助成金
・キャリアアップ助成金

補助金や助成金は、事業期間中に支払った経費のうち、補助対象となっている特定の経費について、事業終了後の確定検査を経てから支給されます。

したがって、何かしらの取り組みを始めるための資金が必要です。

新しい取り組みを始めるための資金が不足しているという場合、融資や投資家からの支援、株式の発行、ファクタリングなどの手段で資金を調達しなければなりません。

資金調達に成功し新しい取り組みを始めたならば、その活動を支援してくれる補助金・助成金を探し申請するようにしてください。そうすれば資金不足に悩むことなく事業の継続・拡大ができるでしょう。