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【両立支援等助成金】柔軟な働き方選択制度等支援コースの内容と活用する際の注意点について解説

「柔軟な働き方選択制度等支援コース」は、育児を行う従業員の柔軟な働き方を可能とする制度の導入を促進する制度です。
事業主が柔軟な働き方を可能とする2つ以上の制度を導入し、従業員が実際に制度を利用した場合に助成金が支給されます。
近年では、フレックスタイム制の導入や週休3日制の採用など、従業員の働き方に関する制度の導入を積極的に行う事業主も増えてきています。
時代に沿った働き方を取り入れるためにも、本コースを活用していきましょう。
本記事では、柔軟な働き方選択制度等支援コースの内容と活用する際の注意点について解説していきます。

柔軟な働き方選択制度等支援コースとは

柔軟な働き方選択制度等支援コースとは、育児を行う従業員の柔軟な働き方を可能にする制度を複数導入し、実際に利用された場合に制度を導入した事業主に対して助成金を支給する制度です。
近年では、仕事と生活のバランスを考える「ワークライフバランス」が重視されることが多くなっています。
一昔前のように長時間労働が素晴らしいとされる考え方はなくなりつつあり、就職活動を行う際に残業時間や有給取得率を重視する人も珍しくありません。
このような時代の背景から、今の時代の会社には従業員に柔軟な働き方を提供することが求められています。

柔軟な働き方選択制度等支援コースの内容

ここからは皆さんが気になっている「柔軟な働き方選択制度等支援コースの内容」について解説していきます。
受給要件や助成金額をはじめ、実際に本コースで助成対象となる制度等についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

受給要件

本コースを活用するためには、以下の受給要件を満たす必要があります。
1.育児を行う従業員の柔軟な働き方を可能とする制度の内容と手続きについて、労働協約・就業規則に規定していること
2.「育児に係る柔軟な働き方プラン」を策定し、育児を行う従業員の柔軟な働き方に関する制度の利用と制度利用後のキャリア形成を支援することに関して、雇用する全従業員に周知していること
3.制度利用者との面談の内容を記録し、当該面談内容を踏まえて「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を作成すること
4.制度利用者が制度のうち1つを、利用開始から6ヵ月間で一定の基準以上利用したこと
5.制度利用者を、制度利用期間中及び支給申請日において、雇用保険被保険者として雇用していること
6.育児に関する制度の内容を従業員が制度を利用する前に労働協約・就業規則に定めていること
7.次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること

柔軟な働き方を可能とする制度の内訳

本コースを活用する際は、以下の7つのうち最低でも2つの制度を導入する必要があります。
ただし、同じ番号が振られている制度に関しては2つの制度を導入したとしても1つの制度と認識されるので注意が必要です。

1.フレックスタイム制度
2.時差出勤制度
3.育児のためのテレワーク制度
4.短時間勤務制度
5.保育サービスの手配及び費用補助制度
6.子の養育を容易にするための休暇制度
7.法を上回る子の看護休暇制度

上記制度にはそれぞれ助成対象となる内容が規定されています。
詳しい制度内容等は厚生労働省のホームページに記載されているので、ぜひご覧になってください。
両立支援等助成金 支給申請の手引き(2024年度版) (mhlw.go.jp)

助成金額

本コースにおける助成金額は導入した制度の数によって以下のように変動します。

・2つ導入した場合:20万円
・3つ以上導入した場合:25万円

本コースの助成金を受給するためには、あくまでも導入した制度を利用する従業員がいることが前提です。
また、支給人数に関しては1年度につき1事業主5人までとなっています。
本コースにおける加算措置は「育児休業等に関する情報公開加算」のみとなっています。
情報公開に同意すれば、上記の助成金額に2万円が加算されます。

支給申請までの流れ

1.本コースを活用した際の支給申請までの流れは以下の通りです。
2.柔軟な働き方選択制度等を就業規則等に規定
3.プラン作成のために対象従業員と面談
4.面談内容を踏まえてプランを作成する
5.プランに基づいた制度利用の支援
6.制度を6ヵ月間利用する
7.支給申請

本コースの申請期間は、6ヵ月間の制度利用期間の翌日から起算して2ヵ月以内です。
6ヵ月という少々長い期間を経て支給申請を行う必要があり、従業員が制度利用後すぐに支給申請を行えるわけではないため、注意が必要です。

柔軟な働き方選択制度等支援コースを活用する際の注意点

本コースを活用する際は、以下の点に注意する必要があります。

導入する制度を利用できる期間が決まっている

本コースを活用する事業主は、柔軟な働き方選択制度等を導入する際、子が3歳以降小学校就学前までの従業員が利用できる制度として設ける必要があります。
両立支援等助成金の他のコースに関しては、生まれてすぐの子を育児するための休業等を支援していますが、本コースでは主にそれ以降の育児を支援しています。
ただ、子が3歳未満の従業員も本コースの対象とする旨を事業主の労働協約・就業規則に規定している場合は、当該年齢の育児に関しても対象となります。
3歳以降小学校就学前までと範囲が広いので、制度利用を希望する従業員が殺到することを考慮して制度を導入するようにしましょう。

制度利用期間中に従業員の雇用形態や給与形態を変更してはならない

本コースを活用する際、制度利用期間中にあたる6ヵ月間の間に制度利用者の雇用形態や給与形態の不合理な変更を行ってはいけません。
もし、不合理な変更を行っていることが発覚した場合、支給対象外となります。
また、制度利用期間中に利用者が解雇・退職している場合も同様です。
退職に関しては、制度利用者を雇用する事業主側に責任がなくとも支給対象外となってしまうので、本コースを活用する前に制度利用者の意思を確認しておく必要があります。

【両立支援等助成金】柔軟な働き方選択制度等支援コースの内容と活用する際の注意点について解説のまとめ

今回は、柔軟な働き方選択制度等支援コースの内容と活用する際の注意点について解説させていただきました。
本コースは時代に合った雇用環境を整えていくために有効に活用できる制度です。
柔軟な働き方を選択できる環境が整っていれば、今後出産や育児を検討している従業員も安心して働くことができます。
また、そのような制度を導入していることは、採用面にも好影響を与えるでしょう。
本コースに興味を持たれている方は、ぜひ一度活用してみてください。