ファクタリングとは売掛金の先払い|メリットやデメリットなどを紹介
支払いまでの期日が遠く、なかなか決済されない売掛金に悩んでいませんか。
ファクタリングなら売掛金の先払いを受けられます。
あらゆる企業が経営状況を問わず利用でき、早期の資金調達が可能です。
一方手数料や悪徳業者とのトラブルなどに気をつけてください。
今回はファクタリングによる売掛金の先払いについて、メリットやデメリットをまとめました。
これを読めば、売掛金の先払いのしくみを学べるでしょう。
ファクタリングとは売掛金の先払い
ファクタリングとは、売掛金の先払いを意味します。
取引先から未入金である売掛金について、早期に決済してもらえます。
企業はファクタリング業者に依頼し、売掛金を譲渡するしくみです。
買い取った業者は、その代価を企業に支払います。
資金繰りの厳しい企業は、取引先に知られない形で、ファクタリングの利用が可能です。
売掛金の支払い時期を早める交渉は、取引先の事情もあり難しいでしょう。
取引先から経営状況が危ういと疑われ、関係性が悪化することもあります。
しかしファクタリングを利用すれば、取引先に知られずに、売掛金分の資金を得られるのです。
取引先との関係性も守れるので、企業は安心して利用できるでしょう。
ファクタリングによる売掛金の先払いの流れ
ファクタリングで売掛金を先払いしてもらう流れは、以下のとおりです。
1．申し込み
2．審査から入金まで
3．売掛金の買い取りと入金
1．申し込み
まずはファクタリング業者への申し込みです。
業者の公式サイトによっては会員登録を要します。
会員登録が済んだら、専用のフォームで売掛金を申し込んでください。
多くのファクタリング業者は、インターネットで申し込みを受けつけています。
そのため必要書類も、公式サイトの専用フォームからアップロードしなければなりません。
インターネットの使い方に慣れていないと、手続きに時間がかかることもあります。
業者のルールに合わせて、アップロードが必要な書類をひととおり準備してください。
2．審査から入金まで
申し込みが終わったら、ファクタリング業者が審査を行います。
審査結果がメールで知らされ、通過なら契約段階へ移りましょう。
業者は売掛金を買い取り、代価から手数料を差し引いてから、企業の口座へ振り込みます。
ファクタリング業者によっては入金のタイミングが早いため、こまめに入金の有無を確かめてください。
入金が確認されれば、売掛金の買い取りは成立します。
一部のファクタリング業者は、即日入金が可能です。
営業日の午前中に手続きを終えれば、申請日当日の振込もあるでしょう。
早期の先払いを希望するなら、営業日を午前中に申し込んでください。
3．売掛金の回収
売掛金の売却が終わったら、取引先からの資金回収を要します。
企業と業者だけでファクタリング契約をした場合、取引先は企業の状況を知らないのです。
そのためいつもどおりに、売掛金を決済します。
企業は受け取ったら、すぐに業者へ渡さなければなりません。
ファクタリング業者は売掛金を買い、企業に代価を支払っているため、取引先の同額の支払いを待っています。
仮に取引先が支払い期日を守らないと、売掛金の新たな持ち主である業者が損失を受ける形です。
このような事態がないように、企業は取引先からの資金回収に協力しなければなりません。
ただしファクタリングには企業と業者、取引先による3社間契約もあります。
この場合は企業による売掛金の売却後、取引先が売掛金を業者へ直接決済するので、企業による資金回収への協力は不要です。
売掛金の先払いのメリット4つ
売掛金の先払いには、さまざまなメリットがあります。
支払い期日まで決済を待たなくてよく、さまざまな企業が利用可能です。
ここでは4つのメリットを紹介します。
1．支払い期日いっぱいまで決済を待たなくてよい
2．個人事業主やフリーランスも利用可能
3．融資や補助金の代替案にできる
4．貸し倒れリスクへの対応が可能
1．支払い期日いっぱいまで決済を待たなくてよい
ファクタリングでは売掛金の先払いを受けられるので、支払い期日いっぱいまで決済を待たなくてよいのです。
緊急で資金が必要でも、早期の資金調達ができます。
手元の資金が足りないときは、ファクタリングでスムーズに解決できるでしょう。
企業間取引では、売掛金が生じた結果、取引先からの支払いが遅くなるかもしれません。
支払いを待っている間に、資金不足に見舞われる企業もあります。
こうした問題を解決するため、売掛金の先払いを利用できるのです。
売掛金の売却後、取引先からの支払いを、業者に渡せれば問題ありません。
2．個人事業主やフリーランスも利用可能
ファクタリングの特徴は、個人事業主やフリーランスでも利用できる点です。
業者によっては小規模事業者を対象としています。
そのためサービス内容も「1万円から買い取り可能」というように、小口取引に対応する形です。
一部のファクタリング業者は、小口取引の先払いで、多くの事業者を助けるでしょう。
法人向けサービスだと、買い取り額の下限が決まっています。
たとえば100万円が下限だと、50万円の売掛金は買い取ってもらえません。
一方下限が1万円なら、50万円の売掛金にも対応可能です。
このように下限の緩いファクタリング業者なら、小規模事業者でも申し込みやすいでしょう。
3．融資や補助金の代替案にできる
ファクタリングによる売掛金の先払いは、融資や補助金の代替案にもなります。
たとえば銀行融資に申し込むと、企業の財務状況を厳しくチェックされます。
財務状況がよくないと、融資を断られるかもしれません。
また補助金は受給できる企業や、応募可能な時期が限られていて、自社に合うものを見つけられない可能性があります。
このような問題を解決するのが、ファクタリングによる先払いサービスです。
売掛金の取引先に支払い能力があれば、企業の経営状況を問わず審査通過できるでしょう。
そのため融資や補助金を受けられない企業も、ファクタリングでの資金調達が可能です。
4．貸し倒れリスクへの対応が可能
ファクタリングは貸し倒れリスクの対策にもなります。
多くの業者は償還請求権なしで契約するからです。
償還請求権があれば、取引先が債務不履行に陥ったとき、業者が企業に未払い分を請求できます。
しかし償還請求権なしなら、業者からそうした要求を受けません。
以上から取引先に万が一のことがあっても、売掛金の譲渡後なら企業は損失を逃れられます。
このような貸し倒れリスク対策も、ファクタリングのメリットです。
売掛金の先払いのデメリット4つ
売掛金の先払いには、デメリットもあります。
コストやトラブルのリスクを勘案し、利用すべきか検討しましょう。
注意すべきデメリットを、ここでは4つ紹介します。
1．利用手数料がかかる
2．悪質業者とのトラブルに要注意
3．3社間契約だと取引先との関係性悪化の可能性
4．取引先の支払い能力が不十分だと審査に通らない可能性
1．利用手数料がかかる
最初のデメリットは利用手数料がかかる点です。
ファクタリングの手数料は、業者によって異なります。
企業は売掛金を先払いしてもらうぶん、一定のコストを受け入れなければなりません。
ファクタリング業者の手数料は、売掛金の未回収リスクへの対策です。
取引先の債務不履行があると、業者が一定の損失を受けます。
以上の対策として、高めの手数料も見られるのです。
売掛金の先払いを受けると、手数料を払わなければいけないので、取引先からの直接決済より手取りが少なくなります。
コストを抑えるなら、手数料の安い業者に依頼しましょう。
2．悪質業者とのトラブルに要注意
次に懸念されるのは、悪質業者とのトラブルです。
ファクタリングは法的規制が緩いため、誰でも関連業者を務められます。
そのため悪徳業者が紛れ込むケースもあるのです。
一部の悪徳業者は、法外に高い手数料を求め、企業に損失を負わせるかもしれません。
通常の業者では見られないような、別途の支払いを求めるケースもあります。
悪徳業者に引っかからないために、運営会社の質を見極めましょう。
取引実績や口コミの評価などから、健全なところを見極めてください。
3．3社間契約だと取引先との関係性悪化の可能性
3社間契約の場合、取引先との関係性の悪化に要注意です。
ファクタリングの3社間契約では、企業と業者だけでなく取引先も契約対象に含まれます。
この場合企業は取引先に、ファクタリングの利用を周知し、同意を得なければなりません。
しかし取引先によっては、同意を断ることもあります。
また企業のファクタリングを知り、経営状態がよくないと疑う取引先もいます。
売掛金の先払いを求めたことで、取引先が今後の関与を断るかもしれません。
このようなリスクがあるため、取引先の関係性を守るなら、企業と業者のみによる2社間契約を選びましょう。
2社間契約を選べば、取引先に知られることなく、売掛金の先払いを受けられます。
4．取引先の支払い能力が不十分だと審査に通らない可能性
ファクタリングでも審査に通らない可能性があります。
企業の経営状況にかかわらず、取引先の信用力が低いと、売掛金の買い取りを断られるかもしれません。
その場合企業は、別の資金調達の方法を考えなければなりません。
以上から先払いを受けるには、信頼性の高い売掛金を選びましょう。
たとえば大手企業や公的機関が取引先なら、売掛金を業者に買い取ってもらいやすいでしょう。
このように売掛金の先払いを受けるには、取引先の支払い能力が重要です。
ファクタリングによる先払いのまとめ
ファクタリングを利用すれば、企業は売掛金の先払いを受けられます。
一定の手数料はかかりますが、早期の資金調達が可能です。
実績や評価の高い業者なら、スムーズに取引を進められるでしょう。
ビジネスでは、資金不足がいつ起きるかわからないので、売掛金の先払いは資金調達の選択肢です。
いつでも対応できるように、信用できるファクタリング業者を押さえておきましょう。