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ファクタリングサービスは請求書の現金化!?―なぜ請求書が現金化できるのかその仕組みを解説

ファクタリングは請求書をファクタリング事業者が買取し現金化することで資金調達するサービスです。

最近になりファクタリングは中小企業や個人事業主向けの資金調達手段として一般化してきました。

ファクタリングに興味がある中小企業の経営者や個人事業主の中には、請求書をなぜ買取して現金化できるのかその仕組みを知りたいという方がおられます。

そこで、この記事ではファクタリングで請求書を買取し現金化できる仕組みをわかりやすく解説します。

また、請求書の現金化サービスであるファクタリングを利用することで得られるメリット、請求書の現金化を利用する際の注意点についても解説します。

ファクタリングによる請求書の現金化に興味があるという方はこの記事を参考にしてください。

請求書が現金化はファクタリングと呼ばれるサービス

請求書を買取してもらいそれを現金化するサービスはファクタリングと呼ばれています。

ファクタリングは、売掛債権の1つである売掛金をファクタリング事業者に買取してもらうことで現金化することが可能です。

通常、売掛金の入金は、請求書の発行からある程度の期間待つ必要があります。

ファクタリングを利用すれば請求書発行後に、すぐにそれを買取してもらえるので、売掛金の入金日より前に現金化できます。

請求書が現金化できる理由

ファクタリングで請求書が現金化できるのは次の2つの理由によります。

 ファクタリングで現金化するのは請求書の発行で発生した売掛金
 証書のない売掛金はその存在を証明するエビデンスを複数提出することで証明する

ファクタリングで現金化できるのは、納入企業が紙やPDFで発行した請求書ではなく、請求書の発行で発生した売掛債権の1つである売掛金です。

売掛債権には受取手形と売掛金があります。受取手形は手形という証書があり目に見える形でその存在を確認できますが、売掛金は証書がありません。

しかし、証書のない売掛債権である売掛金の存在を証明するものがあれば、それを買取してもらい現金化することが可能です。

ファクタリングの申し込みに必要な書類を見れば、証書のない売掛金の存在をどのように証明するのかがわかります。

通常、ファクタリングの申し込みに必要な書類は以下の通りです。

 決算書
 売掛先との取引基本契約書
 見積書・発注書・請求書・納品確認書など
 通帳のコピー
 登記簿謄本(法人の場合)/開業届(個人事業主の場合)
 本人確認書類
 印鑑証明書

申し込み企業は、取引基本契約書、発注書、請求書、通帳のコピーといったエビデンスを提供することで、売掛先と売掛金の存在、売掛金の額、入金期日を証拠付けることができます。

ファクタリングは、請求書の内容を裏付ける証拠を提出することで買取による現金化を可能としているわけです。

ファクタリング事業者の中には、提出書類がもっと少ないところがあります。

請求書、通帳のコピーや支払企業の担当者とのメールのやり取り、本人確認書類といった書類だけで申し込み可能なところがあります。

提出書類の少ないファクタリング事業者でも、請求書の発行による売掛金の存在を証明するために、請求書や通帳のコピーといった証拠となる書類の提出は必須です。

請求書だけで現金化は可能?

請求書のみで売掛金の現金化は基本的にできません。ファクタリング事業者が請求書のみで売掛金の現金化を受け付けていないことには次の理由があります。

 請求書だけでは売掛先の信用力を判断するのが難しい
 請求書だけで架空請求や二重譲渡による被害を避けるのが難しい

請求書のみでの現金化ができない理由について詳しく解説します。

請求書だけでは売掛先の信用力を判断するのが難しい

請求書だけで売掛金の現金化ができないのは、請求書だけでは売掛先の信用力、つまり売掛先が売掛金を支払う能力があるかどうかを十分に判断できないからです。

ファクタリング事業者は、審査により売掛先から売掛金がきちんと回収できると判断できれば買取を実行します。一方で売掛金回収不能になる可能性が高いと判断できれば審査に通すことはありません。

ファクタリング事業者は、売掛金回収不能のリスクを軽減するため、請求書だけで申し込みを受け付けることはせず、請求書に他の書類を加えて提出することを求めます。

請求書だけ架空請求や二重譲渡による被害を避けるのが難しい

請求書だけでファクタリングの審査を受け付けるなら、ファクタリング事業者は架空請求や二重譲渡の被害を避けるのが難しくなるというのが2つ目の理由です。

二重譲渡とは、すでにファクタリング事業者に買取してもらった売掛金を、別のファクタリング事業者に買取してもらう行為を指します。

架空請求は、請求書などを偽造して存在しない売掛債権を存在しているかのように装い、それをファクタリング事業者に買取させ現金化を狙う詐欺行為です。

ファクタリング事業者が二重譲渡や架空請求の被害に遭えば、売掛金が回収できず会社として損害を被ります。

こうした被害を避けるため、ファクタリング事業者は請求書だけで現金化を引き受けることはしません。

ファクタリング事業者は、請求書に加えて、請求書の存在を裏付ける他の書類を提出してもらうことで、売掛先の信用力、二重譲渡や架空請求がないことなどを確認し審査結果を判断します。

ファクタリングで請求書を現金化するメリット

ファクタリングによる請求書の現金化には次のメリットがあります。

 回収サイトの短縮
 担保・保証人が不要
 審査が厳しくない
 負債にならない
 売掛金回収不能のリスクをヘッジできる

それぞれの点にについて、内容を詳しく説明します。

回収サイトの短縮

ファクタリングで請求書を現金化すれば、回収サイト(売掛金が計上されてから実際に入金されるまでの期間)の短縮が可能という点がメリットです。

たとえば、売掛金の回収サイトが90日という場合、通常の取引では90日後に納入した商品やサービスの代金を受け取ります。

請求書を買取してもらうなら、90日という回収サイトの短縮が可能です。

中小企業や個人事業主は、売掛金の回収を待っている間に、急な支払いが必要となりその支払いに充てる資金が足りないということがあります。

さらに、回収サイトが長いと、その間に原材料費や人件費などの費用が用意できず、新しい案件を受注するチャンスを逃すということもあるでしょう。

請求書の現金化を利用すれば、売掛金の入金期日より前に現金化ができるので、急な支払いに対応するための資金や、次の案件受注に必要な資金を用意することが可能です。

担保・保証人が不要

ファクタリングの申し込みには担保や保証人がいりません。この点も、ファクタリングで請求書の現金化によるメリットです。

ファクタリングは金銭消費貸借契約ではなく売掛債権の売買なので、契約の際に担保や保証人を差し出す必要はありません。

貸金業者として未登録のファクタリング事業者が契約の際に担保や保証人を求めれば、それは融資とみなされ貸金業法に違反するので、通常そうした行為はおこなわれません。

開業したばかり、担保となる不動産を所有してないなどの理由で、担保や保証人を用意できず融資による資金調達が難しいなら、ファクタリングによる請求書の買取で資金調達することをおすすめします。

審査が厳しくない

ファクタリングの審査は、銀行や公的機関からの融資を受けるための審査と比較するとそれほど厳しくないという点がメリットです。

銀行融資や公的機関からの融資を受けるための審査では、申し込み企業の返済能力が審査の大きなポイントになります。

したがって、赤字経営が続いている、債務超過の状態、開業から1年未満といった企業は、返済能力が乏しいと判断されるので審査に通過するのは難しいです。

一方、ファクタリングの審査でポイントとなるのは、申し込み企業の支払い能力よりも、売掛先の支払い能力です。

審査の際に、ファクタリング事業者が売掛先に売掛金をきちんと支払う能力があると判断できれば、申し込み企業が赤字経営、債務超過、開業から1年未満という状況でも、審査通過することがあります。

負債にならない

いくつも種類がある資金調達手段の中でも、ファクタリングは負債にならない資金調達手段であるという点がメリットです。

ファクタリングは、資金調達の分類ではアセットファイナンスに該当します。自社の資産(アセット)を現金化するものなので、融資や借入のように第三者の資本に依存する必要がなく、返済義務や金利負担もありません。

銀行からの融資は、会社の信用力によって資金調達する方法で、コーポレートファイナンスに該当します。
コーポレートファイナンスは、先ほど説明したように、会社の財務状況が悪いときなど会社の信用力が低ければ利用が難しいです。

したがって、アセットファイナンスの一部であるファクタリングは、会社の財務状況が悪化しているときには、利用しやすい資金調達手段といえます。

請求書を現金化して得たキャッシュで負債を返済すれば、賃借対照表のスリム化が可能です。

賃借対照表がスリム化できれば、総資産利益率(ROA)や自己資本比率が増加します。財務状況が良いものであれば、対外的に効果的な経営ができているとみなされます。

効果的な経営がおこなわれていると判断されるなら、銀行に融資を申し込んだ際に審査に通りやすい、金利面で優遇されやすい、投資家からの支援を受けやすいといった資金調達環境の向上を期待できます。

売掛金回収不能のリスクをヘッジできる

ファクタリングは売掛金回収不能のリスクをヘッジつまり回避できる点がメリットです。

ファクタリングでは、売掛先が倒産したなどの理由で売掛金回収不能になっても、利用企業に弁済責任が及ぶことはありません。

なぜなら、ファクタリングの契約は原則として償還請求権なしのノンリコース契約だからです。

償還請求権とは、債務者が金銭債権の支払いをしない場合、金銭債権をさかのぼり直接請求できる権利です。

償還請求権なしの契約ですから、ファクタリング事業者が売掛先の倒産や使い込みなどで売掛金回収不能になっても、申し込み企業はファクタリング事業者から受け取り済みの買取代金を返金を求められることはありません。

売掛債権を利用した資金調達手段として手形割引による融資がありますが、手形割引は償還請求権ありの契約です。

したがって、手形の振出人である売掛先が倒産し手形が不渡りとなった場合、手形を買取してもらった企業が銀行や専門業者に対して手形を買い戻すという形で弁済責任を負わなければなりません。

請求書を現金化するファクタリングは、売掛先の倒産などによる売掛金未回収のリスクにヘッジする資金調達手段なので、他の資金調達手段よりも安心して利用できる点がメリットです。

請求書を現金化する際の注意点

ファクタリングで請求書を現金化する際には手数料がかかる、請求書の金額内でしか資金調達できないという点に注意してください。

請求書を買取するファクタリングで現金化できる金額は買取額から手数料を引いた額です。

ファクタリングを利用するよりも、普通に請求書の発行から入金まで待って売掛金を受け取る方が、受け取れる資金の額は大きくなります。

したがって、短期間に何度もファクタリングを使い続けるとかなり損をすることになるので、ファクタリングは財務状況をよく観察し計画的にご利用ください。

請求書を現金化するファクタリングについてのまとめ

ファクタリングとは請求書を買取してもらい現金化する資金調達手段ということを説明しました。

ファクタリングを申し込む場合、請求書だけでは、売掛金の存在をきちんと証明することは難しいのです。

したがって、請求書に加えて、基本取引契約書、通帳のコピーといった他のエビデンスを提出することで請求書の存在をきちんと証明しなければなりません。

請求書の現金化は、売掛金の入金期日より前に資金調達できる、担保や保証人が不要、審査が厳しくないといったメリットがありました。

しかし、利用には手数料が発生するので、請求書の額面全額を現金化することはできません。

資金繰りの悩みがあるという中小企業の経営者や個人事業主は、この機会にファクタリングによる請求書の現金化を前向きに検討してください。